JPH0540911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、被加工物の交換を自動的に行う工作
機械の自動パレツト交換装置に関する。

〈従来の技術〉 多数の被加工物を連続的に加工する場合、一般
にはこれら被加工物をパレツトに位置決め状態で
取付け、このパレツトを工作機械に対して搬送す
ることにより行つている。

また、工作機械は加工の際に発生する切粉やク
ーラント等の飛散を防止するため、通常、クーラ
ントガードで囲まれている。従つて、工作機械に
対しパレツトの搬出入を行う場合には、クーラン
トガードに形成した扉を開閉し、パレツトを所定
の位置に送り込む必要がある。

従来、このような目的でクーラントガードの扉
の外側と内側とにパレツトの停止位置を設定し、
扉の外側でパレツトに対し被加工物を着脱する一
方、扉の内側で被加工物が搭載されたパレツトを
工作機械のワークテーブルに支持するようにした
ものが知られている。この場合、パレツトを扉の
外側と内側とに搬出入するパレツト交換治具が使
用されている。パレツトには被加工物を固定ある
いは固定解除を行うための流体作動のワーククラ
ンプ治具が組込まれており、このワーククランプ
治具に対する流体の給排を行うための流体給排管
がカプラを介してパレツトに連結されている。こ
のため、パレツトが扉を通過する度に流体給排管
をパレツトに対して着脱することとしている。

〈考案が解決しようとする課題〉 自動パレツト交換装置を有した工作機械は、加
工の為に工作機械内に位置したパレツトと被加工
物の着脱の為に工作機械外の待機位置に位置した
パレツトとの間がクーラントガードで仕切られて
いる。この為パレツトを自動交換しながら連続的
に加工を行うには、パレツト交換の都度カプラの
着脱を人手により行わなければならず、自動化が
困難であるという課題を有している。

〈課題を解決するための手段〉 本考案による自動パレツト交換装置は、被加工
物が支持されると共に流体機器がそれぞれ組込ま
れた複数のパレツトと、工作機械を囲むクーラン
トガードにより隔てられたこの工作機械の内側の
パレツト支持位置及びこの工作機械の外側の待機
位置の両位置と、両端部に前記パレツトを支持す
ると共に旋回によりこの両位置へ前記パレツトの
位置を切換えるアームとを具備した自動パレツト
交換装置をおいて、前記アームの旋回中心を横切
りアームに一体的且つ垂直に取付けられて前記ク
ーラントガードの一部を構成する回転扉と、前記
アームの旋回中心と同軸状で一端側が流体供給源
に接続した流体用のロータリジヨイントと、この
ロータリジヨイントの他端側と前記複数のパレツ
トの前記流体機器とを接続する配管とを備えたこ
とを特徴とするものである。

〈作用〉 工作機械内のパレツト支持位置と工作機械外の
待機位置へアームの旋回により交換されながらパ
レツトに支持された被加工物を工作機械が加工す
る。この工作機械の内外を隔てるクーラントガー
ドの開閉扉と共にロータリジヨイントがアームに
より回転される。従つて、工作機械の内外へ伸び
た配管へ接続するロータリジヨイントへ流体を供
給することにより配管を通して工作機械の内外の
パレツトの流体機器へ常時流体が供給される。

〈実施例〉 流体機器を、パレツトの取付具への被加工物の
取付け及び取付け解除に応用した本考案による自
動パレツト交換装置の一実施例を説明する。

本考案の自動パレツト交換装置は第１図、第２
図に示すように図示しない被加工物を、流体であ
る圧縮空気により作動し取付け及び取付け解除す
る取付具３，５をそれぞれ上部に支持する２つの
パレツト２，４と、パレツト２，４を上部に乗せ
パレツト２，４を着脱可能且つ旋回可能なアーム
１と、アーム１を回転駆動する図示しない回転駆
動源と、アーム１の旋回中心を横切りアーム１に
対して垂直方向に固定支持されることにより工作
機械の内外を隔て且つアーム１の旋回と共に回転
する回転扉７と、アーム１の旋回中心と同軸状で
ブラケツト１４に固定支持された一端側に流体を
給排するための流体接続口１１が接続され且つ他
端側が回転扉７に連結することにより他端側が回
転扉７と共にアーム１の旋回中心を中心として回
転するロータリジヨイント１０と、ロータリジヨ
イント１０の他端側に一端が接続され水平で且つ
回転扉７に対しほぼ直角方向で工作機械の内外へ
それぞれ伸びる２本の配管９ａ，９ｂと、配管９
ａ，９ｂの他端に一端がそれぞれ接続され且つ他
端がそれぞれ取付具３，５に接続されるフレキス
ブルな配管８ａ，８ｂとから構成される。

さらに、配管９ａ，９ｂとロータリジヨイント
１０との間の構成について詳細に説明すると、ロ
ータリジヨイント１０の他端側にはロータリジヨ
イント１０の上下位置を規制する回転軸１３と、
この回転軸１３の上部に位置する流体分岐部１５
とがある。流体分岐部１５の外周にはロータリジ
ヨイント１０と一体的に回転する配管保持部１６
があり、配管保持部１６とロータリジヨイント１
０の間はＯリング１７ａ，１７ｂにより流体であ
る圧縮空気のシールがされている。さらに、配管
保持部１６には配管９ａ，９ｂがねじ止めされて
おり、配管９ａ，９ｂは回転扉７に固定された支
持具１８により支持されている。

従つて、ロータリジヨイント１０の一端に供給
された圧縮空気は常時漏れなく配管９ａ，９ｂに
供給可能となり、圧縮空気の排除もこれと逆の行
程で可能となる。また、回転扉７の回転力が支持
具１８を介して配管９ａ，９ｂに伝えられること
により、回転扉７と配管９ａ，９ｂ及びロータリ
ジョイント１０の他端側が一体的に回転される。

一般に、パレツト上に取付けられた被加工物を
工作機械は工具を有した主軸により加工するが、
本考案の一実施例による自動パレツト交換装置を
具備した工作機械による加工を以下説明する。

加工は、工作機械の内側のパレツト支持位置に
あるパレツト４が機械テーブル６に固定支持され
た後、アーム１より離脱し主軸１２側へ移動し、
工具を有した主軸１２により、パレツト４に支持
された取付具５に取付けられた被加工物（図示せ
ず）を加工する。さらに、加工終了後にパレツト
４をパレツト支持位置まで戻し、機械テーブル６
からの固定支持が解除される。そしてアーム１が
上昇してパレツト４とパレツト２を持ち上げた後
に、アーム１５が旋回し今まで待機位置にあつた
パレツト２がパレツト支持位置へ移動し、パレツ
ト４が待機位置へ移動してパレツト４とパレツト
２が交換される。そして、アーム１が下降した後
パレツト２が、機械テーブル６に支持され、パレ
ツト２の被加工物が同様に加工されることとな
る。またアーム１が旋回する際には、加工中に発
生する切粉やクーラントが外部に飛散するのを防
止するクーラントガードの一部を構成する回転扉
７もアーム１と共に回転する。さらにパレツト４
の図示しない被加工物が加工されている間にパレ
ツト２への被加工物の脱着を行うこととしてい
る。

これらの加工に際して、流体である圧縮空気の
給排を必要とする取付具３，５への流体の給排
は、図示しない流体供給源より供給された流体が
流体接続口１１からロータリジヨイント１０に入
り、ロータリジヨイント１０に接続された配管９
ａ，９ｂ，８ａ，８ｂをそれぞれ介して待機位置
のパレツト２の上の取付具３及び工作機械内のパ
レツト４の上の取付具５にそれぞれ供給される。
さらに、上記と逆の行程で流体の排除が行われ
る。また、アーム１の旋回時においても回転扉７
の回転中心と同軸状にロータリジヨイント１０を
有しているため、配管の取りはずし、取付けを行
わず空圧により作動する取付具３，５への圧縮空
気の給排が可能であり、２つのパレツト２，４を
自動交換しながら連続的に加工を行えることとし
た。

なお、取付具３，５の作動用の流体を作動油等
の他の流体とすることもできる。この場合、流体
機器は作動油等の他の流体により作動するものを
選定すればよい。

以上、本考案の一実施を２パレツトの実施例に
基づき説明したが３パレツト以上のパレツトを支
持可能なアームによることもできる。この場合、
パレツト数に合わせロータリジヨイント１０から
の配管を３以上とすればよい。

さらに、流体機器を被加工物取付面の清掃用の
機器、加工物の着座検出用の機器等とし、これに
流体の給排を行うことも可能であり、また、流体
をクーラントとすることにより被加工物へのクー
ラント供給を行うことも可能である。

〈考案の効果〉 本考案の自動パレツト交換装置によると、パレ
ツトに常時流体を給排可能とでき、カプラの着脱
を行わずに、パレツトを自動交換しながら連続的
に加工を行うことができる。

従つて、連続加工の自動化を可能とした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る自動パレツト
交換装置の側面図、第２図は第１図のＡ部拡大部
分断面図である。 図面中、１はアーム、２，４はパレツト、３，
５は取付具、６は機械テーブル、７は回転扉、８
ａ，８ｂ，９ａ，９ｂは配管、１０はロータリジ
ヨイント、１１は流体接続口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物が支持されると共に流体機器がそれぞ
   れ組込まれた複数のパレツトと、工作機械を囲む
   クーラントガードにより隔てられたこの工作機械
   の内側に設定されるパレツト支持位置及びこの工
   作機械の外側に設定される待機位置の両位置と、
   両端部に前記パレツトを支持すると共に旋回によ
   りこの両位置へ前記パレツトの位置を切換えるア
   ームとを具備した自動パレツト交換装置におい
   て、前記アームの旋回中心を横切りアームに一体
   的且つ垂直に取付けられて前記クーラントガード
   の一部を構成する回転扉と、前記アームの旋回中
   心と同軸状で一端側が流体供給源に接続した流体
   用のロータリジヨイントと、このロータリジヨイ
   ントの他端側と前記複数のパレツトの前記流体機
   器とを接続する配管とを備えたことを特徴とする
   自動パレツト交換装置。