JPH0536426U - 液晶表示板用ガラス基板の貼り合せ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示板用ガラス基板の貼り合せ装置にお
いて、新規の貼り合せは勿論のこと、貼り合せ済みのガ
ラス基板の位置ズレに伴う再調整にも使用することが出
来る貼り合せ装置を提供すること。 【構成】 下定盤４を備えた固定台板２と、上定盤５を
備えた上下動する可動台板３とからなる液晶表示板用ガ
ラス基板の貼り合せ装置において、下定盤４の上面に、
表面摩擦抵抗係数の大きなシート状部材からなる保持板
19を取付け、上定盤におけるガラス基板の当接面に真空
吸着機構20を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液晶表示板を構成するガラス基板（上下電極板）の貼り合せ装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

液晶表示板（LCD ）は、透明導電性電極をコ―トした２枚のガラス基板間に数 μｍのスペ―サを用いて所定の間隔に保ち、シ―ル材で区画した内側の空間内に 液晶を封入したもので、その２枚のガラス基板は位置合せマ―クによって狂いな く貼り合せられている。

【０００３】 ところで、従来の貼り合せ装置における２枚のガラス基板の貼り合せは、予じ めガラス基板に施こされている位置合せマ―クを顕微鏡とカメラからなるマ―ク 検出手段の検出デ―タで駆動され、Ｘ方向、Ｙ方向及びθ方向に移動する下定盤 の移動調節で粗合せ及び微合せを行ない、マ―ク合せを完了した時点で２枚のガ ラス基板を加圧してシール材を潰し、上下のガラス基板間のギャップを一定にす るものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の貼り合せ装置における上・下定盤は、その表面にガラス基板を 吸着保持するために真空吸着機構が設けられている。これらの装置で上・下のガ ラス基板を吸着して貼り合せ加工を行なうが、その貼り合せを終了したガラス基 板に位置合せのズレがあった場合、再度貼り合せ装置にかけて位置合せを再調整 する必要が生じる。その場合、上述した従来の装置では、上・下定盤におけるガ ラス基板の当接面に真空吸着作用が働くため、貼り合せられたガラス基板におけ る上側のガラス基板は上定盤側に、下側のガラス基板は下定盤側に夫々吸引され 、その結果、上・下のガラス基板は夫々剥離方向に移動され、上・下のガラス基 板を連結していたシール材に気泡が入ってシール材の内・外が連通してしまい、 不良品となる問題点を有する。そのため、貼り合せ済のガラス基板の位置合せを 再調整する場合、それ専用の装置を使用しなければならないといった不具合を有 する。

【０００５】 本考案は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みて成されたもので、 その目的とするところは、新規の貼り合せは勿論のこと、貼り合せ済みのガラス 基板の位置ズレに伴う再調整にも使用することが出来る貼り合せ装置を提供する ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案が講じた技術的手段は、下定盤を備えた固 定台板と、上定盤を備えた上下動する可動台板とからなる液晶表示板用ガラス基 板の貼り合せ装置において、下定盤の上面に、表面摩擦抵抗係数の大きなシート 状部材からなる保持板を取付け、上定盤におけるガラス基板の当接面に真空吸着 機構を設けたことを特徴とする。上記の保持板としては、軟質塩化ビニルシート 、シリコンゴム、或いはゴム板等が挙げられる。

【０００７】

【作用】

上記の手段によれば、上定盤におけるガラス基板の当接面には真空吸引力が、 下定盤におけるガラス基板の当接面には粘着摩擦力が生じるため、新規の二枚の ガラス基板を貼り合せる時は、上定盤と下定盤とに夫々ガラス基板が吸引力或い は粘着摩擦力で一体的に保持され、位置合せを行なうことが出来る。又、貼り合 せ済のガラス基板の位置ズレを調整する時に使用した時は、下定盤に強制吸引力 が生じない為、下側のガラス基板を上側のガラス基板から剥離する方向に移動さ せる力は生じない。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の液晶表示板用ガラス基板の貼り合せ装置は以上の如く構成したので、 上のガラス基板は上定盤に真空吸引力で吸着保持され、下のガラス基板は下定盤 に粘着摩擦力で係合保持され、上下のガラス基板の位置合せを従来装置と変るこ となく行なうことが出来る。又、下定盤の表面に設けた保持板には、上定盤に設 けた真空吸着機構が発揮するような強制吸引力は生じないため、貼り合せ済のガ ラス基板の位置ズレを調整する時、該装置に掛けても上・下のガラス基板を剥離 させるといったことはなく、安心して再調整にも使用することが出来るものであ る。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、貼合せ装置Ａは、機枠１ と、その機枠１内の下側に固定された固定台板２と、その固定台板２の上方に配 置された可動台板３とから成り、固定台板２上には下側のガラス基板ａを載承保 持する下定盤４が設けられ、可動台板３の下には上側のガラス基板ｂを吸着保持 する上定盤５が設けられている。

【００１０】 固定台板２の上方に配置される可動台板３は、機枠１を構成する４本の支柱６ に固着したガイドレ―ル７に係合して上下方向に摺動する係合体８を介して上下 動可能に取付けられ、その可動台板３の上面には２本の吊下杆９が平面略矩形状 に配置起立されると共に、それら吊下杆９の上端は連結板10で連結し、且つ支柱 ６間に渉した横杆11を貫通する吊下杆９には横杆11と連結板10との間にスプリン グ12が弾圧装着されて、可動台板３が自重で最下死点まで降下しないように支持 されている。又、可動台板３を強制的に押し下げて加圧するための駆動源として はエアシリンダ13が用いられ、そのエアシリンダ13は横杆11に垂下固定されて伸 縮ロッド13’の先端で可動台板３を押圧するようになっている。

【００１１】 固定台板２上に取付けられる下定盤４は、固定台板２上をＹ方向に摺動する下 部材14と、その下部材14上に取付けられて水平回動する上部材15とで構成され、 下部材14は固定台板２上に起立固定された２本の平行なガイドレ―ル16と係合す る係合体17を介して摺動可能に支持されている。又、下部材14に対して回転可能 に支持される上部材15はベアリング18を介在して支持されている。

【００１２】 更に、上記の下定盤４における上部材15の上面には、貼り合せ加工されるガラ ス基板ａ，ｂよりも大きな保持板19が被着固定されている。その保持板19は、表 面摩擦抵抗係数の大きな部材、例えば軟質塩化ビニルシート、シリコンゴム、ゴ ム板等で形成され、ガラス基板ａを粘着摩擦力で一体的に保持すると共に、その 保持板の軟質な性質による緩衝作用により、上・下定盤４，５の表面に傾斜や、 ガラス基板ａ，ｂの板厚の不揃い（テーパ）があっても、そのバラ付きを吸収し て均一な加圧作用を行わせるもので、その結果シール材ｃは均一に潰されること になる。

【００１３】 可動台板３の下面に取付けられた上定盤５におけるガラス基板ｂの当接面には 、該ガラス基板ｂを吸着する真空吸着機構の通孔20が開設され、その通孔20は真 空ポンプ（図示省略）に接続されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る貼り合せ装置の一実施例を示す断
面図である。

【符号の説明】

Ａ…貼り合せ装置 １…機枠 ２…固定台板 ３…可動台板 ４…下定盤 ５…上定盤 19…保持板 20…通孔（真空吸着機構）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下定盤を備えた固定台板と、上定盤を備
   えた上下動する可動台板とからなる液晶表示板用ガラス
   基板の貼り合せ装置において、下定盤の上面に、表面摩
   擦抵抗係数の大きなシート状部材からなる保持板を取付
   け、上定盤におけるガラス基板の当接面に真空吸着機構
   を設けたことを特徴とする貼り合せ装置。