JPH0539416A - 摺動用成形体 - Google Patents

摺動用成形体

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JPH0539416A
JPH0539416A JP19539291A JP19539291A JPH0539416A JP H0539416 A JPH0539416 A JP H0539416A JP 19539291 A JP19539291 A JP 19539291A JP 19539291 A JP19539291 A JP 19539291A JP H0539416 A JPH0539416 A JP H0539416A
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JP
Japan
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sliding
resin
polyphenylene ether
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ppe
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JP19539291A
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Inventor
Takaaki Miyoshi
貴章 三好
Yoshikuni Akiyama
義邦 秋山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先行技術では達成しえなかった難燃性,成形
加工性,低成形収縮性を同時に満足し、かつ層剥離現象
を伴うことなく摺動性に優れた摺動用成形体を提供す
る。 【構成】 分散相が摺動面に向かってフィブリル状で配
向する摺動用成形体であり、連続相がポリフェニレンエ
ーテル樹脂又は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリス
チレン系樹脂の混合物、分散相が30℃未満にガラス転
移温度を有する、熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑
性樹脂から選ばれる少なくとも1種の重合体からなる事
を特徴とする摺動用成形体。 【効果】 本発明の摺動用成形体は、摺動面から深さ方
向に2μmを超えない範囲の分散相だけが、摺動面に向
かってフィブリル状に配向しており、高い摺動特性を発
現するため、各種部品の摺動部材として好適に用いる事
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂を主成分とする優れた摩擦特性及び、摩耗特性を
持つ摺動用成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は機械的性
質、電気的性質、耐熱性に優れ、吸水性が低くかつ寸法
安定性に優れるため、例えば工業部品、電気・電子部
品、事務機器、ハウジング、自動車部品、精密部品など
の各種用途に実用化されている。しかしながら、これら
実用化されているポリフェニレンエーテル樹脂は非晶性
樹脂であるため自己潤滑性に劣り、動摩擦係数が高いた
め、摩耗により容易に溶融し、軸受、ギアー等の接触、
回転等の部位を持つ摺動部材として使用できないという
欠点を有している。
【0003】このため、例えば、特公昭50−2204
0号公報では、ポリフェニレンエーテルに鉱油等を添加
する事により摺動性を改良する提案がなされているもの
の、実際は成形片表面に銀条痕が発生する。また、特開
昭61−185560号公報には、ポリフェニレンエー
テル系樹脂にチタン酸カリウムウィスカーおよび粉末状
高密度ポリエチレンを含む組成物が耐摩耗性に優れた摺
動部材用樹脂組成物を与える提案があるが、ここで得ら
れる組成物の成形体は極度な層剥離現象を呈し、連続摩
擦走行試験後の摩擦面に変形(窪み)を生じる。
【0004】さらに、特開昭62−141062号公報
には、ポリフェニレンエーテル系樹脂とアルキルジフェ
ニルエーテルからなる樹脂組成物が提案され、動摩擦係
数の低下、限界PV値の向上が見られるものの、添加剤
に起因する耐熱性の低下があり、摩擦走行試験中に溶融
現象が起こり、摩擦摩耗量も多い。一方、他の樹脂の摺
動性についても提案されており、例えば特開昭61−1
20848号公報にはポリオキシメチレン樹脂にシリコ
ンオイルとポリエチレンを含む組成物が高い耐摩耗性を
示す摺動部材用樹脂組成物を与える提案があるが、結晶
性樹脂であるポリオキシメチレンを主成分とする組成物
であるため、成形収縮率が大きく、難燃化が非常に困難
であり、近年の内部部品の難燃化傾向にそぐわなくなっ
てきている。
【0005】一方、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
は、優れた耐摩耗性を持つ反面、成形加工性が良くない
といった問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、先行技術
で見られる樹脂組成物からなる摺動部材に関して高摺動
性,難燃性,成形加工性,低成形収縮性を、すべて同時
に満足させる樹脂摺動部材は、現在のところ有用なもの
が少ないのが現状である。中でも、ポリフェニレンエー
テル樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂よりも動摩擦係
数が低い樹脂を配合し、得られるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂組成物の摺動性を改良しようとする手段は容易
に類推でき、かつ合理的な手段ではあるものの、現実的
にはポリフェニレンエーテル樹脂と互いに相溶する樹脂
はポリスチレン系樹脂を除くとまれである。ポリフェニ
レンエーテル樹脂にポリスチレン系樹脂を除く他の動摩
擦係数の低い樹脂を配合すると、層剥離現象が生じて樹
脂組成物の動摩擦係数を低下させる。このような層剥離
現象を呈する樹脂組成物は、各種工業品の高度化してい
る各種摺動部材の要求性能に充分な対応ができない。
【0007】本発明の目的は、上記した先行技術では達
成しえなかった難燃性,成形加工性,低成形収縮性を同
時に満足させ、かつ層剥離現象を伴うことなく摺動性に
優れた摺動用成形体を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂に特定の樹脂を混ぜて層剥離現象
を起こす事なく微分散させ、分散相を特定配向させた成
形体が高摺動性を発現できる事を見いだし、本発明に到
達した。すなわち本発明は、分散相が摺動面に向かって
フィブリル状に配向した摺動用成形体であり、連続相が
ポリフェニレンエーテル樹脂又は、ポリフェニレンエー
テル樹脂とポリスチレン系樹脂の混合物(A)、分散相
が30℃未満にガラス転移温度を有する、熱可塑性エラ
ストマーおよび熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1
種の重合体(B)、からなる事を特徴とする摺動用成形
体を提供するものである。
【0009】以下本発明について詳しく述べる。本発明
における分散相のフィブリル状配向とは、透過型電子顕
微鏡で撮影した40,000倍写真(18cm×25c
m)をもとに、成形体の摺動面から2μmを超えない深
さの領域において、摺動面に対し10゜〜60゜の角度
で配向している分散相の平均長軸径および平均短軸径
を、画像解析装置を用いて測定し、その平均長軸径を平
均短軸径で除した平均軸径比Rが4.0以上のものをい
う。
【0010】次に、本発明における(A)成分のポリフ
ェニレンエーテル樹脂(以下単にPPEと略記する)と
は、 結合単位:
【0011】
【化1】
【0012】(式中R1,R2,R3,及びR4は水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子からなる群から選択されるものであり、互いに
同一でも異なっても良い)で表され、還元粘度( 0.5g
/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が0.15〜0.70
の範囲、より好ましくは0.20〜0.60の範囲にあるホモ重
合体および/または共重合体である。このPPEの具体
的なものとしては、例えばポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−
メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエ
ーテル)等が挙げられ、さらに、2,6−ジメチルフェ
ノールと他のフェノール(例えば、2,3,6−トリメ
チルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)
との共重合体が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチル
フェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共
重合体が好ましく、さらに、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
【0013】PPEは公知の方法で得ることができる。
例えば、米国特許第3306874 号明細書記載のHayによる
第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、
例えば2,6−キシレノールを酸化重合する事により容
易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875 号明細
書、米国特許第3257357 号明細書、米国特許第3257358
号明細書及び特公昭52− 17880号公報等に記載された方
法で容易に製造する事が出来る。
【0014】また本発明で用いるPPEは、上記したP
PEの他に、該PPEとα,β−不飽和カルボン酸また
は、その誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下
で溶融状態、溶解状態、スラリー状態で80〜350 ℃の温
度下で反応させる事によって得られる変性PPE(0.01
〜10重量%がグラフトまたは付加)であってもよく、さ
らに上記したPPEと変性PPEの任意の割合での混合
物であっても構わない。
【0015】そして、さらに、9,10−ジヒドロ−9
−オキサ−10−フォスファフェナトレンをPPE10
0重量部に対し、0.2〜5重量部添加して、溶融混練
した燐化合物処理PPEも色調に優れたPPEとして使
用する事ができる。また、(A)成分に用いられるポリ
スチレン系樹脂とはビニル芳香族化合物の単独重合物あ
るいは、ビニル芳香族化合物と共重合可能な単量体を含
有したものが挙げられる。前記ビニル芳香族化合物の例
としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチル
スチレン、α−メチルスチレン−p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、などの核アルキル置換スチレン、o−クロル
スチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、
p−ブロモスチレン、ジクロルスチレン、ジブロモスチ
レン,トリクロルスチレン、トリブロモスチレンなどの
核ハロゲン化スチレンなどが挙げられるが、この中でス
チレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0016】また、ビニル芳香族化合物と共重合可能な
単量体の例としては、例えばアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリルなどの
シアン化ビニルや、メタクリル酸メチル、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、及
びブタジエン、イソプレンなどが挙げられるが、この中
でもブタジエン、アクリロニトリルが好ましい。
【0017】PPEとポリスチレン系樹脂の混合割合
は、PPEが20重量%以上であることが好ましい。ま
た、本発明における(B)成分の熱可塑性エラストマー
としては、30℃未満に、一つでもガラス転移温度が存
在するエラストマーであれば良いが、例えば、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、熱可塑性ウレタンエラストマー、フッ素
エラストマー等が挙げられる。この中でもスチレン−ブ
タジエン共重合体が好ましい。
【0018】また、必要により、例えば、スチレン−ブ
タジエン共重合体等の、構造中の不飽和部分(例えばブ
タジエン部分)を公知の方法で水素添加等により飽和さ
せたものであっても、α,β−不飽和カルボン酸また
は、その誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下
で溶融状態、溶解状態、スラリー状態で80〜350 ℃の温
度下で反応させる事によって得られる変性エラストマー
であっても良く、さらには、上記エラストマーと該水素
添加エラストマー及び変性エラストマーとの混合物であ
っても構わない。
【0019】次に、(B)成分の熱可塑性樹脂として
は、30℃未満に一つでもガラス転移温度が存在する熱
可塑性樹脂であれば良いが、例えば、高密度ポリエチレ
ン、超高分子量高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、密度0.90g/cm3
未満の超低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプ
ロピレン、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン等が挙げられる。この中でも高密度ポリエチレ
ン、超高分子量高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、密度0.90g/cm3
未満の超低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプ
ロピレンが好ましい。
【0020】上記した熱可塑性エラストマーと熱可塑性
樹脂の両方を(B)成分として併用する場合が最も好ま
しい摺動用成形体を与える。ガラス転移温度が30℃以
上の熱可塑性エラストマー及び、熱可塑性樹脂の場合
は、本発明の特徴である摺動面への分散相のフィブリル
状配向が起こらず高摺動性の効果が現れない。
【0021】本発明における(A)と(B)の配合比率
は、(A)が連続相を形成できる量の範囲内であれば良
いが、具体的な配合量の重量比率は(A)/(B)=30
/70〜99/1、好ましくは40/60〜95/5 である。本発
明の摺動用成形体を得るには、まず上記の(A)成分及
び(B)成分を溶融混練する。
【0022】溶融混練方法としては、少なくともL/D
が20以上のスクリューを2本以上有し、かつ樹脂を供
給するためのフィード口を2個以上設けることのできる
押出混練機を用い、最初のフィード口からは(A)成分
を供給し、途中から、(B)成分を供給してペレット状
の樹脂あるいは、シート,フィルム状の樹脂を得る方法
が好ましい。また、樹脂組成物中に含まれる低分子量物
の除去のため、押出機の紡口前で真空吸引する方が好ま
しく、スクリュー全体の長さに対するニーディングディ
スクブロックの長さの総計の割合が20%以上80%未
満であるスクリュー構成が好ましい。また、混練温度は
PPEのガラス転移点(約210℃)以上であれば良い
が、好ましくは220℃〜350℃、より好ましくは2
30℃〜320℃の範囲で行うのがよい。
【0023】成形体への成形方法は射出成形、押出成
形、圧縮成形、中空成形など、一般に行われている公知
の成形方法であれば特に問題はなく、得られる成形体の
形状は何等限定されるものではなく、成形方法による制
約を受けることはない。分散相の摺動面へのフィブリル
状配向を実現させるためには、例えば、30℃〜100
℃に加熱した金属板を成形体摺動面に0.1kg/cm
2 〜20kg/cm2 の圧力をかけて摺動する方法、成
形体をギアオーブン等で30℃〜100℃に加熱した雰
囲気中で摺動する方法があり、さらに限界PV値(摩擦
溶融を起こした時の線速度に面圧力を乗じたもの)の1/
2 以下のPV条件で5分以上摺動させ発熱させる方法も
ある。この中でも、限界PV値の1/2 以下のPV条件で
5分以上摺動させ発熱させる方法が好ましく、さらに限
界PV値の1/4 以下のPV条件で10分以上摺動させ発
熱させる方法が特に好ましいが、分散相のフィブリル状
配向を実現させる事のできる条件であれば、その他の方
法でも特に制限はない。
【0024】本発明の特徴である分散相のフィブリル状
配向を有さない成形体は、摩擦係数、限界PV値が高
く、本発明の効果を奏さない。本発明の摺動用成形体に
は、特徴である摺動性を妨げない範囲であれば上記の成
分の他に、公知の無機及び有機の充填材や補強剤(ガラ
ス繊維、カーボン繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、
炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ウォラストナイト
など)、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤(トリフェニルフォスフェート等の燐系化合
物など)、帯電防止剤、各種着色剤、滑剤、離型剤、造
核剤等の添加物を添加して用いることもできる。
【0025】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 [参考例:PPEの調製]酸素吹き込み口を反応器底部
に有し、内部に冷却用コイル、攪拌羽根を有するステン
レス製反応機内部を窒素で充分置換した後、臭化第二銅
53.6g、ジ−n−ブチルアミン1110g、さらにトルエン
20リットル、n−ブタノール16リットル、メタノール 4
リットルの混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを
溶解して反応器に仕込んだ。攪拌しながら反応器内部に
酸素を吹き込み続け、180分間重合を行った。なお、内
温は30℃に維持するため、重合中冷却コイルに水を循
環させた。重合終了後、析出したポリマーを濾別しメタ
ノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー中の残存触媒を
分解し、さらにメタノールを用いて充分洗浄した後乾燥
し、淡黄白色粉末状のPPE(還元粘度0.54)を得た。 [参考例:水素添加スチレン−ブタジエン共重合体の調
製]窒素置換した50リットルの攪拌機、ジャケット付き
オートクレーブにシクロヘキサン33.1リットル、スチレ
ン1.39kgを仕込み攪拌しながら70℃に昇温した。更
に、sec −ブチルリチウム8.9 gと、ビニル化剤として
テトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で60分間
重合した。その後ブタジエン1.86kgをオートクレーブ
に供給し70℃で60分間重合した。所定時間ブタジエンを
重合した後更にスチレン1.39kgをオートクレーブに供
給して70℃で60分間重合を続け全体としてポリスチレン
−ポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有するブロッ
ク共重合体を得た。このブロック共重合体を、更に特公
昭63−5401号公報の実施例1 〜12と同様にして水素添加
反応を実施し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタ
ジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合ポリスチレン
量60重量%、ポリスチレンブロックセグメントの数平均
分子量24,000、ポリマー全体の分子量分布1.03、水素添
加前のブタジエンセグメントの1,2結合が36%、水素
添加率99.9%の水素添加ブロック共重合体を得た。
【0026】
【実施例1〜6】上記PPE(還元粘度0.54),ポリス
チレン:PS(スタイロン685;旭化成工業株式会社
製),低密度ポリエチレン:LDPE(サンテックM1
804;旭化成工業株式会社製),高密度ポリエチレ
ン:HDPE(サンテックJ751;旭化成工業株式会
社製)スチレン−ブタジエン共重合体SBCa(アサフ
レックス805;旭化成工業株式会社製)スチレン−ブ
タジエン共重合体SBCb(ソルプレンT406;日本
エラストマー株式会社製),ポリプロピレン:PP(エ
ースポリプロM1600;旭化成工業株式会社製)を表
1記載の割合(重量%)でドライブレンドし、フィード
口を2個設置しL/Dを30に設定した同方向回転二軸
混練押出機(ZSK−40;W&P社製)を用い、スク
リュー構成の延べ40%をニーディングディスクブロッ
クとしたスクリューを用いて、PPEとPSを最初のフ
ィード口から投入し、次のフィード口からLDPE,H
DPE,SBCa,SBCb,PPを、それぞれ投入
し、設定温度280℃にて押し出したストランドを、ペ
レットとして得た。
【0027】ここで得たペレットを、JIS−K721
8−(A)にもとづく外径25.6mm×内径20mm
×高さ15mm、接触面積2cm2 の円筒型試料に射出
成形機(オートショット15A;ファナック株式会社
製)を用いて、金型温度100℃,シリンダー温度28
0〜290℃で成形し、スラスト型摩擦試験機(東洋精
機製作所製)を用いて、雰囲気温度23℃、無潤滑で、
摩擦相手剤として自材及び炭素鋼S45Cを選び、測定
時の面圧力をそれぞれ2kg/cm2 及び10kg/c
2 と一定に保ち、予備的に6cm/秒で10分間摺動
させた後、一度停止し、摺動線速度1cm/秒以上で徐
々に増加させ試料の溶融直前までの面圧力と摺動線速度
の積を、限界PV値として求め、、さらに溶融直前まで
の動摩擦係数の加算平均値を平均動摩擦係数として求め
た。また、上記で作成した円筒型試料片を、限界PV値
の1/10のPV条件で予備的に10分間摺動し、自材同士
で摺動線速度6cm/秒,面圧力2kg/cm2 で総走
行距離50km連続運転走行し、対炭素鋼で摺動線速度
60cm/秒、面圧力5kg/cm2 で総走行距離50
0km連続運転走行し、それぞれの単位距離当たりの摩
耗量を求めた。
【0028】また、摺動試験試料について、摺動面を透
過型電子顕微鏡(JEM−1200EX−II:日本電
子株式会社)で深さ方向に観察して、1μm以下の範囲
で、配向していた分散相の平均長軸径及び平均短軸径を
画像解析装置(IP−1000:旭化成工業株式会社
製)を用いて求め、平均軸径比を計算した。
【0029】
【比較例1及び2】上記PPE(還元粘度0.54),上記
水素添加スチレン−ブタジエン共重合体:HTR(スチ
レン重量%=60%,ポリブタジエン部の水素添加率=
99.9%),ポリスチレン:PS(スタイロン68
5;旭化成工業株式会社製),ポリフェニレンサルファ
イド:PPS(トープレンT−4;トープレン株式会社
製),ポリメチルメタクリレート:PMMA(デルペッ
ト60N;旭化成工業株式会社製)を表2記載の割合
(重量%)でドライブレンドし、実施例1〜6と同様に
して2経路から樹脂を供給し押し出し、成形を行い、上
記実施例と同様にして平均動摩擦係数、限界PV値、単
位距離当たりの摩耗量を求めた。
【0030】また、同様にして透過型電子顕微鏡観察か
ら平均軸径比を計算により求めた。
【0031】
【比較例3】実施例1と同じ組成のものを、摺動試験前
に限界PV値と同じPV条件で予備摺動を行ったとこ
ろ、分散相のフィブリル配向発現前に溶融摩耗をおこ
し、平均動摩擦係数、限界PV値、単位距離当たりの摩
耗量を求める事ができなかった。また、透過型電子顕微
鏡観察もできなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】このようにして得られる本発明の摺動用
成形体は、摺動面から深さ方向に2μmを超えない範囲
の分散相だけが、摺動面に向かってフィブリル状に配向
しており、高い摺動特性を発現するので、各種部品の摺
動部材として用いる事ができる。
【0035】これら各種部品として、例えば、ギアー,
カム,ガイドレール,キャリッジ,スイッチ部品,ブッ
シング,ベアリング,スリーブ,スリップシリンダー,
キートップ及びキーベース等の構造材及び機構材として
好適に使用でき、さらには、ここに記載した以外の各種
部品の摺動部材として応用することができる。これらの
応用方法としては本成形体をブロック状,フィルム状,
シート状等、そのまま使用できる他に、他の1種以上の
樹脂材料と多色成形等して併用使用する事もできる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散相が摺動面に向かってフィブリル状
    に配向した摺動用成形体であり、 連続相がポリフェニレンエーテル樹脂又は、ポリフェニ
    レンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂の混合物
    (A)、 分散相が30℃未満にガラス転移温度を有する、熱可塑
    性エラストマーおよび熱可塑性樹脂から選ばれる少なく
    とも1種の重合体(B)、からなる事を特徴とする摺動
    用成形体。
JP19539291A 1991-08-05 1991-08-05 摺動用成形体 Withdrawn JPH0539416A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0789058A1 (de) * 1996-02-08 1997-08-13 Buna Sow Leuna Olefinverbund GmbH Formmasse auf der Grundlage eines Ethylenpolymerisates hoher Dichte
WO2010041132A1 (en) * 2008-10-10 2010-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Friction material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0789058A1 (de) * 1996-02-08 1997-08-13 Buna Sow Leuna Olefinverbund GmbH Formmasse auf der Grundlage eines Ethylenpolymerisates hoher Dichte
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