JPH0536055A - 磁気記録媒体ならびにその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体ならびにその製造方法

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JPH0536055A
JPH0536055A JP20881991A JP20881991A JPH0536055A JP H0536055 A JPH0536055 A JP H0536055A JP 20881991 A JP20881991 A JP 20881991A JP 20881991 A JP20881991 A JP 20881991A JP H0536055 A JPH0536055 A JP H0536055A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic head
recess
track
tracking optical
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP20881991A
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English (en)
Inventor
Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
Nobuaki Ogoshi
信昭 小越
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Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘツドの中心をリフアレンストラツクの
中心線上に適正に導くことができる、信頼性の高い磁気
記録媒体を提供するにある。 【構成】 磁性層の所定位置にリフアレンス部11が設
けられ、リフアレンス部11から磁気ヘツド走行方向と
直交する方向に所定間隔離れた位置に磁気ヘツドトラツ
キング用光学凹部23とデータトラツク14とが交互に
多数形成され、前記リフアレンス部11は、それの中心
線16上の任意の点17を中心にして点対称に一対のリ
フアレンス凹部領域18A,18B(凹部20)が設け
られ、リフアレンス凹部領域18A,18Bの隣に凹部
のない平面部19A,19Bが形成され、その平面部1
9A,19Bが磁気ヘツドなどによつて一様に同極に磁
化されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフレキシブル磁
気デイスクなどの磁気記録媒体に係り、特に光学的にト
ラツキングができる磁気記録媒体ならびにその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル磁気デイスクにおいて、そ
れのドーナツ状記録帯域の最内周にリフアレンストラツ
クを形成し、そのリフアレンストラツクから半径方向外
側に向けて所定の間隔離れ、かつ前記リフアレンストラ
ツクと同心円状の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部を
リング状に多数形成し、各リング状磁気ヘツドトラツキ
ング用光学凹部の間をデータトラツクとしたものが知ら
れている(例えば特公平2−31387号公報参照)。
【0003】この磁気デイスクの前記リフアレンストラ
ツクには、所定の信号が予め記録されている。そしてこ
の磁気デイスクに所望の情報を記録したり、記録した情
報を再生するときには、まず記録帯域の最内周にあるリ
フアレンストラツクの信号を磁気ヘツドで読み取つて、
磁気デイスク上における磁気ヘツドの基準位置を求め
る。そして磁気ヘツドを所定のピツチ径方向外側に移送
し、今度は発光素子と受光素子とを対にした光学的手段
により前記磁気ヘツドトラツキング用光学凹部を走査し
てデータトラツクのトラツキングサーボを行いながら、
情報の記録あるいは再生を行うシステムになつている。
【0004】図16ならびに図17は、従来のリフアレ
ンストラツクの一部拡大平面図ならびに一部拡大断面図
である。リフアレンストラツク100は図16に示すよ
うに磁気ヘツドの走行方向Xに沿つて延びており、リフ
アレンストラツク100の中心線101上の任意の点1
02を中心として点対称に長方形のリフアレンス凹部1
03Aと103Bが一対に形成され、このリフアレンス
凹部103Aの隣(リフアレンス凹部103Bの前方)
ならびにリフアレンス凹部103Bの隣(リフアレンス
凹部103Aの後方)には凹部のない平面部104Aと
104Bとがある。これら一組のリフアレンス凹部10
3A、103B、平面部104A、104Bが、磁気ヘ
ツドの走行方向Xに沿つて間欠的に多数形成されること
により、リフアレンストラツク100を構成している。
【0005】前記リフアレンス凹部103A、103B
は、図17に示すように磁性層105の表面を金型でプ
レスして圧縮することにより形成される。
【0006】リフアレンストラツク100の全域にわた
つて所定の高周波の信号が記録されるが、前記リフアレ
ンス凹部103A、103Bは凹んでいるため信号が記
録されず、平面部104A、104Bに信号が記録され
るようになつている。そしてこのリフアレンストラツク
100の上を磁気ヘツドで走査することによつて得られ
る信号波形に基づいて、現在の磁気ヘツド位置にフイー
ドバツクをかけリフアレンストラツク100の中心線1
01上に導くことができる。
【0007】このようにして磁気ヘツドを磁気デイスク
上の基準位置に置いたのち、その基準位置から所定の距
離だけ磁気ヘツドを径方向外側、すなわちデータトラツ
ク上に移送するようになつている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来のリフア
レンス凹部103A、103Bは図16に示すように、
その全長にわたつて連続して凹んでおり、比較的大きな
面積を有する凹部となつている。一方、磁性層105は
磁性粉の他にバインダー、研磨剤、フイラー、潤滑剤な
どを含有しており、ある程度の弾力性を有している。
【0009】そのためリフアレンス凹部103A、10
3Bを金型でプレスして形成したとき、図17に一点鎖
線で示すようにスプリングバツクによりリフアレンス凹
部103A、103Bの中央部106が膨らんだ形にな
り、完全な凹部とならないことが多い。このような傾向
は、リフアレンス凹部103A、103Bの磁気ヘツド
走行方向Xの長さが長くなればなるほど顕著に現れる。
【0010】そのため、リフアレンストラツク100に
高周波信号を記録するとき、リフアレンス凹部103
A、103Bの中央部106にも信号が記録されてしま
い、したがつて磁気ヘツドの中心をリフアレンストラツ
ク100の中心線上に適正に導くことが出来ず、信頼性
に問題がある。
【0011】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、磁気ヘツドの中心をリフアレンストラツク
の中心線上に適正に導くことができる、信頼性の高い磁
気記録媒体ならびにその製造方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、非磁性体からなる基体と、その基体の上
に形成された磁性層を有し、その磁性層の所定位置にリ
フアレンス部が設けられ、そのリフアレンス部から磁気
ヘツド走行方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に
第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、
その第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部から磁気
ヘツド走行方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に
第2の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、
前記第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と第2の
磁気ヘツドトラツキング用光学凹部との間に、所望の信
号を記録する第1のデータトラツクが形成され、前記リ
フアレンス部は、それの中心線上の任意の点を中心にし
て点対称状に一対のリフアレンス凹部領域が設けられ、
そのリフアレンス凹部領域の隣に凹部のない平面部が形
成され、その平面部が一様に同極に磁化されていること
を特徴とするものである。なお、前記リフアレンス凹部
領域は中心線上の任意の点を中心にして完全な点対称で
あつてもよいが、前記リフアレンス部は通常、円弧状に
形成されるので完全な点対称から僅かにずれた配置とな
るので、本発明ではこれらを総称して点対称状と総称し
ている。
【0013】上記目的を達成するために、さらに本発明
は、非磁性体からなる基体と、その基体の上に形成され
た磁性層を有し、その磁性層の所定位置にリフアレンス
部が設けられ、そのリフアレンス部から磁気ヘツド走行
方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に第1の磁気
ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、その第1の
磁気ヘツドトラツキング用光学凹部から磁気ヘツド走行
方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に第2の磁気
ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、前記第1の
磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と第2の磁気ヘツド
トラツキング用光学凹部との間に、所望の信号を記録す
る第1のデータトラツクが形成され、前記リフアレンス
部は、それの中心線上の任意の点を中心にして点対称状
に一対のリフアレンス凹部領域が設けられ、そのリフア
レンス凹部領域の隣に凹部のない平面部が形成された磁
気記録媒体の製造方法において、前記リフアレンス凹部
領域の凹部を例えばプレスなどによつて形成したのち、
そのリフアレンス部を例えば磁気ヘツドあるいは永久磁
石などによつて、前記磁性層に使用している磁性粉の保
磁力以上の直流磁界で磁化したことを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】本発明は前述のように、直流磁界で平面部を一
様に同極に磁化することにより、平面部の端縁、すなわ
ち平面部の凹部と隣接するエツジの部分に相当する所で
出力波形に急激な変化が現れる。リフアレンス部の凹部
をプレスなどで形成して凹部の底面にスプリングバツク
による湾曲状の突出部分が形成され、その突出部分が前
記直流磁界によつて磁化されても、湾曲突出部からの出
力波形よりも前記平面部の端縁部分の急激な出力波形の
変化の方がはるかに大である。そのためリフアレンス部
の平面部(凹部)を明確に検出することができ、その結
果、磁気ヘツドの中心がリフアレンストラツクの中心線
上に適正に導かれ、磁気記録媒体の信頼性を向上するこ
とができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
図1は実施例に係る磁気デイスクカートリツジの一部を
分解した斜視図、図2は磁気シートの拡大断面図、図3
は磁気デイスクの平面図である。
【0016】図1に示すように磁気デイスクカートリツ
ジは、カートリツジケース1と、その中に回転自在に収
納されたフレキシブルな磁気デイスク2と、カートリツ
ジケース1にスライド可能に取り付けられたシヤツタ3
と、カートリツジケース1の内面に溶着されたクリーニ
ングシート(図示せず)とから主に構成されている。
【0017】前記カートリツジケース1は、上ケース1
aと下ケース1bとから構成され、これらは例えばAB
S樹脂などの硬質合成樹脂から射出成形されている。下
ケース1bの略中央部には回転駆動軸挿入用の開口4が
形成され、その近くに長方形のヘツド挿入口5が形成さ
れている。図示していないが、上ケース1aにも同様に
ヘツド挿入口5が形成されている。上ケース1aと下ケ
ース1bの前面付近には、前記シヤツタ3のスライド範
囲を規制するために少し低くなつた凹部6が形成され、
この凹部6の中間位置に前記ヘツド挿入口5が開口して
いる。
【0018】前記磁気デイスク2は図3に示すように、
ドーナツ状のフレキシブルな磁気シート7と、その磁気
シート7の中央孔に挿入されて接着された金属製あるい
は合成樹脂製のセンタハブ8とから構成されている。
【0019】前記磁気シート7は、ベースフイルム9
と、そのベースフイルム9の両面に塗着、形成された磁
性層10a、10bとから構成されている。前記ベース
フイルム9は、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)あるいは
ポリイミドなどの合成樹脂フイルムから構成されてい
る。
【0020】前記磁性層10a、10bは、強磁性粉、
バインダ、研磨粉ならびに潤滑剤などの混合物から構成
されている。
【0021】前記強磁性粉としては、例えばα−Fe、
バリウムフエライト、Co−Ni、Co−P、γ−Fe
23 、Fe34 、Co含有γ−Fe23 、Co含
有γ−Fe34 、CrO2 、Co、Fe−Niなどが
使用される。
【0022】前記バインダとしては、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、ウレタン樹脂、ポリイソシアネ
ート化合物、放射線硬化性樹脂などが使用される。
【0023】前記研磨粉としては、例えば酸化アルミニ
ウム、酸化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが用い
られる。この研磨粉の添加率は、磁性粉に対して約0.
1〜25重量%が適当である。
【0024】前記潤滑剤としては、例えばステアリン
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、これらの高級脂肪酸
エステル、流動パラフイン、スクアラン、フツ素樹脂、
フツ素オイルなどが使用可能である。この潤滑剤の添加
率は、磁性粉に対して約0.1〜25重量%が適当であ
る。
【0025】磁性塗料の具体的な組成例を示せば次の通
りである。 磁性塗料組成例 1 α−Fe 100重量部 (Hc:16500〔Oe〕,飽和磁化量:135〔emu/g〕, 平均長軸径:0.25〔μm〕,平均軸比:8) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 14.1重量部 ウレタン樹脂 8.5重量部 三官能性イソシアネート化合物 5.6重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 20重量部 カーボンブラツク 2重量部 オレイン酸オレイル 7重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部
【0026】 磁性塗料組成例 2 バリウムフエライト 100重量部 (Hc:530〔Oe〕,飽和磁化量:57〔emu/g〕, 平均粒径:0.04〔μm〕) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 11.0重量部 ウレタン樹脂 6.6重量部 三官能性イソシアネート化合物 4.4重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 15重量部 カーボンブラツク 2重量部 オレイン酸オレイル 7重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部
【0027】前述の磁性塗料組成例1または磁性塗料組
成例2の組成物をボールミル中でよく混合分散して磁性
塗料を調整し、これを62μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)のベースフイルムの両面に、乾燥厚み
が0.7μmとなるように塗布し、乾燥したのち、カレ
ンダ処理を施して磁性層10a、10bをそれぞれ形成
する。
【0028】このようにして構成された磁気デイスク2
の磁性層10aの表面に、図3に示すようにリフアレン
ストラツク11と、多数の磁気ヘツドトラツキング用光
学トラツク12が形成される。これらリフアレンストラ
ツク11ならびに磁気ヘツドトラツキング用光学トラツ
ク12は、磁気デイスク2の回転中心13を中心にして
同心円状に設けられている。1つの磁気ヘツドトラツキ
ング用光学トラツク12と隣の磁気ヘツドトラツキング
用光学トラツク12との間に、所望の情報が記録できる
データトラツク14が形成される。
【0029】図3に示すように磁気デイスク2上に設け
られる記録帯域15の最内周部に前記リフアレンストラ
ツク11が形成され、それより径方向外側、すなわち磁
気ヘツドの走行方向と直交する方向外側に磁気ヘツドト
ラツキング用光学トラツク12とデータトラツク14が
交互に多数形成される。
【0030】前記リフアレンストラツク11は図4に示
すように、磁気ヘツドの走行方向Xに沿つて延びてお
り、リフアレンストラツク11の中心線16上の任意の
点17を中心として点対称状に長方形のリフアレンス凹
部領域18Aとリフアレンス凹部領域18Bが一対にな
つて形成されている。このリフアレンス凹部領域18A
の隣(リフアレンス凹部領域18Bの前方)ならびにリ
フアレンス凹部領域18Bの隣(リフアレンス凹部領域
18Aの後方)には凹部のない平面部19Aと平面部1
9Bとがある。これら一組のリフアレンス凹部領域18
A、18B、平面部19A、19Bが、磁気ヘツドの走
行方向Xに沿つて間欠的または連続的に多数形成される
ことにより、リフアレンストラツク11を構成してい
る。
【0031】図4に示すようにリフアレンス凹部領域1
8A、18Bには、磁気ヘツド走行方向Xと直交する方
向に延びた小凹部20と凹んでいない小フラツト部21
とが交互に多数形成されている。同図において38は、
リフアレンス凹部領域18A、18B、平面部19A、
19Bの前方に設けられたリフアレンス信号検知用のス
タート信号を出力するためのスタート信号凹部である。
【0032】図5(a)は、前記小凹部20ならびに小
フラツト部21の拡大断面図である。また図5(b)
は、前記リフアレンス凹部領域18A(18B)の直流
消去後の一部の再生出力波形を示す図である。この図に
示すように小フラツト部21の小凹部20と隣接するエ
ツジ部において極端な波形変化が認められる。
【0033】図4においてIの位置、IIの位置ならび
にIIIの位置で、リフアレンス凹部領域18Aの縦幅
L2より僅かに短いトラツク長を有する磁気ヘツドを矢
印方向に走査させたときの再生出力波形を、リフアレン
ストラツク11を併記して図6に示す。なお、この図の
出力波形は微分波形を積分化したエンベロープ波形であ
る。
【0034】同図の(I)は図4においてIの位置で平
面部19Bからリフアレンス凹部領域18Aにかけて磁
気ヘツドで走査させたときの出力波形で、断続波形が現
れたとき、磁気ヘツドが平面部19Bとリフアレンス凹
部領域18Aの境界を通過したことを示している。
【0035】また同図の(II)は図4においてIIの
位置、すなわちリフアレンストラツク11の中心線16
上を走査させたときの出力波形で、波形の形状が連続し
た歯形の形状である。
【0036】さらに同図の(III)は図4においてI
IIの位置でリフアレンス凹部領域18から平面部19
にかけて磁気ヘツドを走査させたときの出力波形で、断
続波形が消えたとき、磁気ヘツドがリフアレンス凹部領
域18Bと平面部19Aの境界を通過したことを示して
いる。
【0037】このようにリフアレンストラツク11上で
の磁気ヘツドの位置が変わると得られる波形の形状が全
く異なり、同図の(II)のような出力波形が得られる
ように磁気ヘツドの位置を調整することにより、磁気ヘ
ツド(磁気ギヤツプ)の中心位置をリフアレンストラツ
ク11の中心線16上に導くことができる。
【0038】この実施例において前記リフアレンス凹部
領域18A、18Bの磁気ヘツド走行方向の長さL1は
2.4mm、幅方向の長さL2は18μm、小凹部20
の磁気ヘツド走行方向の長さL3は5μm、小フラツト
部21の磁気ヘツド走行方向の長さL4は5μm(とも
に図4参照)、凹部20の深さL5〔図5(a)参照〕
は0.3〜0.4μmである。なおこれら各部の長さな
らびに深さは、磁性層10の組成、物性ならびに厚さな
どによつて適宜設定される。
【0039】リフアレンストラツク11の全域(リフア
レンス凹部領域18Aと平面部Aの合計幅)にわたつ
て、磁気ヘツドにより直流消去がなされる。前述の磁性
塗料組成例2で示したように磁性材料としてバリウムフ
エライトを使用すると、それの保磁力(Hc)は530
〔Oe〕であるから、本実施例では1000〔Oe〕か
ら3000〔Oe〕の直流磁界によつてリフアレンスラ
ツク11の全域を消去した。この消去により、前記平面
部19A、19Bが一様に同極に磁化される。なお、本
発明で使用される直流磁界は、磁性層の保磁力(Hc)
の2倍以上、好ましくは4〜10倍以上の磁力を印加す
ればよい。
【0040】前記磁気ヘツド30aは図7に示すよう
に、例えばMo−Ni−Fe合金、Al−Si−Fe合
金、Ni−Znフエライトあるいはアモルフアス合金な
どの磁性材料からなる磁気コア33と、その磁気コア3
3を保持する例えばチタン酸バリウムなどの非磁性材料
からなるスライダ34とから構成されている。このスラ
イダ34の磁気デイスク2と対向する下面には空気抜き
用の溝35が形成され、その溝35のほぼ中央部には開
口部が設けられている。
【0041】磁気ヘツド30aによつてリフアレンスト
ラツク11の全域を直流消去したのち、磁気ヘツドで再
生したときの出力波形を前述のように図5(b)に示
す。この図に示すように、小フラツト部21の端縁、す
なわち小フラツト部21の小凹部20と隣接するエツジ
付近において出力波形に急激な変化が認められ、小凹部
20の検出が確実である。
【0042】このように磁気ヘツドの中心位置をリフア
レンストラツク11の中心線16上、すなわち基準位置
に合わせると同時に、磁気ヘツドに固定されている発光
素子31と受光素子群32とからなる光デイテクタ36
で磁気デイスク2上に形成されている磁気ヘツドトラツ
キング用光学トラツク12間の光デイテクタ36の位置
を検出する。そしてこのトラツク12に対する光デイテ
クタ36の位置的なずれ量を演算し、そのずれ量に基づ
いて磁気ヘツドのトラツキングサーボを行う。
【0043】すなわち、磁気ヘツドキヤリツジを移送す
るモータ(図示せず)を回転して、磁気ヘツド(磁気ギ
ヤツプ)の中心位置を第1データトラツクの中心線24
近くまで移動させる。そして磁気ヘツドのトラツキング
サーボは、前記磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク
12を利用して行われる。
【0044】この磁気ヘツドトラツキング用光学トラツ
ク12にも、図8に示すようにトラツキング用凹部23
が、磁気ヘツド走行方向Xに沿つて間欠的にまたは連続
的に形成されている。この実施例の場合、磁気ヘツドト
ラツキング用光学トラツク12(トラツキング用凹部2
3)の幅L6は5μm、データトラツク14の幅L7は
15μmである。
【0045】次にトラツキングサーボについて図9ない
し図12を用いて説明する。前記磁気ヘツドトラツキン
グ用光学トラツク12の各トラツキング用凹部23は、
図9に示すように同時にプレス加工によつて形成され
る。同図に示すようにセンタハブ8を取り付けた磁気デ
イスク2が、基台25にセツトされる。この基台25に
はセンタハブ8の中央孔26(図3参照)に挿入される
センターピン27が突設されており、センタハブ8の中
央孔26にこのセンターピン27を通して磁気デイスク
2を基台25上に載置することにより、基台25上で磁
気デイスク2が位置決めされる。
【0046】この基台25の上方には、それと平行にス
タンパ28が上下動可能に配置されている。そしてこの
スタンパ28は、センターピン27によつて上下動がガ
イドされるようになつている。このスタンパ28には、
前記リフアレンス用凹部20ならびにトラツキング用凹
部23を形成するための微細な突部29が形成されてい
る。
【0047】図9の状態からスタンパ28を下げて、磁
気デイスク2の磁気シート7を基台25とスタンパ28
との間において所定の圧力で挟持する。これによつてス
タンパ28に形成されている突部29が磁性層10の表
面に食い込み、圧縮により断面形状が略台形のリフアレ
ンス用凹部20ならびにトラツキング用凹部23が一度
に形成される。
【0048】図10ないし図12は、磁気デイスク2の
トラツキングサーボを説明するための図である。これら
の図に示すように磁気デイスク2は磁気ヘツド30a、
30bの間で挟持され、その磁気ヘツド30aの方に
は、トラツキングサーボ用の光線を出力する例えばLE
Dなどからなる発光素子31と、磁性層10aからの反
射光を受光する受光素子群32とが一体に取り付けられ
ている。
【0049】図10に示すように磁気ヘツド30aの発
光素子31ならびに受光素子群32からなる光デテクタ
36が取り付けられている部分には、磁気デイスク2側
に向けて開口部が形成されている(なお、この図におい
て光デテクタ36は便宜上、図6の光デテクタ36より
も大きく描かれている)。
【0050】受光素子群32は図11に示すように4つ
の受光素子32a、32b、32c、32dから構成さ
れており、データトラツク14ならびにトラツキング用
凹部23上で反射する光をこの受光素子32a、32
b、32c、32dで受光して、各受光素子32a、3
2b、32c、32dの出力は図12に示すようにサー
ボ信号演算部33に入力される。そしてこのサーボ信号
演算部33で求められた位置修正信号がヘツド駆動制御
部34に入力され、それからの制御信号に基づいて磁気
ヘツド30のトラツキング制御が成される。
【0051】図13は、リフアレンストラツク11の変
形例を示す図である。この例の場合リフアレンス凹部領
域18A、18Bには、従来と同様にそれの全領域にわ
たつて凹部20aがプレスによつて形成されている。こ
の凹部20aの断面形状を図14の(a)に示す。凹部
20aがプレスによつて形成されるためスプリングバツ
クにより、同図に示すように凹部20のほぼ中央には湾
曲状に突出した突出部37が形成される。
【0052】その突出部37が直流磁界によつて磁化さ
れても、曲面がなだらかであるため出力波形の変化が緩
やかであり、その湾曲突出部37からの出力波形よりも
平面部19のエツジ部の急激な出力波形の変化の方がは
るかに大で、明確に区別することができ、平面部19
(凹部20a)を明確に検出することが可能である。
【0053】図15はリフアレンストラツク11のさら
に変形例を示す図で、この例の場合、小凹部20aと比
較的小さい平面部19とが磁気ヘツドの走行方向Xに沿
つて交互に多数形成されている。この図15のように上
側小凹部20aの下端と下側小凹部20aの上端とが隣
接した形状に限らず、上側小凹部20aの下端と下側小
凹部20aの上端とが所定の間隔で離間したものであつ
てもよい。
【0054】前記実施例では記録帯域の最内周部にリフ
アレンストラツクを設けたが、記録帯域の最外周部にリ
フアレンストラツクを設けることもできる。
【0055】前記実施例では凹部をプレスによつて圧縮
形成したが、磁性層にレーザ光を照射させたり、あるい
は打抜きによつて凹部を形成することもできる。
【0056】また、前記実施例では磁気デイスクの場合
について説明したが、本発明は例えば磁気カードなど他
の形態の磁気記録媒体にも適用できる。
【0057】
【発明の効果】本発明は前述のように、直流磁界で平面
部を一様に同極に磁化することにより、平面部の端縁、
すなわち平面部の凹部と隣接するエツジの部分に相当す
る所で出力波形に急激な変化が現れる。これを利用して
磁気ヘツドの中心をリフアレンストラツクの中心線上に
適正に導くことができ、その結果、磁気記録媒体の信頼
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気デイスクカートリツ
ジの一部を分解した斜視図である。
【図2】磁気シートの拡大断面図である。
【図3】磁気デイスクの平面図である。
【図4】リフアレンストラツクの一部拡大平面図であ
る。
【図5】リフアレンストラツクの一部拡大断面図ならび
に再生出力波形図である。
【図6】リフアレンストラツクの再生出力波形図であ
る。
【図7】磁気ヘツドの底面図である。
【図8】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを説明するための図である。
【図9】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを形成する装置の断面図であ
る。
【図10】磁気ヘツドのトラツキングサーボを説明する
ための断面図である。
【図11】受光素子の配置状態を示す説明図である。
【図12】磁気ヘツドのトラツキングサーボを説明する
ためのブロツク図である。
【図13】リフアレンストラツクの変形例を示す拡大平
面図である。
【図14】リフアレンストラツクの一部拡大断面図なら
びに再生出力波形図である。
【図15】リフアレンストラツクのさらに変形例を示す
拡大平面図である。
【図16】従来のリフアレンストラツクの一部拡大平面
図である。
【図17】従来のリフアレンストラツクの一部拡大断面
図である。
【符号の説明】
2 磁気デイスク 7 磁気シート 9 ベースフイルム 10a.10b 磁性層 11 リフアレンストラツク 12 磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク 14 データトラツク 15 記録帯域 16 中心線 17 点 18A、18B リフアレンス凹部領域 19、19A、19B 平面部 20 凹部 20a 小凹部 21 小フラツト部 23 トラツキング用凹部 X 磁気ヘツドの走行方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる基体と、その基体の上
    に形成された磁性層を有し、 その磁性層の所定位置にリフアレンス部が設けられ、 そのリフアレンス部から磁気ヘツド走行方向と直交する
    方向に所定間隔離れた位置に第1の磁気ヘツドトラツキ
    ング用光学凹部が設けられ、 その第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部から磁気
    ヘツド走行方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に
    第2の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、 前記第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と第2の
    磁気ヘツドトラツキング用光学凹部との間に、所望の信
    号を記録する第1のデータトラツクが形成され、 前記リフアレンス部は、それの中心線上の任意の点を中
    心にして点対称状に一対のリフアレンス凹部領域が設け
    られ、そのリフアレンス凹部領域の隣に凹部のない平面
    部が形成され、 その平面部が一様に同極に磁化されていることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性体からなる基体と、その基体の上
    に形成された磁性層を有し、 その磁性層の所定位置にリフアレンス部が設けられ、 そのリフアレンス部から磁気ヘツド走行方向と直交する
    方向に所定間隔離れた位置に第1の磁気ヘツドトラツキ
    ング用光学凹部が設けられ、 その第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部から磁気
    ヘツド走行方向と直交する方向に所定間隔離れた位置に
    第2の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部が設けられ、 前記第1の磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と第2の
    磁気ヘツドトラツキング用光学凹部との間に、所望の信
    号を記録する第1のデータトラツクが形成され、 前記リフアレンス部は、それの中心線上の任意の点を中
    心にして点対称に一対のリフアレンス凹部領域が設けら
    れ、そのリフアレンス凹部領域の隣に凹部のない平面部
    が形成された磁気記録媒体の製造方法において、 前記リフアレンス凹部領域の凹部を形成したのち、その
    リフアレンス部を一様に直流磁界で磁化したことを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載において、前記リフアレン
    ス部の平面部を磁気ヘツドによつて発生する直流磁界で
    磁化したことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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