JPH053714U - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH053714U
JPH053714U JP5925991U JP5925991U JPH053714U JP H053714 U JPH053714 U JP H053714U JP 5925991 U JP5925991 U JP 5925991U JP 5925991 U JP5925991 U JP 5925991U JP H053714 U JPH053714 U JP H053714U
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retainer
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JP5925991U
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弘志 福島
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回転部分の軽量化により慣性質量の軽減を図
り、回転速度変化に対する追従性を向上させる。 【構成】押圧装置を構成するローラを回転自在に保持す
るリテーナ16の外周縁部に切除部29、29を設け
る。この切除部29、29は、前記ローラ保持用のポケ
ット17、17を避けて設ける。切除部29、29の分
だけ、軽量化と慣性質量の軽減とを図れる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用変速機として、或 は乗用芝刈機、除雪機、電気自動車、フォークリフト等の軽車両用の変速機とし て、更には自動車エンジン用の補機を、エンジン回転数の変動に拘らず適当な回 転数で回転させる為の変速機として、利用出来る。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車等、比較的エンジンの出力が小さい(例えば100馬力以下の)自 動車の変速機や、乗用芝刈機、除雪機、電気自動車、フォークリフト等、低速で 走行する軽車両の変速機として、更には、エンジン回転数の変動に拘らず、コン プレッサやジェネレータ等の補機を最適速度で回転させる為の変速機として、図 8〜9に略示する様な、トロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている 。
【0003】 このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示 されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、出力軸3の端部 に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシン グの内面、或はこのケーシング内に設けられた支持ブラケットには、上記入力軸 1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5を中心として揺動するトラニ オン6、6が設けられている。
【0004】 各トラニオン6、6は、十分な剛性を有する金属材により形成されたもので、 両端部外側面に前記枢軸5を設けている。又、各トラニオン6の中心部には変位 軸8の基端部を支持し、上記枢軸5を中心として各トラニオン6を揺動させる事 により、各変位軸8の傾斜角度の調節を自在としている。
【0005】 各トラニオン6、6に支持された変位軸8、8の周囲には、それぞれパワーロ ーラ9、9が回転自在に支持されている。そして、各パワーローラ9、9を、前 記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。
【0006】 入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それ ぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧形の凹面をなしている。そして、球面 状の凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面9a、9aは、前記内側面2 a、4aに当接させている。
【0007】 前記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の加圧装置 10を設け、この加圧装置10によって、前記入力側ディスク2を出力側ディス ク4に向け弾性的に押圧している。例えば特開平2−261950号公報に詳示 されている様に、この加圧装置10は、図8〜9及び図10〜11に示す様に、 入力軸1と共に回転するカム板11と、リテーナ12により保持された複数個( 例えば4個)のローラ13、13とから構成されている。
【0008】 前記カム板11の片側面(図8〜10の右側面)には、円周方向に亙る凹凸面 であるカム面14を形成し、又、前記入力側ディスク2の外側面(図8〜10の 左側面)にも、同様のカム面15を形成している。そして、前記複数個のローラ 13、13を、前記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心に、回転自在と している。
【0009】 前記各ローラ13、13は、図11に示す様に、金属製で全体を円環状に形成 されたリテーナ12に、回転自在に保持されている。このリテーナ12の円周方 向4個所位置には矩形のポケット17、17を設け、各ポケット17、17の内 側に前記ローラ13、13を、回転自在に保持している。
【0010】 又、各ローラ13、13とカム面14、15との接触部分の潤滑を確実に図る 為、図10に示す様に、全体を短円筒状に形成されたシール筒18を、前記カム 板11の外周縁と前記入力側ディスク2の外周縁との間に掛け渡す状態で設け、 このシール筒18の内側に潤滑油を保持する事も行なわれている。
【0011】 上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の作用は、次の通りである。
【0012】 入力軸1の回転に伴なってカム板11が回転すると、カム面14によって複数 個のローラ13、13が、入力側ディスク2外側面のカム面15に押圧される。 この結果、前記入力側ディスク2が、前記複数のパワーローラ9、9に押圧され ると同時に、前記1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13との噛合 に基づいて、前記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2 の回転が、前記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され 、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0013】 入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3と の間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を、 図8に示す様に揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、9aが、入力側デ ィスク2の内側面2aの中心寄り部分と、出力側ディスク4の内側面4aの外周 寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸8、8を傾斜させる。
【0014】 反対に、増速を行なう場合には、前記トラニオン6、6を図9に示す様に揺動 させ、各パワーローラ9、9の周面9a、9aが、入力側ディスク2の内側面2 aの外周寄り部分と、出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それ ぞれ当接する様に、各変位軸8、8を傾斜させる。
【0015】 各変位軸8、8の傾斜角度を、図8と図9との中間にすれば、入力軸1と出力 軸3との間で、中間の変速比を得る事が出来る。
【0016】 図12は、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を、軽車両用 の変速機等、実際の変速機に組み込んだ状態を示している(詳しくは、特開平2 −300549号公報参照)。
【0017】 図示しない動力伝達機構を通じて歯車19に伝達され、更にこの歯車19と噛 合した歯車20を介して、動力伝達軸21に伝達された回転駆動力は、クラッチ 装置22を介して、トロイダル型無段変速機23の入力軸1に伝達される。
【0018】 従って、前記クラッチ装置22の接続時には、動力伝達軸21の回転駆動力が 、ローディングカム式の加圧装置10、入力側ディスク2、変位軸8、8を中心 として回転するパワーローラ9、9を介して、出力側ディスク4に伝達される。 更に、この回転駆動力は、出力側ディスク4の外側面4bに固設され、出力軸と して機能する円筒部24の外周面に固定した歯車25と、この歯車25に噛合し た歯車26とを介して取り出される。
【0019】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様に構成され作用し、更に実際の変速機等に組み込んで使用 されるトロイダル型無段変速機の性能向上を図る為には、ローディングカム式の 加圧装置10を構成する部品の慣性質量を小さく(部品を軽く)する必要がある 。即ち、トロイダル型無段変速機を実際の変速機に組み込んで使用する場合、急 激な走行状態の変化に対応して、前記加圧装置10の各構成部品の回転速度が急 に変化する場合が多い。
【0020】 この様に各構成部品の回転速度が急に変化する際、この各構成部品の慣性質量 が大きいと、この急な変化に対応しにくくなり、トロイダル型無段変速機を組み 込んだ変速機による動力伝達が円滑に行なわれなくなる。
【0021】 この為従来からも、前記図11に示す様に、リテーナ12の円周方向複数個所 に透孔27、27を形成する事で、このリテーナ12の軽量化を図ったり、或は 前記シール筒18を合成樹脂製とする事で、このシール筒18の軽量化を図って いた。
【0022】 ところが、上述の様にリテーナ12に透孔27、27を形成する構造の場合、 各透孔27、27の外側に残った外周部分28、28の存在により、回転時に於 ける前記リテーナ12の慣性質量の軽減を十分に図れない。即ち、前記リテーナ 12の回転速度は、トロイダル型無段変速機を、自動二輪車用の変速機として使 用した場合で5000r.p.m 程度にも達する為、前記外周部分28、28が遠心 力で変形しない様にする必要上、各外周部分28、28の幅寸法wをあまり小さ く出来ない。
【0023】 この為、特に慣性質量に大きな影響を及ぼす外周部分28、28の重量が嵩み 、前記リテーナ12の慣性質量を十分に小さくして回転速度変化に対する追従性 を十分に良くする事が出来ず、トロイダル型無段変速機23を組み込んだ変速機 による動力伝達を十分円滑に出来ない。
【0024】 一方、やはり軽量化により回転速度変化に対する追従性向上を図ると共に、部 品の製作を容易にする為、前記シール筒18を合成樹脂製とする事も提案されて いるが、単にシール筒18を合成樹脂製としたのでは、十分な性能向上と耐久性 とを得る事が出来ない。
【0025】 即ち、従来構造の場合、図10に示す様に、前記シール筒18の一端を入力側 ディスク2の外周縁に外嵌する事で、このシール筒18をこのカム板11の外周 縁と前記入力側ディスク2の外周縁との間に掛け渡していたが、前記カム板11 及び入力側ディスク2の形状は、このカム板11のカム面14の複数個所に当接 しているローラ13、13の押圧力によって、微妙に歪む事が避けられない。
【0026】 この為、前記シール筒18の一端を単に入力側ディスク2の外周縁に外嵌した だけの場合、このシール筒18がカム板11と入力側ディスク2との間から脱落 する可能性がある。この様な原因によるシール筒18の脱落を防止する為には、 前記シール筒18の中間部をリテーナ12の外周縁に支持する事が効果があるが 、従来はこの様な構造は知られていなかった。
【0027】 本考案のトロイダル型無段変速機は、上述の様な事情に鑑みて考案されたもの である。
【0028】
【課題を解決する為の手段】
本考案のトロイダル型無段変速機の内、請求項1に記載されたものは、前述し た従来のトロイダル型無段変速機と同様に、入力軸の端部に固定され、この入力 軸と共に回転するカム板と、前記入力軸と同心の軸を中心として回転自在な入力 側ディスクと、この入力側ディスクと前記カム板との互いに対向する面の少なく とも一方に形成された、円周方向に亙る凹凸を有するカム面と、入力側ディスク と前記カム板との互いに対向する面同士の間に、放射方向に配置された複数のロ ーラと、全体を環状に形成され、円周方向複数個所に、前記複数のローラを回転 自在に保持する為のポケットを有するリテーナと、前記入力側ディスクと同心に 配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディス クと、入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心と して揺動するトラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出 力側両ディスクの間に挟持されたパワーローラとから構成され、入力側、出力側 両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、パワ ーローラの周面を球面状の凸面として、この周面と前記内側面とを当接させる事 で構成されている。
【0029】 更に、請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機に於いては、前記リテー ナの外周縁部複数個所で、前記ポケットから外れた部分に切除部を設ける事によ り、前記リテーナの軽量化と慣性質量の低減とを図った事を特徴としている。
【0030】 又、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機に於いては、やはり前述し た従来のトロイダル型無段変速機と同様に、入力軸の端部に固定され、この入力 軸と共に回転するカム板と、前記入力軸と同心の軸を中心として回転自在な入力 側ディスクと、この入力側ディスクと前記カム板との互いに対向する面の少なく とも一方に形成された、円周方向に亙る凹凸を有するカム面と、入力側ディスク と前記カム板との互いに対向する面同士の間に、放射方向に配置された複数のロ ーラと、全体を環状に形成され、円周方向複数個所に、前記複数のローラを回転 自在に保持する為のポケットを有するリテーナと、前記入力側ディスクと同心に 配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディス クと、入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心と して揺動するトラニオンに支持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出 力側両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、全体を短円筒状に形成され、 前記カム板の外周縁と前記入力側ディスクの外周縁との間に掛け渡す状態で設け られたシール筒とから構成され、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内 側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、パワーローラの周面を球面状の凸面 として、この周面と前記内側面とを当接させる事で構成されている。
【0031】 更に、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機に於いては、前記シール 筒を合成樹脂製とすると共に、このシール筒を前記リテーナの外周縁に係合支持 した事を特徴としている。
【0032】
【作用】
上述の様に構成される本考案のトロイダル型無段変速機により、入力軸と出力 軸との間で変速比を自在に変える際の作用自体は、前述した従来のトロイダル型 無段変速機の場合と同様である。
【0033】 又、本考案のトロイダル型無段変速機の内、請求項1に記載されたトロイダル 型無段変速機の場合、リテーナの外周縁複数個所で、前記ポケットから外れた部 分に切除部を設ける事で、前記リテーナの軽量化と慣性質量の低減とを図ってい る為、回転速度変化に対する追従性向上を図れる。
【0034】 更に、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機の場合、シール筒を合成 樹脂製とする事でこのシール筒の軽量化を図り、回転速度変化に対する追従性を 向上させると共に、このシール筒を前記リテーナの外周縁に係合支持している為 、前記シール筒の脱落防止を確実に図れる。
【0035】
【実施例】
図1は請求項1に記載された考案に対応する、本考案の第一実施例を示してい る。この実施例に係るトロイダル型無段変速機は、前述した従来構造の場合と同 様、例えば前記図8〜9或は図12に示す様に、入力軸1の端部に固定され、こ の入力軸1と共に回転するカム板11と、前記入力軸1と同心の軸を中心として 回転自在な入力側ディスク2と、この入力側ディスク2と前記カム板11との互 いに対向する面の少なくとも一方に形成された、円周方向に亙る凹凸を有するカ ム面14(15)と、入力側ディスク2と前記カム板11との互いに対向する面 同士の間に、放射方向に配置された複数のローラ13、13と、全体を環状に形 成され、円周方向複数個所に、前記複数のローラ13、13を回転自在に保持す る為のポケット17、17(図1)を有するリテーナ16(12)と、前記入力 側ディスク2と同心に配置され、且つこの入力側ディスク2に対する回転自在に 支持された出力側ディスク4と、入力側、出力側両ディスク2、4の中心軸に対 し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6に支持さ れた変位軸8、8に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスク2、4の間 に挟持されたパワーローラ9、9とから構成される。そして、入力側、出力側両 ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aを、それぞれ断面が円弧形の 凹面とし、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aを球面状の凸面として、 この周面9a、9aと前記内側面2a、4aとを当接させる事により構成されて いる。
【0036】 更に、本考案のトロイダル型無段変速機に於いては、図1に示す様に、前記リ テーナ16の外周縁部複数個所で、それぞれ前記ローラ13、13を回転自在に 保持する為のポケット17、17から外れた部分に、それぞれ切除部29、29 を設ける事により、前記リテーナ16の軽量化と慣性質量の低減とを図っている 。
【0037】 即ち、図示の実施例の場合、全体を円環状に形成されたリテーナ16の外周縁 部で、円周方向4個所に存在するポケット17、17の間部分を切除する事によ り、前記リテーナ16を略十字形としている。
【0038】 上述の様に構成される本考案のトロイダル型無段変速機により、入力軸1と出 力軸3との間で変速比を自在に変える際の作用自体は、前述した従来のトロイダ ル型無段変速機の場合と同様であるが、本考案のトロイダル型無段変速機の場合 、前記リテーナ16の外周縁部複数個所に切除部29、29を設ける事により、 前記リテーナ16の軽量化と慣性質量の低減とを図っている為、回転速度変化に 対する追従性向上を図れる。
【0039】 即ち、車両の運転状況の急激な変化により、前記入力軸11の回転速度が急激 に変化した場合に於いても、軽量で慣性質量の小さな前記リテーナ16が、この 変化に対して迅速に追従出来る。この為、トロイダル型無段変速機を組み込んだ 変速機による動力伝達を円滑に行なう事が出来る。
【0040】 次に、図2〜7は、請求項2に記載された考案に対応する、本考案の第二実施 例を示している。本実施例は、シール筒18を合成樹脂製とすると共に、このシ ール筒18をリテーナ16の外周縁に支持する部分の構造に特徴がある。その他 の構成部分に就いては、前述した従来構造と同様である為、図示及び説明を省略 する。
【0041】 前述の第一実施例と同様、外周縁部4個所位置に切除部29、29を設ける事 により、軽量化と慣性質量の軽減とを図ったリテーナ16の外周縁で、ポケット 17、17の外側部分には、それぞれ図2〜4に示す様に、入口部分の幅が狭く 、奥の幅が広くなった、凸字形の係止凹部30、30を形成している。
【0042】 一方、合成樹脂を射出成形する事により、全体を短円筒状に形成されたシール 筒18は、前記リテーナ16の外径寸法とほぼ同じ内径寸法を有する。そして、 このシール筒18の内周面の円周方向4個所位置で軸方向中間位置には、図5〜 7に示す様に、先端部32の幅が広く、基端部33の幅が狭い、係止突部31、 31を形成している。軸方向に亙る断面がL字形の、各係止突部31、31の先 端部32は二股とする事で、この先端部32の幅を弾性的に縮められる様にして いる。又、前記先端部32の幅は、基端部33に向かう程広くなる様に傾斜して おり、この先端部32を前記係止凹部30内に、幅寸法を弾性的に縮めつつ、押 し込める様にしている。
【0043】 上述の様な係止突部31、31を内周面に有するシール筒18は、軸方向に二 分割される型の内側に合成樹脂を射出する、所謂アキシャルドローにより造られ る。この為、射出用の型の構造は簡単なもので済み、前記シール筒18の製作費 が徒に嵩む事はない。
【0044】 前述の様な係止凹部30、30を外周縁に有するリテーナ16と、上述の様な 係止突部31、31を内周面に有するシール筒18とは、前記係止凹部30、3 0の開口部と前記係止突部31、31の先端部とを互いに対向させた後、両部材 16、18同士を互いに押し付け合う事で組み合わせる。
【0045】 即ち、この押し付け作業によって前記各係止突部31、31の先端部32、3 2が、その幅を弾性的に縮めつつ、各係止凹部30、30内に進入し、進入後は 弾性的に復元する。そして、各係止突部31、31が各係止凹部30、30内に 完全に進入した後は、各係止突部31、31の先端部32、32の幅が弾性的に 広がり、各係止突部31、31が各係止凹部30、30から抜け出る事がなくな って、前記シール筒18が前記リテーナ16の外周縁に支持固定される。
【0046】 上述の様に構成される、本実施例のトロイダル型無段変速機の場合、シール筒 18を合成樹脂製とする事でこのシール筒18の軽量化を図り、回転速度変化に 対する追従性を向上させる事が出来る。これと共に、このシール筒18の内周面 に設けた係止突部31、31と、前記リテーナ16の外周縁に設けた係止凹部3 0、30との係合により、前記シール筒18を前記リテーナ16の外周縁に支持 している為、前記シール筒18の脱落防止を確実に図れる。
【0047】 即ち、前記リテーナ16はトロイダル型無段変速機の運転時に於いても荷重を 受ける事がなく、従ってこのリテーナ16の外周縁が変形する事もない為、前記 係止凹部30、30と係止突部31、31との係合が外れる事もなく、トロイダ ル型無段変速機の運転に伴なって、前記シール筒18が不用意に脱落する事もな い。
【0048】 尚、本実施例の場合、シール筒18の合成樹脂化により、十分な慣性質量の軽 減が図れれば、リテーナ16の外周縁部には必ずしも切除部29、29を設ける 必要はない。
【0049】 又、本考案は、図示の様なハーフトロイダル型の無段変速機に限らず、フルト ロイダル型の無段変速機にも適用出来る事は勿論である。
【0050】
【考案の効果】
本考案のトロイダル型無段変速機は、以上に述べた通り構成され作用する為、 回転部分の慣性質量を軽減し、急激な運転速度の変化にも追従させて、円滑な動 力伝達を行なわせる事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す、リテーナの正面
図。
【図2】本考案の第二実施例を示す、リテーナの正面
図。
【図3】図2のA矢視図。
【図4】図2のB−B断面図。
【図5】シール筒の正面図。
【図6】図5のC矢視図。
【図7】図5のD−D断面図。
【図8】本考案の対象となるトロイダル型無段変速機の
基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図9】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図10】従来のトロイダル型無段変速機の1例を示す
部分断面図。
【図11】従来構造に使用されていたリテーナの正面
図。
【図12】トロイダル型無段変速機を車両用変速機に組
み込んだ状態を示す部分横断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 4b 外側面 5 枢軸 6 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 加圧装置 11 カム板 12 リテーナ 13 ローラ 14 カム面 15 カム面 16 リテーナ 17 ポケット 18 シール筒 19 歯車 20 歯車 21 動力伝達軸 22 クラッチ装置 23 トロイダル型無段変速機 24 円筒部 25 歯車 26 歯車 27 透孔 28 外周部分 29 切除部 30 係止凹部 31 係止突部 32 先端部 33 基端部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸の端部に固定され、この入力軸と
    共に回転するカム板と、前記入力軸と同心の軸を中心と
    して回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスク
    と前記カム板との互いに対向する面の少なくとも一方に
    形成された、円周方向に亙る凹凸を有するカム面と、入
    力側ディスクと前記カム板との互いに対向する面同士の
    間に、放射方向に配置された複数のローラと、全体を環
    状に形成され、円周方向複数個所に、前記複数のローラ
    を回転自在に保持する為のポケットを有するリテーナ
    と、前記入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入
    力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディ
    スクと、入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れ
    の位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンに支
    持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側
    両ディスクの間に挟持されたパワーローラとから構成さ
    れ、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面
    を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、パワーローラの
    周面を球面状の凸面として、この周面と前記内側面とを
    当接させたトロイダル型無段変速機に於いて、前記リテ
    ーナの外周縁部複数個所で、前記ポケットから外れた部
    分に切除部を設ける事により、前記リテーナの軽量化と
    慣性質量の低減とを図った事を特徴とするトロイダル型
    無段変速機。
  2. 【請求項2】 入力軸の端部に固定され、この入力軸と
    共に回転するカム板と、前記入力軸と同心の軸を中心と
    して回転自在な入力側ディスクと、この入力側ディスク
    と前記カム板との互いに対向する面の少なくとも一方に
    形成された、円周方向に亙る凹凸を有するカム面と、入
    力側ディスクと前記カム板との互いに対向する面同士の
    間に、放射方向に配置された複数のローラと、全体を環
    状に形成され、円周方向複数個所に、前記複数のローラ
    を回転自在に保持する為のポケットを有するリテーナ
    と、前記入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入
    力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディ
    スクと、入力側、出力側両ディスクの中心軸に対し捻れ
    の位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンに支
    持された変位軸に回転自在に支持され、入力側、出力側
    両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、全体を短
    円筒状に形成され、前記カム板の外周縁と前記入力側デ
    ィスクの外周縁との間に掛け渡す状態で設けられたシー
    ル筒とから構成され、入力側、出力側両ディスクの互い
    に対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面と
    し、パワーローラの周面を球面状の凸面として、この周
    面と前記内側面とを当接させたトロイダル型無段変速機
    に於いて、前記シール筒を合成樹脂製とすると共に、こ
    のシール筒を前記リテーナの外周縁に係合支持した事を
    特徴とするトロイダル型無段変速機。
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