JPH0540373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ガスコツク、更に詳しくは、開弁
時には必ず全開状態になると共に、過流出を防止
するヒユーズ機能と開安全確認機能を備えたガス
コツクに関するものである。

〔考案の背景〕

ガス使用の安全性を図るため、近年、ガスコツ
クに、過流防止用のヒユーズ機能をもたせたり開
安全確認機能を付加することが要求されている。

ところで、従来のガスコツクは、閉子をつまみ
で回動操作することによつてガスの供給と遮断を
行なうような構造になつているため、ガス供給時
において、つまみの操作量によつて閉子の開度が
変化し、必ずしも閉子を全開位置にすることはで
きない。

このため、過流出時にヒユーズが正確に作動し
なかつたり、開安全の確認が行なえないという問
題がある。

〔考案の目的〕

この考案は、上記のような問題を解決するため
になされたものであり、開弁時には必ず全開にな
り、ヒユーズ機能や開安全機能の確実な作動を得
ることができるガスコツクを提供することが目的
である。

〔目的を達成するための手段〕

上記のような目的を達成するため、この考案
は、ガス通路の途中に設けた弁室内に、下降位置
で弁座に接してガス通路を遮断する昇降自在の弁
体と、この弁体に上昇位置への上昇弾性を付与す
るばねを組込み、この弁体に、上面で開口する室
と、室を介してガス通路の上流側と下流側を導通
する小孔とを設け、前記弁体の室内に、下降位置
で小孔を閉鎖する永久磁石を上下動自在に収納
し、前記弁室の直上位置にばねで上昇弾性が付勢
された開閉操作部材を上下動自在に配置し、この
操作部材の弁室に向く端部に永久磁石を固定した
構成としたものである。

〔作用〕

閉弁時 開閉操作部材が弁室から離反した位置にあり、
この操作部材の永久磁石と弁体内の永久磁石は吸
引しない位置に離れているため、弁体は自重と永
久磁石の重量によつてばねを圧縮し、弁座に圧着
すると共に、永久磁石が小孔を閉鎖し、ガス通路
を遮断する。

開弁時 操作部材の永久磁石が弁室に接近し、弁体の永
久磁石を吸引すると共に、ガス通路の上流側と下
流側の圧力が等しいため、弁体はばねの押上力と
によつて上昇位置に保持され、弁室を介してガス
通路は連通状態となる。

開弁状態で過流出が発生すると、弁室内におけ
るガスの圧力差により、弁体は下流側へ吸引さ
れ、弁座に圧接してガス通路を遮断するヒユーズ
の働きをする。

開弁時の漏れ検出 閉弁状態から操作部材を押下げ、その永久磁石
を弁室に接近させると、弁体の永久磁石は吸引さ
れて上昇し、小孔を開放して下流側にガスを流出
させるが、下流側の過流出状態が解消されていな
いと、下流側は圧力が上昇せず、上流と下流の圧
力差によつて弁体は閉弁位置のままにあり、開弁
状態が生じないことになる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図のように、コツク本体１に、弁室２と、
この弁室２の側面に連通する上流側ガス通路３
と、弁室２の下部に連通する下流側ガス通路４が
設けられ、弁室２内には昇降自在の弁体５と、こ
の弁体５に上昇弾性を付勢するばね６と、弁体５
の室７内に上下動自在に収納された永久磁石８と
が組込まれている。

上記コツク本体１及び弁体５は、銅、合金、ア
ルミ、合成樹脂等非磁性材料を用いると共に、弁
体５は下降位置にあるとき、弁室２の下部に設け
た弁座９上に圧接し、上流側ガス通路３と下流側
ガス通路４を遮断する。

また、弁体５が上昇位置にあるとき弁座９から
離れ、両ガス通路３と４を連通させることにな
る。

上記弁体５の室７内に収納した永久磁石８は、
室７の上端部内周に嵌着した抜止リング１０によ
り、上昇位置が制限されると共に、その下面に
は、下降位置において、弁体５の座部に設けた小
孔１１を閉鎖する弁部材１２が取付けられてい
る。

前記小孔１１は、弁体５が下降位置にあつてガ
ス通路３と４を遮断すると共に、永久磁石８が上
昇位置にあるとき、両ガス通路３と４を連通し、
下流側ガス通路４に小量のガスを供給し、開安全
の確認をするために設けられている。

従つて、上記の条件において、下流側にガスが
流出するよう、室７と永久磁石８の間には隙間が
確保されている。

なお、弁体５を押上げるばね６は、弁体５と永
久磁石８の重量が加わると収縮する程度の弾性に
設定されている。

コツク本体１には、弁室２の直上位置に円筒壁
１３が突設され、この円筒室１３内に軸状の開閉
操作部材１４を上下動と回動が自在となるよう組
込み、円筒壁１３の上端から突出する開閉操作部
材１４の上部に操作つまみ１５が取付けられてい
る。

開閉操作部材１４は、ばね１６によつて上昇弾
性が付勢されていると共に、上下動ストロークの
中間位置で掛止できるようになつている。

開閉操作部材１４を中間位置に保持するには、
第２図の如く円筒壁１３の上端に固定したストツ
パー部材１７の内周に切欠１８を設け、操作部材
１４の中間位置から下方の外周面に切欠１８内へ
掛脱する突起１９を設け、操作つまみ１５を押込
んで突起１９が切欠１８を通過した状態で操作部
材１４を回動させ、突起１９の上端をストツパー
部材１７の下面に掛止すれば、中間位置が保持さ
れる。

また、上昇位置の保持は、切欠１８に突起１９
が嵌合する状態で、ばね受を兼ねる鍔２０がスト
ツパー部材１７の下面に当接することによつて得
られる。

前記開閉操作部材１４の下端には永久磁石２１
が固定され、弁体５の永久磁石８と隔壁２２を挟
んで対面している。

両永久磁石８と２１は、操作部材１４の永久磁
石２１が下降位置にあるとき互に吸引し、中間位
置にあるときは弁体５が上昇位置にある時にのみ
互に吸引し、上昇位置にあるときは永久磁石８を
引上げないような磁力に設定されている。

この考案のガスコツクは上記のような構成であ
り、次にその作用を説明する。

閉弁時（第３図） 開閉操作部材１４を上昇位置にすると、永久磁
石８と２１の距離が離れ、永久磁石８の引上げが
なくなるため、永久磁石８の重量が加わつた弁体
５はばね６を圧縮して下降し、弁座９に圧接して
上下ガス通路３，４を遮断する。

このとき、永久磁石８の弁部材１２が小孔１１
を閉鎖するため、下流側ガス通路４へのガスの流
出はない。

開弁時の漏れ検出（第４図） つまみ１５を介して開閉操作部材１４を押込
み、永久磁石２１を下降位置にすると、弁体５の
永久磁石８が室７の上昇位置に引上げられるが、
上流側ガス通路３と下流側ガス通路４の圧力差が
あると、弁体５はガス圧によつて下降位置が保持
され、永久磁石８の上昇によつて開放された小孔
１１から下流側ガス通路４にガスが流出する。

下流側ガス通路４に漏れがない場合、両ガス通
路３，４の圧力が等しくなり、ばね６の押上力と
両永久磁石８，２１の吸引力とによつて弁体５は
開弁位置に上昇する。

また、下流側ガス通路４に漏れがある場合、弁
体５は上昇せず、適当な時間の押圧後につまみ１
５の押圧を解き、漏れの原因を解消すればよく、
永久磁石２１が上昇すると弁体５の永久磁石８が
下降し、小孔１１を閉じる。

開弁時（第５図） 第４図で示した漏れ検出状態で下流側ガス通路
４に漏れの原因がなく、弁体５が上昇して上下ガ
ス通路３，４が導通すると、つまみ１５を90°回
動させた後、押下げを解く。

操作部材１４は突起１９の上端がストツパー部
材１７に当接し、永久磁石２１が中間高さ位置に
待機し、弁体５の永久磁石８を吸引上昇させてい
るため、弁体５の上昇全開位置が保持されること
になる。

上記の全開状態において、下流側ガス通路４に
過流出が生じると、弁体５の上下面におけるガス
圧力の差によつて弁体５は引下げられ、永久磁石
８の引上げもなくなり、弁部材１２が小孔１１を
閉鎖するので、上下のガス通路３と４を遮断する
ヒユーズの働きをすることになる。

〔効果〕

以上のように、この考案によると、弁体は開弁
時に必ず全開位置になり、過流出防止のためのヒ
ユーズの働きが正確になり、しかも開弁時には、
下流側ガス通路の漏れ発生の有無を確認すること
ができ、ガスコツクの安全性を大幅に向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るガスコツクの開弁状態
を示す縦断正面図、第２図は開閉操作部材とスト
ツパー部材の関係を示す横断面図、第３図乃至第
５図の各々は要部の作動状態を示す異なつたパタ
ーンの縦断面図である。 １……コツク本体、２……弁室、３……上流側
ガス通路、４……下流側ガス通路、５……弁体、
６，１６……ばね、７……室、８，２１……永久
磁石、１１……小孔、１４……開閉操作部材、１
５……つまみ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス通路の途中に設けた弁室内に、下降位置で
   弁座に接してガス通路を遮断する昇降自在の弁体
   と、この弁体に上昇位置への上昇弾性を付与する
   ばねを組込み、この弁体に、上面で開口する室
   と、室を介してガス通路の上流側と下流側を導通
   する小孔とを設け、前記弁体の室内に、下降位置
   で小孔を閉鎖する永久磁石を上下動自在に収納
   し、前記弁室の直上位置にばねで上昇弾性が付勢
   された開閉操作部材を上下動自在に配置し、この
   操作部材の弁室に向く端部に永久磁石を固定した
   ガスコツク。