JPH0537343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、コーヒー、ココア等の飲料を販売
するカツプ式飲料自動販売機に組み込まれた飲料
ノズルの取付構造に関する。

〔従来の技術〕

まずこの考案の実施対象となるカツプ式飲料自
動販売機の概要、並びに従来における飲料ノズル
の取付構造を第３図に示す。図において、１はコ
ーヒー粉末等の原料を収容した原料箱、２は温水
タンク、３は原料シユータ、４原料撹拌装置、５
は飲料供給パイプ、６は固定具７に取付け支持さ
れた飲料ノズル、８はベンドステージ、９はカツ
プである。

ここで飲料販売動作は次記のように行われる。
まず待機状態から販売指令が与えられると、機内
上部に据付けた図示されていないカツプ供給装置
より１個のカツプ９が落下搬出されてベンドステ
ージ８の上に着地する。続いて原料箱１、および
温水タンク２より所定量の原料と湯水が原料攪拌
装置４に搬出され、ここで原料を撹拌して飲料を
調合する。また調合された飲料は原料攪拌装置４
より飲料パイプ５を通じて飲料ノズル６よりカツ
プ９内に吐出し供給される。

また前記の飲料ノズル６はカツプ供給装置から
ベンドステージ８に向けて落下搬出されるカツプ
９との干渉を避けるために、通常は図示のように
ノズル先端を斜めカツトした上、さらに点線Ｐで
表すカツプ９の落下軌跡の外側方に配置し、カツ
プ９へ向けて飲料を斜め上方より矢印Ｑ方向に吐
出すように斜め姿勢にして据付けられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで上記した従来の飲料ノズル取付構造で
は飲料ノズルの先端から滴り落ちる飲料の後垂れ
処理の面で次記のような問題点が残る。

すなわち第３図で述べた販売動作により飲料ノ
ズル６を通じてカツプ９へ飲料を吐出し供給する
過程では、飲料吐出しの末期に、殆ど吐出勢いが
無くなり筋状となつてノズル内を流下する飲料液
や飲料パイプ等の内面に付着残留している少量の
飲料液が飲料パイプ５、飲料ノズル６を伝わつて
ノズル先端より液滴となつて下方へ滴り落ちるよ
うになる。しかも従来の飲料ノズル取付構造で
は、第２図のように飲料供給の末期にノズル先端
から滴り落ちる液滴Ａがカツプ９内に入らずに滴
下軌跡Ｂで示すようにカツプの外側を迂回してベ
ンドステージ上に滴下することが観察される。し
かもこのように販売動作の都度飲料の後垂れがベ
ンドステージ上に滴下するとベンドステージ上が
汚損され、雑菌の発生等を招いて不衛生となる。

一方、かかる後垂れの滴下現象に付いてミクロ
的に観察したところ、飲料ノズル６の開口端から
滴下する液滴は、ノズル開口端の縁を伝わつてノ
ズル突端部に集まつた後、そのまま真下に滴下せ
ず一旦ノズルの外周面の方へ引き寄せられてから
下方に滴下する様子が見られる。またこの点に付
いてはノズル先端の斜めカツト角度を様々に変え
て実験した結果でも同様な現象が見られることか
ら、その原因は液体の表面張力作用が大きく関与
しているものと推察される。

この考案の目的は前記した実験、考案を基にノ
ズルの取付け姿勢を改良することにより飲料の後
垂れをカツプ内へ巧みに誘導してベンドステージ
の汚損を防止して衛生面の改善を図るようにした
飲料ノズルの取付構造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、この考案によれ
ば、先端を斜めカツトした飲料ノズルの開口端面
を下方に向け、かつ該ノズルの突端部を最下端に
して前記開口端面が水平面よりも上方に傾斜する
ように、さらにノズルの突端部をベンドステージ
上のカツプの周縁の略真上に位置させて取付けて
構成するものとする。

〔作用〕

先記した従来の飲料ノズル取付構造ではノズル
突端部がノズルの下面側の稜線上に形成されてい
るのに対し、上記の取付構造ではノズル突端部が
逆にノズル上面側の稜線上に形成されている。し
たがつて飲料の吐出し供給過程の末期に飲料ノズ
ルより滴り落ちる飲料の液滴は、まずノズル開口
端の縁を伝わつてノズル突端部に集まつた後に液
体の表面張力作用によりノズル外周面側、つまり
カツプの上面領域側に引き寄せられてから下方に
滴下するようになる。この結果、飲料ノズルから
の後垂れ液滴はカツプ内へ向けて滴下し、従来の
ようにカツプ外に滴り落ちてベンドステージを汚
損することが防止できる。

〔実施例〕

第１図はこの考案の実施例による飲料ノズルの
取付構造を示すものであり、第３図に対応する同
一部材には同じ符号が付してある。すなわちこの
考案により飲料ノズル６は斜めカツトした飲料ノ
ズルの開口端面６ａを下方に向け、かつ該ノズル
の突端部６ｂを最下端にして前記開口端面６ａが
水平面よりも角度θだけ上方に傾斜するように、
また突端部６ｂがベンドステージ８上に搬出され
ているカツプ９の周縁の略真上に位置するように
して固定具７に取付け支持されている。

かかる構成により、飲料販売動作の末期に飲料
ノズル６の開口端から後垂れする飲料の液滴Ａ
は、ノズル開口端の縁を伝わつて最下端のノズル
突端部６ｂに集まつた後に、液体の表面張力作用
によりノズルの外周面側、つまりカツプ９の上面
内方側に引き寄せられた後に滴下軌跡Ｃをたどつ
て下方に滴下し、カツプ９内に入るようになる。
なおかかる点に付いては飲料の種類を変えて行つ
た実験結果からも同様な効果の得られることが確
認されている。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、先端を斜
めカツトした飲料ノズルの開口端面を下方に向
け、かつ該ノズルの突端部を最下端にして前記開
口端面が水平面よりも上方に傾斜するように、さ
らにノズルの突端部をベンドステージ上のカツプ
の周縁の略真上に位置させて取付けたことによ
り、飲料供給過程での末期に飲料ノズルより滴り
落ちる飲料の液滴をカツプ外にこぼさずにカツプ
内へ滴下させることができ、これにより飲料滴下
によるベンドステージの汚損を確実に防止して衛
生面の改善を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例による飲料ノズルの取付
構造図、第２図は従来における飲料ノズルの取付
構造図、第３図は従来のノズル取付構造とともに
示した自動販売機の飲料供給系統図である。各図
において、 ６……飲料ノズル、６ａ……斜めカツトの開口
端面、６ｂ……ノズル突端部、７……ノズルの固
定具、８……ベンドステージ、９……カツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベンドステージ上に搬出されたカツプへ向けて
   斜め上方より飲料を吐出し供給する飲料ノズルの
   取付構造であつて、先端を斜めにカツトした飲料
   ノズルの開口端面を下方に向け、かつ該ノズルの
   突端部を最下端にして前記開口端面が水平面より
   も上方に傾斜するように、さらに前記突端部をベ
   ンドステージ上のカツプの周縁の略真上に位置さ
   せて取付けたことを特徴とする自動販売機の飲料
   ノズル取付構造。