JPH0538368U - 電動圧縮機の引き出し線装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定子巻線の中性点の絶縁を確保する。 【構成】 クラスタ５にターミナル端子に嵌まる接続端
子１５，１７とターミナル端子に嵌まらない非接続端子
１９とを収納し、接続端子には固定子巻線の電力供給端
を接続し、非接続端子には固定子巻線の中性点を接続す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電動圧縮機における電動要素からの引き出し線の絶縁性の向上と電動 要素の製造効率アップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術としては、特公平１−３６３３２号公報に記載されているようなも のがあった。この公報に記載されたものは、電動圧縮機内に外側から貫通するタ ーミナル端子にクラスタを接続し、このクラスタを介して電動要素の固定子巻線 に電力を供給するものであった。

【０００３】 このクラスタの接続端子（ターミナル端子に嵌まる端子）にはリード線を介し て固定子巻線が接続されていた。従って、接続端子と固定子巻線との間にリード 線を接続する作業工程が必要になる点、リード線からのオリゴマの析出がある点 などから、近年は固定子巻線を直接接続端子に接続するものが試みられた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような従来の電動圧縮機では作業性の向上と低オリゴマ化がなされたが 、固定子巻線の非給電線、例えば三相電動機の中性点（三相の接続点）は固定子 巻線のコイルエンド上に配置されたままであり、この中性点の絶縁に対する信頼 性が低いものであった。

【０００５】 本考案は電動機の組立て作業性を悪くすることなく中性点の絶縁信頼性を向上 できる引き出し線装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は電動要素と、圧縮要素とを収納した密閉容器にターミナル端子を貫通 して設け、このターミナル端子に接続されるクラスタを介して電動要素に電力を 供給するように成した電動圧縮機において、前記クラスタは前記ターミナル端子 に対応して嵌まる接続端子と、前記ターミナル端子に対応しない非接続端子とを 有し、接続端子には電動要素の固定子巻線の電力供給端を接続し、非接続端子に は固定子巻線の中性点を接続するものである。

【０００７】

【作用】

このように構成された電動圧縮機の引き出し線装置は、クラスタの非接続端子 に固定子巻線の中性点を接続することによって、この中性点の絶縁を電力供給端 と同様にクラスタで確保することができるものである。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は電動圧縮機の電動要素 の固定子の要部上面図である。この図において、１は固定子鉄心、２〜３は固定 子巻線であり、それぞれＵ相、Ｖ相、Ｗ相である。これら固定子巻線２〜４は固 定子鉄心上にコイルエンドを形成している。

【０００９】 ５はクラスタであり、圧縮機の密閉容器に設けられた密封ターミナルのターミ ナル端子に嵌める孔５ａ〜５ｃを有している。６〜９は絶縁チューブであり、絶 縁チューブ６には固定子巻線２（Ｕ相）の巻線の電力供給端が通っている。同様 に絶縁チューブ７にはＶ相の巻線、絶縁チューブ８にはＷ相の巻線が通り、絶縁 チューブ９にはＵ相、Ｖ相、Ｗ相の中性点が通っている。

【００１０】 １１〜１４は結束糸であり、絶縁チューブ６〜９を固定子のコイルエンド上に 固定するものである。

【００１１】 図２は図１に示したクラスタの一部断面図である。この図において１５は接続 端子でありターミナル端子を挟み込んでターミナル端子に接続される。１６はＵ 相の電力供給端であり、接続端子１５にかしめられており、ターミナル端子を介 して電力が供給される。同様に接続端子１７にはＷ相の電力供給端１８が接続さ れている。尚、Ｖ相の接続端子の説明は省略している。

【００１２】 １９は非接続端子であり、前記した接続端子との違いは、接続端子は孔５ａ〜 ５ｃに対応した位置にあり、ターミナル端子に嵌められるのに対して、非接続端 子１９はクラスタ５内に収納されているのみであり、対応する孔がなく接続され るターミナル端子もないものである。この非接続端子１９には固定子巻線のＵ相 、Ｖ相、Ｗ相をスター接続した際の中性点２０がかしめて接続されている。尚、 非接続端子１９は接続端子と同形状のものを用いて端子の汎用性を得ているが、 異なる形状の端子を用いてもよい。

【００１３】 このように中性点２０をクラスタ５内に収納することによって、電力供給端と 同様の絶縁性を確保することができるものである。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案は、クラスタにターミナル端子に嵌まらない非接続端子の 収納空間を形成し、この非接続端子に固定子巻線の中性点を接続するので、この 中性点の絶縁をクラスタで確保することができるものである。従って、中性点と 固定子巻線のコイルエンド上で絶縁処理していた従来のものより運転中の振動に 対して高い絶縁が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す固定子の要部上面図であ
る。

【図２】図１に示したクラスタの一部断面図である。

【符号の説明】

２〜４ 固定子巻線 ５ クラスタ ６〜９ 絶縁チューブ １５，１７ 接続端子 １９ 非接続端子 １６，１８ 電力供給端 ２０ 中性点

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動要素と圧縮要素とを収納した密閉容
   器にターミナル端子を貫通して設け、このターミナル端
   子に接続されるクラスタを介して電動要素に電力を供給
   するように成した電動圧縮機において、前記クラスタは
   前記ターミナル端子に対応して嵌まる接続端子と、前記
   ターミナル端子に対応しない非接続端子とを有し、接続
   端子には電動要素の固定子巻線の電力供給端を接続し、
   非接続端子には固定子巻線の中性点を接続することを特
   徴とする電動圧縮機の引き出し線装置。