JPH0536319B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、フロツピーデイスク、スライドフイ
ルム等の小型薄片状の情報記録担体を、収納、整
理・保存することができる情報記録担体用保持シ
ートに関するものである。

（従来の技術） フロツピーデイスク等の情報記録担体を、整
理・保存するために従来から使用されている保持
シートとしては、例えば第２図Ａにその平面図を
示すものがある。

この保持シートは、一枚の硬貨プラスチツクシ
ートに縦枠１２および横枠１４を形成し、更に各
枠の中央に縦桟１３および横桟１５を形成するこ
とによつて、４個の矩形窪み１６を形成し、その
中に情報記録担体を収納するように構成されてい
る。各矩形窪みの相互に対向する側壁１２ａおよ
び１３ａのほぼ中央部には、矩形窪み１６の内側
へ突出する耳板１７が切りおこされており、矩形
組みの底壁とこれらの耳板とでフロツピーデイス
クを収納保持するようにしている。また、矩形窪
みの底壁には、縦枠１２および縦桟１３と平行に
延在して相互に離隔する、第一の枕部１８と第二
の枕部１９とからなる二対の枕部が形成されてい
る。第２図Ｂは第２図Ａのｆ−ｆ線に沿う断面図
である。この断面図からも明らかなように、情報
記録担体の挿入側に位置する第一の枕部１８は第
二の枕部１９に比べてその頂面が長く、その一端
の横枠１４もしくは横桟１５に連続しており、他
端の端壁１８ａは矩形窪み１６の底壁に対し、上
向き傾斜面となるように形成されている。一方、
第二の枕部１９は、それの、第一の枕部側に向く
端壁１９ａ及びそれと対向する端壁１９ｂともに
矩形窪み１６の底壁に対して上向き傾斜面を形成
している。ここで、これらの枕部１８，１９は、
情報記録担体を矩形窪み１６に収納した際に、耳
板１７とともにそれを挟持して保持すべく機能す
る。前期傾斜面１８ａおよび１９ａを設けたの
は、情報記録担体を収納する際に、その一端をそ
れぞれの傾斜面上に滑動させることにより、情報
記録担体の、所定位置への収納を容易にするため
であり、傾斜面１９ｂをもうけたのは、情報記録
担体を矩形窪みから抜き出すに際し、傾斜面１９
ｂの上方に位置する情報記録担体の一端部を矩形
窪みの底壁に向かつて押圧することによつて、そ
の情報記録担体の他端部を、第一の枕部１８から
幾分持ち上げるためであり、かかる状態で、情報
記録担体を、第一の枕部側へ押圧することによ
り、その他端部は、横枠上もしくは横桟上へ、確
実かつ円滑に乗り上げるこことができる。尚、横
枠１４、及び横桟１５にはそれぞれ、情報記録担
体の収納、取り出しに際して操作が容易となるよ
うに、それらの中央部において、横枠１４につい
てはほぼ円弧状の狭窄部が、そして横桟１５につ
いては、切欠部が設けられている。

尚、保持シートの、縦枠１２に沿う一の縁部分
には、複数個の綴孔が設けられており、複数の保
持シートを重ねて綴り合わせて多数の情報記録担
体を整理・保存することができる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記のように構成された保持シ
ートは、先に述べたように枕部１８の頂面は横枠
１４もしくは横桟１５にほぼ届くところまで延在
しており、情報記録担体を離脱させる際に、枕部
１８の上に位置する情報記録担体の一部を底壁に
向かつて押圧することができず、従つて情報記録
担体の収納方向は、矩形窪みの底壁に形成された
矢印２０で示される方向に、取り出し方向は矢印
２０で示される方向と逆方向にそれぞれ特定され
ることとなる。

このように、情報記録担体の収納および取り出
し方向が一定しているので、保持シートを複数枚
綴り合わせて保存する際には、保持シートを同じ
向きに重ねて綴じ込むことになる。ところが、保
持シートには上記耳板１７を設けるにあたつて、
矩形窪みの底壁ならびに、縦枠１２および縦桟１
３の側壁のそれぞれに切除穴があけられているた
め、保持シートを重ねると下の保持シートの耳板
が上の保持シートの切除穴から突出して上の保持
シートの耳板に重なり、二枚の保持シートがピツ
タリ重なり合うこととなる。これがため、第３図
に示すように一枚の情報記録担体FDを、二枚の
重なりあつた保持シートに収納してしまうことが
ある。

この欠点を解消するために、保持シートを見開
き状態になるように綴り合わせて使用しようとす
ると、上述したとおり、従来の保持シートでは、
情報記録担体の収納方向および取り出し方向が一
定であるため、それらの方向が相互に反対向きに
なるような構造の保持シートを別に製造する必要
が生じる。

本発明はこれらの欠点を解消するものであり、
保持シートの上下いずれの方向からも情報記録担
体を収納し、そして取り出すことができる情報記
録担体用保持シートを提供せんとするものであ
る。本発明の情報記録担体用保持シートによる
と、一種類の保持シートの、いわゆる見開き状態
での綴り合わせが可能になることはもちろん、見
開き状態で綴り合わせゆえに、いわゆる二枚ざし
を完全に防止することができる。

（課題を解決するための手段） 本発明による情報記録担体用保持シートは、一
枚の合成樹脂シートに形成された複数本の縦桟及
び横桟によつて区画され、情報記録担体を収納す
る複数の方形窪みと、各方形窪みの相互に対向す
る二側壁に形成されて、それらのほぼ中央位置か
ら方形窪みの内側へ突出する耳板と、各方形窪み
底壁に形成され、その底壁の、前記耳板と対応す
る部分を隔てて位置する少なくとも一対の枕部
と、合成樹脂シートの、少なくとも一の縁部分に
設けた綴孔とを具える情報記録担体用保持シート
において、各対の枕部のそれぞれを、方形窪み
の、耳板形成側壁に交差するそれぞれの側壁から
離隔させるとともに、少なくとも一対の枕部の近
傍端壁を上向き傾斜面としてなるものである。

（作用） 本発明の構成による情報記録担体用保持シート
では、少なくとも一対の枕部のそれぞれの近接端
壁を上向き傾斜面とすることにより、情報記録担
体を、方形窪みの上下いずれの方向からでもそこ
へスムーズに収納することができ、しかも、各対
の枕部のそれぞれが、方形窪みの、耳板形成側壁
と交差するそれぞれの側壁から、適宜距離離隔し
ていることから、方形窪み内に収納した情報記録
担体の、上下いずれの端部分を窪み底壁側へ圧下
しても、その他端部を、枕部から有効に持ち上げ
ることが可能となつて、情報記録担体の、方形窪
みからの取り出しもまた、その上下各方向から行
うことができるので、一種類の保持シートを見開
き状態にして綴り合わせて使用することができ、
情報記録担体の、二枚の保持シートの同時係合を
完全に防止することができる。

（実施例） 次に図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。

第１図は本発明に係る情報記録担体用保持シー
トの平面図である。

第１図中、１は保持シート全体を示し、２，３
は縦桟を、４，５は横桟をそれぞれ示す。ここ
で、一枚の合成樹脂シートからなるこの保持シー
ト１は、これらの縦桟２，３および横桟４，５に
て区画され、情報記録担体の一例としてフロツピ
ーデイスクの収納を許容する複数の方形窪み６を
具える。

又、ここでは矩形窪みの、相互に対向する二側
壁、図では、縦桟２，３で形成されるそれぞれの
側壁に、その長さ方向のほぼ中央位置から方形窪
み６の内側へ突出する耳板７，７を設ける。ここ
におけるこれらの耳板７，７は、方形窪みへ差し
込まれたフロツピーデイスクに所定の下向き押圧
力を及ぼすべく機能する。

更に、各方形窪みの区画に寄与するそれぞれの
横桟部分には、その延在方向の中央部に位置する
円弧状の狭窄部を形成するほか、二個の方形窪み
６に隣接する横桟部分の中央部分には、底壁から
の高さが低くなる凹陥部を設ける。これらの狭窄
部および凹陥部は、とくには、フロツピーデイス
クを保持シート１から取り出すに際して、フロツ
ピーデイスクの、方形窪み６からの押し出しを容
易ならしめるためにもうけられている。

方形窪みの底壁には、それぞれの縦桟２，３に
近接した位置で、それらとに平行に延在するとと
もに、耳板形成部分を隔てて位置する第１の枕部
８および第二の枕部９のそれぞれを設け、更に、
それぞれの横桟４，５と平行して延在する第３の
枕部１０を第１の枕部８と第二の枕部９の中間に
位置するように２条設ける。第１の枕部８と第二
の枕部９は、それらの両者の近接端壁８ｂ，９ａ
ならびに横桟４，５に向く端壁８ａ，９ｂのそれ
ぞれが、ともに上向き傾斜面となにように構成さ
れており、第２の枕部１０もまた、横桟４，５側
に向く壁面１０ａ，１０ａが上向き傾斜面となる
ように構成されている。これらの第一及び第二の
枕部８，９の傾斜面のうち方形窪み６の中央部寄
りに位置する傾斜面８ｂ，９ａはフロツピーデイ
スクを収納する際にその移動をスムーズにならし
めるべく作用し、方形窪み外側に位置する傾斜面
８ａ，９ｂ、及び第三の枕部１０はフロツピーデ
イスクを取り出す際に、その一端部の、適宜高さ
への持ち上げを可能ならしめるべく、ひいては、
そのフロツピーデイスクの、方形窪み６から押し
出しを容易ならしめるべく作用する。

尚、ここにおいて、第一〜第三のそれぞれの枕
部８，９，１０の、横桟４，５に臨む壁面は、そ
れらが、横桟４，５から所定の間隔をおいて位置
する限りにおいて、底壁に直交する垂直面とする
ことも可能であり、このことによつても又、フロ
ツピーデイスクを抜き出し側端部の、枕部から持
ちあげを充分に担保することができる。

又、前記縦桟２、横桟４を保持シートの外枠が
取り囲んでいるが、この外枠の、一方の縦桟２に
隣接する部分には、保持シートを綴り合わせて整
理・保存するための綴孔２ａが設けられている。

このように構成してなる保持シート１へのフロ
ツピーデイスクの収納は、フロツピーデイスクの
一端部を枕部８，９の傾斜面のうち方形窪み６の
中央寄りに位置する傾斜面８ｂもしくは９ａには
位置させて、次いでフロツピーデイスクの他端部
を方形窪みの内側方向へ押圧することによつてそ
のフロツピーデイスクを両耳板の下側へ入り込ま
せ、更にその他端部を押圧することによつてフロ
ツピーデイスクを方形窪み６内へ完全に収納する
ことができる。又、方形窪み６内に差し込み状態
にあるフロツピーデイスクの取り出しは、始め
に、フロツピーデイスクの横桟４，５に隣接する
いずれか一方の端部分を、下方、言い換えれば方
形窪み底壁に向けて押圧することにより、そのフ
ロツピーデイスクを、枕部８、又は９の壁面８ａ
又は９ｂ側の頂縁を支点として傾動させて、前記
端部を、縦桟の延在方向へスライドさせることに
より、フロツピーデイスクの他端部の横桟上への
乗り上げ、並びに、フロツピーデイスクの耳板か
らの離脱を順次にもたらすことによつて、極めて
用意に行うことができる。枕部８，９，１０は方
形窪みの横軸方向の中心線を中心に上下対象とな
るように形成されているために、上下いずれの方
向からでもフロツピーデイスクをスムーズに収納
および取り出しが可能である。

第１図Ｂは第１図Ａのｄ−ｄ線に沿う断面図、
第１図Ｃは第１図Ａのｅ−ｅ線に沿う断面図であ
り、傾斜面８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂ，１０ａの様
子を示している。

尚、本実施例では、一枚の保持シートに４つの
方形窪みが形成されている場合について説明した
が、この例に限らず、縦桟および横桟の数を増や
して４つ以上の方形窪みを形成するようにしても
良い。また、本実施例では、情報記録担体として
フロツピーデイスクを使用しているが、そのほか
スライドフイルムなどにも応用することができ
る。この場合、方形窪み大きさを使用する情報記
録担体に合わせて形成すべきことは言うまでもな
い。

（発明の効果） 本発明の保持シートにおいては、情報記録担体
を上下いずれの方向からでも収納および取り出し
が可能であるため、一種類の保持シートを見開き
状態で綴り合わせて使用することが可能であり、
従つて、二枚の保持シートの同時係合、いわゆる
二枚ざしが生じるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは、本発明の一実施例を示す平面図、
第１図Ｂは第１図Ａのｄ−ｄ線に沿う断面図、第
１図Ｃは第１図Ａのｅ−ｅ線に沿う断面図、第２
図Ａは、従来例による情報記録担体用保持シート
を示す平面図、第２図Ｂは第２図Ａのｆ−ｆ線に
沿う断面図、第３図は２枚の重なりあつた保持シ
ートに情報記録担体を収納した場合を示す斜視図
である。 １……保持シート、２，３……縦桟、４，５…
…横桟、２ａ……綴孔、６……方形窪み、７……
耳板、８，９，１０……枕部、８ａ，９ａ，８
ｂ，９ｂ，１０ａ……傾斜面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一枚の合成樹脂シートに形成された複数本の
   縦桟及び横桟によつて区画され、情報記録担体を
   収納する複数の方形窪みと、各方形窪みの、相互
   に対向する二側壁に形成されて、それらのほぼ中
   央位置から方形窪みの内側へ突出する耳板と、各
   方形窪み底壁に形成され、その底壁の、前記耳板
   と対応する部分を隔てて位置する少なくとも一対
   の枕部と、合成樹脂シートの少なくとも一の縁部
   分に設けた綴孔とを具える情報記録担体用保持シ
   ートにおいて、各対の枕部のそれぞれを、方形窪
   みの、耳板形成側壁に交差するそれぞれの側壁か
   ら離隔させるとともに、少なくとも一対の枕部の
   近接端壁を上向き傾斜面としてなる情報記録担体
   用保持シート。