JPH0541771U

JPH0541771U - 車両用軽量成形天井材

Info

Publication number: JPH0541771U
Application number: JP9720491U
Authority: JP
Inventors: 正夫川岸; 輝雄松下
Original assignee: Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Current assignee: Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Priority date: 1991-10-31
Filing date: 1991-10-31
Publication date: 1993-06-08

Abstract

(57)【要約】【目的】車両用成形天井材の単位面積あたりの重量を
軽減し、垂直な力に対する優れた強度及び防音材端部で
の形状保持性に優れ、吸音性にも優れることを目的とす
る。【構成】ポリエステル系繊維５０重量％、ポリプロピ
レン系繊維５０重量％からなる開繊ウエブ４０重量部と
ガラス繊維６０重量部とからなる原反をニードルパンチ
にてニードルフェルト１となし、かかるニードルフェル
トを紙製ハニカム板２の両面に設けて、２００℃で１分
間、５ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧成形せしめてなる
車両用軽量成形天井材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用の軽量成形天井材に関し、詳細には天井材の単位面積あたりの重量を軽減し、垂直な力に対する優れた強度及び形状保持性に優れ、更に加圧成形により激しい凹凸にも追従し得る、剛性に優れた車両用軽量成形天井材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、例えば、車両用の繊維製天井材としては、動植物性繊維及び合成樹脂性繊維からなるフェルトを単独でもしくは接着剤を介して不織布表皮材とともに加熱加圧成形してなる成形天井材が製造されている。

【０００３】しかしながら、かかる成形天井材では、深絞り成形性こそ優れるが、天井材自体の単位面積当りの重量が増加し、更に吸音性、強度、剛性共に満足な性能は得られないという欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、天井材自体の重量を軽量化しつつ、繊維製天井材の端部を含む全体の優れた強度、剛性を顕現すべく、優れた吸音性、深絞り成形性を実現する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決せんとして、本考案者らは鋭意研究の結果、特定のニードルフェルトをコア層の両面に設け一体化したものであり、しかして本考案の要旨は、以下に存する。

【０００６】熱可塑性繊維の開繊ウエブとガラス繊維をニードリングしたニードルフェルトでコア層を挾置、一体化し加圧成形せしめてなることを特徴とする車両用軽量成形天井材。

【０００７】コア層２を挾置するニードルフェルト１は、ガラスマット４の片面に熱可塑性繊維の開繊ウエブ３を重ねてニードリングしてなるものであることを特徴とする車両用軽量成形天井材。

【０００８】コア層２を挾置するニードルフェルト１は、ガラスマット４の両面に熱可塑性繊維の開繊ウエブ３を重ねてニードリングしてなるものであることを特徴とする車両用軽量成形天井材。

【０００９】ニードルフェルト１は、熱可塑性繊維の開繊ウエブとガラス繊維をニードルパンチによって製造したものであり、パンチ回数や針密度を特に限定するものではない。

【００１０】本考案で使用する熱可塑性繊維の開繊ウエブ１とは、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリウレタン系、ポリアクリロニトリル系等の繊維材料の単独もしくは２種類以上の繊維を使用し得る。

【００１１】ガラス繊維材料は、ニードル加工性及びニードルマットとなした後の成形性に問題がなければ、特に繊維長、繊維径を限定するものではない。

【００１２】コア層２は、ハニカム板、ロールコア、フェザーコア等の使用が好ましく、例えばハニカム板１の場合、クラフト紙、Ｋライナー紙、ボール紙等の紙質材やプラスチックをハニカム構造にしたものが成形性の点で好ましい。

【００１３】ニードルフェルト１とコア層２を強固に一体化する手段として、接着剤を使用することは推奨できる。接着剤は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレン −酢酸ビニル、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂系の熱可塑性樹脂フィルム、ポリアミド不織布等の接着性不織布が好ましく使用でき、接着剤を設ける方法としては、熱可塑性樹脂フィルムをニードルフェルト上に載置し、もしくは接着性不織布をニードルフェルトに高周波ウェルダーでラミネートする方法が好ましい。

【００１４】ニードルフェルト１の片面若しくは両面にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ＥＶＡ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、パラフィン樹脂等をフローコート、スプレー、刷毛等によりコーティングすることは剛性及び形状保持性の向上の点で一層好ましいことである。このようにニードルフェルトにコーティングされた樹脂は、コア層２や表皮層との加圧一体化に際して、相互の接着を強力にするものでもある。

【００１５】表皮層を使用する場合、フェルトの使用時に比べて重量の軽減ができることを必須とし、形状保持性、表面補強の機能を併せて有するものが良く、ガラスペーパー、ガラスマット、紙、薄葉状不織布等が例示できる。

【００１６】かかる各構成材料を一体成形の方法としては、例えば、ニードルフェルトの一方の面にハニカム板を載置し、更にニードルフェルトおよび表皮層を載置した場合、１４０〜２５０℃で１５秒〜２分間、１〜２００ｋｇ／ｃｍ² の条件が好ましい。

【００１７】

【実施例】

以下に実施例を挙げ本考案のより詳細な理解に供する。当然のことながら本考案は以下の実施例のみに限定されるものではない。

【００１８】

【実施例１】ポリエステル系繊維５０重量％、ポリプロピレン系繊維５０重量％からなる開繊ウエブ４０重量部とガラス繊維６０重量部とからなる原反をニードルパンチにてニードルフェルトとなした。かかるニードルフェルトを紙製ハニカム板の両面に設け、一方のニードルフェルト面にはポリアミド樹脂系のホットメルト接着剤を介してガラスペーパー製の表皮層を載置し、２００℃で１分間、５０ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧成形せしめて成形天井材１を得た。

【００１９】

【実施例２】ガラスマットの片面にポリエステル系繊維の開繊ウエブを載置し、ニードルパンチにてニードルフェルトとなした。かかるニードルフェルトを紙製ハニカム板の両面に設け、一方のニードルフェルト面にはポリアミド樹脂系のホットメルト接着剤を介してガラスペーパー製の表皮層を載置し、２００℃で１分間、５０ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧成形せしめて成形天井材２を得た。

【００２０】

【実施例３】ガラスマットの両面にポリエステル系繊維の開繊ウエブを設け、ニードルパンチにてニードルフェルトとなした。かかるニードルフェルトを紙製ハニカム板の両面に設け、一方のニードルフェルト面にはポリアミド樹脂系のホットメルト接着剤を介してガラスペーパー製の表皮層を載置し、２００℃で１分間、５０ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧成形せしめて成形天井材３を得た。

【００２１】

【比較例】

８５０ｇ／ｃｍ² のフェルトの片面にポリアミド樹脂系接着剤を介して薄葉状不織布表皮材を設け一体化し、２１０℃で１分間、５０ｋｇ／ｃｍ² の条件で加熱加圧成形し、一体化せしめて成形天井材４を得た。

【００２２】

【試験方法】

成形天井材１〜成形天井材４の１ｍ² 当たりの重量を測定し、吸音率を残響室法により測定した。

【００２３】

【結果】

成形天井材１の重量は、８５０ｇ／ｍ² で、吸音率は、０.６（５００Ｈｚ）であった。成形天井材２の重量は、８５０ｇ／ｍ² で、吸音率は、０.６（５００Ｈｚ）であった。成形天井材３の重量は、８９０ｇ／ｍ² で、吸音率は、０.６（５００Ｈｚ）であった。成形天井材４の重量は、１０４０ｇ／ｍ² で、吸音率は、０.５（５００Ｈｚ）であった。

【００２４】

【考案の効果】

本考案になる成形天井材は、満足な防音効果を維持しつつ、軽量化をなし得るものであった。

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になる防音材の断面図である。

【図２】ニードルフェルトの断面図である。

【図３】ニードルフェルトの断面図である。

【符号の説明】

１ニードルフェルト２コア層３熱可塑性繊維の開繊ウエブ４ガラスマット

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】熱可塑性繊維の開繊ウエブとガラス繊維
をニードリングしたニードルフェルト１でコア層２を挾
置、一体化し加圧成形せしめてなることを特徴とする車
両用軽量成形天井材。
【請求項２】コア層２を挾置するニードルフェルト１
は、ガラスマット４の片面に熱可塑性繊維の開繊ウエブ
３を重ねてニードリングしてなるものであることを特徴
とする請求項１に記載の車両用軽量成形天井材。
【請求項３】コア層２を挾置するニードルフェルト１
は、ガラスマット４の両面に熱可塑性繊維の開繊ウエブ
３を重ねてニードリングしてなるものであることを特徴
とする請求項１に記載の車両用軽量成形天井材。