JPH0536790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は訓練用シミユレータ、特に石油精製、
石油化学等のプラントのオペレータを対象とした
教育訓練用シミユレータにおける訓練結果を評価
するためのデータ収集方法に関する。

一般に石油精製、石油化学プラント等を対象と
した訓練用シミユレータにおいては、ポンプ、配
管、熱交換器、反応塔、バルブ等の各機器を一単
位として、その作動をシミユレートするためのユ
ニツトモデルを作成し、このユニツトモデルを組
み合せて模擬プロセス（以下単に「プロセス」と
いう）を形成し、各モデル及び各モデル間のプロ
セス作動に関する特性データを収納するプロセス
データ収納装置と前記ユニツトモデルとの間で前
記特性データを受渡しすることによりプロセスの
シミユレーシヨンを行なう方法が採用されてい
る。

従来の技術 ところで、上記シミユレータを用いて、オペレ
ータを訓練し、その訓練結果を評価するために、
シミユレートされた各種データが収集、収録され
る。この収集は、従来上記ユニツトデータ収納装
置に収納されているシミユレートされたいわゆる
プロセスの状態を示すデータを所定時間毎に、磁
気デスク等の記憶装置に記憶させる方法で行なわ
れていた。

しかし、この方法では一定時間毎にプロセスの
全状態を示すデータを収集することになる。この
ため、作動状態に変化があつた時だけ収集すれば
目的を達成する例えば、ポンプの起動Ａ又は停止
Ｂ、仕切弁の開操作Ａ又は閉操作Ｂ、或いはその
他の各種のトラブルの発生Ａ又は終了Ｂ等のＡ又
はＢのいずれかの状態しか選択余地のないデータ
（以下「非定常的に起る状態変化のデータ」とい
う）についてはその状態変化の有無にかかわらず
その状態を全て収集することになる。従つて一般
には記憶装置の容量及び計算機の負荷の関係から
これらを収集していないのが現状である。

一方これに代る措置として、トレーナ及びオペ
レータが端末機或いは計装パネルより、状態変化
を起す操作をしたとき、印字端末機で印字記録す
る方法が採用されている。

発明が解決しようとする問題点 上記印字端末機で印字記録する方法において
は、非定常的に起る状態変化のデータを項目別に
整理して印字記録する必要があるため項目毎に多
数の印字端末機を必要としその数が多いこと、ま
たさらには、トレーナやオペレータの入力操作に
よる非定常的に起る状態変化のデータ以外のシミ
ユレーシヨンの結果生じる非定常的な状態変化の
データについては記録することができない等の欠
点を有していた。このため訓練の結果を評価する
ために充分なデータを得ることができず、又トレ
ーナが訓練途中でそれまでの訓練結果を見て、直
ちに次に何を訓練するか判断することが困難な場
合がある。

本発明者は、かかる現状に鑑み鋭意検討した結
果、非定常に状態変化の起る事項について、それ
らをデータテーブルとしてコントロールデータ収
納装置に収納し、このデータテーブルを書き換え
る毎に、非定常に起る状態変化をデータとして、
整理して補助記憶装置に記憶させる機能をシミユ
レーシヨンコントロール装置に設けることにより
上記問題を解決し得ることを見い出した。

本発明は、かかる知見に基づきなされたもの
で、非定常に発生する状態変化のデータをシミユ
レーシヨンの結果発生するデータとともに収集整
理し、又、トレーナが訓練途中でそれまでの訓練
結果を見て、直ちに次の新たな訓練を展開し得る
訓練シミユレータにおける訓練評価データの収集
方法を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、プラント構成単位のユニツトモデル
群より成るシミユレーシヨンモデル装置と各ユニ
ツトモデルの特性データ及びユニツト間の特性デ
ータを収納するプロセスデータ収納装置と、上記
ユニツトモデル群及び入出力信号を管理するシミ
ユレーシヨンコントロール装置とを有する訓練シ
ミユレータにおいて、非定常に起る状態変化をデ
ータとして収納するコントロールデータ収納装置
を設け、当該コントロールデータ収納装置中のデ
ータの書き換えの都度前記シミユレーシヨンコン
トロール装置でコード化して、補助記憶装置に記
憶させることより成る訓練シミユレータにおける
訓練評価データの収集方法である。

次に、本発明による一実施態様を概略的に示し
た図に基づいて説明する。

図において１はオペレータの操作により訓練シ
ミユレータ本体２に信号を入力するための入力装
置であり、具体的には計装パネル、或いは現場操
作用パネル等に付設されている各種機器の温度、
流量、圧力、液面等を設定するための調節計、ポ
ンプ、コンプレツサー等の作動機器の発、停を指
示するためのスイツチ類、バルブの開閉等を指示
するためのボリユーム等である。

図中の３はオペレータ用の出力装置であり、シ
ミユレーシヨンの結果を表示するもので、具体的
には計装パネル或いは現場操作用パネル等に付設
されている温度、流量、圧力、液面等の表示及び
記録計或いはポンプ等の発停を示すランプ等であ
る。

図中の４は、トレーナ用の入力装置で、シミユ
レーシヨンの開始、訓練開始時のプロセスの初期
条件の設定、トラブルの発生、又は停止、その
他、シミユレーシヨンの作動に必要な指示信号を
訓練シミユレータ本体２に入力するための装置
で、好ましくはトレーナのために各種データ等を
表示するための出力装置５と一体となつたキーボ
ード付デイスプレイ装置が用いられる。

シミユレーシヨンコントロール装置６は、入力
装置１，４からの入力信号に基づき、プロセスデ
ータ収納装置７又はコントロールデータ収納装置
８のデータテーブルの書き換えを管理する入力信
号コントロール部と、シミユレーシヨンの結果で
あるコントロールデータ収納装置８のプロセスの
作動状態データをオペレータ用の出力装置５に出
力表示する信号並びに、トレーナ用の入力装置４
の指示に基づき、プロセスデータ収納装置７及び
コントロールデータ収納装置８中に収納されてい
るデータを適宜出力表示する信号を、管理するた
めの出力信号コントロール部と、シミユレーシヨ
ンモデル装置９中のユニツトモデル群の組合わ
せ、演算の順序等を管理するモデルコントロール
部と、コントロールデータ収納装置８に収納され
ているデータテーブルの書き換えごとに、整理コ
ード化して補助記憶装置１０に記憶させる状態変
化データコントロール部より構成されている。

シミユレーシヨンモデル装置９はポンプ、配
管、熱交換器、反応塔及びバルブ等の各機器毎に
シミユレーシヨンモデルが作成され、これらの集
合体としていわゆるユニツトモデル群を形成して
いる。また、プロセスデータ収納装置７には、こ
のユニツトモデルに対応して各ユニツト毎のユニ
ツト特性データが、又さらにユニツトとユニツト
間の結合のためのユニツト間データがテーブルと
して収納されている。

コントロールデータ収納装置８には、非定常に
状態変化が起る事項、例えば、シミユレーシヨン
のスタート又はストツプ、トラブルの要求又は発
生又は停止（具体的には、ポンプのトリツプ、加
熱炉の燃料切れ、配管の破損等々）、機器の作動
状況（具体的には、ポンプの起動、停止、切換、
バルブの開、閉等々）等のデータが、データテー
ブルとして収納されている。これらのデータは、
オペレータ用の入力装置１又はトレーナ用入力装
置４からの信号による場合、及び、シミユレーシ
ヨンモデル装置９でのシミユレーシヨンの結果に
より上記非定常の状態変化が起つた場合に、都
度、プロセスデータ収納装置７及びシミユレーシ
ヨンコントロール装置６を介して書き換えられ
る。

補助記憶装置１０は、コントロールデータ収納
装置８のデータテーブルのデータが書き換えられ
る毎に、そのデータを前述のシミユレーシヨンコ
ントロール装置の状態変化データコントロール部
で整理コード化されたデータ及び、プロセスデー
タ収納装置７の所定時間毎（例えば１秒間隔）の
状態データをそれぞれ記憶するための装置で、具
体的には磁気デスク、磁気テープ等が用いられ
る。

作 用 以上のような装置から構成される訓練用シミユ
レータの作動態様を次に述べる。

オペレータ用の入力装置１からの入力信号はシ
ミユレーシヨンコントロール装置６中の入力信号
コントロール部を介してプロセスデータ収納装置
７にデータとして入力される。このデータを用い
て、シミユレーシヨンモデル装置９でシミユレー
シヨンし、その結果に基づき、プロセスデータ収
納装置７中のデータテーブルを書き換える。この
書き換えられたデータは、シミユレーシヨンコン
トロール装置６中の出力信号コントロール部を介
してオペレータ用の出力装置３に、又、トレーナ
用入力装置４の指令信号に基づき、トレーナ用の
出力装置５に出力表示されるとともに一部データ
は補助記憶装置１０に記憶される。一方、オペレ
ータ用の入力装置１からの入力信号のうちポンプ
の起動、停止や仕切弁の開閉等、非定常に起きる
状態変化の信号は、入力信号コントロール部及び
状態変化データコントロール部を介してコントロ
ールデータ収納装置８のデータを書き換えるとと
もに状態変化データコントロール部において整理
コード化され、補助記憶装置１０に記憶される。
このコード化により補助記憶装置１０は非常にコ
ンパクトになる。

また、トレーナ用入力装置４からのトラブルの
発生の指令信号はシミユレーシヨンコントロール
装置６の入力信号コントロール部を介してプロセ
スデータ収納装置７に入り、シミユレーシヨンモ
デル装置９との間でのデータの受渡しが行なわ
れ、シミユレーシヨンコントロール装置６の出力
信号コントロール部を介してオペレータ用の出力
装置３上にトラブルを発生させる。オペレータ
は、この出力装置３上に表示される各種計測表示
器上のトラブルに対応して、入力装置１の操作を
行ない訓練することになる。他方、この場合、ト
レーナ用の入力装置４からのトラブルの発生指令
信号は、入力信号コントロール部を介して状態変
化データコントロール部に入力され、コントロー
ルデータ収納装置８のデータの書き換え及び整理
コード化して補助記憶装置１０への記憶が行なわ
れる。またオペレータの入力装置１からの入力信
号により、シミユレーシヨンモデル装置９でのシ
ミユレーシヨンの結果、非定常に起る状態変化デ
ータに変更が生じた場合も前述と同様にコントロ
ールデータ収納装置８のデータの書き換え及び補
助記憶装置１０への記憶が行なわれる。

このような一連の訓練により得られた結果を評
価するために補助記憶装置１０に記憶されている
状態データ、各種トラブル、オペレータの対応措
置等をトレーナ用の出力装置５上に時系列のメツ
セージリストやトレンドグラフ等を用いて表示す
る。

効 果 以上のように、本発明は、オペレータ、トレー
ナ等の入力した非定常の状態変化のみならず、シ
ミユレーシヨンの結果生じた非定常の状態変化を
も訓練評価データとして収集することができるた
め、きめの細かい評価を行なうことができ、ま
た、収集データが整理して記憶されているため、
訓練途中においても、どの訓練が終了し、どの訓
練が未だ残つているかを直にトレーナが判断する
ことができ、訓練の効率化を図ることができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す概念図である。 図において１はオペレータ用入力装置、３はオ
ペレータ用出力装置、４はトレーナ用入力装置、
５はトレーナ用出力装置、２は訓練シミユレータ
本体を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シミユレートすべきプラントの機器構成単位
   をそれぞれ表わす複数のユニツトモデルを収納し
   ているシミユレーシヨンモデル装置と、各ユニツ
   トモデルの特性データおよびユニツトモデル間の
   特性データを収納するプロセスデータ収納装置
   と、オペレータ用の第１の入出力装置と、トレー
   ナ用の第２の入出力装置と、第２の入出力装置か
   らアクセス可能な補助記憶装置とを具備し、前記
   の各ユニツトモデルと特性データとからプラント
   をシミユレートしてオペレータを訓練する訓練用
   シミユレータにおいて、 前記シミユレートされたプラントにおける非定
   常に変化する状態のうち予め選択された状態を特
   定状態として収納しているコントロールデータ収
   納装置と、 前記特定状態の変化が、前記プラントの動作中
   に発生したり、第２の入出力装置から指示された
   場合は、コントロールデータ収納装置の前記特定
   状態の該当するものを書き替えるとともに補助記
   憶装置にその変化内容を収納するシミユレーシヨ
   ンコントロール装置とを有することを特徴とする
   訓練用シミユレータ。