JPH0541145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、住宅等における幕板の取付構造に
関するものである。

〔背景技術〕

従来、上下階の外壁間の外面にフアイバーセラ
ミツク製の幕板を配設している。このフアイバー
セラミツク製の幕板は釘打ちができないため、現
場であらかじめ上下階の外壁の枠材に下地材を釘
止めしておいて、この下地材に幕板を接着剤で接
着して取付けている。このように、幕板の取付け
に際して、まず下地材を取付け、次いで幕板の取
付けを行なわなければならず、現場での幕板取付
け施工に手間がかかるという問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、現場における幕板の取付け
施工が容易に行え、しかも隣接する幕板どうしの
連結が強固に行える幕板の取付構造を提供するこ
とである。

〔考案の開示〕

この考案の幕板の取付構造は、互いの間に空間
を介して上下に配設した上下階の外壁間に、複数
の幕板を横列に並設し、幕板は、幕板本体と、こ
の幕板本体の上下端縁の各内面に沿つて設けられ
それぞれ幕板本体の上下端面から張出しかつ両端
を幕板本体の側端面より内側に位置させた一対の
桟とからなり、一対の桟を各々上下階の外壁に固
定し、隣接する幕板の桟の端面間に幕板の高さ方
向に延びる幕板ジヨイント部材を配設しかつ隣接
する幕板本体の内面に接着したことを特徴とする
ものである。

この考案の構成によると、幕板は幕板本体とこ
の幕板本体の上下端縁の各内面に幕板本体の上下
端面から張出して固設した一対の桟とからなり、
幕板本体が釘打ちできない材質のものであつて
も、現場で一対の桟をそれぞれ上下階の外壁に固
定するだけで取付けることができ、現場における
幕板の取付け施工が容易に行える。さらに、隣接
する幕板本体の内面間に渡つて、幕板の高さ方向
に延びる幕板ジヨイント部材を接着したので、隣
接する幕板どうしの連結が強固に行える。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第４図に基
づいて説明する。この実施例の幕板の取付構造
は、第１図に示すように、互いの間に空間１４を
介して上下に配設した上下階の外壁１０，１２間
に、複数の幕板２２を横列に並設し、幕板２２
は、幕板本体１６と、この幕板本体１６の上下端
縁の各内面に沿つて設けられそれぞれ幕板本体１
６の上下端面から張出しかつ両端を幕板本体１６
の側端面より内側に位置させた一対の桟１８，２
０とからなり、一対の桟１８，２０を各々上下階
の外壁１０，１２に固定し、隣接する幕板２２の
桟１８，２０の端面間に幕板２２の高さ方向に延
びる幕板ジヨイント部材６２を配設しかつ隣接す
る幕板本体１６の内面に接着したことを特徴とす
るものである。

第１図において、２４はラチス梁であり、ラチ
ス梁２４の上面に固定した支持金物２６上に下枠
３８を載置して上階の外壁１０が立設されてい
る。なお、上下階の外壁１０，１２の下枠３８お
よび上枠４２の各外面には切欠き部４０，４４が
形成されている。

また、幕板２２は、第２図に示すように構成さ
れている。すなわち、フアイバーセラミツク製の
幕板本体１６の内面の上下端縁に沿つて木製の桟
１８，２０が弾性接着剤にて接着してある。各桟
１８，２０は、それぞれ幕板本体１６の上下端面
１６ａ，１６ｂから上下に張出しており、両端は
幕板本体１６の両側端面１６ｃ，１６ｄより内側
に位置している。幕板２２は、第１図に示すよう
に上下の桟１８，２０をそれぞれ上下階の外壁１
０，１２の切欠き部４０，４４内に嵌合し、釘４
６，４８で下枠３８および上枠４２に固定して、
上下階の外壁１０，１２の外面間に配設されてい
る。幕板本体１６の上下端面１６ａ，１６ｂと上
下階の外壁１０，１２の外装材５０，５２の端面
との間には、バツクアツプ材５４，５６を介装
し、かつコーキング材５８，６０を充填する。

第３図は、第１図の−断面図である。隣合
う幕板２２間には、幕板２２の高さ方向に延びて
上下の桟１８，２０どうしの間において合板から
なる幕板ジヨイント部材６２が幕板本体１６に接
着して介装されている。幕板ジヨイント部材６２
と桟１８，２０との間にはコーキング材６４が充
填され、かつ幕板本体１６の側端面どうしの間に
もバツクアツプ材６６を介してコーキング材６８
が充填されている。また、７０は柱であり、柱７
０を覆つて幕板２２間に柱用外装材７２が幕板本
体１６と面一に配設されている。柱用外装材７２
の内面には鉄板７４がタツピンねじ７６にて固定
されている。この鉄板７４の両端と隣合う幕板２
２との間には、幕板本体１６の裏面に接着して合
板からなる柱際ジヨイント部材７８が介装されて
いる。なお、柱際ジヨイント部材７８と幕板２２
の上下の桟１８，２０との間にはコーキング材８
０が充填されており、かつ柱用外装材７２と隣合
う幕板本体１６との間にもバツクアツプ材８４を
介してコーキング材８２が充填されている。さら
に、幕板２２の桟１８，２０、幕板ジヨイント部
材６２および柱際ジヨイント部材７８の各内面に
は水密材８６が貼付けてある。

なお、第４図に建物の外面の正面図を示す。

このように構成された幕板の取付構造による
と、幕板本体１６が釘打ちできない材質のフアイ
バーセラミツク製であつても、木製の桟１８，２
０が接着してあるため、現場で各桟１８，２０を
外壁１０，１２の枠３８，４２に釘止めするだけ
で取付けることができ、工数が削減し現場におけ
る幕板２２の取付け施工が容易に行なえる。

また、隣接する幕板本体１６，１６の内面間に
渡つて幕板ジヨイント部材６２を接着して、隣接
する幕板２２，２２どうしを連結してある。幕板
ジヨイント部材６２は、幕板２２の高さ方向に延
びて、隣接する上下の桟１８，２０の端面間に配
して設けられている。このように、幕板ジヨイン
ト部材６２は、幕板本体１６の端部に高さ方向全
体に渡つて接着してあるので、接着面積が広く、
隣接する幕板２２，２２どうしを強固に連結でき
る。

また、幕板本体１６の上下端面１６ａ，１６ｂ
から張出した上下の各桟１８，２０を外壁１０，
１２の枠３８，４２に形成した切欠き部４０，４
４内に嵌合することで、幕板本体１６の上下端面
１６ａ，１６ｂと外壁１０，１２の外装材５０，
５２の端面との間に目地を形成することができ
る。

さらに、幕板本体１６と桟１８，２０との接着
を弾性接着剤にて行なつたので、耐水性ならびに
幕板本体１６の伸縮に対する抵抗力にすぐれてい
る。

なお、前記実施例における幕板本体１６の材質
はフアイバーセラミツクであつたが、他の材質の
ものでもよい。

〔考案の効果〕

この考案の幕板の取付構造によると、幕板は幕
板本体とこの幕板本体の上下端縁の各内面に幕板
本体の上下端面から張出して固設した一対の桟と
からなり、幕板本体が釘打ちできない材質のもの
であつても、現場で一対の桟をそれぞれ上下階の
外壁に固定するだけで取付けることができ、現場
における幕板の取付け施工が容易に行える。さら
に、隣接する幕板本体の内面間に渡つて、幕板の
高さ方向に延びる幕板ジヨイント部材を接着した
ので、隣接する幕板どうしの連結が強固に行える
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の縦断面図、第２
図はその幕板の斜視図、第３図は第１図の−
断面図、第４図はその建物の外面の正面図であ
る。 １０……上階の外壁、１２……下階の外壁、１
４……空間、１６……幕板本体、１６ａ……上端
面、１６ｂ……下端面、１８，２０……桟、２２
……幕板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いの間に空間を介して上下に配設した上下階
   の外壁間に、複数の幕板を横列に並設し、 前記幕板は、幕板本体と、この幕板本体の上下
   端縁の各内面に沿つて設けられそれぞれ前記幕板
   本体の上下端面から張出しかつ両端を前記幕板本
   体の側端面より内側に位置させた一対の桟とから
   なり、 前記一対の桟を各々前記上下階の外壁に固定
   し、隣接する前記幕板の桟の端面間に幕板の高さ
   方向に延びる幕板ジヨイント部材を配設しかつ隣
   接する前記幕板本体の内面に接着したことを特徴
   とする幕板の取付構造。