JPH053799A

JPH053799A - 尿中ブドウ糖検査用試験紙

Info

Publication number: JPH053799A
Application number: JP41320390A
Authority: JP
Inventors: Hitoshi Tanaka; 田中均
Original assignee: TAUNZU KK; Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: TAUNZU KK; Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1990-12-21
Filing date: 1990-12-21
Publication date: 1993-01-14

Abstract

(57)【要約】【目的】尿糖値を、測定者の個人差や測定状態に関係
なくディジタル的に正確に測定することができる尿中ブ
ドウ糖検査用試験紙を提供する。【構成】グルコースオキシダーゼ、パーオキシダー
ゼ、還元剤及び活性酸素により変色する化合物を含有す
る吸水性材料からなるブドウ糖測定用片が、支持体上に
設けられていることを特徴とする尿中ブドウ糖検査用試
験紙。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、尿中のブドウ糖の濃度
を検査するために使用する試験紙に関し、更に詳しく
は、尿中のブドウ糖の濃度をディジタル的に知ることが
でき、簡便に使用することができる尿中ブドウ糖検査用
試験紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】インシュリンの投与が必要な糖尿病の重
症患者では、血糖値を測定することが重要である。しか
しながら、食事制限を行なう程度の糖尿病の軽症患者
や、予備軍と言われる糖尿病の潜在患者にとっては、尿
糖値（尿中のブドウ糖の濃度）を測定することで十分で
ある。

【０００３】従来、一般に行なわれている尿糖値の測定
方法としては、尿中ブドウ糖検査用試験紙を使用して簡
便に尿糖値を測定する方法である。

【０００４】この方法を、従来の尿中ブドウ糖検査用試
験紙の一例を示した、添付する図５を参照して説明す
る。

【０００５】図５において、尿中ブドウ糖検査用試験紙
５０は、支持体５１に、グルコースオキシダーゼ、パー
オキシダーゼ及び色素ｏ−トリジンからなる試験薬が含
浸された試験片５２が接着されて構成されている。

【０００６】上記の尿糖値の測定方法の基本原理は、試
験紙に尿を吸収させると、尿中のブドウ糖がグルコース
オキシダーゼにより酸化され、生じた過酸化水素が更に
パーオキシダーゼの作用を受けて発生期状態の酸素（活
性酸素）を生じ、この活性酸素により色素のｏ−トリジ
ンが酸化されて試験紙が発色し、発色の度合がブドウ糖
の濃度に依存することにある。

【０００７】従来の尿中ブドウ糖検査用試験紙を使用す
る尿糖値の測定方法は、試験紙に尿を吸収させ、試験紙
の発色の程度を、別に用意された種々の尿糖値と色調と
を対応させた比色表（色調表）５３の色調と対比させる
ことによって、尿糖値を知る方法である。この方法は極
めて簡便であり即時に尿糖値を測定することができるの
で、医院や診療所において、また家庭において患者自身
により一般的に利用されている。

【０００８】しかしながら、上記の従来の方法では、試
験紙の色調が連続して少しずつ変わり、試験紙の色調は
試験紙の濡れた状態と乾燥状態とで微妙に異なり、比色
表の色調を試験紙の色と全く同じに作成することは困難
であり、測定者の個人差も無視できず、変色した試験紙
の色調が比色表のどの色調と同じかを肉眼で判定するこ
とが困難な場合が多く、正確性が低いという欠点があ
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、尿糖
値を、測定者の個人差や測定状態に関係なくディジタル
的に正確に測定することができる尿中ブドウ糖検査用試
験紙を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、グルコースオ
キシダーゼ、パーオキシダーゼ、還元剤及び活性酸素に
より変色する化合物を含有する吸水性材料からなるブド
ウ糖測定用片が、支持体上に設けられていることを特徴
とする尿中ブドウ糖検査用試験紙である。

【００１１】本発明の好適な実施態様は下記の通りであ
る。

【００１２】（１）上記ブドウ糖測定用片が、異なった
含有量の還元剤を含有する複数個のブドウ糖測定用片か
らなることを特徴とする上記の尿中ブドウ糖検査用試験
紙。

【００１３】（２）上記還元剤が、上記活性酸素により
変色する化合物よりも優先して、活性酸素により酸化さ
れる物質であることを特徴とする上記の尿中ブドウ糖検
査用試験紙。

【００１４】（３）上記還元剤が、Ｌ−アスコルビン
酸、Ｌ−アスコルビン酸アルカリ金属塩、チオール化合
物、金属錯体、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、又は亜硝酸塩で
あることを特徴とする上記の尿中ブドウ糖検査用試験
紙。

【００１５】（４）上記活性酸素により変色する化合物
が、ｏ−トリジン、グアヤック脂、テトラメチルベンジ
ジン、ｏ−ジアニシジン又は沃化カリウムであることを
特徴とする上記の尿中ブドウ糖検査用試験紙。

【００１６】（５）上記ブドウ糖測定用片中の上記還元
剤の含有量が、上記ブドウ糖測定用片が最大吸水量まで
吸水したときの水中の濃度で表わしたとき、モル濃度基
準で、尿中のブドウ糖の検出目的濃度の１００〜８０％
の範囲内の濃度となる量であることを特徴とする上記の
尿中ブドウ糖検査用試験紙。

【００１７】（６）上記吸水材料が、ろ紙又は吸水紙で
あることを特徴とする上記の尿中ブドウ糖検査用試験
紙。

【００１８】（７）更に、グルコースオキシダーゼ、パ
ーオキシダーゼ及び活性酸素により変色する化合物を含
有する吸水性材料とブドウ糖を含有する吸水性材料とが
積層された陽性対照用片が、支持体上に設けられている
ことを特徴とする上記の尿中ブドウ糖検査用試験紙。

【００１９】本発明の尿中ブドウ糖検査用試験紙（以
下、尿糖試験紙と略称することがある）は、基本的に支
持体上にブドウ糖測定用片が設けられて構成されてい
る。そして、ブドウ糖測定用片は、グルコースオキシダ
ーゼ、パーオキシダーゼ、還元剤及び活性酸素により変
色する化合物を含有する吸水性材料からなるものであ
る。

【００２０】本発明の尿糖試験紙を使用する尿糖値の測
定方法の基本原理は、本発明の尿糖試験紙に尿を吸収さ
せると、尿中のブドウ糖がグルコースオキシダーゼによ
り酸化され、生じた過酸化水素が更にパーオキシダーゼ
の作用を受けて活性酸素を生じ、この活性酸素により還
元剤が酸化され、含有されている還元剤の全部が酸化さ
れた後もなお活性酸素が存在しているときに、色素が酸
化されて試験紙が変色することになり、従って、特定の
含有量の還元剤を含有する尿糖試験紙について、尿中の
ブドウ糖の含有量が或る特定値以下であるときは尿糖試
験紙が変色せず、尿中のブドウ糖の含有量が或る特定値
を越えると尿糖試験紙が変色するので、尿糖試験紙が変
色するか変色しないかによって尿中のブドウ糖の含有量
が上記の特定値より大きいか小さいかをディジタル的に
判断できることにある。

【００２１】以下、添付する図面を参照して本発明の尿
中ブドウ糖検査用試験紙を詳細に説明する。

【００２２】図１は、本発明の尿糖試験紙の一例の上面
図である。図２の（Ａ）は図１のブドウ糖測定用片の部
分の拡大断面図であり、図２の（Ｂ）は図１の陽性対照
用片の部分の拡大断面図である。

【００２３】図１及び図２において、尿糖試験紙１は、
支持体２の片面に、ブドウ糖測定用片３ａ、３ｂ及び３
ｃ、並びに陽性対照用片４が両面接着テープ５により固
着されて構成されている。そして、陽性対照用片４は、
両面接着テープ５に固着されたブドウ糖含有片４ｘと、
ブドウ糖含有片４ｘの全面を覆うように積層され、その
周辺部が両面接着テープ５に固着された検出片４ｙとか
ら構成されている。

【００２４】支持体２は、無色透明のポリプロピレンフ
ィルムである。

【００２５】ブドウ糖測定用片３ａ、３ｂ及び３ｃは、
ろ紙にグルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、還
元剤としてのＬ−アスコルビン酸ナトリウム塩（ビタミ
ンＣ）及びｏ−トリジンを含浸させたものであり、各片
毎にＬ−アスコルビン酸ナトリウム塩の含有量が異なっ
ている。

【００２６】ブドウ糖含有片４ｘは、吸水紙に所定濃度
のブドウ糖を含浸させたものであり、検出片４ｙは、還
元剤を含有しない他はブドウ糖測定用片３ａの含浸物と
同じ物質が同量含浸されたものである。

【００２７】支持体２は、シート乃至フィルム状物であ
れば特に限定されず、従来の尿検査用試験紙に使用され
ている支持体と同様のものであってよく、例えば、プラ
スチックス、紙、ガラスなど材料から作られたものであ
る。一般に、白色又は無色透明の、プラスチックスシー
ト、厚紙、プラスチックスで被覆又は含浸された厚紙な
どを、支持体として好適に使用することができる。

【００２８】ブドウ糖測定用片３（３ａ、３ｂ及び３
ｃ）は、吸収性材料にグルコースオキシダーゼ、パーオ
キシダーゼ、還元剤及び活性酸素により変色する化合物
が含浸されたものである。従って、ブドウ糖測定用片３
は、還元剤を含有すること以外は、従来の尿中ブドウ糖
検査用試験紙の試験片と同様の構成であり、吸収性材
料、グルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、及び
活性酸素により変色する化合物は、従来の尿中ブドウ糖
検査用試験紙に使用されている材料と同様の材料であっ
てよい。例えば、吸収材料として、ろ紙、吸水紙などを
使用することができ、活性酸素により変色する化合物と
して、ｏ−トリジン、グアヤック脂、テトラメチルベン
ジジン、ｏ−ジアニシジン、沃化カリウムなどを使用す
ることができる。活性酸素により、ｏ−トリジン、グア
ヤック脂、テトラメチルベンジジン及びｏ−ジアニシジ
ンは何れも無色から青色に変色し、沃化カリウムは空色
から茶色に変色する。

【００２９】上記還元剤としては、ブドウ糖測定用片３
に含まれる活性酸素により変色する化合物よりも優先し
て、活性酸素により酸化される物質であれば特に限定さ
れないが、特に、Ｌ−アスコルビン酸、Ｌ−アスコルビ
ン酸アルカリ金属塩、チオール化合物、金属錯体、チオ
硫酸塩、亜硫酸塩、亜硝酸塩などを使用することが好ま
しい。

【００３０】ブドウ糖測定用片３は、一般に次のように
して製造する。即ち、グルコースオキシダーゼ、パーオ
キシダーゼ及び還元剤を所定濃度で含有する水溶液に吸
水性材料を浸漬し、上記水溶液を含浸した吸水性材料を
乾燥した後、活性酸素により変色する化合物の溶液に浸
漬し、次いで乾燥してブドウ糖測定用片３を製造する。

【００３１】尿糖値を測定する際には尿糖試験紙に尿を
含浸させるので、上記水溶液の含浸量と尿の含浸量とは
ほぼ同じであると考えられることから、ブドウ糖測定用
片３中のグルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、
還元剤及び活性酸素により変色する化合物の含有量は、
ブドウ糖測定用片３を製造する際に使用する前記水溶液
中の各成分の濃度によって規定することが適当である。

【００３２】還元剤以外の上記各成分の上記水溶液中の
濃度は従来の尿中ブドウ糖検査用試験紙を製造する際に
使用される水溶液中の濃度と同程度であってよく、例え
ば、上記水溶液中の、グルコースオキシダーゼの濃度は
２００〜２０００単位／ｍｌ、パーオキシダーゼの濃度
は１００〜２０００単位／ｍｌであることが好ましい。
活性酸素により変色する化合物の濃度は５〜４０ｍｇ／
ｍｌであることが好ましい。

【００３３】上記水溶液中の還元剤の濃度は、検知した
い尿糖値により任意に変えることができる。即ち、本発
明の尿糖試験紙においては、前記のように、特定の含有
量の還元剤を含有する尿糖試験紙について、尿中のブド
ウ糖の含有量が或る特定値以下であるときは尿糖試験紙
が変色せず、尿中のブドウ糖の含有量が或る特定値を越
えると尿糖試験紙が変色するので、尿糖試験紙が変色す
るか変色しないかによって尿中のブドウ糖の含有量が上
記の特定値より大きいか小さいかをディジタル的に判断
できることを基本原理としている。本発明の尿糖試験紙
においては、前記のように、尿糖試験紙への水溶液の含
浸量と尿の含浸量とはほぼ同じであると考えられること
から、尿中のブドウ糖の含有量は尿中のブドウ糖の濃度
として、ブドウ糖測定用片を製造する際に使用する上記
水溶液中の還元剤の濃度と対比させて考慮することがで
きる。

【００３４】例えば、上記水溶液中の還元剤の濃度が１
０ミリ当量／ｌである水溶液を使用して製造したブドウ
糖測定用片は、尿中のブドウ糖の濃度が１０ミリ当量／
ｌであるときは活性酸素が還元剤により全部消費される
ために変色せず、尿中のブドウ糖の濃度が１０ミリ当量
／ｌを越えると変色する。従って、ブドウ糖測定用片が
変色するか変色しないかによって、尿中のブドウ糖の濃
度が１０ミリ当量／ｌより大きいか小さいかをディジタ
ル的に判断できることになる。本明細書においては、こ
のブドウ糖測定用片が変色するか否かの境界となる尿中
のブドウ糖の濃度（上記の例では１０ミリ当量／ｌ）
を、尿糖値測定基準値という。本発明の尿糖試験紙を使
用する場合は、ブドウ糖測定用片が変色するか否かを観
察するのみでよいので、測定者の主観や熟練度に左右さ
れず誰にも容易に判定できる。異なった尿糖値測定基準
値を有するブドウ糖測定用片を複数個使用することによ
って、検査すべき尿の尿糖値の範囲を知ることができる
ので、尿糖値測定基準値の変量の程度を小さくすること
によって尿糖値の測定精度を上げることができる。

【００３５】上記水溶液中の還元剤の濃度は、所望する
尿糖値の測定範囲、測定精度などに応じて任意に設定す
ることができる。上記水溶液中の還元剤の濃度の具体的
な値は、還元剤及び活性酸素により変色する化合物の種
類や上記水溶液中の濃度によって変わるので、一律に定
めることはできないが、当業者が実験的に決定すること
ができる。一般に、上記水溶液中の還元剤の当量濃度
は、０．０２〜１重量％の範囲内の特定の尿糖値測定基
準値に対応する還元剤の当量濃度の１００〜８０％、好
ましくは９５〜８５％の範囲内の当量濃度にすることが
望ましい。上記の特定の尿糖値測定基準値としては、重
量％に換算したとき例えば、０．０２５、０．０５、
０．１０、０．２５、０．５０、１．００重量％の値を
選定することができる。還元剤の濃度を上記の尿糖値測
定基準値に対応する当量濃度に設定した種々のブドウ糖
測定用片が設けられた尿糖試験紙を使用して尿中ブドウ
糖検査を行なった場合、０．１０重量％の尿糖値測定基
準値に対応する尿糖試験紙は変色するが、０．２５重量
％の尿糖値測定基準値に対応する尿糖試験紙は変色しな
い尿の尿糖値は、０．１０重量％以上で０．２５重量％
未満であることが分かる。

【００３６】本発明の尿糖試験紙には、ブドウ糖測定用
片中の還元剤の含有量を異なった任意の値で設定したブ
ドウ糖測定用片を複数個設けることができ、そのような
尿糖試験紙を使用することによって、検査すべき尿の尿
糖値を任意の精度で正確にディジタル的に判定すること
が可能になる。更に具体的には実施例で説明する。

【００３７】一例として、還元剤としてＬ−アスコルビ
ン酸ナトリウム塩を使用し、活性酸素により変色する化
合物としてｏ−トリジンを使用したブドウ糖測定用片に
ついて説明する。

【００３８】この場合、Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム
塩の分子量は１９８であり、ブドウ糖の分子量は１８０
であるので、Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム塩とブドウ
糖とが重量基準で同じ濃度のとき、当量基準の濃度はＬ
−アスコルビン酸ナトリウム塩の濃度がブドウ糖の濃度
よりも約１０％小さくなり、重量基準で表示するとＬ−
アスコルビン酸ナトリウム塩の濃度と尿糖値測定基準値
とが同一数字で表示できるので便利である。

【００３９】リン酸緩衝液１ｍｌに、グルコースオキシ
ダーゼ１０００単位、パーオキシダーゼ１０００単位及
びＬ−アスコルビン酸ナトリウム塩０．２５ｍｇ（０．
０２５重量％）を溶解し、得られた溶液をろ紙に含浸さ
せた後乾燥し、乾燥したろ紙を２重量％ｏ−トリジン溶
液に浸漬した後乾燥して、ブドウ糖測定用片３ａを作成
する。Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム塩の使用量を１．
０ｍｇ又は２．５ｍｇに変えた他は上記と同様にして、
それぞれブドウ糖測定用片３ｂ及びブドウ糖測定用片３
ｃを作成する。

【００４０】陽性対照用片４は、ブドウ糖測定用片３が
正常に機能するものであることを確認するためのもので
あり、本発明の尿中ブドウ糖検査用試験紙において必ず
しも設ける必要はないが、陽性対照用片４を併設するこ
とによって、尿中ブドウ糖検査用試験紙を安心して使用
することができる。陽性対照用片４は、前記のように、
ブドウ糖を含有するブドウ糖含有片４ｘと検出片４ｙと
から構成されている。

【００４１】検出片４ｙは、還元剤を使用しない他はブ
ドウ糖測定用片３と同様の材料を使用し同様にして作成
する。上記例のブドウ糖測定用片３に対応する検出片４
ｙは、リン酸緩衝液１ｍｌに、グルコースオキシダーゼ
１０００単位及びパーオキシダーゼ１０００単位を溶解
し、得られた溶液をろ紙に含浸させた後乾燥し、乾燥し
たろ紙を２重量％ｏ−トリジン溶液に浸漬した後乾燥し
て作成する。ブドウ糖含有片４ｘは、吸水紙にブドウ
糖を含有させたものであり、吸水紙に所定濃度（一般に
０．０５〜３０重量％）のブドウ糖水溶液を含浸させ乾
燥して作成する。

【００４２】ブドウ糖測定用片３ａ、３ｂ及び３ｃ、並
びに陽性対照用片４（ブドウ糖含有片４ｘ及び検出片４
ｙ）を、両面接着テープ５を使用して、図１及び図２に
示すように支持体２の片面に固着して本発明の尿糖試験
紙１を製造する。これらの各片を支持体２に固着する手
段は、両面接着テープ５を使用する方法に限らず、接着
剤など他の任意の手段を使用することができるが、両面
接着テープを使用する方法が容易で便利である。

【００４３】本発明の尿糖試験紙の製造方法の一例を図
３を参照して説明する。

【００４４】図３において、方形の支持体１２の片面
に、片面に両面接着テープを貼りつけた細長いブドウ糖
測定用細片１３ａ、１３ｂ及び１３ｃを両面接着テープ
を利用して貼りつけ、次いで、両面接着テープに細長い
ブドウ糖含有細片１４ｘを貼りつけ、ブドウ糖含有細片
１４ｘの上に細長い検出細片１４ｙを貼りつけて作成し
た陽性対照用細片１４を貼りつける。次に、切断線１５
に沿って切断し、尿糖試験紙１を製造する。

【００４５】

【実施例】次に、実施例により、本発明の尿中ブドウ糖
検査用試験紙の具体例を示し、その作用効果を説明す
る。

【００４６】［実施例］ブドウ糖測定用細片の作成シャーレ中で、リン酸緩衝液（K₂HPO₄４．７ｇ及びNaH₂
PO₄・2H₂O３．８ｇに蒸留水を加えて１００ｍｌとして調
製）を１ｍｌに、グルコースオキシダーゼ（比活性；２
００単位／ｍｇ）５ｍｇ、パーオキシダーゼ（比活性；
２００単位／ｍｇ）５ｍｇ及びＬ−アスコルビン酸ナト
リウム塩０．２５ｍｇ（０．０２５重量％）を溶解し、
得られた溶液にろ紙（アドバンテック東洋（株）製、ア
ドバンテック５１４Ａ、２×７ｃｍ）を浸漬した後５０
℃で乾燥し、乾燥したろ紙を２重量％ｏ−トリジンのア
セトン溶液に浸漬した後ろ紙上で乾燥した。得られたろ
紙の片面に両面接着テープを貼りつけた後、長手方向に
切断して０．２５×７ｃｍの大きさのブドウ糖測定用細
片１３ａ（尿糖値測定基準値＝０．０２５重量％）を作
成した。

【００４７】Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム塩の使用量
を１．０ｍｇ（０．１０重量％）又は２．５ｍｇ（０．
２５重量％）に変えた他は上記と同様にして、それぞれ
ブドウ糖測定用細片１３ｂ（尿糖値測定基準値＝０．１
０重量％）及びブドウ糖測定用細片１３ｃ（尿糖値測定
基準値＝０．２５重量％）を作成した。

【００４８】陽性対照用細片の作成吸水紙（十條キンバリ（株）製、キムワイプ）を２０重
量％のブドウ糖水溶液に浸漬し５０℃で乾燥したもの
を、約０．１×８ｃｍの大きさに切断してブドウ糖含有
細片１４ｘを作成した。

【００４９】シャーレ中で、リン酸緩衝液１ｍｌに、前
記グルコースオキシダーゼ５ｍｇ及び前記パーオキシダ
ーゼ５ｍｇを溶解し、得られた溶液にろ紙（アドバンテ
ック東洋（株）製、アドバンテック５１Ａ、２×７ｃ
ｍ）を浸漬した後５０℃で乾燥し、乾燥した各ろ紙を２
重量％ｏ−トリジンのアセトン溶液に浸漬した後ろ紙上
で乾燥した。得られたろ紙を長手方向に切断して０．５
×７ｃｍの大きさの検出細片１４ｙを作成した。

【００５０】両面テープの上に、ブドウ糖含有細片１４
ｘを置き、ブドウ糖含有細片１４ｘの上にかぶせて検出
細片１４ｙを置いて両面テープに接着させた。このよう
にして、陽性対照用細片１４を作成した。

【００５１】尿糖試験紙の製造図３に示すように、ポリプロピレンシート（８×７×
０．０２ｃｍ）１２に、ブドウ糖測定用細片１３ａ、１
３ｂ及び１３ｃを両面接着テープを利用して約３ｍｍ間
隔で貼りつけ、次いで約５ｍｍの間隔をあけて陽性対照
用細片１４ｘを貼りつけ、次に、切断線１５に沿って
０．５ｃｍ幅で切断し、図１及び図２に示すような尿糖
試験紙１（０．５×８ｃｍ）を製造した。

【００５２】上記のようにして製造した直後の尿糖試験
紙を、蒸留水又はブドウ糖濃度が、０．０２５重量％、
０．０５重量％、０．１重量％又は０．２５重量％であ
るブドウ糖標準液（試薬のブドウ糖を蒸留水に溶解して
調製した）に浸漬して、尿糖試験紙のブドウ糖測定用片
３ａ、３ｂ及び３ｃ、並びに陽性対照用片４の変色状態
を観察した。尿糖試験紙を蒸留水に浸漬した場合、陽性
対照用片４が変色するまでに要する時間は約１０秒であ
った。また、０．２５重量％のブドウ糖標準液に浸漬し
た場合、陽性対照用片４とブドウ糖測定用片３ａとは直
ちに変色したが、ブドウ糖測定用片３ｃが変色するまで
に約１分を要した。

【００５３】各種の濃度のブドウ糖標準液に浸漬した後
の尿糖試験紙の変色の状態を図４に示す。図４におい
て、□は変色しない状態（無色）を示し、■は変色した
状態（青色）を示す。

【００５４】図４において、尿糖試験紙１Ａを蒸留水に
浸漬した場合、陽性対照用片４は変色したが、ブドウ糖
測定用片３ａ、３ｂ及び３ｃは変色せず、試験液にブド
ウ糖が０．０２５重量％以上含有されていないことを示
しており、尿糖試験紙１Ｂをブドウ糖濃度０．０２５重
量％のブドウ糖標準液に浸漬した場合、陽性対照用片４
及びブドウ糖測定用片３ａは変色したが、ブドウ糖測定
用片３ｂ及び３ｃは変色せず、尿糖試験紙１Ｃをブドウ
糖濃度０．０５重量％のブドウ糖標準液に浸漬した場
合、陽性対照用片４及びブドウ糖測定用片３ａは変色し
たが、ブドウ糖測定用片３ｂ及び３ｃは変色せず、尿糖
試験紙１Ｄをブドウ糖濃度０．１０重量％のブドウ糖標
準液に浸漬した場合、陽性対照用片４及びブドウ糖測定
用片３ａ、３ｂは変色したが、ブドウ糖測定用片３ｃは
変色せず、尿糖試験紙１Ｅをブドウ糖濃度０．２５重量
％のブドウ糖標準液に浸漬した場合、陽性対照用片４及
びブドウ糖測定用片３ａ、３ｂ及び３ｃが全部変色し
た。

【００５５】上記の結果は、ブドウ糖測定用片中のＬ−
アスコルビン酸ナトリウム塩の濃度がブドウ糖標準液中
のブドウ糖の濃度とよく対応していることを示してお
り、本発明の尿糖試験紙を使用することによって、尿糖
値をディジタル的に明瞭に判定できることが明らかであ
る。

【００５６】

【発明の効果】本発明の尿中ブドウ糖検査用試験紙は、
熟練を要することなく簡便に使用することができ、測定
者の個人差や測定状態に関係なく、尿糖値をディジタル
的に正確に測定することができると言う顕著に優れた効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の尿中ブドウ糖検査用試験紙の
一例の上面図である。

【図２】図２の（Ａ）は、図１のブドウ糖測定用片の部
分の拡大断面図であり、図２の（Ｂ）は、図１の陽性対
照用片の部分の拡大断面図である。

【図３】図３は、本発明の尿中ブドウ糖検査用試験紙の
製造方法の一例を説明するための概要図である。

【図４】図４は、各種の濃度のブドウ糖標準液に浸漬し
た後の尿中ブドウ糖検査用試験紙の変色の状態を示す概
要図である。

【図５】図５は、従来の尿中ブドウ糖検査用試験紙の一
例を示す上面図である。

【符号の説明】

１尿糖試験紙、２支持体、３ａ、３ｂ、３ｃブドウ糖測定用片、４陽性対照用片、４ｘブドウ糖含有片、４ｙ検査片、５両面接着テープ、１２支持体、１３ａ、１３ｂ、１３ｃブドウ糖測定用細片、１４陽性対照用細片、１５切断線、５０尿中ブドウ糖検査用試験紙、５１支持体、５２試験片、５３比色表。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】グルコースオキシダーゼ、パーオキシダ
ーゼ、還元剤及び活性酸素により変色する化合物を含有
する吸水性材料からなるブドウ糖測定用片が、支持体上
に設けられていることを特徴とする尿中ブドウ糖検査用
試験紙。
【請求項２】該ブドウ糖測定用片が、異なった含有量
の還元剤を含有する複数個のブドウ糖測定用片からなる
ことを特徴とする、請求項１に記載の尿中ブドウ糖検査
用試験紙。