JPH054029B2 - - Google Patents

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JPH054029B2
JPH054029B2 JP14568985A JP14568985A JPH054029B2 JP H054029 B2 JPH054029 B2 JP H054029B2 JP 14568985 A JP14568985 A JP 14568985A JP 14568985 A JP14568985 A JP 14568985A JP H054029 B2 JPH054029 B2 JP H054029B2
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JP
Japan
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dna
cell
hydrolysis
damaged
cells
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JP14568985A
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JPS628053A (ja
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Masaru Fukuda
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Cosmo Oil Co Ltd
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Maruzen Oil Co Ltd
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、細胞核DNAの損傷を検出する方法
に関し、この方法は細胞核DNAが老化や癌化に
伴なう質的な変化を検知して癌細胞のスクリーニ
ングや癌の病理診断に用いたり、化学的発癌物質
の確認試験に使用したりすることができる。 従来の技術 老化や癌化によつて細胞核DNAが量的に変化
することは周知の通りであり、その検出方法も、
既に確立されている。しかしながら、細胞核
DNAは、前記した明確な量的変化を起す前に、
(1)DNA塩基のアルキル化による微小なひずみ、
(2)DNA塩基の水和や脱落による小さいひずみ、
(3)水分量の大きい化学物質がDNAに共有結合で
働き(付加物)、DNA塩基配列の間に挿入される
大きなひずみ、(4)2つの塩基が結合してできた2
量体、2本の鎖間での、あるいはDNA鎖とタン
パク質との交叉結合によつて生ずる一本の鎖に生
じた切断および(5)二本の鎖の切断などの細胞
DNAの損傷を来すことが知られており、かかる
細胞核DNAの損傷の検出方法の開発が当然のこ
とながら強く望まれており、種々の方法が提案さ
れている。そのような方法としては、例えば細胞
核DNAが損傷された場合に生物が自己の機能と
して損傷部位を自然の作用で修復する過程で放射
性同位元素でラベルした物質を細胞核DNA中に
取込ませてこれを検出する方法や特定の抗原抗体
反応を利用して螢光物質を結合させた抗体を細胞
核DNAの損傷部位に結合させて検知する方法、
更には、パパニコロウ染色法として知られている
方法によつて細胞検体を2種類の色素で染色し、
その色調、濃淡或いは染色された細胞及び核の大
きさ等を顕微鏡にて肉眼観察して判別する方法な
どが知られている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記した放射性同位元素でラベ
ルした物質を使用する方法や抗原抗体反応を利用
する方法は、放射性同位元素を利用するため特殊
な設備が必要となつたり、特殊な抗体を利用する
ため検出法がコスト高になつたり、操作が繁雑に
なつたり、或いはパパニコロウ染色法では操作が
繁雑である上にその判別に熟練を要するという問
題があり、しかもその処理量にも限度があるとい
つた問題があつた。本発明はかかる問題点を解決
した細胞核DNAの損傷検出法を提供することを
目的とする。 問題点を解決するための手段及びその作用効果 本発明に従えば、細胞検体を比較的緩やかな加
水分解条件下に酸を用いて加水分解して検体中に
含まれる損傷のあるDNAを選択的に加水分解せ
しめ、次いでアクリジン色素で染色して得られる
螢光を測定することによつて前記問題点を解決し
た細胞核DNAの損傷検出法が提供される。 本発明者らは以下の実施例において説明するよ
うに、DNAの加水分解の動態はその存在様式、
即ち、核蛋白との関係やDNA分子の傷害の有無
等によつて微妙に影響されることを見出した。即
ち、細胞核DNAを酸を用いて加水分解した場合
に、正常な細胞核DNAと損傷のある細胞核DNA
とで加水分解に対する挙動が異なり、適当な条件
を選べば損傷のある細胞核DNAを選択的に加水
分解してDNAの二重鎖を単鎖にすることができ、
これをアクリジン色素で染色することによつて損
傷DNAと正常DNAを分離検出することに成功し
たのである。 本発明方法に従えば、細胞検体を液中に浮遊状
態のまま又は適当な方法でプレパラート上に付着
せしめた塗沫標本状態で固定し、例えばリン酸緩
衝液でリンスした後、損傷DNAを選択的に加水
分解するような緩やかな条件下に酸を用いて加水
分解する。かかる加水分解条件は当業者であれば
予じめ予備実験によつて容易に定めることができ
る。一般的に述べれば、例えば塩酸、硫酸、リン
酸、硝酸、過塩素酸などの酸を希薄状態で(例え
ば塩酸の場合には1〜5N塩酸の使用が適当であ
る)使用し、温度40℃以下で5〜120分間、好ま
しくは20〜35℃で15〜30分間程度の範囲内で加水
分解することにより、損傷のある細胞核DNAを
優先的に加水分解せしめる。 なお、検体中に存在するRNAは一般に酸によ
る加水分解速度が速いので損傷のあるDNAより
一段と速く加水分解されて次の染色検出工程を妨
害しないが、場合によつては染色検出測定のノイ
ズとなるので、加水分解前に適当なRNA分解酵
素(RNAase)を用いて処理し、RNAを選択的
に分解せしめるのが好ましい。 本発明に従えば、前記のようにして損傷のある
DNAが優先的に加水分解された検体をアクリジ
ンオレンジのようなアクリジン色素を用いて螢光
染色させ、得られた螢光を測定することにより損
傷DNAの検出をすることができる。このアクリ
ジン色素を用いる細胞の染色測定は既に知られて
おり、アクリジン色素はDNAと強い結合(イン
ターカレイシヨン結合)と弱い結合(スタツク結
合)の二通りの様式で結合して螢光発色する。即
ち、例えばDNAの二重鎖はアクリジンオレンジ
とインターカレイシヨン結合様式で結合して緑色
螢光を発するのに対し、DNAの単鎖はアクリジ
ンオレンジとスタツク結合して赤色螢光を発する
ので、この螢光色の差を利用して正常な細胞核
DNAと損傷細胞核DNAとを分別検出することが
できるのである。 このように本発明に従えば、単に希酸を用いる
緩やかな加水分解と、既に細胞の染色測定法とし
て確立されたアクリジン色素を用いる簡単な染色
測定を組合せることによつて、損傷のある細胞核
DNAを容易にかつ効果的に判別することができ
る。 実施例 以下、実施例に従つて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例
に限定するものでないことはいうまでもない。 実施例 1 生後4週と45週のラツト小脳内顆粒細胞および
大脳運動ニユーロンで各パラメータを比較して加
令による細胞核DNAの変化を以下のようにして
求めた。 試験方法 a 塗沫標本あるいは浮遊細胞をエタノール:ア
セトン=1:1(V/V)で4℃、16時間固定
する。 b ダルベツコ(Dulbecco)のリン酸緩衝液
(PBS)(NaCl8.0g、KCl0.2g、Na2HPO4
7H2O2.16g及びKH2PO40.2gを蒸留水1000ml
に溶かす)で4℃、2回リンスする。 c 2N−HClで30℃、0〜240分(適当な間隔で
サンプリングを行うが、予測されるピーク時間
近くを多くとるようにする)の加水分解を行
う。 d 0.1N HCl、0℃で反応をとめ、PBSで4
℃、2回リンスする。 e 0.02%アゾカーミンG液(ヘキスト)100ml
に0.1mlの氷酢酸を加えた液25℃、3分間染色
し非特異的色素吸着も予防する。 f PH6.5のマツクバイン(Mcllvaine)緩衝液
(Na4HP428.395g/のA液とクエン酸21.008
g/のB液を71:29に混合)で4℃、3回リ
ンスする。 g アクリジンオレンジ(AO)を10μg/mlの
割に前記緩衝液に溶かした液で、4℃で30分間
染色する。 h 前記緩衝液を用いて4℃で3回リンスし、塗
沫標本は同じ緩衝液で封入して顕微螢光測光を
行つた。 i AOの励起は顕微螢光測光で405nmの紫色光
を用いて行なう。 j 加水分解のt=0における値はPH7.0の0.2M
トリス緩衝液(PH7.0、0.2M Tris−HClに等量
の0.2M NaClを混合)に200〜600ユニツト/
mlの割にRNAaseを溶かした液で37℃で60分間
の処理を行つてからAO染色した試料で求め
る。 k 加水分解の各時間で得られた値からt=0で
値を差引いて、加水分解時間tに対してプロツ
トして加水分解カーブを得る(2N−HCl、30
℃の加水分解では5分までにRNAは完全に溶
出するため、t=0以外のRNAase処理は不要
で、赤色螢光は全て単鎖DNAによるとみなせ
る)。 l 加水分解カーブからコンピユーターを用いて
次式に従つて細胞核DNAの質的特性を表わす
各パラメータを求める。 Y(t)=yoK1/K2−K1(e-K1t−e-K2t) Y(t):加水分解時間tにおける単鎖DNA(アプリ
ン酸)の量 K1:単鎖DNAの生成速度定数 K2:単鎖DNAの崩壊速度定数 yo:t=0における単鎖DNAの存在量 結果は表1に示す通りであつた。
【表】 tp:ピーク時間 表1の結果から、小脳大脳とも加令とともに
1/K1が大きくなり神経細胞核クロマチンの濃
縮が進み、K2が大きくなつてDNAの不安定性が
増すとともに潜在単鎖DNA量yoも増すことが分
かる。 実施例 2 細胞の種類が異なるとDNAの質的な違いがあ
ると考えられるので11週令のマウス肝細胞、好中
球および小脳内顆細胞について実施例1と同様に
して調べた結果、表2に示すように、肝細胞では
多倍体化に伴つてクロマチン濃縮が進み、DNA
の不安定性が増すとともに潜在単鎖DNA量が増
加し、加令神経細胞でみられたと同じくDNA損
傷が進行していることが示された。また、形態的
特徴と一致して、好中球でクロマチン濃縮度が最
も大きくでており、内顆粒細胞のそれが肝2C細
胞より大きくでている事はこの方法の正確さを裏
付けているといえよう。DNA損傷を示すもう一
つのパラメータである潜在単鎖DNA量yoは、8C
の多倍体肝細胞で格段に大きく、好中球、内顆粒
細胞では2C肝細胞に比して大きくなつている。
【表】 実施例 3 対数増殖期のエーリツヒ(Ehrlich)腹水癌細
胞を用いて各パラメータが細胞周期によつてどう
変化するかを実施例1と同様にして調べたとこ
ろ、表3に示すように、G1期に比べてクロマチ
ン濃縮が進むG2+M期で濃縮度を表わすパラメ
ータ1/K1は大きくなり、DNAの不安定性度K2
も大きくなることが示された。
【表】 実施例 4 ほとんど全ての化学発癌物質はDNAに損傷を
与えることが知られている。そこで、14週令マウ
スにマイトマイシンCを10〜50μg/gで静脈内
投与し、3時間後に肝細胞を塗沫して実施例1と
同様にして試験したところ、潜在単鎖DNA量yo
と投与量との間に2相性の用量依存性が認められ
た。 実施例 5 対数増殖期エーリツヒ腹水癌細胞(1×
105cells/ml)にX線を照射して直後に固定した
試料を用いて実施例1と同様にして試験したとこ
ろ、潜在単鎖DNA量yoと照射線量の間に直線関
係が成立することが認められ、しかもこの直線の
傾きはG1期よりもG2+M期で大きく、X線によ
り損傷されやすいことが確認された。 実施例 6 肺癌患者の喀痰をプレパラート上に塗末し、次
いでエタノール:アセトン=1:1(V/V)混
合液を用いて4℃で16時間固定した。これを
PBSを用いて25℃で10分間リンスした。次に、
PBS中にてRNAaseを用いて、37℃で1時間処
理し、RNAを分解した。これをPBSを用いて25
℃で10分間リンスした後、2N−HClを用いて30
℃で22分間加水分解した。0.1N−HClを添加し
て反応を停止し、更に、PBSを用いて25℃で10
分間リンスした後アクリジンオレンジを濃度が
30μg/mlになるようにPBSに溶解した液を用い
て染色した。これを更にPBSにて2〜3回リン
スした後、PBSに封入し螢光顕微鏡にて観察し
た。励起を405nmのバイオレツト光にて行つた
ところ、黄緑色に染色した正常細胞と、赤色に染
つた癌細胞が確認できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 細胞検体を比較的緩やかな加水分解条件下に
    酸を用いて加水分解して検体中に含まれる損傷の
    あるDNAを選択的に加水分解せしめ、次いでこ
    の加水分解生成物をアクリジン色素で染色して得
    られる螢光を測定することを特徴とする細胞核
    DNAの損傷検出法。
JP14568985A 1985-07-04 1985-07-04 細胞核dnaの損傷検出法 Granted JPS628053A (ja)

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JP14568985A JPS628053A (ja) 1985-07-04 1985-07-04 細胞核dnaの損傷検出法

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JPS628053A JPS628053A (ja) 1987-01-16
JPH054029B2 true JPH054029B2 (ja) 1993-01-19

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5006460A (en) * 1988-05-26 1991-04-09 Pantox Corporation Method for measuring DNA damage in single cells
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KR20140016241A (ko) 2010-10-25 2014-02-07 메사추세츠 인스티튜트 오브 테크놀로지 상처 치유 메타카리오틱 줄기 세포 및 그 사용방법
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JPS628053A (ja) 1987-01-16

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