JPH054153U - 写真焼付機のネガマスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ネガフィルムの一部分をトリミング焼きする
焼付け作業の能率向上を図る。 【構成】 マスク台１に形成した露光窓４内に透明板５
を取付ける。マスク台１上に設けた押えアーム８を揺動
自在に支持する。押えアーム８の下側に設けたマスク板
１５を押えアーム８に回動自在に取付ける。マスク板１
５には露光窓４の中心を通る円周上に大きさが異なる複
数の透光部１９を所要の間隔をおいて形成する。トリミ
ング焼きするネガフィルムＦを透明板５上に載置し、マ
スク板１５の回転によりトリミング焼きに適した透光部
１９を露光窓４上に配置する。ネガフィルムの位置調整
によりトリミング部分を透光部１９に位置合わせしたの
ち、押えアーム８を下方向に揺動し、マスク板１５でネ
ガフィルムＦを押えて焼付けを行なう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ネガフィルムの１コマ分の画像の中から一部分をトリミング焼き する場合に用いる写真焼付機のネガマスク装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

光源とレンズとの間にネガフィルムをセットし、そのネガフィルムに光を照射 し、レンズにより投影された像を引伸用印画紙に焼付けるようにした写真焼付機 においては、普通、露光軸上に設けられたマスク台上にネガフィルムを載置し、 そのネガフィルムをマスク台上に押し付けて露光作業を行なうようにしている。

【０００３】 焼付作業には、ネガフィルムの１コマ全体を焼付露光する場合と、１コマ分の 中の一部分を焼付露光する、所謂トリミング焼きする場合とがある。

【０００４】 トリミング焼きする場合、従来は、露光用開口の大きさが異なる複数のマスク 台の中からトリミング焼きに最適な開口を有するマスク台を選択し、そのマスク 台を焼付機にセットして焼付作業を行なうようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来は、上記のように、マスク台を交換してトリミング焼きしているため、焼 付けに非常に手間がかかり、また、加工精度の高いネガマスク台を多種類取り揃 える必要があるため、経済性にも問題がある。

【０００６】 さらに、トリミング焼きを行なう場合、ネガマスク台の開口上にネガフィルム の焼付部を載置する必要があるため、その焼付部がネガフィルムの端にある場合 、上記開口の全部をネガフィルムによって塞ぐことができず、トリミング焼きで きない場合がある。

【０００７】 この考案は、上記従来の不都合を解消し、トリミング焼きする場合の焼付作業 の能率向上と経済性の向上とを図り、ネガフィルムのいずれの部分でも確実にト リミング焼きできるようにすることを技術的課題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案においては、露光窓を有するマスク台 の表面に対して押えアームを移動自在に設け、その押えアームの裏面に設けたマ スク板を押えアームに回転自在に取付けると共に、その回転中心を露光窓の中心 に対してオフセットし、マスク板には、露光窓の中心を通る１つの円周上に大き さが異なる複数の透光部を所要の間隔をおいて設け、各透過部が露光窓の中心と 一致する位置においてマスク板を回り止めする位置決め手段を設けた構成を採用 したのである。

【０００９】 そして、ネガフィルムのいずれの部分も確実にトリミング焼きし得るようにす るため、上記の構成から成るネガマスク装置の露光窓にネガフィルムを支持する 透明板を設けた構成を採用したのである。

【００１０】

【作用】

ネガフィルムのトリミング焼きに際しては、トリミング範囲と大きさの等しい 透光部を選び、その透光部をマスク板の回転により露光窓に一致させ、押えアー ムをマスク台の上面に向けて移動してマスク台の上面にマスク板を重ね、予めマ スク台の上面に置かれたネガフィルムの位置調整によりトリミング部分を透光部 に一致させる。ネガフィルムの位置調整後、マスク板でネガフィルムを押えて焼 付けを行なう。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１および図２に示すように、焼付機の露光軸上に着脱自在に取付けられるマ スク台１の上面には、一側面から他側面に至るフィルム嵌合溝２と、前面からフ ィルム嵌合溝２に連通する凹部３とが設けられている。

【００１２】 フィルム嵌合溝２の底面と凹部３の底面は同一高さとされ、そのフィルム嵌合 溝２の底面に露光窓４が設けられている。

【００１３】 露光窓４にはガラス板等の透明板５が嵌合され、その透明板５の下面を受ける 支持片６がマスク台１の下面に固定されている。透明板５の上面はフィルム嵌合 溝２の底面と同一高さに保持され、その下面には中央部を除く周囲に印刷等によ る手段を介して遮光膜７が設けられている。

【００１４】 マスク台１上には押えアーム８が設けられている。押えアーム８はマスク台１ の上面後部に設けた一対の支持片９にピン１０を介して一端部が揺動自在に支持 されている。

【００１５】 押えアーム８には、前記露光窓４に対向して角孔１１が設けられている。また 、押えアーム８の揺動中心側の端部外周には第１吸着片１２と第２吸着片１３と が形成されている。第１吸着片１２は押えアーム８の他端を上方に引き上げたと き、マスク台１の上面後部に設けたマグネット１４で吸着され、その吸着によっ て押えアーム８は上方に揺動させた状態に保持される。

【００１６】 一方、第２吸着片１３は、押えアーム８を下方向に揺動させたとき、マスク台 １を支持する露光台上のマグネット（図示省略）で吸着され、その吸着によって 押えアーム８は下向きに揺動された状態に保持される。

【００１７】 押えアーム８の他端部下側にはマスク板１５が設けられている。このマスク板 １５は円形とされ、その上面中心部に設けたピン１６が押えアーム８に形成した ピン孔１７に挿入されて抜け止めされている。ピン１６の外側にはスプリング１ ８が設けられ、そのスプリング１８はマスク板１５を下向きに押圧している。

【００１８】 マスク板１５のピン１６は、前記露光窓４の中心に対してオフセットされてい る。また、マスク板１５には、露光窓４の中心を通る１つの円周上に大きさが異 なる複数の透光部１９が所要の間隔をおいて形成されている。各透光部１９は、 回り止め機構２０の作用によって露光窓４と一致する状態に位置決めされる。

【００１９】 回り止め機構２０は、前記凹部３の両側面に突出部２１を形成し、一方マスク 板１５の外周には切欠部２２を設け、その切欠部２２と突出部２１の係合によっ てマスク板１５を位置決めしている。

【００２０】 トリミング焼きされるネガフィルムＦは、透明板５上に置かれ、押えアーム８ の下向きの揺動により、マスク板１５によって弾力的に透明板５上に押し付けら れる。その押えを安定させるため、押えアーム８の角孔１１の両側部に一対の押 しピン２３をスライド自在に設け、その押しピン２３をスプリング２４で押し下 げて押しピン２３の下端をマスク板１５の上面に当接させている。

【００２１】 実施例で示すネガマスク装置は上記の構造から成り、いま、例えば、図３に示 すネガフィルムＦの斜線部ａをトリミング焼きする場合は、そのネガフィルムＦ を透明板５の上面に載置する。

【００２２】 次に、マスク板１５を回転し、上記斜線部ａと同じ大きさの透光部１９を露光 窓４に対向し、その透光部１９と上記斜線部ａが一致するようネガフィルムＦを 位置調整する。

【００２３】 その位置調整後、焼付機の設定部にレンズ倍率入力値を入力し、押えアーム８ を下向きに揺動させてマスク板１５でネガフィルムＦを弾力的に押え、その押し 付け状態で焼付作業を行なう。

【００２４】 なお、実施例では、マスク板１５の透光部１９の周囲にレンズ倍率を記載し、 焼付機の設定部に対するレンズ倍率の入力が容易に行なえるようにしてある。

【００２５】

【考案の効果】

以上のように、この考案に係るネガマスク装置によれば、マスク板を回転させ て透光部の１つを露光窓に一致させることによりトリミング範囲を変えることが できるため、マスク台を交換する場合に比較してトリミング範囲の変更を能率よ く行なうことができる。

【００２６】 また、マスク板に大きさの異なる透光部を複数設けたので、範囲の異なる各種 のトリミング焼きに対応することができ、マスク台を数種類取り揃える場合に比 較して経済的である。

【００２７】 さらに、マスク台の露光窓に取付けた透明板でネガフィルムを支持するように したから、ネガフィルムのどの部分でもトリミング焼きすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るネガマスク装置の一実施例を示
す一部切欠平面図

【図２】図１のII−II線に沿った断面図

【図３】ネガフィルムの平面図

【図４】同上ネガフィルムの焼付け状態を示す平面図

【符号の説明】

１ マスク台 ４ 露光窓 ５ 透明板 ８ 押えアーム １５ マスク板 １９ 透光部 ２０ 回り止め機構

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 露光窓を有するマスク台の表面に対して
   押えアームを移動自在に設け、その押えアームの裏面に
   設けたマスク板を押えアームに回転自在に取付けると共
   に、その回転中心を露光窓の中心に対してオフセット
   し、マスク板には、露光窓の中心を通る１つの円周上に
   大きさが異なる複数の透光部を所要の間隔をおいて設
   け、各透過部が露光窓の中心と一致する位置においてマ
   スク板を回り止めする位置決め手段を設けた写真焼付機
   のネガマスク装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の写真焼付機のネガマスク
   装置において、露光窓にネガフィルムを支持する透明板
   を設けた写真焼付機のネガマスク装置。