JPH0538936Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、オフセツト連続伝票印刷機に関す
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種の印刷機は、圧胴の給紙部側と排
紙部側の両側に配設された各トラクターの間に連
続伝票印刷紙をセツトした状態で、該連続伝票印
刷紙を給紙部から排紙部へ給紙し、水、インキ各
供給装置より版胴に巻着した版上に水とインキを
塗布した後、胴入れを行なつて該版胴とゴム胴を
接触させ、版上の画像をゴム胴上に転写し、然る
後、トラクラーの作動に胴入れ装置を連動させて
ゴム胴と圧胴を接触させ、該ゴム胴、圧胴間に送
り込まれる連続伝票印刷紙上にゴム胴上の画像を
転写印刷し、印刷された印刷紙を排紙部へ送り出
すよう構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のオフセツト連続伝票印刷機にあつては、
印刷紙の送りを一時停止してゴム胴と圧胴との胴
抜きを行なつた状態で、当該印刷機を空回転する
場合、胴抜き状態でのゴム胴と圧胴との間隔が小
さいと、ゴム胴周面の水が回転時の遠心力によつ
て印刷紙上に飛散付着することにより、第５図に
示す如く、圧胴ａ上の印刷紙ｂに“ふくれ”b′…
が生じ、このふくれた部分にゴム胴ｃ上のインキ
が付着し、印刷紙ｂの汚れとなる問題点があつ
た。

そこで、上記問題点を回避する手段として、胴
抜き状態でのゴム胴ｃと圧胴ａとの間隔ｌを大き
く取る方法が考えられるが、このようにするとゴ
ムｃと圧胴ａとを同一周速に連動連結する為の胴
歯車の噛み合いピツチを上記ゴム胴・圧胴の円周
上より離れた位置とする必要があり、負荷に対す
る歯車モジユールを大きくとらなければならなく
なる為、バツクラツシユが大きくなる等駆動伝達
上の問題を生じることから現実化されていない。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、印刷紙の給紙を停止してゴム胴と圧胴
とを一定の間隔に離脱し、印刷機を空回転する場
合、印刷紙の給紙停止信号に基づき所定のタイミ
ングでゴム胴上へエアーを吹き付け、ゴム胴上の
水分を蒸発させることにより、当該ゴム胴上に飛
散付着した水による印刷紙への影響を回避し、も
つて印刷紙の汚れを防止し得るようにしたオフセ
ツト連続伝票印刷機の印刷物汚れ防止装置を提供
しようとするものである。

〔課題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に、本考案におけるオフ
セツト連続伝票印刷機は、版胴とゴム胴と圧胴と
を有し、前記圧胴の両側に１対づつ配設したトラ
クター間に、連続伝票印刷紙が前記ゴム胴と圧胴
間を通過し、かつ前記圧胴に当接する状態で張設
し、前記トラクターの作動により前記連続伝票印
刷紙を給紙部から排紙部へ向つて給紙するよう形
成し、給紙停止信号により前記連続伝票印刷紙の
給紙を停止して前記ゴム胴と圧胴との胴抜きを行
なうと共に前記ゴム胴と圧胴とを胴入れした後に
給紙停止解除信号により前記連続伝票印刷紙の給
紙を開始するよう形成したオフセツト連続印刷機
において、前記ゴム胴２の近傍にゴム胴上へエア
ーを吹き付けるためのエアー吹出口１を有するエ
アーパイプ４を配設すると共に前記エアーパイプ
４に連通するエアー供給源８を設け、前記給紙停
止信号に基づき前記ゴム胴２と前記圧胴９との胴
抜き後に、前記エアーパイプ４にエアーを供給す
ると共に前記給紙停止解除信号に基づき前記ゴム
胴２と圧胴９との胴入れ後に、前記エアーパイプ
４へのエアーの供給を停止するよう形成してなる
ものである。

〔作用〕

印刷途中で印刷紙の給紙を停止すると、この印
刷紙の給紙停止信号に基づき所定のタイミングで
エアー供給源の駆動源に通電され、該駆動源が回
転することでエアー供給源は駆動され、該エアー
供給源から圧送されるエアーはエアー吹き出し口
からゴム胴上に吹き付けられる。これによりゴム
胴上の水はエアーによつて蒸発されるので、水が
印刷紙に付着することはなくなり、水の付着によ
つて生じる印刷紙の汚れは防止される。

〔実施例〕

以下本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図ないし第３図に示したように、エアー吹
き出し口１は、エアーをゴム胴２上へ吹き付け可
態なるよう、ゴム胴２の周面に接近して、ゴム胴
軸線Ｏ方向へ、該ゴム胴軸線Ｏと並行に設けてあ
る。

上記エアー吹き出し口１は、本機（印刷機）の
左右のフレーム３，３′間に、上記ゴム胴２と適
当な間隔Ｌを保持して、かつゴム軸線Ｏと並行に
架設したエアーパイプ４にゴム胴２と対向して形
成させてある。（第４図も参照）又、このエアー
吹き出し口１は、第１図に示した如く、上記エア
ーパイプ４の周壁一側へ長孔１ａを軸方向へ長く
開口して形成することができ、又、第２図に示し
た如く、エアーパイプ４の周壁一側へ多数の小孔
１ｂ…を軸方向へ所定ピツチＰに開口して形成す
ることもでき、更には第３図に示した如く、フレ
ーム３，３′間に架設した支軸５に多数個のエア
ーノズル１ｃ…を軸方向へ所定ピツチＰに支持
し、該各エアーノズル１ｃ…を夫々連結パイプ１
ｄ等を介在して上記エアーパイプ４に連結して形
成することができる。

又、上記エアーパイプ４は、その一端（第１図
ないし第３図において右端）は開口端４ａに形成
してあると共に他端（第１図ないし第３図におい
て左）は閉鎖端に形成してあり、その中心から支
持ピン４ｂを突設してある。

かくして、上記エアーパイプ４は、フレーム
３，３′に夫々穿設した取付孔６，６′に支持ピン
４ｂと開口端４ａ側を夫々嵌合し、ボルト７止め
により上記フレーム３，３′に固定させてある。

上記エアーパイプ４にエアーを供給する為のエ
アー供給源８は、上記エアーパイプ４の開口端４
ａにボルト７′止め等によつて同軸上へ固定させ
てある。

上記エアー供給源８は、図示しない給紙ON・
OFFボタンから圧胴９の前後両側に夫々一対づ
つ配置したトラクター１０，１０′の駆動を停止
するための給紙停止信号を図示しない印刷機の制
御部を介して受信し、前記エアー供給源８の駆動
源（モーター）８′を回転するよう形成されてい
る。該駆動源８′が回転されることでエアーパイ
プ４へエアーが供給され、前記エアー吹出口１か
らゴム胴上にエアーが吹付けされる。

又、エアー供給源８の駆動源８′を回転させる
為の給紙停止信号は、版胴１２とゴム胴２とを胴
抜きし、版胴１２からゴム胴２への画像転写を中
止した後にゴム胴２上の画像を印刷紙１１上に転
写し、圧胴９とゴム胴２とを胴抜きした後に給紙
ON・OFFボタン（不図示）から入力し、印刷機
の制御部（不図示）を介してエアー供給源８の駆
動源８′に出力するように形成してある。

このようにすると、ゴム胴２上に画像が転写さ
れた状態で該ゴム胴２にエアーが吹きつけられる
ことによつてインキが乾燥することにより給紙再
開時、印刷紙１１がゴム胴２に付着するというト
ラブルを解消することができる。

又、給紙再開時の給紙停止解除信号は、版胴１
２とゴム胴２とを胴入れした後にゴム胴２と圧胴
９を胴入れしてから給紙ON・OFFボタン（不図
示）から入力し、印刷機の制御部（不図示）を介
して前記エアー供給源８の駆動源８′に出力する
ようにしてあり、これによつて、給紙当初より良
好な印刷を行なうことができる。

又、上記エアー供給源８としては、電動フア
ン、又はエアーポンプ等が使用される。

第４図に示す印刷機は、本考案のオフセツト連
続伝票印刷機を示している。この印刷機は、第
１、第２両版胴１２，１２と、ゴム胴２と、圧胴
９を有し、給紙部１３へ収納されている連続伝票
印刷紙１１の一端を圧胴９両側に夫々一対づつ配
設してあるトラクター１０，１０′間に張設した
状態で駆動し、水供給装置１４から水フオンテン
ローラ１４ａ、水ダクターローラ１４ｂ及び水フ
オームローラ１４ｃからなるローラ群を介して水
を版胴１２上に捲着した図示しない版面に塗布
し、一方、インキ供給装置１５からインキフオン
テンローラ１５ａ、インキダクターローラ１５
ｂ、インキフオームローラ１５ｃからなるローラ
群を介して版面にインキを塗布し、版胴１２とゴ
ム胴２を胴入れして周接し、版上の画像をゴム胴
２の周面に転写し、然る後、トラクター１０，１
０′の作動にゴム胴２と圧胴９の胴入れを連動さ
せ、該ゴム胴２と圧胴９間に送られる印刷紙１１
上にゴム胴２上に転写された画像を転写印刷し、
排紙部１６へ排紙収容されるよう構成されてい
る。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のとおり構成されているので、
オフセツト連続伝票印刷機において、ゴム胴２の
近傍に設けたエアー吹き出し口１からエアーをゴ
ム胴２に吹き付け、これにより当該ゴム胴２上の
水を蒸発させることができるので、給紙を停止
し、ゴム胴２と圧胴９を胴抜きした状態で印刷機
を空回転する場合にあつて、ゴム胴２上の水によ
つて生じる印刷紙１１の“ふくれ”に基づく印刷
物の汚れを完全に防止することができる。

又、給紙停止信号によつて駆動するようにした
エアー供給源８からエアーパイプ４等を通してエ
アー吹き出し口１からエアーをゴム胴２上へ吹き
付けるだけの極めて簡易な構成とすることができ
るから安価に所期の目的を達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るオフセツト連続伝票印刷
機の実施例を示す主要部の縦断平面図、第２図、
第３図は本考案によるオフセツト連続伝票印刷機
の他の実施例を夫々示す主要部の各縦断平面図、
第４図はオフセツト連続伝票印刷機の略示側面
図、第５図はオフセツト連続伝票印刷機における
印刷紙の“ふくれ”を示す説明図である。 １……エアー吹き出し口、２……ゴム胴、８…
…エアー供給源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 版胴とゴム胴と圧胴とを有し、前記圧胴の両側
   に１対づつ配設したトラクター間に、連続伝票印
   刷紙が前記ゴム胴と圧胴間を通過し、かつ前記圧
   胴に当接する状態で張設し、前記トラクターの作
   動により前記連続伝票印刷紙を給紙部から排紙部
   へ向つて給紙するよう形成し、給紙停止信号によ
   り前記連続伝票印刷紙の給紙を停止して前記ゴム
   胴と圧胴との胴抜きを行なうと共に前記ゴム胴と
   圧胴とを胴入れした後に給紙停止解除信号により
   前記連続伝票印刷紙の給紙を開始するよう形成し
   たオフセツト連続印刷機において、前記ゴム胴２
   の近傍にゴム胴上へエアーを吹き付けるためのエ
   アー吹出口１を有するエアーパイプ４を配設する
   と共に前記エアーパイプ４に連通するエアー供給
   源８を設け、前記給紙停止信号に基づき前記ゴム
   胴２と前記圧胴９との胴抜き後に、前記エアーパ
   イプ４にエアーを供給すると共に前記給紙停止解
   除信号に基づき前記ゴム胴２と圧胴９との胴入れ
   後に、前記エアーパイプ４へのエアーの供給を停
   止するよう形成したことを特徴とするオフセツト
   連続伝票印刷機。