JPH0535282A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH0535282A
JPH0535282A JP3189796A JP18979691A JPH0535282A JP H0535282 A JPH0535282 A JP H0535282A JP 3189796 A JP3189796 A JP 3189796A JP 18979691 A JP18979691 A JP 18979691A JP H0535282 A JPH0535282 A JP H0535282A
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JP
Japan
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reference signal
noise
processing
frequency
delay
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JP3189796A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Nakaji
義晴 中路
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】能動型騒音制御装置の処理時間の短縮化を図
る。 【構成】騒音源2から空間3に伝達される騒音を、複数
のラウドスピーカLS1 〜LSM から発せられる制御音
によって打ち消して、空間3内の騒音低減を図る能動型
騒音制御装置1において、振動センサ4が出力する騒音
源2の騒音発生状態を表す基準信号x(n)を遅延操作
処理してLMSアルゴリズム実行部20に供給する基準
信号処理部30を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音源から伝達され
る騒音に制御音源から発せられる制御音を干渉させて騒
音を低減させる能動型騒音制御装置に関し、特に、処理
時間の短縮を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の能動型騒音制御装置とし
て、英国特許第2149614号記載のものがある。こ
の従来の装置は、例えば航空機の客室等の閉空間に適用
される騒音低減装置であって、そのような閉空間内の複
数の位置に設置され音圧を検出するマイクロフォンと、
その閉空間に制御音を発生する複数のラウドスピーカと
を備え、マイクロフォンで検出される騒音が低減するよ
うに、閉空間に伝達される騒音をラウドスピーカから発
せられる制御音によって打ち消している。
【0003】そして、ラウドスピーカから発せられる制
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692,1975,"ADAPTIVE NOISE CANSELLATION:PRI
NCIPLES AND APPLICATIONS"で述べられている‘WIDROW
LMS’アルゴリズムを、多チャンネルに展開したアルゴ
リズムを適用している。その内容は、上記特許の発明者
による論文、"A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHMAND ITS
APPLICATION TO THEACTIVE CONTROL OF SOUND AND VIB
RATION",IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNALPROCESSIN
G,VOL.ASSP-35,PP.1423-1434,1987 にも述べられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、LMSアルゴ
リズムは、適応型ディジタルフィルタのフィルタ係数を
更新するのに好適なアルゴリズムの一つであり、上記従
来の装置にあっては、ラウドスピーカからマイクロフォ
ンまでの伝達関数モデルを、全てのラウドスピーカ(M
個)とマイクロフォン(L個)との組み合わせ(M×L
組)について構築していて、騒音源の騒音発生状態を表
す基準信号をそれら伝達関数モデルに通して処理した値
と、各マイクロフォンが検出した残留騒音とに基づい
て、各ラウドスピーカ毎に設けられた適応型ディジタル
フィルタのフィルタ係数を更新している。
【0005】即ち、l番目のマイクロフォンが検出した
残留騒音信号をel(n)、ラウドスピーカから制御音
が発せられていない時のl番目のマイクロフォンが検出
した残留騒音信号をepl 、m番目のラウドスピーカと
l番目のマイクロフォンとの間の伝達関数(FIR関
数:有限インパルス応答関数)Hlmのj番目(j=0,
1,2,…,IC −1:IC は定数)に対応するフィル
タ係数をClmj 、基準信号をx(n)、基準信号x
(n)が入力されm番目のラウドスピーカを駆動する適
応型ディジタルフィルタのi番目(i=0,1,2,
…,IK −1:IK は定数)の係数をWmiとすると、 が成立する。なお、(n)がつく項は、いずれもサンプ
リング時刻nにおけるサンプル値であり、また、IC
FIRディジタルフィルタで表現されたフィルタ係数C
lmのタップ数(フィルタ次数)、IK は適応型ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数Wmiのタップ数(フィルタ次
数)である。
【0006】上記(1)式中、右辺の「ΣWmix(n-j-
i) 」の項は適応型ディジタルフィルタに基準信号x
(n)を入力した時の出力を表し、「ΣClmj {ΣWmi
x(n-j-i) }」の項はm番目のスピーカに入力された信
号エネルギがこれらスピーカから音響エネルギとして出
力され、伝達関数Hlmを経てl番目のマイクロフォンに
到達した時の信号を表し、さらに、「ΣΣClmj {ΣW
mix(n-j-i) }」の項はl番目のマイクロフォンへ到達
した信号を全て足し合わせているから、l番目のマイク
ロフォンに到達する制御音の総和を表している。
【0007】次いで、評価関数Jeを、 とする。
【0008】そして、評価関数Jeを最小にするフィル
タ係数Wmiを求めるのが、LMSアルゴリズムであり、
具体的には、評価関数Jeを各フィルタ係数Wmiについ
て偏微分した値で、フィルタ係数Wmiを更新する。そこ
で、上記(2)式より、 となるが、上記(1)式より、 となるから、この(4)式の右辺をrlm(n−i)とお
けば、フィルタ係数の更新は、重み係数γl も含めた形
で下記の(5)式のようになる。
【0009】 ここで、αは収束係数と呼ばれる係数であり、フィル
タが最適に収束する速度や、その安定性に関与する。
【0010】このように、適応型ディジタルフィルタの
フィルタ係数Wmi(n+1)を、マイクロフォンから入
力される残留騒音信号e1 (n)〜eL (n)と、騒音
発生状態を表す基準信号x(n)とに基づいて、LMS
アルゴリズムに従って逐次更新することにより、残留騒
音信号e1 (n)〜eL (n)の自乗和が常に最小にな
るように、各ラウドスピーカへの駆動信号が生成され、
ラウドスピーカから出力される制御音によって閉空間内
の騒音が低減する。
【0011】そして、伝達関数モデルによる基準信号の
処理は、上記(4)式の右辺の演算にあたるが、線形和
をとる入力信号の個数として、現在と過去127個の信
号、計128個(IC =128)の信号を使用すると、
一つの出力の計算のために128回の乗算及び加算、計
256回の演算が必要になり、例えば、マイクロフォン
の数を8、ラウドスピーカの数を6とすれば、伝達関数
モデルによる基準信号の処理全体での演算回数は、 256×8×6=12288 となる。
【0012】さらに、ディジタル信号処理は離散時間系
であり、そのサンプリング間隔(サンプリング周波数)
は、サンプリング定理から元の信号の最高周波数の2倍
以上とする必要があり、問題となる騒音の周波数を40
0Hz程度、サンプリングを1kHzとすると、上記伝
達関数モデルによる基準信号の処理だけで、毎秒120
0万回の演算が必要となり、一般に使用されるディジタ
ル信号処理装置の計算速度の制約から実現が困難であっ
た。
【0013】この発明は、このような従来の技術が有す
る未解決の課題に着目してなされたものであって、上記
のように非常に膨大な計算回数が必要な伝達関数モデル
による基準信号の処理を、制御性能に実質的な影響を与
えることなく、大幅に短縮できる能動型騒音制御装置を
提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、騒音源から騒音が伝達され
る空間に制御音を発生可能な制御音源と、前記空間内の
所定位置における残留騒音を検出する残留騒音検出手段
と、前記騒音源の騒音発生状態を検出し基準信号として
出力する騒音発生状態検出手段と、前記基準信号に応じ
て前記制御音源を制御する制御手段と、前記基準信号を
遅延操作処理した基準処理信号を出力する基準信号処理
手段と、前記基準処理信号及び前記残留騒音に応じて前
記空間内の騒音が低減するように前記制御手段の制御内
容を調整する制御内容調整手段と、を備えた。
【0015】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の発明において、基準信号処理手段は、基準信号
を遅延操作処理及び振幅操作処理した基準処理信号を出
力するものである。そして、請求項3記載の発明は、上
記請求項1又は請求項2記載の発明において、基準信号
の周波数を検出する周波数検出手段と、この周波数検出
手段の検出結果に応じて基準信号処理手段における遅延
操作処理の遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、を
設け、基準信号処理手段は、基準信号を前記遅延時間に
応じて遅延操作処理するものである。
【0016】さらに、請求項4記載の発明は、上記請求
項2記載の発明において、基準信号の周波数を検出する
周波数検出手段と、この周波数検出手段の検出結果に応
じて基準信号処理手段における遅延操作処理の遅延時間
を決定する遅延時間決定手段と、前記周波数検出手段の
検出結果に応じて基準信号処理手段における振幅操作処
理のゲインを決定するゲイン決定手段と、を設け、基準
信号処理手段は、基準信号を前記遅延時間に応じて遅延
操作処理し且つ前記ゲインに応じて振幅操作処理するも
のである。
【0017】また、請求項5記載の発明は、上記請求項
1記載の発明において、基準信号の周波数を検出する周
波数検出手段と、この周波数検出手段の検出結果に応じ
て基準信号処理手段における遅延操作処理の遅延時間を
決定する遅延時間決定手段と、基準信号の位相を検出す
る位相検出手段と、を設け、基準信号処理手段は、前記
基準信号の周波数,前記遅延時間及び前記基準信号の位
相に応じて基準処理信号としての正弦波を出力するもの
である。
【0018】そして、請求項6記載の発明は、上記請求
項2記載の発明において、基準信号の周波数を検出する
周波数検出手段と、この周波数検出手段の検出結果に応
じて基準信号処理手段における遅延操作処理の遅延時間
を決定する遅延時間決定手段と、前記周波数検出手段の
検出結果に応じて基準信号処理手段における振幅操作処
理のゲインを決定するゲイン決定手段と、基準信号の位
相を検出する位相検出手段と、を備え、基準信号処理手
段は、前記基準信号の周波数,前記遅延時間,前記ゲイ
ン及び前記基準信号の位相に応じて基準処理信号として
の正弦波を出力するものである。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、騒音発生状態
検出手段から出力された基準信号は、基準信号処理手段
によって遅延操作処理されてから制御内容調整手段に供
給され、制御内容調整手段は、その遅延操作処理された
基準処理信号と、残留騒音検出手段が検出した残留騒音
とに応じて、空間内の騒音が低減するように制御手段の
制御内容を調整する。
【0020】そして、基準信号処理手段による遅延操作
処理は、入力される信号を所定時間遅延させて出力する
処理であるから、伝達関数モデルによる処理に比べては
るかに短時間で済み、しかも、対象となっている空間
が、自由空間である場合や、閉空間であっても減衰が大
きい空間である場合には、遅延操作処理と、伝達関数モ
デルによる処理との差は小さく、制御性能に実質的な影
響は与えられない。
【0021】また、請求項2記載の発明では、基準信号
処理手段は、遅延操作処理とともに振幅操作処理を行う
から、出力される基準処理信号は、伝達関数モデルを通
過させて得られる信号により近くなる。そして、請求項
3記載の発明では、基準信号の周波数が周波数検出手段
によって検出され、遅延時間決定手段が、その検出され
た周波数に応じて遅延操作処理の遅延時間を決定し、基
準信号処理手段が、その決定された遅延時間だけ基準信
号を遅延させるので、結局、基準信号処理手段による基
準信号の遅延時間は、基準信号の周波数に依存すること
になり、実際の空間における音響の伝達特性に近い処理
が実行される。
【0022】さらに、請求項4記載の発明では、基準信
号の周波数が周波数検出手段によって検出され、遅延時
間決定手段が、その検出された周波数に応じて遅延操作
処理の遅延時間を決定し、ゲイン決定手段が、その検出
された周波数に応じて振幅操作処理のゲインを決定し、
そして、基準信号処理手段が、それら決定された遅延時
間及びゲインに応じて基準信号を遅延操作処理及び振幅
操作処理するので、結局、基準信号処理手段による基準
信号の遅延時間及びゲインの両方が基準信号の周波数に
依存することになり、より実際の空間における音響の伝
達特性に近い処理が実行される。
【0023】ここで、騒音源が例えば航空機や車両のエ
ンジンのような機関の場合には、騒音源の騒音発生状態
を表す基準信号は、単一周波数からなる信号か、或い
は、一つの周波数成分のレベルが高い信号となることか
ら、基準信号を正弦波と考えても実質的な差異はない。
そこで、請求項5記載の発明にあっては、基準信号の周
波数が周波数検出手段によって検出され、基準信号の位
相が位相検出手段によって検出されることにより、基準
信号の特性が明らかになり、それら周波数,位相並びに
遅延時間決定手段によって決定された遅延時間から決ま
る正弦波が、基準処理信号として基準信号処理手段から
出力される。
【0024】つまり、請求項5記載の発明であれば、遅
延回路等による遅延処理と同じ結果を、正弦波を出力す
るというさらに簡易な処理で実現できるし、騒音発生状
態検出手段は、騒音源から発せられる騒音の周波数及び
位相を検出すればよく、騒音の発生状態をその状態のま
ま細かく検出する必要がない。さらに、請求項6記載の
発明にあっては、上記請求項5記載の発明と同等の作用
が得られるとともに、ゲイン決定手段が、基準信号の周
波数に応じて振幅操作処理のゲインを決定し、基準処理
信号として出力される正弦波は、その決定されたゲイン
の影響をも受けるので、より実際の空間における音響の
伝達特性に近い処理が実行される。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1乃至図3は、本発明の第1実施例を示す図
である。先ず、構成を説明すると、図1は、本実施例に
おける能動型騒音制御装置1の全体構成を示すブロック
図であり、これは、騒音源2から発せられる騒音が伝達
される空間3の騒音を低減する装置である。
【0026】即ち、空間3内には、残留騒音検出手段と
しての複数(L個)のマイクロフォンMP1 ,MP2
…,MPL と、制御音源としての複数(M個)のラウド
スピーカLS1 ,LS2,…,LSM とがそれぞれ所定
位置に配設されていて、各マイクロフォンMP1 ,MP
2 ,…,MPL によって音圧として検出された残留騒音
信号e1 (n),e2 (n),…,eL (n)が、マイ
クロコンピュータや必要なインタフェース回路,メモリ
等から構成されているコントローラ5に供給される。
【0027】また、コントローラ5には、騒音源2にお
ける騒音発生状態を検出する騒音発生状態検出手段とし
ての振動センサ4の出力である基準信号x(n)も供給
されている。なお、上記各信号に付されている(n)
は、上述した従来の技術と同様に、いずれもサンプリン
グ時刻nのサンプル値であることを示していて、また、
図中、各信号の流れを示す矢印の内、太い矢印で示す部
分は、信号の流れが多チャンネルであることを表してい
る。
【0028】そして、コントローラ5は、図1にその機
能構成をブロック図で示すように、基準信号x(n)が
A/D変換器6でディジタル値に変換されて供給され、
その供給された基準信号x(n)を適宜処理し、D/A
変換器7を介して各ラウドスピーカLS1 〜LSM に出
力する制御手段としての適応型ディジタルフィルタ10
を有している。
【0029】また、適応型ディジタルフィルタ10は、
特に図示はしないが、この能動型騒音制御装置1が有す
るラウドスピーカLS1 〜LSMに対応してそれと同数
(即ち、M個)設けられていて、個々の適応型ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数は、最急降下法の一つである
LMSアルゴリズムを実行する制御内容調整手段として
のLMSアルゴリズム実行部20によって個別に調整さ
れる。
【0030】このLMSアルゴリズム実行部20には、
マイクロフォンMP1 〜MPL で検出された残留騒音信
号e1 (n)〜eL (n)が、A/D変換器8を介して
供給されるとともに、振動センサ4で検出された基準信
号x(n)を、基準信号処理手段としての基準信号処理
部30で処理した基準処理信号としての処理信号r
(n)が、A/D変換器9を介して供給されている。
【0031】そして、基準信号x(n)が入力され、所
定の処理を実行して処理信号r(n)を出力する基準信
号処理部30は、上記従来の技術で説明した伝達関数モ
デルに対応する処理を実行するものであって、本実施例
においては、図2に示すように、全てのラウドスピーカ
LS1 〜LSM と、全てのマイクロフォンMP1 〜MP
L との組み合わせ数(M×L個)の遅延処理部31
11,31A12,…,31ALMから構成されている。
【0032】なお、遅延処理部31A11〜31ALM及び
処理信号r11(n)〜rLM(n)に付されている添字「
1112,…,lm,…,LM」は、「l番目のマイクロフォ
ンMPl 」と「m番目のラウドスピーカLSm 」との組
み合わせに対応した遅延処理部31Alm及び処理信号r
lmということを表している。ここで、各遅延処理部31
11〜31ALMに入力される基準信号x(n)は共通で
あるが、それら遅延処理部31A11〜31ALMにおける
信号の遅延時間dt(l,m)は、対応するラウドスピ
ーカLS1 〜LSM とマイクロフォンMP1 〜MPL
の組み合わせによって個別に決められている。
【0033】即ち、遅延処理部31A12においては、そ
の入力信号である基準信号x(n)と、出力信号である
処理信号r12(n)との間に、図3に示すように、ラウ
ドスピーカLS2 と、マイクロフォンMP1 との間の関
係(例えば、ラウドスピーカLS2 と、マイクロフォン
MP1 との間の実際の距離等)から決まる遅延時間dt
(1,2)を与える処理を実行する。
【0034】そして、残留騒音信号e1 (n)〜e
L (n)と、処理信号r11(n)〜rLM(n)とが供給
されるLMSアルゴリズム実行部20では、空間3内の
騒音が低減するように、所定の更新式に従って、適応型
ディジタルフィルタ10のフィルタ係数Wmiを逐次更新
していく。ここで、LMSアルゴリズムにおける評価関
数Jeは、上述した従来の技術と同様に、残留騒音信号
l (n)の自乗和が最小となるように、下記の(6)
式に示すようにする。
【0035】 よって、適応型ディジタルフィルタ10のフィルタ係
数Wmiは、下記の(7)式に従って更新する。
【0036】 なお、フィルタ係数Wmiに付されている添字「mi
は、M個のラウドスピーカLS1 〜LSM 毎に設けられ
た適応型ディジタルフィルタの内、m番目の適応型ディ
ジタルフィルタのi番目(i=0,1,2,…,IK
1:IK は適応型ディジタルフィルタのフィルタ係数W
miのタップ数である。)のフィルタ係数であるというこ
とを意味している。
【0037】また、収束係数αは、ここでは一つの定数
のように扱っているが、各フィルタ毎に異なる収束係数
(αmi)とすることもできるし、或いは、重み係数γl
を一緒に取り込んだ係数(αl )として演算することも
できる。上記(7)式は、上述した従来の技術の(5)
式と形は同じであるが、右辺の「rlm(n−i)」の内
容が異なる。
【0038】即ち、上記従来の技術では、基準信号であ
る基準信号x(n)を、ラウドスピーカLS1 〜LSM
からマイクロフォンMP1 〜MPL までの伝達関数モデ
ルに通して処理した値が「rlm(n−i)」であるが
((4)式参照)、本実施例においては、基準信号x
(n)を遅延処理部31A11〜31ALMで遅延させた値
が「rlm(n−i)」である。
【0039】次に、本実施例の作用を説明する。騒音源
2で発生した騒音は、騒音源2と空間3との間に介在す
る空気や物体を伝わって、空間3に騒音となって放射さ
れる。一方、振動センサ4で検出された基準信号x
(n)は、A/D変換器6でディジタル値に変換されて
から適応型ディジタルフィルタ10に供給され、その適
応型ディジタルフィルタ10で適宜処理された後に、D
/A変換器7を介して、各ラウドスピーカLS1 〜LS
M に供給される。
【0040】この結果、それらラウドスピーカLS1
LSM からは、基準信号x(n)に基づいた制御音が発
生することになるが、騒音源2から生じる騒音は、その
騒音源2の振動状況で決まるため、基準信号x(n)に
応じて制御音が発生すれば、騒音が制御音で相殺され、
空間3内の騒音が低減することになる。そして、ラウド
スピーカLS1 〜LSM から発せられた制御音によって
は相殺しきれなかった残留騒音が、マイクロフォンMP
1 〜MPL によって検出され、それが、残留騒音信号e
1 (n)〜eL (n)として、A/D変換器8でディジ
タル値に変換されてからLMSアルゴリズム実行部20
に供給される。
【0041】また、振動センサ4から出力された基準信
号x(n)は、基準信号処理部30の各遅延処理部31
11〜31ALMにも供給され、それら遅延処理部31A
11〜31ALMで遅延処理されて処理信号r11(n)〜r
LM(n)となり、A/D変換器9でディジタル値に変換
されてから、LMSアルゴリズム実行部20に供給され
る。
【0042】そして、LMSアルゴリズム実行部20で
は、上記(7)式に基づいて、適応型ディジタルフィル
タ10のフィルタ係数Wmiを更新する。すると、LMS
アルゴリズム実行部20における評価関数Jeが、上記
(6)式に示すように、残留騒音信号el (n)の自乗
和が最小となるよう設定されているから、LMSアルゴ
リズム実行部20によって適応型ディジタルフィルタ1
0のフィルタ係数Wmiが逐次更新されることにより、適
応型ディジタルフィルタ10による処理の内容が調整さ
れ、空間3内の残留騒音が小さくなり、空間3内の騒音
の低減が図られる。
【0043】さらに、本実施例によれば、LMSアルゴ
リズム実行部20に供給される処理信号r11(n)〜r
LM(n)を生成する基準信号処理部30における処理
が、基準信号x(n)を遅延させる処理だけであるか
ら、その遅延処理の演算を1回と数えれば、上述したよ
うに128個の信号を使用して乗算及び加算を計256
回の演算が必要な従来の処理に比べて256分の1の演
算量で済むことになる。
【0044】このため、極短時間での処理が可能となる
から、一般に使用されるディジタル信号処理装置であっ
ても十分実現可能である。しかも、対象となっている空
間3が、自由空間である場合や、閉空間であっても減衰
が大きい場合には、本実施例のような基準信号処理部3
0における遅延操作処理と、上述した従来の技術におけ
る伝達関数モデルを用いた処理との差は小さく、従っ
て、本実施例のような処理内容であっても、能動型騒音
制御装置1の制御性能に実質的な影響はなく、伝達関数
モデルを用いた処理によって得られる効果と同等の効果
が発揮される。
【0045】図4乃至図7は、本発明の第2実施例を示
す図である。図4は本実施例における能動型騒音制御装
置1の全体構成を示すブロック図であり、これは、車両
に適用される能動型騒音制御装置であって、騒音源とし
てのエンジン2Aから発せられる騒音が伝達される車室
3Aの騒音を低減するものである。なお、上記第1実施
例で示した能動型騒音制御装置と同等の構成部位には同
じ符号を付している。
【0046】即ち、本実施例では、エンジン2Aを騒音
源としているので、そのエンジン2Aの騒音発生状態を
検出する騒音発生状態検出手段として、クランク角セン
サ4Aを適用するとともに、そのクランク角センサ4A
から出力されるクランク角検出信号x(n)を基準信号
としてる。そして、本実施例の基準信号処理手段として
の基準信号処理部30は、図5に示すように、遅延処理
部31A11〜31ALMの他に、それら遅延処理部31A
11〜31ALMのそれぞれに対応して、遅延時間決定手段
としての周波数−遅延量テーブル32A11〜32ALM
設けられるとともに、基準信号として入力されるクラン
ク角検出信号x(n)の周波数を判断し、その判断され
た周波数を各周波数−遅延量テーブル32A11〜32A
LMに供給する周波数検出手段としての周波数判断部33
が設けられている。
【0047】即ち、本実施例では、遅延処理部31A11
〜31ALMにおける遅延操作処理の遅延時間を、クラン
ク角検出信号x(n)の周波数fにより変更する点が上
記第1実施例との差異である。例えば、遅延処理部31
12においては、その入力信号である基準信号x(n)
と、出力信号である処理信号r12(n)との間に、図6
に示すように、ラウドスピーカLS2 と、マイクロフォ
ンMP1 との間の関係(例えば、ラウドスピーカLS2
と、マイクロフォンMP1 との間の実際の距離等)、並
びに、クランク角検出信号x(n)の周波数fから決ま
る遅延時間dt(1,2,f)を与える処理を実行す
る。
【0048】図7に、そのような処理を実現するための
機能構成例を示す。ただし、図7には、遅延処理部31
11に関する構成のみを示し、その他の遅延処理部31
12〜31ALMに関する構成は、これと同様の構成で済
むため、その図示及び説明は省略する。即ち、周波数判
断部33は、クランク角検出信号x(n)の周波数fを
電圧値に変換する周波数−電圧変換器33Aと、その周
波数−電圧変換器33Aの出力をディジタル値に変換す
るA/D変換器33Bとを有していて、そのA/D変換
器33Bでディジタル値に変換された周波数−電圧変換
器33Aの出力が、周波数−遅延量テーブル32A11
供給される。なお、その周波数−電圧変換器33Aの出
力は、同時に他の周波数−遅延量テーブル32A12〜3
2ALMにも供給される。
【0049】そして、周波数−遅延量テーブル32A11
は、周波数判断部33から供給される電圧値をアドレス
に変換する電圧値−アドレス変換器32B11を有し、そ
の電圧値−アドレス変換器32B11で決定されたアドレ
スがメモリ32C11に供給され、そのアドレスに記憶さ
れている遅延量dtがメモリ32C11から遅延処理部3
1A11に供給される。
【0050】遅延処理部31A11では、供給される遅延
量dtだけクランク角検出信号x(n)を遅延させて、
基準処理信号としての処理信号r11(n)を出力する。
このように、遅延処理部31A11〜31ALMにおける遅
延操作処理の遅延時間dtを、クランク角検出信号x
(n)の周波数に応じて可変となっているから、周波数
によって変化する実際の空間における音響の伝達特性に
より近い処理が実行されることになり、制御特性の向上
が図られる。
【0051】しかも、基準信号として用いているクラン
ク角検出信号x(n)が正弦波であるから、基準信号処
理部30から出力される処理信号r(n)と、伝達関数
モデルを用いた処理を行って得られる処理信号との差
は、実質的には振幅だけとなり、その振幅の差も、上記
(7)式の収束係数αを適宜選定することにより吸収で
きるから、結局、本実施例の構成であれば、伝達関数モ
デルを用いた処理を行う従来の装置と同等の効果を得る
ことができる。
【0052】そして、基準信号処理部30における処理
は、周波数−電圧変換器33Aにおける処理と、電圧値
−アドレス変換器32B11における処理と、メモリ32
11から遅延量dtを読み出す処理との3ステップで済
むため、それらの処理を1回の演算と数えれば計3回の
演算で済み、上記第1実施例で行った比較と同様の比較
を行えば、演算量は85分の1以下となり、短時間での
処理が可能となる。
【0053】なお、その他の作用効果は、上記第1実施
例と同様であるため、説明は省略する。図8及び図9
は、本発明の第3実施例を示す図である。なお、全体構
成は、上記第2実施例と同様であるため、その図示及び
説明は省略する。即ち、本実施例における基準信号処理
手段としての基準信号処理部30は、図8に示すよう
に、任意の周波数及び位相の正弦波を生成して出力する
正弦波生成器34A11〜34ALMと、それら正弦波生成
器34A11〜34ALMのそれぞれに対応して設けられ、
クランク角検出信号x(n)の周波数情報f及び位相情
報θが入力される遅延時間決定手段としての周波数−遅
延量テーブル35A11〜35ALMとを有している。
【0054】そして、この基準信号処理部30に基準信
号として入力されるのは、クランク角検出信号x(n)
そのものではなく、そのクランク角検出信号x(n)の
周波数情報f及び位相情報θである。しかし、クランク
角検出信号x(n)は、上記第2実施例で説明したよう
に(図6参照)、正弦波を描くため、周波数情報f及び
位相情報θが供給されるということは、クランク角検出
信号x(n)が供給されることと実質的に同じである。
【0055】なお、周波数情報f及び位相情報θは、例
えば周波数検出手段としての周波数−電圧変換器,位相
検出手段としての位相−電圧変換器(図示せず)の出力
として得ることができる。図9に、正弦波生成器34A
11及び周波数−遅延量テーブル35A11の構成例を示
す。なお、その他の正弦波生成器34A12〜34ALM
び周波数−遅延量テーブル35A12〜35ALMは、これ
と同様の構成で済むため、その図示及び説明は省略す
る。
【0056】即ち、周波数−遅延量テーブル35A
11は、周波数情報fが供給され、対応するアドレス値を
出力する周波数情報−アドレス変換器35B11と、この
周波数情報−アドレス変換器35B11から出力されたア
ドレスに記憶されている遅延時間としての位相遅延量デ
ータθ0を出力するメモリ35C11と、位相情報θの非
反転値と位相遅延量データθ0 の反転値とを加算する加
算器35D11とを備えている。
【0057】そして、正弦波生成器34A11には、周波
数情報fと、加算器35D11の出力(θ−θ0 )とが供
給され、正弦波生成器35A11は、それらに応じて、正
弦波である処理信号r11(n)を出力する。本実施例の
構成であっても、基準信号処理部30から出力される処
理信号r(n)は、上記第2実施例における基準信号処
理部30の出力と同じであるから、上記第2実施例と同
様の作用効果が得られるし、特に、クランク角検出信号
x(n)の周波数情報f及び位相情報θが検出されれば
基準信号処理部30における遅延操作処理が可能である
から、クランク角検出信号x(n)を高精度に検出する
必要がなく、このため、エンジンの振動発生状態を精度
良く検出することが不可能な場合であっても、高精度の
処理が可能である。このことは、クランク角センサに高
精度(従って、高価)なセンサを用いる必要なないとい
うことでもあるから、コストの低減にも寄与する。
【0058】また、本実施例における演算量は、周波数
情報−アドレス変換器35B11における処理と、メモリ
35C11から位相遅延量データθ0 を読み出す処理と、
加算器35D11における加算と、正弦波生成器34A11
で正弦波を生成して出力する処理とで済むから、それら
の処理を1回の演算と数えれば計4回の演算で済み、上
記第1実施例で行った比較と同様の比較を行えば、演算
量は64分の1となり、やはり短時間での処理が可能と
なる。
【0059】図10及び図11は、本発明の第4実施例
を示す図である。なお、全体構成は、上記第2実施例と
同様であるため、その図示及び説明は省略する。即ち、
本実施例における基準信号処理手段としての基準信号処
理部30は、図10に示すように、正弦波生成器34A
11〜34ALMと、それら正弦波生成器34A11〜34A
LMのそれぞれに対応して設けられ、クランク角検出信号
x(n)の周波数情報f及び位相情報θが入力される周
波数−遅延量・ゲインテーブル36A11〜36ALMとを
有している。
【0060】図11に、正弦波生成器34A11及び周波
数−遅延量・ゲインテーブル36A 11の構成例を示す。
なお、その他の正弦波生成器34A12〜34ALM及び周
波数−遅延量・ゲインテーブル36A12〜36ALMは、
これと同様の構成で済むため、その図示及び説明は省略
する。
【0061】そして、周波数−遅延量・ゲインテーブル
36A11は、上記第3実施例における周波数−遅延量テ
ーブル35A11と略同じ構成であるが、相違点は、メモ
リ36C11には、位相遅延量データθ0 とともに、ゲイ
ンデータG0 が記憶されていて、周波数情報−アドレス
変換器36B11で決定されたアドレスに応じて、メモリ
36C11が位相遅延量データθ0 及びゲインデータG0
を出力するという点であり、そして、正弦波生成器34
11は、周波数情報fと、加算器36D11の出力(θ−
θ0 )と、ゲインデータG0 とに応じて、正弦波である
処理信号r11(n)を出力する。
【0062】つまり、本実施例における基準信号処理部
30においては、遅延操作処理及び振幅操作処理の両方
が実行されることになる。ここで、本実施例にあって
は、周波数−遅延量・ゲインテーブル36A11〜36A
LMによって、遅延時間決定手段及びゲイン決定手段が構
成される。即ち、本実施例であれば、正弦波生成器34
11〜34ALMから出力される基準信号r11(n)〜r
LM(n)の振幅をも、クランク角検出信号x(n)の周
波数情報fに応じて変えることができるので、さらに実
際の空間における音響の伝達特性に近い処理が実行され
ることになるし、その結果、基準信号としてのクランク
角検出信号x(n)の処理が従来技術と同等のものとな
るから、処理の過程で使用するパラメータを従来と同じ
ものを使用することができ、従来技術で構築されている
データをそのまま生かすことできるという利点がある。
【0063】そして、本実施例であっても、上記第3実
施例に比べてゲインデータG0 を読み出す処理が増えた
だけであるから、上記第1実施例で行った比較と同様の
比較を行えば、演算量は50分の1以下となり、やはり
短時間での処理が可能となる。ここで、この第4実施例
で使用する周波数−遅延量・ゲインテーブル36A11
36ALMの決定方法を、図12を伴って説明する。な
お、上記第1乃至第3実施例における遅延操作処理の遅
延時間も、同等の方法で決定することができるので、そ
の説明は省略する。
【0064】先ず、第1のステップとして、LMSアル
ゴリズムを用いて、ラウドスピーカLSと、マイクロフ
ォンMPとの間の伝達関数を、FIRフィルタとして算
出する。即ち、テスト信号発生器40から発せられるテ
スト信号をx(n)、m番目のラウドスピーカからテス
ト信号x(n)が発せられたときのl番目のマイクロフ
ォンの残留騒音信号をel (n)、m番目のラウドスピ
ーカとl番目のマイクロフォンとの間の伝達関数Hlm
j番目に対応する適応型ディジタルフィルタのフィルタ
係数をClmj 、フィルタ係数の更新中の適応型ディジタ
ルフィルタCの出力をy(n)とすると、 となる。次に、評価関数Jeをマイクロフォンの残留騒
音信号el (n)と適応型ディジタルフィルタCの出力
y(n)との差の自乗とすると、 Je=(el (n)−y(n))2 ={el (n)−ΣClmj x(n−1)}2 ……(9) となり、この評価関数Jeを各フィルタ係数Clmj につ
いて偏微分した値で、そのフィルタ係数Clmj を更新す
る。
【0065】そこで、上記(9)式より、 ∂Je/∂Clmj =−2x(n−j){el (n)−ΣClmj x(n−1)} ……(10) となることから、フィルタ係数Clmj の書換式は、下記
の(11)式のようになる。
【0066】 Clmj (n+1)=Clmj (n) +μ(n−j){el (n)−ΣClmj x(n−1)} ……(11) ここで、μは収束係数である。そして、上記(11)式に
よる演算を所定回数N0 回繰り返すことにより、制御ア
ルゴリズム内に含まれる伝達関数Hlmを、制御対象であ
る空間の制御音源としてラウドスピーカLSと、残留騒
音検出手段としてのマイクロフォンMPとの間の伝達関
数に近づけていくことにより、適正な伝達関数Hlmを求
める。
【0067】第2のステップとして、このようにして求
めた時間領域の伝達関数であるFIRフィルタCを、周
波数領域に変換する。その計算は、フーリエ変換、若し
くは高速フーリエ変換(FFT)を用いればよい。例え
ば、上述のように、サンプリング周波数1kHzで12
8タップのFIRフィルタをFFTによって周波数領域
に変換すれば、周波数分解能は1000/128である
から、約8Hzということになる。もし、この分解能が
不十分であれば、通常のフーリエ変換によって任意の周
波数の伝達特性を求めればよい。
【0068】第3のステップとして、そのようにして求
められた周波数毎の伝達特性を、メモリに格納し、これ
で、周波数−遅延量・ゲインテーブルが決定される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至請求
項6記載の発明によれば、基準信号の処理を高速で行う
ことができるので、短時間での処理が可能となるから、
一般に使用されるディジタル信号処理装置であっても十
分実現可能であり、しかも、制御性能に実質的な影響は
与えられず、十分な性能が発揮されるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示すブロック
図である。
【図2】第1実施例の基準信号処理部の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】第1実施例の遅延処理部の処理を説明する波形
図である。
【図4】本発明の第2実施例の全体構成を示すブロック
図である。
【図5】第2実施例の基準信号処理部の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】第2実施例の遅延処理部の処理を説明する波形
図である。
【図7】第2実施例の周波数−遅延量テーブルの機能構
成を示すブロック図である。
【図8】第3実施例の基準信号処理部の構成を示すブロ
ック図である。
【図9】第3実施例の周波数−遅延量テーブルの機能構
成を示すブロック図である。
【図10】第4実施例の基準信号処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【図11】第4実施例の周波数−遅延量・ゲインテーブ
ルの機能構成を示すブロック図である。
【図12】第4実施例の周波数−遅延量・ゲインテーブ
ルの決定方法を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 能動型騒音制御装置 2 騒音源 2A エンジン 3 空間 3A 車室 4 振動センサ(騒音発生状態検出手
段) 4A クランク角センサ(騒音発生状態
検出手段) 5 コントローラ 10 適応型ディジタルフィルタ(制御
手段) 20 LMSアルゴリズム実行部(制御
内容調整手段) 30 基準信号処理部(基準信号処理手
段) 31A11〜31ALM 遅延処理部 32A11〜32ALM 周波数−遅延量テーブル(遅延時
間決定手段) 33 周波数判断部(周波数検出手段) 34A11〜34ALM 正弦波生成器 35A11〜35ALM 周波数−遅延量テーブル(遅延時
間決定手段) 36A11〜36ALM 周波数−遅延量・ゲインテーブル
(遅延時間決定手段,ゲイン決定手段) LS1 〜LSM ラウドスピーカ(制御音源) MP1 〜MPL マイクロフォン(残留騒音検出手
段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源から騒音が伝達される空間に制御
    音を発生可能な制御音源と、前記空間内の所定位置にお
    ける残留騒音を検出する残留騒音検出手段と、前記騒音
    源の騒音発生状態を検出し基準信号として出力する騒音
    発生状態検出手段と、前記基準信号に応じて前記制御音
    源を制御する制御手段と、前記基準信号を遅延操作処理
    した基準処理信号を出力する基準信号処理手段と、前記
    基準処理信号及び前記残留騒音に応じて前記空間内の騒
    音が低減するように前記制御手段の制御内容を調整する
    制御内容調整手段と、を備えたことを特徴とする能動型
    騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 基準信号処理手段は、基準信号を遅延操
    作処理及び振幅操作処理した基準処理信号を出力する請
    求項1記載の能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 基準信号の周波数を検出する周波数検出
    手段と、この周波数検出手段の検出結果に応じて基準信
    号処理手段における遅延操作処理の遅延時間を決定する
    遅延時間決定手段と、を設け、基準信号処理手段は、基
    準信号を前記遅延時間に応じて遅延操作処理する請求項
    1又は請求項2記載の能動型騒音制御装置。
  4. 【請求項4】 基準信号の周波数を検出する周波数検出
    手段と、この周波数検出手段の検出結果に応じて基準信
    号処理手段における遅延操作処理の遅延時間を決定する
    遅延時間決定手段と、前記周波数検出手段の検出結果に
    応じて基準信号処理手段における振幅操作処理のゲイン
    を決定するゲイン決定手段と、を設け、基準信号処理手
    段は、基準信号を前記遅延時間に応じて遅延操作処理し
    且つ前記ゲインに応じて振幅操作処理する請求項2記載
    の能動型騒音制御装置。
  5. 【請求項5】 基準信号の周波数を検出する周波数検出
    手段と、この周波数検出手段の検出結果に応じて基準信
    号処理手段における遅延操作処理の遅延時間を決定する
    遅延時間決定手段と、基準信号の位相を検出する位相検
    出手段と、を設け、基準信号処理手段は、前記基準信号
    の周波数,前記遅延時間及び前記基準信号の位相に応じ
    て基準処理信号としての正弦波を出力する請求項1記載
    の能動型騒音制御装置。
  6. 【請求項6】 基準信号の周波数を検出する周波数検出
    手段と、この周波数検出手段の検出結果に応じて基準信
    号処理手段における遅延操作処理の遅延時間を決定する
    遅延時間決定手段と、前記周波数検出手段の検出結果に
    応じて基準信号処理手段における振幅操作処理のゲイン
    を決定するゲイン決定手段と、基準信号の位相を検出す
    る位相検出手段と、を備え、基準信号処理手段は、前記
    基準信号の周波数,前記遅延時間,前記ゲイン及び前記
    基準信号の位相に応じて基準処理信号としての正弦波を
    出力する請求項2記載の能動型騒音制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6891416B2 (en) 1999-03-01 2005-05-10 Sharp Kabushiki Kaisha Timing generation circuit and method for timing generation
WO2009144976A1 (ja) * 2008-05-29 2009-12-03 本田技研工業株式会社 能動型騒音制御装置

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US6891416B2 (en) 1999-03-01 2005-05-10 Sharp Kabushiki Kaisha Timing generation circuit and method for timing generation
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