JPH0538857U - コイルボビン用巻線治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイルボビン自体の重心点と、巻線治具に挿
入するコイルボビンの取り付け位置の中心線とが一致し
ていないコイルボビンを取り付け、巻線機に装着して、
コイルボビンに高速回転で巻線することができる巻線治
具を得る。 【構成】 回転軸５と、回転軸５の右先端に鍔６を介し
て配置した巻線機に取り付ける装着部７と、回転軸５の
左先端に配置したコイルボビンに挿入するコの字状の取
り付け部１とで構成し、取り付けたコイルボビンと巻線
治具の全体の重心が、回転軸５の中心線上に移動するよ
うにバランスをとるバランサー３を、回転軸５の外周面
に取り付けた巻線治具である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コイル、トランス等のコイルボビンに機械的に巻線を行う巻線機に 装着するコイルボビン用巻線治具に係るものであり、詳しくは前記巻線治具に挿 入するコイルボビンの取り付け位置の中心線と、コイルボビン自体の重心点とが 一致していないコイルボビンに巻線を施すコイルボビン用巻線治具に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

巻線機に装着する従来の巻線治具は、図３に示すように、円柱状の回転軸５と 、回転軸５の図の右先端に鍔６を介して配置した、巻線機に取り付ける円柱状の 装着部７と、回転軸５の左先端に配置した、コイルボビンに挿入するコの字状の 取り付け部１とで構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

コイルボビン自体の重心点と、巻線治具に挿入するコイルボビンの取り付け位 置の機構上の寸法から決まる中心線とが一致していないコイルボビンでは、コイ ルボビンを従来の巻線治具に取り付け、巻線機に装着し巻線機により巻線治具を 高速回転してコイルボビンに巻線すると、巻線機が振動し、はなはだしい時には コイルボビンに巻線することができないという問題点があった。

【０００４】 本考案は、コイルボビン自体の重心点と、巻線治具に挿入するコイルボビンの 取り付け位置の中心線とが一致していないコイルボビンを取り付け、巻線機に装 着して、高速回転でコイルボビンに巻線しても、激しい振動が発生することがな いコイルボビン用巻線治具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のコイルボビン用巻線治具は、コイルボビ ン自体の重心点と、巻線治具に挿入するコイルボビンの取り付け位置の中心線と が一致していないコイルボビンを巻線治具に取り付けた状態で、コイルボビンと コイルボビン用巻線治具を含む全体の重心が巻線治具の回転軸の中心線上に移動 するようにバランスをとるためのバランサーを、巻線治具の回転軸の外周面に取 り付けたコイルボビン用巻線治具としたものである。

【０００６】 即ち本考案は、コイルボビンを取り付け、巻線機に装着して、コイルボビンに 巻線する巻線治具において、回転軸と、回転軸の先端に鍔を介して配置した、巻 線機に取り付ける装着部と、回転軸の他方の先端に配置した、コイルボビンに挿 入する２つの脚を有するコの字状の取り付け部とで構成し、取り付けたコイルボ ビンと巻線治具の全体の重心が、回転軸の中心線上に移動するようにバランスを とるバランサーを、回転軸の外周面に取り付けたことを特徴とするコイルボビン 用巻線治具である。

【０００７】

【作用】

上記のように構成されたコイルボビン用巻線治具に、コイルボビン自体の重心 点と、巻線治具に挿入するコイルボビンの取り付け位置の中心線とが一致してい ないコイルボビンを取り付けて、巻線機に装着し、巻線機により巻線治具を高速 で回転すると、取り付けたコイルボビンと巻線治具の全体の重心が巻線治具の回 転軸の中心線上に移動するように、回転軸の外周面に取り付けた、バランスをと るバランサーにより、コイルボビンの回転の遠心力のアンバランスによる、巻線 機の激しい振動が発生せずにコイルボビンに巻線することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１は、本考案のコイルボビン用 巻線治具の斜視図である。図１において、外周面に螺旋状のねじ溝４を有する円 柱状の回転軸５と、回転軸５の右先端に鍔６を介して配置した、巻線機に取り付 ける円柱状の装着部７と、回転軸５の左先端に配置した、コイルボビンに挿入す る２個の脚を有するコの字状の取り付け部１とで構成し、回転軸５の外周面には 、取り付けたコイルボビンと巻線治具の全体の重心が、回転軸５の中心線上に移 動するように、バランスをとるバランサー３を取り付けている。前記バランサー ３は、凸部２を有する円筒状の形状とし、内周面には回転軸５の外周面に設けら れている、螺旋状のねじ溝４と嵌合するねじ山が切ってある。また、取り付けた コイルボビンと巻線治具の全体の重心が、回転軸５の中心線上に移動するように バランスをとる場合は、巻線治具を巻線機に装着し、コイルボビンを取り付けた 状態で回転させながら、バランサー３を回転軸５の螺旋状のねじ溝４に沿って回 転し、回転軸５上を左右に移動させるとともに、バランサー３の凸部２を３６０ 度回転させ、巻線機の振動の小さい位置に、ねじ止めによりバランサー３を固定 する。

【０００９】 図２は、本考案のコイルボビン用巻線治具に取り付けるコイルボビンの一例で 、その斜視図を示す。図２において、コイルボビンの右側に位置している２つの 挿入孔８が、巻線治具に挿入するコイルボビンの取り付け個所となり、２つの挿 入孔８の中心点と、コイルボビン自体の重心点とが一致していない。また挿入孔 ８の形状と、巻線治具の取り付け部の２個の脚の形状は、たがいに嵌合する形状 にしてある。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。巻線機に装着する巻線治具を使用して、コイルボビンに巻線する 場合に、取り付けたコイルボビンと巻線治具との全体の重心が、巻線治具の回転 軸の中心線上に移動するようにバランスをとるバランサーを、巻線治具の回転軸 の外周面に取り付けることにより、コイルボビン自体の重心点と、巻線治具に挿 入するコイルボビンの取り付け位置の中心線とが一致していないコイルボビンに おいても、高速回転で巻線するとき激しい振動がなく巻線することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコイルボビン用巻線治具の斜視図。

【図２】コイルボビンの斜視図。

【図３】従来のコイルボビン用巻線治具の斜視図。

【符号の説明】

１ 取り付け部 ２ 凸部 ３ バランサー ４ ねじ溝 ５ 回転軸 ６ 鍔 ７ 装着部 ８ 挿入孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルボビンを取り付け、巻線機に装着
   して、コイルボビンに巻線する巻線治具において、回転
   軸と、回転軸の先端に鍔を介して配置した、巻線機に取
   り付ける装着部と、回転軸の他方の先端に配置した、コ
   イルボビンに挿入する２つの脚を有するコの字状の取り
   付け部とで構成し、取り付けたコイルボビンと巻線治具
   の全体の重心が、回転軸の中心線上に移動するようにバ
   ランスをとるバランサーを、回転軸の外周面に取り付け
   たことを特徴とするコイルボビン用巻線治具。