JPH0539543A - 電子ビーム溶接特性の優れた圧力容器用鋼板 - Google Patents

電子ビーム溶接特性の優れた圧力容器用鋼板

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JPH0539543A
JPH0539543A JP3219294A JP21929491A JPH0539543A JP H0539543 A JPH0539543 A JP H0539543A JP 3219294 A JP3219294 A JP 3219294A JP 21929491 A JP21929491 A JP 21929491A JP H0539543 A JPH0539543 A JP H0539543A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電子ビーム溶接特性の優れた圧力
容器用鋼板を提供する。 【構成】 C:0.13〜0.16%、Si:0.05
〜0.30%、Mn:0.6〜1.3%、P≦0.00
5%、S≦0.005%、Al≦0.004%、N:
0.004〜0.008%を基本成分とし、必要に応じ
て、Cu,Ni,Cr,Mo,Nb,Vの強度改善元素
群を1種または2種以上含有する電子ビーム溶接特性の
優れた圧力容器用鋼。 【効果】 電子ビーム溶接、レーザービーム溶接、フラ
ッシュバット溶接で良好な靱性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビーム溶接特性の優
れた圧力容器用鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラー・圧力容器設備の安全性、特に
水圧試験時の安全性に関して十分な配慮がなされ、圧力
容器用鋼板に対しても一定の靱性が必要とされる。その
要求は当然構造物の一部を構成する溶接部に対してもな
される。従来の圧力容器用鋼板の溶接は潜孤溶接(SA
W)が主体である。これらの溶接では板厚が厚くなるに
従って加速度的に積層数が増加していく。たとえば、板
厚100mmの材料では狭開先の施工をしてもSAW溶
接では20パス以上の積層が必要となってくる。それに
伴う施工時間は膨大なものとなる。これらの溶接施工効
率の向上と靱性要求に答えるために、電子ビーム溶接の
適用が考えられるようになってきた。電子ビーム溶接は
従来のアーク溶接(SAW溶接)と比べて、板厚50m
mを超える範囲でコスト的に有利な領域となり、板厚が
厚くなるほどその効果は大きくなる。ただ、電子ビーム
溶接は従来の溶接法と異なって、鋼板そのものを溶融さ
せ接合するものであるため、鋼板の製造に当たってはこ
の溶接部、特に靱性を考慮した成分設計を行う必要があ
る。これまで、圧力容器用鋼板に関する公知文献として
は、特開平2−77557号、特開平2−77561
号、特開平2−77562号及び特開平2−27774
3号公報があるが、さらに一層電子ビーム溶接部靱性の
優れた圧力容器用鋼板が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
点を鑑みなされたもので、電子ビーム溶接による溶接を
行っても溶接部の低温靱性の良好な電子ビーム溶接特性
の優れた圧力容器用鋼板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、C:
0.13%以上0.16%未満、Si:0.05〜0.
30%、Mn:0.6%以上1.30%未満、P:0.
005%以下、S:0.010%以下、Al:0.00
4%以下、N:0.004〜0.008%、残部Fe、
及び不可避的不純物からなることを特徴とする電子ビー
ム溶接特性の優れた圧力容器用鋼板、及び重量%で、
C:0.13%以上0.16%未満、Si:0.05〜
0.30%、Mn:0.6%以上1.30%未満、P:
0.005%以下、S:0.010%以下、Al:0.
004%以下、N:0.004〜0.008%を基本成
分とし、さらに、Cu≦2.0%、Ni≦4.0%、C
r≦1.0%、Mo≦1.0%、Nb≦0.1%、V≦
0.1%からなる強度改善元素群のうちの1種または2
種以上を含有させ、残部Fe、及び不可避的不純物から
なることを特徴とする電子ビーム溶接特性の優れた圧力
容器用鋼板である。
【0005】
【作用】電子ビーム溶接は従来の溶接法のように溶接部
に別の材料を供給し、溶接部の特性向上を図るのではな
く、鋼板そのものを溶融させ溶接するものである。その
ため、鋼板製造にあたって細粒化などの方法により高靱
性を有する鋼板に調整させるが、これが高温で溶融され
るため靱性の低いものとなってしまう。特開平2−77
557号、特開平2−77561号、特開平2−775
62号及び特開平2−277743号公報で示されてい
る知見は、電子ビーム溶接部の粒内、粒界に析出する粗
大な炭化物、窒化物が電子ビーム溶接部の靱性を低下さ
せるというものである。発明者らは、ここにおいて、電
子ビーム溶接部でさらに良好な靱性を有する鋼材を開発
すべく種々検討した結果、Alを無添加にすることによ
り、電子ビーム溶接部に初析フェライトが析出しやすく
なる。さらに、この初析フェライトが析出サイトとなっ
て、次々にフェライトが析出する。これらの微細なフェ
ライトの析出により、シャルピー破面上の有効結晶粒が
微細化し、大幅に靱性が向上することを知見した。さら
に、靱性の低いものでは、溶接部の靱性を評価するシャ
ルピー試験の破壊の起点付近に凝固偏析に沿ったマイク
ロクラックが発生する。これが靱性を大幅に低下する。
つまり、電子ビーム溶接部の靱性向上のためには、マイ
クロクラックをなくすことが重要で、このためには、凝
固偏析軽減が必要であることを見出したものである。こ
の電子ビーム溶接部の凝固偏析を軽減するためには、M
n,P,Nの含有量をある範囲に収めること、つまり、
これらの効果の重畳作用により著しく電子ビーム溶接部
の靱性が向上することを知見したものである。
【0006】図1(A)〜図1(C)に示すように、M
n量を0.60%以上1.30%未満、P量を0.00
5%以下、N量を40以上80ppm以下の範囲に入れ
ることによりvE_30≧5kgf・mの良靱性が得られ
る。以下に成分の限定理由を述べる。Cは靱性に対して
有害な元素であり、先に述べたように0.16%以上に
なると母材靱性が低下するため0.16%未満とする。
しかし、0.13%未満では強度を確保することが困難
となる。Siは低温靱性、溶接性を低下させる元素なの
で、極力低減させ0.30%を上限とする。しかし、脱
酸上0.05%は必要である。MnはPとの重畳作用に
より、凝固偏析によるマイクロクラックを発生させるた
め、1.30%未満とする。しかし、0.6%未満では
強度を確保することが困難となるため、0.6%を下限
とした。Pは先に述べたように、Mn,Nとの重畳作用
により凝固偏析によるマイクロクラックを発生させるた
め、0.005%以下に低減することが必要である。S
は靱性に有害な元素であり、0.010%以下に限定す
る。Alは電子ビーム溶接部靱性向上のために、重要な
元素で無添加にすることにより、初析フェライトとそれ
よりフェライトを次々に析出させるため、靱性が大幅に
向上する。0.004%を超えて添加するとこの効果が
減少するため、上限を0.004%とする。Cu,N
i,Cr,Mo,Nb及びVは鋼の強度を上昇させると
いう均等的作用を持つもので、必要に応じて1種または
2種以上含有させるが、それぞれCu:2.0%、N
i:4.0%、Cr:1.0%、Mo:1.0%、N
b:0.1%及びV:0.1%の含有上限値を超えて含
有させても、その作用効果が飽和したり、コスト上昇を
招き、経済的でないため、上記の強度改善元素群のそれ
ぞれの成分の含有量を上記の通り定めた。この鋼を溶製
するにあたっては電気炉、転炉のいづれを用いてもよ
い。鋼板とするにあたっては、鍛造、圧延のいづれを用
いてもよい。また鋼板の熱処理は圧延まま、焼きなら
し、焼きならし−焼戻し、あるいは厚手材の場合は加速
冷却を使用することも可能である。
【0007】
【実施例】表1に示す化学成分のうち1〜5は本発明鋼
で、6〜14は比較鋼である。鋼の溶製は転炉により行
ない、常法によりスラブとしたのち、表1に示す板厚に
厚板圧延した。鋼板の熱処理条件は、焼準:910℃空
冷である。表1にこれらの鋼の母材の引張試験、シャル
ピー衝撃試験及び電子ビーム溶接部のシャルピー衝撃試
験を示す。但し、電子ビーム溶接条件は電圧150k
V、電流180mA、速度20cm/min.である。
電子ビーム溶接部のシャルピー試験のノッチ位置は溶接
金属中央である。
【0008】
【表1A】
【0009】
【表1B】
【0010】本発明の鋼1〜5はMn,PとN量を適切
な範囲に入れることにより、それらの重畳効果により良
好な電子ビーム溶接部の低温靱性を有している。母材靱
性も良好である。次に、鋼6はCが高く、母材そして、
特に電子ビーム溶接部の靱性が低い。鋼7はCが低く母
材強度が低い。鋼8,9はPが高く、鋼10はNが高
く、電子ビーム溶接部の靱性が低い。鋼11はSiが高
く、母材、電子ビーム溶接部とも靱性が低い。鋼12は
Mnが低く、鋼13はSが高く、鋼14はAlが高く、
それぞれ電子ビーム溶接部の靱性が低い。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればM
n,PとNの適切な範囲への成分限定することにより、
溶接部の凝固偏析の軽減が図られ、電子ビーム溶接部の
靱性の高い圧力容器用鋼板を経済的に提供するものであ
り、産業上多大な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビーム溶接部のシャルピー衝撃試験値に及
ぼすMn量、P量とN量の影響を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.13%以上0.16%未満 Si :0.05〜0.30% Mn :0.6%以上1.30%未満 P :0.005%以下 S :0.010%以下 Al :0.004%以下 N :0.004〜0.008% 残部Fe、及び不可避的不純物からなることを特徴とす
    る電子ビーム溶接特性の優れた圧力容器用鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.13%以上0.16%未満 Si :0.05〜0.30% Mn :0.6%以上1.30%未満 P :0.005%以下 S :0.010%以下 Al :0.004%以下 N :0.004〜0.008% を基本成分とし、さらに、 Cu ≦2.0% Ni ≦4.0% Cr ≦1.0% Mo ≦1.0% Nb ≦0.1% V ≦0.1% からなる強度改善元素群のうちの1種または2種以上を
    含有し、残部Fe、及び不可避的不純物からなることを
    特徴とする電子ビーム溶接特性の優れた圧力容器用鋼
    板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5828033A (en) * 1995-11-30 1998-10-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing a fuel tank
JP2007217783A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Nippon Steel Corp 熱処理簡略型高強度低合金ボイラ用鋼管およびその製造方法

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