JPH054136B2 - - Google Patents

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JPH054136B2
JPH054136B2 JP58131844A JP13184483A JPH054136B2 JP H054136 B2 JPH054136 B2 JP H054136B2 JP 58131844 A JP58131844 A JP 58131844A JP 13184483 A JP13184483 A JP 13184483A JP H054136 B2 JPH054136 B2 JP H054136B2
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JP
Japan
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zeolite
dealkylation
weight
catalyst composition
raw material
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JP58131844A
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Tamio Onodera
Atsuji Sakai
Yasuo Yamazaki
Koji Sumitani
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
a 発明の技術分野 本発明は、触媒組成物およびその触媒組成物を
使用してアルキルベンゼン類を脱アルキル化する
方法に関する。 更に詳しくは、或る特定のX線格子面間隔の特
徴づけられる結晶性アルミノシリケートゼオライ
トを含有する触媒組成物およびベンゼン核の核炭
素に炭素数2以上のアルキル基を少くとも一個有
するアルキルベンゼン及び/又はメチル基を3回
以上有するポリメチルベンゼンから、これらのア
ルキル基を選択的に脱アルキル化する方法に関す
る。 b 従来技術 現在、工業的に利用されている芳香族炭化水素
のうち、ベンゼン、トルエン及びキシレン(以
下、この3つの芳香族炭化水素はまとめて
“BTX”と略称することがある)は、その生産量
及び需要からみて、工業的に最も有用なものであ
る。 従来、かかるBTXは、接触改質油、熱分解ガ
ソリンなどの原料油から芳香族炭化水素成分を溶
媒抽出等により分離した後、その抽出液から蒸留
分離することにより得られる。一方、BTXを分
離した後に釜残に残る主として炭素数9以上の芳
香族炭化水素を含む高沸点残渣はそのままでは利
用価値が低く、従来その大部分は燃料として使用
されているに過ぎない。 他方、キシレンの3種の異性体及び場合により
エチルベンゼンを含む炭素原子数8個の留分(以
下、C8留分と呼ぶことがある)から、工業的に
最も価値の大きなp−キシレンをできるだけ多量
に回収するため、従来からC8留分を異性化触媒
の存在下に処理することが行なわれており、工業
的にはC8留分を異性化反応に付する工程、得ら
れる異性化反応混合物からキシレン異性体を分離
する工程及び分離後の残余成分を異性化反応工程
に適宜組合わせて実施されている。この際の異性
化反応工程では、主反応であるキシレン類の異性
化の他に、キシレン類の不均化、エチルベンゼン
類の不均化、キシレン類とエチルベンゼンのトラ
ンス−アルキル化がおこり、この副反応の結果、
エチルトルエン類、トリメチルベンゼン類、エチ
ルキシレン類、ジエチルベンゼン類等の炭素原子
数9個以上(C9 +)のアルキル置換芳香族炭化水
素混合物(以下、“ヘビーエンド”と呼ぶことが
ある)を発生する。 ここで、上記のC9 +アルキル置換芳香族炭化水
素混合物を、例えば水素化−脱アルキル化処理す
ることによつて、より工業的価値の高いBTXに
効果的に変換することができれば、パラ−キシレ
ン製造プロセスにおいてはキシレン収率の向上、
循環流量の減少による燃量使用量の低下、副製品
の価値向上などの点から、工業的に多大な利益を
発生することは自明のことであり、従来からこの
変換法について種々検討されている。 従来、この水素化−脱アルキル化処理のための
触媒組成物及び/又は処理条件についていろいろ
と提案されている。例えば下記のものが挙げられ
る。 (i) C7−C8アルキル芳香族炭化水素を590℃以上
の温度、H2/HCモル比4以上でクロミア・ア
ルミナ触媒上で脱アルキル化反応を行わせる方
法(英国特許第959609号明細書参照)。 (ii) アルキル芳香族炭化水素を含む留分を水素と
共に少量のい黄の存在下で、540〜820℃の温
度、20〜68気圧の圧力の条件下でクロミア・ア
ルミナ触媒を用いて水素化脱アルキル化反応を
行う方法(ベルギー特許第618928号明細書参
照)。 (iii) 沸点220〓以上の芳香族に富む原料を水素の
存在下、水素化脱水素成分と組合せたZSM−
5触媒と500−1000〓、約100−600psig、
WHSV0.5〜15、H2/HCモル比1−6の範囲
の条件下で接触させて芳香族炭化水素を製造す
る方法(米国特許第3948958号明細書参照)。 (iv) C8より大きい分子量の芳香族炭化水素を水
素の存在下で550−1000〓、約100〜2000psig、
H2/HCモル比0.5−1.0、WHSV0.5〜200の範
囲の条件下でZSM−5触媒と接触させて通常
の不均化あるいはアルキル交換反応による重質
芳香族炭化水素が実質的に生成しないC6−C8
芳香族炭化水素を製造する方法(米国特許第
3945913号明細書参照)。 これら従来技術に記載されている触媒組成物を
使用する水素化−脱アルキル化法の欠点は、一般
に、比較的高い温度(450〜650℃)及び圧力(1
〜30Kg/cm2G)で行われていることであり、更に
ベンゼン環の縮合反応、ベンゼン環の水添反応等
の副反応が多く、触媒組成物自体の安定性が悪い
ことである。 そこで本発明者らは、前述した如き従来法にお
ける水素化脱アルキル化方法の欠点を改良し、或
る特定の脱アルキル化反応を行うことができ、副
反応の少ない方法について研究を進めたところ、
特定の結晶性アルミノシリケートゼオライト、選
択された金属および耐火性無機酸化物を或る一定
割合で含有する触媒組成物は、アルキルベンゼン
類の脱アルキル化を意図的に行うことができる優
れた触媒であることを見出し本発明に到達した。 本発明によれば、 A SiO2/Al2O3(モル比)が10〜100の範囲であ
り且つX線格子面間隔が表−Aに示した特徴を
有する結晶性アルミノシリケートゼオライト B 白金、パラジウム、ロジウムおよびイリジウ
ムよりなる群から選ばれた少くとも一種の金属 および C 耐火性無機酸化物 より主としてなる触媒組成物であつて、該触媒組
成物は組成物を基準として前記Bの金属を0.001
〜5重量%含有しており且つ前記Aの結晶性アル
ミノシリケートゼオライトを10〜90重量%含有し
ている触媒組成物が、提供され、さらに上記触媒
組成物に気相で水素の存在下アルキルベンゼン類
を含有する炭化水素原料を接触せしめることによ
る脱アルキル化方法が提供される。 かゝる本発明の結晶性アルミノシリケートゼオ
ライト(以下単に“ゼオライト”と略称すること
がある)は、ZSM−5と同様に高いSiO2/Al2O3
(モル比)の組成を有するが、X線回折における
格子面間隔においてZSM−5とは明確に区別さ
れる。 以下本発明の触媒組成物を形成しているゼオラ
イトについてさらに詳しく説明する。本発明のゼ
オライトはゼオライトZSM−5と同様に高い
SiO2/Al2O3(モル比)を有しており、その割合
は10〜100の範囲、好ましくは15〜70の範囲、よ
り好ましくは20〜50の範囲にある。 また本発明のゼオライトは下記表−Aに示され
たX線格子面間隔の特徴を有しているが、本発明
者らの解析によれば本発明のゼオライトのX線回
折チヤートをZSM−5のそれと詳細に比較検討
すると、若干の相違が認められることがわかつ
た。その1つの大きな相違点はZSM−5の最強
ピークを与えるX線格子面間隔d(Å)は、米国
特許第3702886号明細書によれば、d(Å)=3.85
(2θ=23.14)に認められるが、本発明のゼオライ
トはその最強ピークが分枝し、d(Å)=3.86およ
び3.83(2θ=23.05)に分れて認められることであ
る。 また、他の1つの大きな相違点はZSM−5に
おいて認められるd(Å)=3.00(2θ=29.76)の1
つのピークが、本発明のゼオライトでは同じd
(Å)=3.00(2θ=29.75)において分枝した凹型の
ピークとして観察されることである。この後者の
凹型ピークは本発明の全てのゼオライトに認めら
れるわけではないが、ほとんどの場合認められ
る。次に本発明のゼオライトのX線格子面間隔d
(Å)とその相対強度を示す。この相対強度
(I/I0)は、d(Å)=3.86(2θ=23.05)の強度
(I0)を100とした場合の各ピークの相対的強度
〔I/I0(%)〕を100〜60がVS(非常に強い)、60
〜40がS(強い)、40〜20がM(中位)、20〜10がW
(弱い)で表わしたものである。
【表】
〔但し、式は無水の状態における酸化物の形で表わしたものであり、Mはn価の一種または二種以上の陽イオン、xは0.5〜4、yは10〜200の値を示す〕
ここでMは、方法Aで製造された直後のゼオ
ライトではアルカリ金属殊にナトリウムを表わ
すが、これは通常知られたイオン交換法に従つ
て、水素イオン、アンモニウムイオン、他の金
属イオンなどの陽イオンに交換することができ
る。もちろんナトリウムイオン以外の他の陽イ
オンに交換したものであつても本質的に本発明
の前記ゼオライトの要件を具備しているもので
ある。 また上記式()においてxはゼオライトに
結合しているカチオンの量の指標であり、本発
明のゼオライトの場合には0.5〜4、好ましく
は0.9〜3の範囲内であることができる。 この方法Aによつて得られたゼオライトは、
前述した特徴を有している他に、公知のゼオラ
イトZSM−5及びその他の類似ゼオライトと
比較して下記の特徴を有している。その特徴の
1つは、(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸
着比が異常に大きいことである。この方法Aに
よるゼオライトは、前記吸着比が少なくとも
0.7、好ましくは少なくとも0.8、一層好ましく
は0.9以上の値を有している。(シクロヘキサ
ン/n−ヘキサン)吸着比は、後述する定義に
従つて測定される値であるが、ZSM−5はそ
の値がいずれも0.7よりも低い値であつて、0.7
以上のものは本発明者らが知る限り存在しな
い。 この吸着比はn−ヘキサンに対するシクロヘ
キサンの吸着割合を示す値であつて、この値が
高い程ゼオライト中の細孔の径(大きさ)が大
きいことを示す指標となる。この方法Aによる
ゼオライトの吸着比の上限は一般に1.3程度、
典型的には1.2程度であり、このゼオライトは
適度の細孔径をもつている。 次にこの方法Aによつて得られたゼオライト
の特徴を表わす指標である「(シクロヘキサ
ン/n−ヘキサン)吸着比」及び「シクロヘキ
サン分解指数比」の定義及び測定法について詳
細に説明する。 (1) (シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比
(以下C.N.A.値と略記することがある): この(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸
着比は、ゼオライトの単位重量当りに吸着さ
れるn−ヘキサンの重量に対するシクロヘキ
サンの重量比を表わし、ゼオライトの細孔径
を規定するパラメーターであり、この値が大
きくなるということは、シクロヘキサンのよ
うな分子断面積の大きい分子が細孔内に拡散
しやすくなることを表す。 ゼオライト単位重量当りの吸着量は次のよ
うに測定される。即ち、電気炉中で450℃に
て8時間焼成したペレツト状のゼオライトを
吸着装置のスプリング・バランスを用いて精
料する。次いで吸着管内を真空にした後、60
±2mmHgに達する迄シクロヘキサン又はn
−ヘキサンをガス状にて導入し、20±1℃に
て2時間保持する。ゼオライトに吸着したシ
クロヘキサン又はn−ヘキサンの吸着量は吸
着前後のスプリング・バランスの長さの差か
ら測定することができる。 (2) シクロヘキサン分解指数比(以下C.D.R.値
と略称することがある): シクロヘキサン分解指数比は、同一のシリ
カ/アルミナ(モル比)を有する活性化され
た状態のH型ZSM−5に対して本発明で得
られたH型ゼオライトのシクロヘキサン分解
指数の割合として定義される。 シクロヘキサン分解指数は、50重量パーセ
ントのγ−アルミナを含む10〜20メツシユの
ペレツト状に成型したゼオライトを電気炉中
で450℃にて8時間焼成した後、その一定重
量を固定床反応器に充填し、350℃、一気圧
の条件下で(重量単位時間空間速度WHSV
=2HR-1(全重量基準)のシクロヘキサン及
び水素/シクロヘキサン=2/1(モル比)
の水素を供給することによつて測定される。
この時のシクロヘキサンの転化量(フイード
100重量当り)をシクロヘキサン分解指数と
いう。尚WHSVは次式 単位時間当りの炭化水素原料の供給重量/触媒の重量 により計算される値である。 方法B この方法Bもまた本発明者らが先に見出し既
に提案した方法であり、その出願は昭和58年7
月5日に「結晶性アルミノシリケートゼオライ
トの製造方法および新規結晶性アルミノシリケ
ートゼオライト」という発明の名称で出願され
た。その内容はその出願明細書に具体的且つ詳
細に説明されているが以下にその要旨を説明す
る。 この方法Bは、シリカ源、アルミナ源並びに
ゼオライトZSM−5及び下記に示す特性をも
つゼオライトから選ばれるゼオライトを該ゼオ
ライト1g当り1〜200ミリモルのアルカリ金
属水酸化物を含む水溶液中にて、結晶性アルミ
ノシリケートゼオライトが生成するような温
度、圧力及び時間条件下に維持することを特徴
とする、下記特性をもつ; (a) シリカ/アルミナのモル比が10〜100の範
囲にあり、 (b) X線格子面間隔dが明細書の表−Aに示し
たとおりであり、且つ (c) n−ヘキサンの比吸着量が少なくとも0.07
g/gである、 結晶性アルミノシリケートゼオライトの製造方
法である。 この方法Bは、従来のZSM−5の製造にお
けるように有機アミン類を実質的に使用するこ
となく、換言すればかかる有機アミンに由来す
る有機カチオンが実質的に存在しない条件下
に、ZSM−5又は方法Bによつて予め製造さ
れたゼオライトの存在下に、ゼオライトの製造
を行なうことに本質的特徴を有する。 この方法Bは、原料として通常ゼオライトの
合成に使用されるシリカ源、アルミナ源及びア
ルカリ金属水酸化物の水溶液とゼオライト
ZSM−5及び方法Bで製造されるゼオライト
から選ばれる出発ゼオライトを使用するのみ
で、原料として使用した出発ゼオライトに対し
て数倍、好適条件下では拾数倍に相当する極め
て高い収率でゼオライトを合成することができ
る。 この方法Bにおいて、シリカ源としては、ゼ
オライト製造に通常に使用されるものがいづれ
も使用可能であり、例えばシリカ粉末、コロイ
ド状シリカ、水溶性ケイ素化合物、ケイ酸など
が挙げられる。これらの具体例を詳しく説明す
ると、シリカ粉末としては、エーロジルシリ
カ、発煙シリカ、シリカゲルの如きアルカリ金
属ケイ酸塩から沈降法により製造された沈降シ
リカが好適であり、コロイド状シリカとしては
種々の粒子径のもの例えば10〜50ミクロンの粒
子径のものが有利に利用できる。また、水溶性
ケイ素化合物としては、アルカリ金属オキシド
1モルに対してSiO21〜5モル、特に2〜4モ
ルを含有するアルカリ金属ケイ酸塩例えば水ガ
ラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなど
が挙げられる。シリカ源としては就中、コロイ
ド状シリカまたは水ガラスが好ましい。 一方、アルミナ源としては、一般にゼオライ
トの製造に使用されているものは、いずれも使
用可能であり、例えば、アルミナ、アルミニウ
ムの鉱酸塩、アルミン酸塩などが挙げられ、具
体的には、コロイド状アルミナ、プソイドベー
マイト、ベーマイト、γ−アルミナ、α−アル
ミナ、β−アルミナ・三水和物の如き水和され
たもしくは水和されうる状態のアルミナ;塩化
アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム;アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カ
リウムなどが例示されるが、この中でアルミン
酸ナトリウムまたはアルミニウムの鉱酸塩が好
適である。 また、シリカ及びアルミナ共通の供給源とし
てアルミノケイ酸塩化合物、例えば天然に産出
される長石類、カオリン、酸性白土、ベントナ
イト、モンモリロナイト等を使用することも可
能であり、これらアルミノケイ酸塩を前述した
シリカ源の一部または全部と代替してもよい。 本発明の原料混合物におけるシリカ源の量は
SiO2に換算して一般に、原料とする出発ゼオ
ライトは1g当り0.1〜200ミリモルの範囲、好
ましくは1〜100ミリモルの範囲、さらに好ま
しくは5〜80ミリモルの範囲内とすることが有
利であり、またアルミナ源の量はAl2O3に換算
して一般に出発ゼオライト1g当り0.01〜20ミ
リモル、好ましくは0.1〜10ミリモル、さらに
好ましくは0.5〜5ミリモルの範囲内となるよ
うにすることが好ましい。かつ、このシリカ源
とアルミナ源の混合比は限定的ではないが、一
般には、それぞれSiO2及びAl2O3に換算して
SiO2/Al2O3モル比が1〜200の範囲、好まし
くは5〜100の範囲内となるようにすることが
好ましい。このモル比が1よりも少ないと目的
とするゼオライトは得られず、また200を越え
ると変性の割合が低くなる。 アルカリ金属水酸化物としては特に水酸化ナ
トリウム及び水酸化カリウムが好適であり、こ
れらはそれぞれ単独で用いることができ、或い
は組合わせて用いてもよい。 かかるアルカリ金属水酸化物は、出発ゼオラ
イト1g当り1〜200ミリモル、好ましくは5
〜100ミリモル、さらに好ましくは10〜80ミリ
モルの範囲の量で使用される。また、前記シリ
カ源及びアルミナ源に対してアルカリ金属水酸
化物は、アルカリ金属水酸化物/(SiO2
Al2O3)モル比に換算して、一般に0.1〜10、好
ましくは0.2〜5、さらに好ましくは0.3〜1の
範囲内の量で使用される。 上記アルカリ金属水酸化物は通常水溶液の形
で使用され、その際の水溶液中におけるアルカ
リ金属水酸化物の濃度は一般に、反応系中の水
の全量を基準にして水1モル当り1〜100ミリ
モル、好ましくは5〜50ミリモル、さらに好ま
しくは10〜40ミリモルとするのが好都合であ
る。 さらに、この方法Bにおいて、生成ゼオライ
トの結晶母体となりうる出発ZSM−5は公知
のものであり、アルカリ金属カチオンと共に或
る特定の有機カチオンを組み合わせ、シリカ
源、アルミナ源と共にアルカリ水溶液中におい
て水熱合成条件下で合成されるところの公知の
方法に従つて得ることができる(例えば、特公
昭46−10064号公報参照)。 この公知の方法で合成したゼオライトZSM
−5は通常十分水洗した後、例えば300〜700
℃、好ましくは400〜600℃の範囲の温度で焼成
することによつて有機カチオンが除去される。
しかしながら、方法Bで使用するZSM−5に
はかゝる有機カチオンを焼却したものであつて
も或いは残留したものであつても差支えない。 また、原料混合物であるZSM−5ゼオライ
トは、前記の焼成操作の後に公知の方法に従つ
て、ゼオライト中に元々存在するイオンの一部
または全部を他のカチオン例えばリチウム、
銀、アンモニウムなどの一価カチオン;マグネ
シウム、バリウムなどの二価のアルカリ土類カ
チオン;コバルト、ニツケル、白金、パラジウ
ム等の第族金属カチオン;稀土類金属の如き
価のカチオンによつてイオン交換したもので
あつても良い。 さらにこの方法Bでは、上記ZSM−5ゼオ
ライトの代わりに、この方法Bで得られたゼオ
ライトを出発ゼオライトとして用いても本発明
の目的を達成することもできる。かかるゼオラ
イトの形態は、それが合成直後のスラリー状で
あつても良く、液と分離し、乾燥、焼成過程
を経たものであつても良い。さらに該ゼオライ
トが前記ZSM−5ゼオライトと同様に、前記
金属カチオンとイオン交換したものであつても
さしつかえない。 方法Bにおいては、前記した如き、シリカ
源、アルミナ源、アルカリ金属水酸化物、ゼオ
ライトおよび水を前述した如き割合となるよう
な原料混合物を結晶性ゼオライトが生成するの
に充分な濃度、圧力及び時間条件下に維持する
ことによりゼオライトの合成が行われる。 上記のゼオライト合成反応の温度は限定的で
はないが、従来のZSM−5製造の際の温度条
件と本質的に同じ範囲とすることができ、通常
90℃以上、好ましくは100〜250℃、さらに好ま
しくは120〜200℃の範囲の温度が有利に用いら
れる。 更にこの方法Bを用いるならば、従来の方法
よりも著しく反応速度が促進されている結果、
反応時間は通常30分〜7日、好ましくは1時間
〜2日、特に好ましくは2時間〜1日は充分で
ある。圧力はオートクレーブ中での自生圧乃至
それ以上の加圧が適用され、自生圧下に行うの
が一般的で、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気
下で行つても良い。 この方法に従いゼオライトを合成するにあつ
ては、前述した原料成分の全てを混合物として
反応釜に仕込み前記の条件下で反応を行うバツ
チ方法を用いることができる。或いは、アルカ
リ金属水酸化物の水溶液及び出発ゼオライトを
予め仕込んだ反応釜にスラリー状のシリカ源、
アルミナ源を連続的に送給しつつ段階的に反応
を行わせしめる連続方法を用いても良い。 さらに、前記方法で得られた生成物の一部を
取り出し、これに新たにアルカリ金属水酸化物
の水溶液、シリカ源及びアルミナ源をバツチ式
で或いは連続的に供給して反応を行わせること
もできる。 ゼオライトの形成反応は、所望の温度に原料
混合物を加熱し、要すれば撹拌下にゼオライト
が形成される迄継続される。 かくして結晶が形成された後、反応混合物を
室温まで冷却し、例えばイオン伝導度が50μ
/cm以下となる迄水洗し、結晶を分別する。
さらに要すれば、結晶は乾燥する為に、常圧或
いは減圧下で50℃以上で5〜24時間保持され
る。 かくして上記方法Bによるならば、原料とし
て通常、ゼオライトの合成に使用されるシリカ
源、アルミナ源及びアルカリ金属水溶液の他に
ゼオライトZSM−5或いは、方法Bで得られ
るゼオライトを使用するのみで原料として使用
したゼオライトに対して、バツチ式では数倍、
好適条件下では拾数倍に相当する量のゼオライ
トを合成することができ、連続式では百倍以上
のゼオライト合成も可能である。 かくして得られたゼオライトは、陽イオンが
アルカリ金属イオンを含有するものであり、そ
れ自体公知の方法、例えばこれに塩化アンモニ
ウム水溶液を作用させてイオン交換しカチオン
サイトをアンモニウムイオンで置換することも
でき、これをさらに焼成すればアンモニウムイ
オンを活性化された状態である水素イオンに変
えることができる。 更に、得られたゼオライトのアルカリ金属イ
オンの一部又は全部を他のカチオンと交換する
こともできる。イオン交換し得るカチオンとし
ては、例えばリチウム、カリウム、銀などの一
価金属カチオン;マグネシウム、カルシウム、
バリウムなどのアルカリ土類金属カチオン;マ
ンガン、鉄、コバルト、ニツケル、銅、亜鉛な
どの二価遷移金属カチオン;ロジウム、パラジ
ウム、白金などの貴金属を含むカチオン;ラン
タン、セリウムなどの稀土類金属カチオンなど
が含まれる。 前記の種々のカチオンと交換する場合には、
公知の方法に従つて行えば良く、ゼオライトを
所望するカチオンを含有する水溶液を含む水溶
性もしくは非水溶性の媒体と接触処理すれば良
い。かかる接触処理は、バツチまたは連続式の
いずれの方式によつても達成できる。 かくして得られたゼオライトは100〜600℃、
好ましくは300〜500℃の温度で、5〜40時間、
好ましくは8〜24時間焼成してもよく、この焼
成したものも本発明のゼオライトとして使用さ
れる。 この方法Bによつて得られたゼオライトは、
前記した特徴を有している他に、公知のゼオラ
イトZSM−5及びその他の類似ゼオライトと
比較して下記の如き特徴を有している。その特
徴の1つは、n−ヘキサンの比吸着量が少なく
とも0.07g/gであるという極めて高い値を有
することである。 このn−ヘキサンの比吸着量は下記の定義に
従つて測定された値である。n−ヘキサンの比
吸着量はゼオライトの細孔容積に関連する要因
であり、この値が大きいことは、ゼオライトの
チヤンネル(Channels)の細孔容積が大きい
ことを意味する。しかしn−ヘキサンの比吸着
量には自ずと上限があり、この方法Bにより製
造されるゼオライトのn−ヘキサンの比吸着量
の上限は一般に0.1g/g程度、典型的には
0.08g/g程度であり、好適には0.07〜0.09
g/gの範囲のn−ヘキサン比吸着量を有して
いる。 前記方法Bにより製造されるゼオライトのさ
らにもう1つの特性として(2−メチルペンタ
ン/シクロヘキサン)吸着比を挙げることがで
きる。この吸着比は後述する方法で測定される
値であるが、このゼオライトは一般に1.1〜
1.6、好ましくは1.2〜1.5、さらに好ましくは
1.25〜1.45の範囲の(2−メチルペンタン/シ
クロヘキサン)吸着比を持つことができる。 この(2−メチルペンタン/シクロヘキサ
ン)吸着比は、ゼオライトのチヤンネルの細孔
径に関連する要因であり、この値が大きいこと
はシクロヘキサン分子の如きその断面の大きな
分子はそのゼオライトのチヤンネルに入り難
く、一方シクロヘキサンよりその断面が小さい
2−メチルペンタン分子がそのチヤンネルに入
り易いことを意味する。 従つて、吸着比が上記範囲のチヤンネルの細
孔径を有するゼオライトを触媒として使用する
場合には特異な形状選択性を発揮するため工業
的には価値の高い新規な触媒となる。 次に方法Bのゼオライトの特徴を表わす指標
である「n−ヘキサンの比吸着量」及び「(2
−メチルペンタン/シクロヘキサン)吸着比」
の定義及び測定法について詳細に説明する。 (i) n−ヘキサンの比吸着量 この指数は、下記の一定条件下においてゼ
オライト1g重量に吸着されるn−ヘキサン
の重量として定義され次のように測定され
る。即ち電気マツフル炉中で450℃、8時間
焼成したペレツト状ゼオライトを吸着装置の
スプリング・バランスを用いて精秤する。次
いで吸着管内を1時間排気(OmmHg)した
後、吸着管内が50±1mmHgに達するまでn
−ヘキサンをガス状にて導入し、室温(20±
1℃)にて2時間保持する。吸着したn−ヘ
キサンの重量は吸着前後のスプリング・バラ
ンスの長さの差から算出することができる。 (ii) (2−メチルペンタン/シクロヘキサン)
吸着比 この指数は、一定条件の条件下においてゼ
オライト1g当りに吸着されるシクロヘキサ
ンの重量に対する2−メチルペンタンの重量
比で表わされる。各成分の吸着量の測定方法
は上記(i)項と全く同じである。 なお前記方法Bにより得られたゼオライトの
化学的組成は、前記方法Aのゼオライトのそれ
とほぼ同じであるのでここでは説明を省略す
る。 方法C 特開昭56−17926号公報記載の方法により得
られたゼオライト。 方法D 特開昭57−123815号公報記載の方法により得
られたゼオライト。 方法E 特開昭51−67299号公報記載のゼオライト。 これら方法C〜方法Eのゼオライトは、本発
明において特定した特徴を有しているが、他に
(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比が0.7
より小さく、一般には0.4〜0.7である点が特徴
の1つである。さらに他の特徴はn−ヘキサン
の比吸着量が、0.03〜0.06g/gの比較的小さ
い値を有していることである。 前記したゼオライトの合成法の具体例のう
ち、方法Aおよび方法Bによつて得られたゼオ
ライトを使用すると、本発明の目的とする脱ア
ルキル化活性が一層高く、より選択的な脱アル
キル化を起すことのできるので好ましい。 触媒組成物の調製 前記ゼオライト(A成分)、前記金属(B成
分)および耐火性無機酸化物(C成分)から主
として触媒を調製するには、通常知られた種々
の調製法を採用することができるが、下記に説
明する方法により調製するのが望ましい。 なおC成分の耐火性無機酸化物としては、一
般にゼオライトの成型に結合剤として使用され
ているものを用いることができ、それは天然の
ものであつてもよくまた合成のものであつても
よい。例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アル
ミナ、シリカマグネシア、カオリンなどが用い
られるが、とりわけアルミナが好ましい。 調製法(イ) ゼオライト(A成分)を金属(B成分)で変
性し、次いでこれを耐火性無機酸化物(C成
分)と混合し成形する方法; すなわち、B成分の金属の化合物を溶解した
溶液を用いてゼオライトと接触処理する方法で
あり、大別して含浸法とイオン交換法に分けら
れる。含浸法の場合、塩化白金酸、塩化パラジ
ウムの如きB成分の塩化物や硝酸塩を可溶性溶
媒(例えば水、アルコール、ケトンなど)に溶
解し、この溶液をゼオライトに含浸せしめ、次
いで溶媒を蒸発除去する方法であり、またイオ
ン交換法の場合、イオン交換能を有するB成分
の金属の化合物(例えば金属アミン錯体)の水
溶液中にゼオライトを浸漬し次いでロ過し、洗
浄する方法である。 上記含浸法或いはイオン交換法による変性
は、ゼオライト(A成分)のカチオン交換の前
であつてもよくまた後であつてもよい。 上記の如くしてB成分で変性されたゼオライ
トは(C成分)と混合し、必要に応じて成形し
た後、例えば200〜600℃、好ましくは250〜550
℃の温度で、酸素(O2)、窒素(N2)、ヘリウ
ム(He)などのガス雰囲気下で1〜5時間焼
成される。 この調製法(イ)による場合、B成分ゐ金属の含
有量は、ゼオライト(A成分)を基準として重
量で、金属の種類によつてその好適な割合は若
干異なり、白金(Pt)の場合には0.001〜2.0
%、好ましくは0.005〜1%、パラジウム
(Pd)、ロジウム(Rh)、又はイリジウム(Ir)
の場合には0.005〜5%、好ましくは0.01〜2
%が有利である。 調製法(ロ) ゼオライト(A成分)と耐炎性無機酸化物
(C成分)を混合し、得られた混合物を金属(B)
成分で変性する方法; この調製法(ロ)は、予めA成分とC成成分とを
所定割合で混合しておき、得られた混合物を望
ましくは成形してこれにB成分を含有させれば
よい。その含有させる方法としては前記調製法
(イ)で説明した含浸法或いはイオン交換法と同様
の方法を採用することができる。 その際使用するゼオライトはカチオン交換
(例えばH型交換)を行つたものを使用しても
よく、またそうしないゼオライトを用い金属
〔B成分)で変性して後ゼオライト(A成分)
のカチオンを他のカチオン(例えばA)と交換
してもよい。 この調製法()における金属(B成分)の
好ましい含有割合並びに変性後の焼成条件は前
記調製法(イ)と同様の範囲が適当である。 調製法(ハ) 耐火性無機酸化物(C成分)を金属(B成
分)で変性し、次いでこれとゼオライト(A成
分)と混合し成形する方法; この調製法(ハ)において、先ず耐火性無機酸化
物(C成分)を金属(B成分)で変性するに
は、前記調製法(イ)においてゼオライト(A成
分)を金属(B)で変性する方法とほゞ同様の方法
で行うことができる。 この方法において好ましく用いられる耐火性
無機酸化物はアルミナである。また変性される
金属(B成分)の割合は、耐火性無機酸化物の
基準にして重量で、白金(Pt)の場合0.001〜
2%、好ましくは0.005〜1%、パラジウム
(Pd)、ロジウム(Rh)又はイリジウム(Ir)
の場合0.005〜5%、好ましくは0.01〜2%の
範囲が適当である。また変性後の焼成条件は前
記説明と同様の範囲でよく、ゼオライト(A成
分)との混合、成形の前又は後のいずれに焼成
を行つてもよい。 調製法(ニ) ゼオライト(A成分)を金属(B成分)で変
性し、一取耐火性無機酸化物(C成分)を金属
(B成分)で変性し、両変性物を混合して成形
する方法; ゼオライト(A成分)を金属(B成分)で変
性する方法は、前記調製法(イ)で説明した方法、
耐火性無機酸化物(C成分)を金属(B成分)
で変性する方法は、前記調製法(ハ)で説明した方
法が好ましく採用される。 焼成は、両変性物の夫々について行つてもよ
く、また両変性物を混合した後(成形の前又は
後に〕に行うことも可能である。 以上説明した調製法は、好ましい例を挙げた
に過ぎないものであつて、これら調製法の改
良、或いは組合せであつても本発明の要件を満
足する限り、触媒組成物として使用できること
は云うまでもない。 調製された触媒組成物は、粉末状で使用する
ことも出来、また成形物として例えばペレツト
状、タブレツト状として使Kgすることができ
る。反応に供する前に還元雰囲気下(例えば水
素只有ガス雰囲気下)で例えば200〜600℃、好
ましくは250〜550℃の温度で還元熱処理するこ
とが好ましい。この還元熱処理は、触媒を反応
器中に充填する前に行つてもよく、また後に行
つてもよい。 脱アルキル化反応 前述の如くして得られた本発明の触媒組成物
は、アルキルベンゼンの脱アルキル化活性が極
めて高く、またその活性は種々の特徴を有して
いる。 その1つは、脱アルキル化反応に供する炭化
水素原料中に、ベンゼン核に結合したメチル基
及び炭酸数2以上のアルキル基が共存すると、
該メチル基は実質的に脱メチル緩を受けず、炭
素数2以上のアルキル基が選択的に脱アルキル
されるという反応を行うことが出来ることであ
る。従つて、例えばエチル基、プロピル基、ブ
チル基などのアルキル基とメチル基とを別々に
或いは同様にベンゼン核に含有するアルキルベ
ンゼンもしくはアルキルベンゼン混合物を原料
として使用するとエチル基、ピロピル基、ブチ
ル基が比較的高い選択率で脱アルキル化された
対応するベンゼン類を高い転化率で収率よく得
ることができる。 他の1つの特徴は、ベンゼン核に3個以上の
メチル基を含有するポリメチルベンゼンに対す
る脱メチル化能を有していることである。すな
わち、例えば1,2,4−トリメチルベンゼ
ン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,
2,4,5−テトラメチルベンゼンなどポリメ
チルベンゼンを本発明の脱アルキル化反応に供
すると、メチル基の1個、或る場合には2個脱
離した、工業的も最も価値のあるキシレン類に
変換することが出来る。殊に、例えば1,3,
5−トリメチルベンゼン、1,2,4,5−テ
トラメチルベンゼンの如きバルキー構造のポリ
メチルべンゼンの場合には一層有利に脱メチル
基が起り、キシレン類を得ることが出来る。 さらに他の1つの特徴は、本発明の触媒組成
物を使用すると、後述する反応条件下ではベン
ゼン核の核水添反応が起りにくくベンゼ環損失
が低いということである。 本発明は上記触媒組成物の特徴を利用して、
種々の工業的に実用性のある脱アルキル化反応
を行うことが可能となる。 本発明の方法において脱アルキルの出発原料
として使用される炭化水素原料は、ベンゼン核
に結合した炭素原子数2個以上のアルキル基を
少なくとも1個含有するアルキルベンゼン類を
少なくとも1種含有するものであることができ
る。かかる炭化水素原料は該アルキルベンゼン
類の1種のみからなることができ、又は該アル
キルベンゼン類の2種もしくはそれ以上の混合
物から成ることもでき、さらに或いは、これら
アルキルベンゼン類の少なくとも1種とそれ以
外のアルキルベンゼン及び/又は脂肪族及び/
又は指環式炭化水素との混合物から成ることも
できる。 上記アルキルベンゼ類は、置換基として炭素
原子数2個以上、好ましくは2〜4個の低級の
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基のみを有する
ことができ、或いは場合によりかかるアルキル
基に加えてベンゼン該に結合したメチル基をさ
らに有することもできる。かかる炭素数2以上
のアルキル置換基の例には、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル基等が頓含さ
れ、中でも本発明の方法はエチル基を置換基と
して含有する炭化水素に対して特に有利に適用
することができる。該炭素数2個以上のアルキ
ル置換基の数は特に制約はないが一般に1〜3
個、好ましくは1または2個である。また、存
在していてもよいメチル置換基の数もまた特に
制限はないが、存在する場合には一般に1〜5
個、特に1〜4個とすることができる。 しかして、本発明の方法が有利に適用できる
アルキルベンゼン類としては、例えばエチルベ
ンゼン、エチルトルエン、ジエチルベンゼン、
エチルキシレン、n−プロピルベンゼン、クメ
ン及びシメン等が挙げられる。 また前述したように、本発明方法は、例えば
1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5
−トリメチルベンゼン、1,2,4,5−テト
ラメチルベンゼの如きメチル基を3個以上有す
るポリメチルベンゼンを用いた場合には、これ
らのメチル基の一部が脱メチルを起し、有用な
キシレン類となる。従つてかようなポリメチル
ベンゼンを含有する炭化水素を原料として使用
することもできる。 前記本発明の触媒組成物の特徴から、脱アル
キル化は炭素数2以上のアルキル基を少くとも
1個含有するベンゼン、メチル基を3個以上含
有するベンゼン或いはこれら2種のベンゼンの
混合物を含有する炭化水素を原料として使用す
ると有利であり、一般的に総炭素数が9以上11
以下のアルキルベンゼン類が含有する炭化水素
を用いることが一層望ましい。 また本発明方法の脱アルキル化は、下記に説
明するキシレンの異性化工程における副反応生
成物の重質留分、所謂ヘビーエンドに対して施
すことが工業的に極めて有利であ何となれば、
このヘビーエンド中には、エチルトルエン、ジ
エチルベンゼン、エチルキシレン、トリメチル
ベンゼン、テトラメチルベンゼンなどの炭素数
9〜11のアルキルベンゼンが比較的高い濃度で
含まれており、この留分は利用価値の少ないも
のであり、この留分に対して本発明の脱アルキ
ル化方法を行うことにより、容易に有用な成分
に変換することができるからである。 すなわち、ベンゼン、トルエン、キシレンは
工業的に接触改質油、熱分解ガソリンなどの原
料油から芳香族炭化水素成分を溶媒抽出などに
より分離した後、その抽出液から蒸留分離する
ことにより得られている。一方有用なベンゼ
ン、トルエン、キシレンを分離した後に釜残に
残る主として炭素数9以上の芳香族炭化水素を
含む高沸点残渣はそのまゝでは利用価値が低
く、従来その大部分は燃料として使用されてい
るに過ぎない。 他方、キシレンの3種の異性体及び場合によ
りエチルベンゼンを含む炭素原子数8個の留分
(以下、C8留分と呼ぶことがある)から、工業
的に最も価値の大きなp−キシレンをできるだ
け多量に回収するため、従来からC8留分を異
性化触媒の存在下に処理することが行なわれて
おり、工業的には、C8留分を異性化反応に付
する工程、得られる異性化反応混合物からキシ
レン異性体を分離する工程、及び分離後の残余
成分を異性化反応工程に再循環する工程を適宜
組合わせて実施されている。この際の異性化反
応工程では、主反応であるキシレン類の異性化
の他に、キシレン類の不均化、エチルベンゼン
類の不均化、キシレン類とエチルベンゼンのト
ランス−アルキル化がおこり、この副反応の結
果、エチルトルエン類、トリメチルベンゼン
類、エチルキシレン類、ジエチルベンゼン類等
の炭素原子数9個以上(C9 +)のアルキルベン
ゼン混合物、つまりヘビーエンドを発生する。 このヘビーエンドを本発明の脱アルキル化に
施こすことによつて、より工業的価値の高いベ
ンゼン、トルエン、キシレンに効異的に変換す
ることができ、パラーキシレン製造プロセスに
おいては、キシレン収率の向上、循環流量の減
少に伴う燃料消費量の低下、副製品の価値向上
などの工業的に多大のメリツトが発生する。 しかして、本発明の方法に供される炭化水素
原料は、前記アルキルベンゼン、殊に炭素数9
以上のアルキルベンゼンを少くとも20重量%、
好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40
重量%以上の濃度で含有することができる。ま
た、該炭化水素原料は、炭素数9以上アルキル
ベンゼン中の炭素数2以上のアルキル基を有す
ると上記の如きベンゼンの割合が少くとも60重
量%、好ましくは70重量%以上、特に好ましく
は80重量%以上を占めることが望ましい。 本発明の脱アルキル化を実施するに当つて
は、250〜500℃、好ましくは300〜450℃、特に
好ましくは320〜420℃の範囲の温度で行うのが
有利である。この範囲より低い温度では、脱ア
ルキル化反応が起りにくくなりまたベンゼン環
の水添反応がより起るようになるので好ましく
なく、一方前記範囲よりも高い温度では脱アル
キル化の選択性が低下しまた触媒活性の経時劣
化が著しくなるので不適当である。 反応圧力は常圧300psig、好ましくは常圧〜
200psig、特に好ましくは常圧〜100psigの範囲
であるのが有利である。反応圧が過度に高いと
脱アルキルの選択性が低下し又核水添及び分解
反応が生起するため好ましくない。 本発明方法に従つて炭化水素原料を脱アルキ
ル化する場合、該炭化水素原料の供給割合は、
用いる炭化水素原料及び/又は触媒の種類等に
応じて広範に変えうるが、一般に0.2〜50、好
ましくは0.5〜40、さらに好ましくは1〜20の
範囲内の重量単位時間空間速度で供給するのが
有利である。 本発明細書において「重量単位時間空間速
度」は下記式 単位時間当りの炭化水素原料の供給重量/触媒の重
量 により算出される値であり、ここで「触媒の重
量」は該触媒のベースとなる結晶性アルミノシ
クケートゼオライトの重量を意味する。 また、本発明の脱アルキル化は水素の存在下
で実施される。その際の水素の供給割合は用い
る炭化水素原料及び/又は触媒の種類等に応じ
て広範に変えることができるが、水素/炭化水
素原料のモル比で表わして、一般に0.5〜10、
好ましくは1〜8の範囲内になるような割合で
供給するのが適当である。 以上述べた本発明の方法によれば、従来の同
様の技術に比べて以下に述べる如き、種々の優
れた利点を達成することができ、工業上貢献す
る所極めて大である。 以下、本発明の脱アルキル化法の利点を示す
と下記の如くである。 (1) 本発明においては、ベンゼン核に結合する
C2以上のアルキル基が選択的に脱アルキル
化される。 しかも、本発明によれば、高転化率をもつ
て炭化水素原料を反応させても、ベンゼン核
の水素化によるナフテンの生成やベンゼン環
の分解等の副反応が少なく所期とするC2
上のアルキル基の脱アルキル化のみを極めて
高い選択率で達成することができる。 (2) また1,2,4−トリメチルベンゼン、
1,3,5−トリメチルベンゼン、テトラメ
チルベンゼンの如きメチル基を3個以上有す
るポリメチルベンゼンは本発明方法によりメ
チル基の1個又は2個が脱離し、キシレン類
に効果的に変換される。 (3) 従つて、本発明の方法によれば、例えばキ
シレの異性化工程から排出されるそのままで
は殆んど工業的に利用価値のないヘビーエン
ド中に主として含まれるC9以上の芳香族炭
化水素、例えばエチルトルエン、エチルキシ
レン等を極めて効率よく工業的に価値の高い
トルエン、キシレン等に転化することがで
き、またポリメチルベ、ンゼンをキシレン類
へ有利に変換できる。その上、転化生成され
たトルエ、キシレン等は、ナフテン等の副生
物の生成が少ないため、簡単な蒸留操作によ
つて容易に精製することができる。 (4) また、本発明の方法によれば、比較的低温
及び低圧という温和な反応条件下で反応が行
われるため、コークの形成が非常に少なく、
触媒の寿命を長く保持することができ、触媒
の再生頻度を大巾に減少させることができ
る。 (5) さらに、本発明に従う反応条件下では、水
素化−脱アルキル化反応によりベンゼン核か
ら離脱したアルキル基のさらに副次的な反応
が抑制される。そのため、本発明の方法では
生成物中に該離脱したアルキル基と同じ炭素
数の対応するアルカリが実質的に定量的に生
成する。 (6) 本発明の方法によれば、比較的低い反応温度
及び圧力で操作されるため、反応設備の建設、
維持費、エネルギー消費等のコスト・ダウンを
図ることができる。 以下、実施例を掲げて本発明方法を詳述する
が、本発明はこれらに限定を受けるものではな
い。 実施例 1 (a) 米国特許3766093号明細書に開示されている
方法に従つてシリカ/アルミナモル比が71.9の
ZSM−5ゼオライトを合成した。即ち、合成
に際して有機カチオン源として、トリ−n−プ
ロピルアミンとn−プロピルブロマイドを添加
した。得られた合成物を過し、充分水洗した
後、電気乾燥器中100℃で16時間、次いで200℃
で8時間乾燥し、更に空気流通下500℃で16時
間焼成した。 次いで、上記ZSM−5を10gとり、フラス
コ中の水酸化ナトリウム1.5gを溶解した水溶
液50mlに懸濁させた。これを90℃にて撹拌しな
がら3時間保持した後残留物を過し充分水洗
して、電気乾燥器中100℃で16時間乾燥した。
乾燥後の重量は5.7gであり、このもののシリ
カ/アルミナモル比は39.2に減少し、且つ、Cu
−Kα線の照射によつて得られるX線回折パタ
ーンにおいては前記表−Aに示した如くZSM
−5で得られるd(Å)=3.84の最強ピークがd
(Å)=3.86とd(Å)=3.83に明確に分離するこ
とが認められた(ゼオライトA−1)。更に粉
末状ゼオライトA−1を5wt%の塩化アンモニ
ウム水溶液を用いて70℃で16時間イオン交換を
実施した。使用した塩化アンモニウム水溶液の
量は、ゼオライト1g当り5mlであり、この操
作を二度繰返した。イオン交換後、ゼオライト
を上記の如く、洗浄、乾燥を行い、次いで電気
炉中、空気流通下450℃で8時間焼成すること
によつてH+型ゼオライトを得た(ゼオライト
A−2)。 (b) 前記のゼオライトA−1を10〜20メツシユの
大きさに成型した後、電気マツフル炉中にて
450℃で8時間焼成した。約0.5gを吸着管内に
つるしたスプリング・バランスにのせ、スプリ
ングの伸びからゼオライト重量を精秤した。次
いで吸着管内を真空にした後、ガス・ホルダー
に充填したn−ヘキサン又はシクロ−ヘキサン
を吸着管内に導入した。吸着は20℃、60mmHg
の条件で2時間行つた。ゼオライトに吸着した
吸着質重量は、吸着前後のスプリング・バラン
スの長さの差から算出した。該ゼオライトへの
n−ヘキサン及びシクロヘキサン吸着量はゼオ
ライト重量当り夫々6.8wt%、6.4wt%であり、
n−ヘキサンに対するシクロ−ヘキサンの吸着
比率は0.94であつた。 (c) 前記のゼオライトA−2にクロマトグラフ用
アルミナゲル(300メツシユ以下)を重量比で
1/1加えて充分混合し、10〜20メツシユの大
きさに成型した。該成型物を電気マツフル炉
中、450℃にて8時間焼成した後、4gを固定
床反応管に充填した。触媒床温度を350℃とし
た後、シクロヘキサン8g/Hr、及び水素/
シクロヘキサン=2/1(モル比)の水素を供
給してシクロヘキサン分解指数を測定したとこ
ろ21.5であつた。ゼオライトA−2と同じシリ
カ/アルミナ(モル比)を有するZSM−5の
シクロヘキサン分解指数は図1の相関曲線から
11.3であり、従つてゼオライトA−2のシクロ
ヘキサン分解指数比は1.9であることが判る。 (d) 粉末状ゼオライトA−2 3gを塩化白金酸
6水和物15.9mgを溶解せしめた10mlの水溶液中
に浸漬した。50℃で6時間保持した後、ロータ
リーエバポレーターを用いて水を留去し、電気
乾燥器中100℃で8時間、200℃で16時間乾燥し
た。これにゲル状γ−アルミナ(300メツシユ
以下)を等重量加えて充分混合し、10〜20メツ
シユの大きさに成型することによつて本発明の
触媒組成物を得た。該組成物は0.1wt%の白金
を含有するものであつた。 (e) 上記組成物6gを電気マツフル炉中空気雰囲
気下450℃にて焼成を行い、これを固定床反応
管に充填した。触媒床温度を窒素流通下400℃
迄昇温した後、水素を流通し、この温度で2時
間保持して、触媒に含まれる白金を還元した。 しかる後、触媒床温度400℃にて表−1に示
す如き組成のC9 +アルキル芳香族炭化水素原料
6g/HRを水素/芳香族炭化水素=2/1
(モル比)の水素と共に常圧下に於て供給した。
通油開始から10時間後のプロダクト組成を表−
1に示す。この結果は本発明の触媒組成物がエ
チルに置換芳香族炭化水素の(選択的)脱エチ
ル反応に極めて高い活性を有すると共に、トリ
メチルベンゼンに対する脱メチル活性も併せて
もつものであることを示す。
【表】 上表において トリメチルベンゼン転化率(%) =フイード中のトリメチルベンゼン濃度−プロ
ダクト中のトリメチルベンゼン濃度/フイード中のトリ
メチルベンゼン濃度×100 エチルトルエン転化率(%) =フイード中のエチルトルエン濃度−プロダク
ト中のエチルトルエン濃度/フイード中のエチルトルエ
ン濃度×100 エチルキシレン転化率(%) =フイード中のエチルキシレン濃度−プロダク
ト中のエチルキシレン濃度/フイード中のエチルキシレ
ン濃度×100 ジエチルベンゼン転化率(%) =フイード中のジエチルベンゼン濃度−プロダ
クト中のジエチルベンゼン/フイード中のジエチルベン
ゼン濃度×100 実施例 2 (a) 水酸化ナトリウム(和光純薬製特級試薬)
10.5gを210mlの純水に溶解したアルカリ水溶
液にアルミナ源として硫酸アルミニウム16〜18
水和物(和光純薬製特級試薬)3.1gを加え、
更にシリカ源としてシリカゾル(触媒化成製カ
クロイドS−30L SiO230wt%)69.4gを添加
してゲルを調製した。 次いで、このゲルを300ml容ステンレスオー
トクレーブに仕込んだ後、実施例1−(a)で合成
したZSM−5ゼオライト6.9gを添加した。仕
込物の組成はZSM−5 1g当りで表して SiO2=50.0mmol、M2O3=0.714mmol NaOH=38.0mmol であり、又モル比で表わして SiO2/Al2O3=70、 OH-/SiO2+Al2O3=0.75、 OH-/H2O=0.018 であつた。仕込物を穏かに撹拌しながら180℃
自生圧で6時間反応した。反応物を取出し、
別した後、純水で洗浄液が50μ/cm以下にな
る迄充分に洗浄し、90℃で一晩乾燥した後、重
量を測定したところ10.0gであり、仕込ZSM−
5ゼオライトに対して1.5重量倍のプロダクト
を得た。シリカ、アルミナを定量した結果、シ
リカ/アルミナ(モル比)=23.8であり、X線
回折パターンは前記表−Aに示した特徴を有す
るものであり、殊にZSM−5で得られるd
(Å)=3.84の最強ピークがd(Å)=3.86とd
(Å)=3.83に著しい分離を示した(ゼオライト
B−1)。 この粉末状ゼオライトB−1から、実施例1
−(a)に記載した方法に従つてH型ゼオライト
(ゼオライトB−2)を得た。 (b) 前記のゼオライトB−1を10〜20メツシユの
大きさに成型した後電気マツフル炉中にて450
℃で8時間焼成した。約0.5gを吸着管内につ
るしたスプリング・バランスにのせスプリング
の伸びからゼオライト重量を精秤した。次いで
吸着管内を真空にした後、ガス・ホルダーに充
填したn−ヘキサン又は2−メチルペンタン又
はシクロヘキサンを吸着管内が50±1mmHgに
達する迄導入した。室温(20℃±1℃)にて2
時間保持した後、ゼオライトに吸着した吸着質
重量を吸着前後のスプリング・バランスの長さ
の差から算出した。該ゼオライトに対するn−
ヘキサン、2−メチルペンタン及びシクロヘキ
サン比吸着量は、ゼオライト重量当り夫々
0.087g/g、0.051g/g及び0.034g/gであ
り、シクロヘキサンに対するn−ヘキサンの吸
着比率は1.50であつた。 更に実施例1−(c)に記載した方法に従つてゼ
オライトB−2のシクロヘキサン分解指数比を
測定したところ2.0であつた。 (c) 粉末状ゼオライB−2を用いて、実施例1−
(d)に記載したものと全く同一の条件及び方法に
従つて0.1wt%の白金を含有する本発明の触媒
組成物を得た。 而る後、実施例1−(e)の手順に従つてC9 +
ルキル芳香族炭化水素の脱アルキル反応を常圧
下に於て実施した。 反応条件として触媒量6g温度400℃、芳香
族炭化水素供給速度6g/Hr水素/芳香族炭
化水素=2/1(モル比)であつた。 表−2に原料組成及び通油開始から10時間後
の生成物組成を纏めた。この結果は本発明の触
媒組成物が著しい脱アルキル活性を有すること
を示している。
【表】
【表】 実施例 3 (a) 水酸化ナトリウム(和光純薬製特級試薬)
3.5gを70mlの純水に溶解したアルカリ水溶液
に、アルミナ源として硫酸アルミニウム16〜18
水和物(和光純薬製特級試薬)4gを加え、更
にシリカ源としてシリカゾル(触媒化成製カタ
ロイドS−30L SiO230wt%)4gを添加して
ゲルを調製した。 次いで、このゲルを300ml容ステンレスオー
トクレーブに仕込んだ後、実施例1−(a)で合成
したZSM−5ゼオライト10gを添加した。仕
込物の組成は、ZSM−5 1g当りで表して SiO2=2mmol、Al2O3=0.63mmol NaOH=8.75mmol であり、又モル比で表わして SiO2/Al2O3=3.2、 OH-/SiO2+Al2O3=3.33、 OH-/H2O=0.022 であつた。仕込物を穏かに撹拌しながら180℃
自生圧で6時間反応した。反応物を取出し、
別した後、純水で洗浄液が50μ/cm以下にな
る迄充分に洗浄し、90℃で一晩乾燥した後、重
量を測定したところ10.4gであり、仕込ZSM−
5ゼオライトに対して1.1重量倍のプロダクト
を得た。シリカ、アルミナを定量した結果シリ
カ/アルミナ(モル比)=23.8であり、X線回
折パターンは前記表−Aに示した特徴を有する
ものであり、殊にZSM−5で得られるd(Å)
=3.84の最強ピークがd(Å)=3.86とd(Å)=
3.83に著しい分離を示した(ゼオライトC−
1)。 この粉末状ゼオライトC−1から実施例1−
(a)に記載した方法に従つてH型ゼオライト(ゼ
オライトC−2)を得た。 実施例2−(b)に従つてゼオライトC−1に対
するn−ヘキサン、2−メチルペンタン及びシ
クロヘキサン比吸着量を測定したところ、夫々
0.077g/g、0.049g/g及び0.038g/gであ
り、シクロヘキサンに対する2−メチルペンタ
ンの吸着比率は1.28であつた。 更に実施例1−(c)に記載した方法に従つてゼ
オライトC−2のシクロヘキサン分解指数比を
測定したところ1.8であつた。 (b) ゲル状γ−アルミナ3gを塩化白金酸15.9mg
を溶解せしめた10mlの水溶液中に浸漬した。50
℃にて時々撹拌しながら6時間保持した後、ロ
ータリー・エバポレーターを用いて水を留去
し、電気乾燥器中100℃で8時間、200℃で16時
間乾燥した。これに前記(a)項で合成した粉末状
ゼオライトC−2を等重量加えて充分混合し、
10〜20メツシユの大きさに成型することによつ
て触媒を調製した。該触媒は0.1wt%の白金を
含有していた。 (c) 上記の触媒を用いて実施例2−(b)に記載した
反応条件下で、C9 +芳香族炭化水素の脱アルキ
ル反応を実施した。 表−3に原料組成及び通油開始から10時間後
の生成部組成を纏めた。
【表】
【表】 実施例 4 (a) 実施例3−(a)で合成した粉末ゼオライトC−
2 3gを塩化白金酸39.8mgを溶解せしめた10
mlの水溶液中に浸漬した。50℃にて撹拌しなが
ら6時間保持した後ロータリー・エバポレータ
ーを用いて水を留去し、電気乾燥器中100℃で
8時間、200℃で16時間乾燥した。これに実施
例3−(b)で調製した0.2%の白金を含有するゲ
ル状γ−アルミナを等重量混合し、10〜20メツ
シユの大きさに成型することによつて0.35wt%
の白金を含有する本発明の触媒組成物を得た。 (b) 該触媒組成物6gを電気マツフル炉中空気雰
囲気下450℃にて焼成を行い、これを固定床反
応管に充填した。触媒床温度を窒素流通下で
400℃迄昇温した後、水素を流通し、この温度
で2時間保持して触媒に含まれる白金を還元し
た。しかる後、触媒床温度400℃にて表−4に
示す如き、C9 +アルキル芳香族炭化水素原料6
g/Hrを水素/芳香族炭化水素=4/1(モル
比)の水素と共に常圧下に於て供給した。経時
的な生成物組成を表−4に示す。 この結果は本発明の触媒組成物が脱アルキル
反応に対して高活性であるばかりでなく、極め
て安定した活性を維持することを示すものであ
る。
【表】 実施例 5 この例では、実施例4で得られた触媒組成物を
用いて加圧下でC9 +アルキル芳香族炭化水素の脱
アルキル反応を実施した。反応条件、原料及び生
成物の組成を表−5に纏めた。
【表】 実施例 6 (a) 塩化パラジウム24.8mgの水と0.2mlの塩酸に
溶解した水溶液に実施例3−(a)で合成した粉末
ゼオライトC−2の3gを懸濁させた。50℃に
て時々撹拌しながら6時間保持した後、減圧下
で水を留去し、次いで電気乾燥器中200℃で4
時間乾燥した。これに300メツシユ以下のクロ
マトグラフ用アルミナゲルを等重量混合し、10
〜20メツシユの大きさに成型した。(触媒X)
この触媒Xは0.25%のパラジウムを含んでい
た。 (b) 塩化パラジウムの代わりに塩化ロジウム3水
和物38.2mgを10mlの水に溶解し、以下(a)項と同
一の方法によつて0.25%のロジウムを含んでい
た。触媒Yを調製した。 (c) 塩化パラジウムの代わりに塩化イリジウム26
mgを10mlの水に溶解し、以下(a)項と同一の方法
によつて0.25%のイリジウムを含んでいた。触
媒Zを調製した。 実施例 7 実施例6で得られた触媒のそれぞれを用いて、
C9 +アルキル芳香族炭化水素の脱アルキル反応を
実施した。 触媒6gを固定床反応管に充填し、400℃で2
時間水素気流中で還元を実施した後、表−6に示
す如きC9 +アルキル芳香族炭化水素混合物6g/
Hrを水素/芳香族炭化水素=4/1(モル比)の
水素と共に常圧下に於て供給した。フイード開始
後10時間目のプロダクト組成を表−6に纏めた。 この結果は、パラジウム、ロジウムもしくはイ
リジウムを含む本発明の触媒組成物が、C9 +アル
キル芳香族炭化水素の脱アルキル反応に高い活性
を有することを示すものである。
【表】 【図面の簡単な説明】
添付図面は、シクロヘキサン分解指数比(C.D.
R)を算出するために基準となるH型ZSM−5ゼ
オライトのシリカ/アルミナ(モル比)とシクロ
ヘキサン分解指数の相関を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 A SiO2/Al2O3(モル比)が10〜100の範囲
    であり且つX線格子面間隔が表−Aに示した特
    徴を有する結晶性アルミノシリケートゼオライ
    ト B 白金、パラジウム、ロジウムおよびイリジウ
    ムよりなる群から選ばれた少くとも一種の金属 および C 耐火性無機酸化物 より主としてなる触媒組成物であつて、該触媒組
    成物は組成物を基準として前記Bの金属を0.001
    〜5重量%含有しており且つ前記Aの結晶性アル
    ミノシリケートゼオライトを10〜90重量%含有し
    ている触媒組成物。 2 該結晶性アルミノシリケートゼオライトは、
    X線格子面間隔d(Å)が3.86におけるピーク強
    度(I0)を100とした時、d(Å)が3.83における
    ピーク強度(I)の比(I/I0)が少くとも70の値を
    有するものである第1項記載の触媒組成物。 3 該結晶性アルミノシリマートゼオライトは、
    活性化された状態におけるシクロヘキサン分解指
    数比が少くとも1.1である第1項記載の触媒組成
    物。 4 A SiO2/Al2O3(モル比)が10〜100の範囲
    であり且つX線格子面間隔が表−Aに示した特
    徴を有する結晶性アルミノシリケートゼオライ
    ト B 白金、パラジウム、ロジウムおよびイリジウ
    ムよりなる群から選ばれた少くとも一種の金属 および C 耐火性無機酸化物 より主としてなる触媒組成物であつて、該触媒組
    成物は組成物を基準として前記Bの金属を0.001
    〜5重量%含有しており且つ前記Aの結晶性アル
    ミノシリケートゼオライトを10〜90重量%含有し
    ている触媒組成物に気相で水素の存在下アルキル
    ベンゼン類含有する炭化水素原料を接触せしめる
    ことを特徴とする脱アルキル化方法。 5 該炭化水素原料がベンゼン核に結合した炭素
    数2以上のアルキル基を少くとも1個有するアル
    キルベンゼンを含有する第4項記載の脱アルキル
    化方法。 6 該炭化水素原料が、エチルトルエン、エチル
    キシレンおよびジエチルベンゼンよりなる群から
    選ばれた少くとも一種のアルキルベンゼンを含有
    する第4項記載の脱アルキル化方法。 7 該炭化水素原料がトリメチルベンゼンを含有
    する第4項記載の脱アルキル化方法。 8 該接触を250〜500℃の範囲の温度で行なう第
    4項記載の方法。 9 該接触を0〜300psigの範囲の圧力で行なう
    第4項記載の脱アルキル化方法。 10 該接触を重量単位時間空間速度(W.H.S.
    V)が0.2〜50の範囲となるよう行なう第4項記
    載の脱アルキル化方法。 11 該接触を炭化水素原料に対し0.5〜10モル
    倍の水素の存在下に行なう第4項記載の脱アルキ
    ル化方法。
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