JPH0539671U - 噴霧ノズル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内への空気の噴射機能を通常のノズルを
用いて行なえるようにすることである。 【構成】 通常のノズルの外部にシリンダを設け、この
シリンダおよびパイプを圧力空気の入口ポートと薬液ポ
ートとの間に接続し、上記シリンダ内に圧力空気供給用
のピストン、スプリング、弁および弁シートを組み込ん
でいる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、容器内に収納された薬液を噴霧するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の噴霧ノズル装置は、圧力空気を駆動源として、薬液を容器内から吸い 上げ、霧状として噴霧するように構成されている。噴霧ノズル装置が各種の設備 に固定されている場合で、噴霧が所定の時間後に断続的に実行されるとき、容器 内の薬液が底の部分に沈澱したり、また薬液の粒子などが吸い込み用チューブの フィルタなどに付着して、目詰まりやノズルの孔詰まり事故などが発生しやすく なっている。

【０００３】 実公平２−８５６１号の考案は、フィルターの目詰まりや、ノズルの孔詰まり を防止するために、噴射初期に、容器内に圧力空気を噴射することによって、薬 液を攪拌している。上記考案では、空気噴射機構がノズルの内部に組み込まれて いるため、通常のノズルを用いて、そのような構造のノズルに改良することが不 可能であり、装置が高価なものとなっている。

【０００４】

【考案の目的】

したがって、本考案の目的は、容器内への空気噴射機能を通常のノズルを用い て行なえるようにすることである。

【０００５】

【考案の解決手段】

上記目的の下に、本考案は、通常のノズルの外部にシリンダを設け、このシリ ンダおよびパイプを圧力空気の入口ポートと薬液ポートとの間に接続し、上記シ リンダ内に圧力空気供給用のピストン、スプリング、弁および弁シートを組み込 んでいる。この構造によると、空気の逆噴射に必要な要素が通常のノズルボディ の外部に組み込まれるため、一般的なノズルを用いて、必要な機能を付加するこ とができる。

【０００６】

【実施例】

図１および図２は、本考案の噴射ノズル装置１を示している。この噴射ノズル 装置１は、ノズルボディ２内に空気入口ポート３から圧力空気４を導き、その圧 力空気４をノズルボディ２と一体の空気ノズル５のノズル孔５ａから外部に噴射 し、薬液ノズル１０の内部に負圧を発生し、容器６の内部の薬液８をチューブ７ および薬液ポート９を経て吸引し、圧力空気４とともに薬液８を薬液ノズル１０ から噴霧する構造となっている。

【０００７】 なお、容器６は、ねじキャップ１９によって、ノズルボディ２に取り付けられ るようになっている。容器６内のチューブ７の下端部分にフィルタ２０が円盤状 の駒１７によって固定されており、この駒１７の外周壁に接線方向の出入口ポー ト１８が例えば４個形成されている。また、上記空気ノズル５および薬液ノズル １０は、空気入口ポート３、薬液ポート９をそれぞれ形成しており、圧力空気４ や薬液８をそれぞれのノズル孔５ａ、ノズル孔１０ａに導く。そして、薬液ノズ ル１０の内部にニードル２１がスプリング２２およびスプリング受け２３によっ て後退方向に付勢された状態で組み込まれ、テールキャップ２４によって抜け止 め状態となっている。なお、ニードル２１の後端部分にボタン２５が取り付けら れており、外部から操作できるようになっている。

【０００８】 そして、上記ノズルボディ２の外部にシリンダ１１およびパイプ１２が組み込 まれている。シリンダ１１およびパイプ１２は、それぞれの一端部で接続されて おり、シリンダ１１の他端部で空気入口ポート３に接続され、またチューブ４の 他端部で例えばノズルボディ２の薬液ポート９に接続されている。シリンダ１１ の内部にピストン１３がスプリング１４によって圧力空気４と対抗する方向に付 勢された状態で進退自在に設けられている。ピストン１３の後端部分は、ひょう たん状の弁１５となっており、小さな外径部分でリング状ゴム製の弁シート１６ にはまり合っている。なお、弁シート１６は、シリンダ１１に取り付けられたテ ールキャップ２６の溝部分にはめ込まれている。

【０００９】 空気入口ポート３の内部に圧力空気４が供給されていないとき、ピストン１３ は、スプリング１４に押されて前進し、図３のように、通路を遮断している。こ の状態で、空気入口ポート３に圧力空気４が導かれると、ピストン１３がスプリ ング１４に抗して図４のように、後退するため、圧力空気４は、シリンダ１１の 内部を通り、弁１５の外側と弁シート１６の内側との隙間を通り、パイプ１２に 流れ込み、薬液ポート９、チューブ７、フィルタ２０を経て出入口ポート１８か ら接線方向に噴射される。

【００１０】 圧力空気４がフィルタ２０を通過する過程で、薬粒子やごみ等を吹き飛ばし、 いわゆる逆洗状態とする。また、出入口ポート１８からの接線方向の空気流は、 容器６の内部で渦流となって、薬液８を攪拌するため、沈澱状態の薬剤などは、 溶液に対し均等に分散する。

【００１１】 やがて、ピストン１３が後退位置まで移動すると、弁１５の大きな外径の部分 が弁シート１６にはまり合うため、弁１５は、圧力空気４の通過を遮断状態とす る。もちろん、既に記載したように、圧力空気４は、ノズルボディ２、薬液ノズ ル１０の空気入口ポート３を経て空気ノズル５の先端から円錐面に沿って渦巻き 状の流れを形成し、ノズル孔５ａ、１０ａの内部に負圧を発生する。これによっ て、容器６の薬液８は、その負圧によって吸引され、出入口ポート１８、フィル タ２０、チューブ７、薬液ポート９、薬液ノズル１０のノズル孔１０ａを経て圧 力空気４とともに霧状として噴射される。

【００１２】 噴霧終了時に、圧力空気４が供給されなくなると、ピストン１３は、後退方向 の圧力を受けなくなるため、スプリング１４の力を受けて元の位置に復帰する。 なお、ノズル孔１０ａの部分に孔詰まりが発生したとき、外部からボタン２５を 押すことによって、薬剤などの孔詰まり粒子を外部に排出し、孔詰まり状態を解 消できるようになっている。

【００１３】

【考案の効果】

本考案では、噴霧動作の初期に、容器内に攪拌のための空気流が供給され、し かもフィルタなどの逆洗の動作を行なうため、その部分の目詰まりや薬剤の攪拌 動作が自動的に行なえる。特に、このような機能を営むためのシリンダ、パイプ などがノズルボディの外部に取り付けられており、一般的なノズルボディに対し て簡単な孔加工などによって組み込めるため、標準のノズルや既設のノズルなど に対してもシリンダやパイプの組み込みが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の噴霧ノズル装置の垂直断面図である。

【図２】パイプ下端部分の駒および出入口ポートの部分
の水平断面図である。

【図３】前進位置の弁の拡大断面図である。

【図４】後退位置の弁の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 噴霧ノズル装置 ２ ノズルボディ ３ 空気入口ポート ４ 圧力空気 ５ 空気ノズル ６ 容器 ７ チューブ ８ 薬液 ９ 薬液ポート １０ 薬液ノズル １１ シリンダ １２ パイプ １３ ピストン １４ スプリング １５ 弁 １６ 弁シート １７ 駒 １８ 出入口ポート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルボディ（２）内に空気入口ポート
   （３）から圧力空気（４）を導き、その圧力空気（４）
   を空気ノズル（５）から噴射し、薬液ノズル（１０）内
   に発生する負圧により容器（６）内のチューブ（７）か
   ら薬液（８）をノズルボディ（２）内の薬液ポート
   （９）に導き、圧力空気（４）と共に薬液（８）を薬液
   ノズル（１０）から噴射する噴霧ノズル装置（１）にお
   いて、 ノズルボディ（２）の外部で圧力空気（４）の空気入口
   ポート（３）をシリンダ（１１）およびパイプ（１２）
   により薬液ポート（９）に接続すると共に、シリンダ
   （１１）内にピストン（１３）を変位自在に設け、この
   ピストン（１３）を圧力空気（４）に対抗する方向にス
   プリング（１４）により付勢し、ピストン（１２）と一
   体のひょうたん状の弁（１５）をシリンダ（１１）と一
   体の弁シート（１６）内に位置させてなることを特徴と
   する噴霧ノズル装置（１）。
2. 【請求項２】 チューブ（７）の下端に円盤状の駒（１
   ７）を取り付け、この駒（１７）に接線方向の複数の出
   入口ポート（１８）を形成してなることを特徴とする請
   求項１記載の噴霧ノズル装置（１）。