JPH0535133B2 - - Google Patents

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JPH0535133B2
JPH0535133B2 JP60062197A JP6219785A JPH0535133B2 JP H0535133 B2 JPH0535133 B2 JP H0535133B2 JP 60062197 A JP60062197 A JP 60062197A JP 6219785 A JP6219785 A JP 6219785A JP H0535133 B2 JPH0535133 B2 JP H0535133B2
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JP
Japan
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protein
ifn
synthetic
preparation
cysteine
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JP60062197A
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JPS60243021A (ja
Inventor
Sheikudo Zebe
Nooman Uorufue Shidonii
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Novartis Vaccines and Diagnostics Inc
Original Assignee
Cetus Corp
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Publication date
Application filed by Cetus Corp filed Critical Cetus Corp
Publication of JPS60243021A publication Critical patent/JPS60243021A/ja
Publication of JPH0535133B2 publication Critical patent/JPH0535133B2/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は生化学工学に関する。さらに詳しく
は、この発明は、十分に還元された微生物的に生
産されたシステイン含有蛋白質を制御された態様
において酸化し、該蛋白質が天然に存在するその
対応物と同一のジスルフイド橋を有するようにす
る方法に関する。 1個又は複数個のジスルフイド橋を含有する活
性蛋白質が遺伝子工学的手法により微生物的に製
造される場合、この合成蛋白質は微生物によりジ
スルフイド橋を欠く還元された形で、又は制御さ
れないチオール−ジスルフイド相互変換反応によ
り細胞中で形成されるオリゴマーの形で生産され
る〔Tietze F.、アナリテイカル・ビオケミスト
リー(Anal.Biochem.)(1969)27:502〕。合成
蛋白質がその天然対応物と同一の一次構造を有す
ることが望ましく又は必要である場合、生化学技
術者は微生物培養物から蛋白質を分離する問題の
みならず、オリゴマーを還元しそして/又は天然
蛋白質の一次構造を装う様に、還元された合成蛋
白質を酸化する問題に直面する。微生物的に生産
された合成蛋白質の酸化は従来、制御されておら
ず、そして蛋白質を酸化的条件にゆだねることに
より意図的に行われ、又は蛋白質をそれが酸化さ
れる環境に置くことによつて偶然的に行われてき
た。制御されない態様における蛋白質の酸化によ
り不所望の異性体(正しくない分子内架橋)又は
ポリマー(分子間架橋)が形成され、過剰酸化が
起こり、培養物からの蛋白質の分離を複雑化し又
は所望の一次構造を有する蛋白質の収量を減少さ
せる。医療的使用が意図される蛋白質の場合、精
製、製剤化又は投与における制御されない酸化
が、不活性又は抗原性であるかもしれない異性体
及び/又はオリゴマーにより汚染された不均一な
物質をもたらす。 この発明は、微生物的に製造された蛋白質を、
選択的な、制御された態様において、システイン
を選択的に酸化する酸化剤、好ましくはo−イオ
ドソ安息香酸又はその塩を用いて酸化し、所望の
ジスルフイド結合を高収量で得る方法に向けられ
る。これに関して、o−イオドソ安息香酸は天然
蛋白質の近隣のシステインを選択的に酸化するた
めにすでに使用されているよく知られたスルヒド
リル試薬である〔Hellerman L.等、ジヤーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソシエテイー
(J.Amer.Chem.Soc.)(1941)63:2551−2552;
Chinard F.P.及びHellerman L.、メソド・ビオ
ケミ・アナル(Methods.Biochem.Anal.)
(1954):1及びVallejos R.H.及びAndres C.
S.、FEBS レターズ(FEBS Letters)(1976)
61:95−99〕。天然蛋白質中のチオール基のため
の他の酸化剤がGuzman Barron E.S.、アドバン
シス・イン・エンチモロギー(Advan.
Enzymol.)(1951)11:223−226;及びTeh−
Yung Liu、ザ・プロテインス(The Proteins)
(1978)Vol、255−263、アカデミツクプレス、
ニユーヨークに記載されている。出願人が知る限
りでは、蛋白質中のスルヒドリル基のための選択
的酸化剤としてo−イオドソ安息香酸及び他の酸
化剤が従来使用されているのは、分析方法のため
のみである。出願人は、微生物的に生産された合
成蛋白質の制御された酸化を行うための製造的方
法におけるこれらの酸化剤の使用に関する先行技
術を知らない。 この発明は、有用蛋白質と実質上同一なアミノ
酸配列を有する十分に還元された微生物的に生産
されたグリコシル化されていない合成蛋白質(該
アミノ酸配列はシステインを含有し、このシステ
インは前記有用蛋白質中では分子内結合してシス
チンを形成している)を制御された態様において
酸化し、こうすることによつて最少の過剰酸化と
非協調的(nonconforming)シスチン基又はオリ
ゴマーの最少の形成を伴つて前記システインを選
択的に酸化して前記シスチンをすることによる蛋
白質調製物の製造方法に関し、この方法は前記十
分に還元された微生物的に生産された合成蛋白質
を、水性媒体中、前記システインのpKaより少な
くとも約0.5PH単位低いPHにおいて、o−イソド
ソ安息香酸又はその塩と反応せしめ、この場合に
おいて反応混合物中の合成蛋白質の濃度を約5
mg/mlより低くそしてo−イオドソ安息香酸又は
その塩と蛋白質とのモル比を少なくとも理論量的
にし、但し反応の終点においてo−イオドソ安息
香酸又はその塩が過剰に存在することを特徴とす
る。 この発明はさらに、有用な蛋白質と実質的に同
一のアミノ酸配列を有する合成蛋白質の上記の制
御された酸化によつて製造される新規な調製物
(前記アミノ酸配列はシステインを含有し、この
システインは前記の有用な蛋白質中では分子内結
合によりシスチンを形成している)に関する。好
ましくは、前記蛋白質は後に定義するムテイン、
又は微生物的に製造されたIFN−βもしくはIL−
2である。これらの調製物は、(a)天然の対応物と
同じジスルフイド橋を有する蛋白質を含んで成
り、(b)オリゴマーを実質上含有せず、そして(c)天
然の対応物と異るジスルフイド橋を有する異性体
の含量は約15%未満である合成蛋白質を含んで成
る。 この発明により酸化される合成蛋白質は、これ
らを生産する遺伝子操作された微生物にとつて外
来性である。これらの蛋白質は有用な蛋白質と実
質上同一のアミノ酸配列を有し、そして該有用な
蛋白質中では分子内結合して1個又は複数個のシ
スチン(ペプチド内ジスルフイド橋)受分を形成
している複数のシステイン残基を含有する。これ
に関して、「実質上同一」なる語は、合成蛋白質
及び有用な蛋白質のアミノ酸配列が同一である
か、あるいは合成蛋白質とその非微生物的に製造
された対応物との間に不都合な機能的相違を生じ
させない1又は複数のアミノ酸の変更(除去、付
加、置換)により異ることを意味する。この発明
の方法により酸化される蛋白質は十分に還元され
ている。すなわち、ジスルフイド橋を欠いてい
る。蛋白質が微生物により酸化形で産生される場
合には、該蛋白質は、酸化にかける前に還元しな
ければならない。還元は、蛋白質を還元剤、例え
ば2−メルカプトエタノール又はジチオスレイト
ールで処理することにより達成される。 特に興味ある合成蛋白質は、有用な生物学的活
性を有し且つ該活性のため又は該活性の増強のた
めに必須なジスルフイド橋を有する天然蛋白質と
実質上同一なアミノ酸配列を有する蛋白質であ
る。このような天然蛋白質の例としてリンホカイ
ン、例えばインターフエロン−ベーター(IFN−
β)、インターフエロン−アルフアー(IFN−
α)、インターロイキン−2(IL−2)、及びコロ
ニー刺激因子−1が挙げられる。 特に興味ある合成蛋白質は生物学的に活性な蛋
白質のムテインであり、このムテインにおいて
は、生物学的活性に必須でなく、生物学的に活性
な蛋白質中に存在しそしてジスルフイド結合を形
成することができる少なくとも1個のシステイン
が、分子間架橋形成又は正しくない分子内ジスル
フイド結合形成のための部位を除去するために、
計画的に除去され又は他のアミノ酸で置き換えら
れている。 この方法により突然変異的に変えることができ
る蛋白質は、生物学的に活性な蛋白質のシステイ
ン含量、並びに活性及び三次構造に関してシステ
イン残基が演ずる役割に関する入手可能な情報か
ら同定することができる。このような情報が文献
から得られない蛋白質については、該蛋白質のシ
ステイン残基のそれぞれをこの明細書に記載する
方法により体系的に変え、そして得られたムテイ
ンの生物学的活性及び不所望の分子間ジスルフイ
ド結合又は分子内ジスルフイド結合を形成するそ
の傾向を試験することにより前記の情報を得るこ
とができる。従つて、この発明をIFN−β及びIL
−2のムテインについて特に例示するが、この発
明は、蛋白質を不所望のジスルフイド結合形成に
対して感受性にする機能的に必須でないシステイ
ン残基を含有する他の任意の生物学的に活性な蛋
白質に適用される。この発明に従う突然変異的変
化の候補であるIFN−β及びIL−2以外の蛋白質
はリンポトキシン(腫瘍壊死因子)、コロニー刺
激因子−1、及びIFN−α1である。候補蛋白質
は通常奇数のシステイン残基を有するであろう。 IFN−βの場合において、グリコシル化された
IFN及び非グリコシル化IFNの両者が定性的に同
等の比活性を示すこと及び、従つてグリコシル部
分はINF−βの生物学的活性に関係せず又は寄与
しないことが文献に報告されている。しかしなが
ら、微生物的に生産された非グリコシル化IFN−
βはグリコシル化されている天然IFN−βより定
量的に低い比活性を一貫して示す。IFN−βは17
位、31位及び141位に3個のシステイン残基を有
する。システイン141が生物学的活性のために必
須であることがShepard等、前揚、により証明さ
れている。4個のシステイン残基を含有するIFN
−α中には2個の分子内−S−S−結合が存在
し、1つはcys29とcys138の間にあり、そして他
方はcys1とcys98の間にある。IFN−βとIFN−
αとの間の相同性に基いて、IFN−βのcys141は
cys31との分子内−S−S−結合に関与しおり、
cys17は分子間架橋を形成し得る状態にあるであ
ろう。cys17を除去し又は他のアミノ酸で置換す
ることにより、cys17が生物学的活性に必須であ
るか否か、及び−S−S−結合の形成におけるそ
の役割を決定することができる。cys17が蛋白質
の生物学的活性のために必須でなければ、cys17
が除去された蛋白質又はcys17が置換された蛋白
質は天然IFN−βのそれに近い比活性を示し、そ
しておそらく該蛋白質の単離及び精製が促進され
るであろう。IFN−β遺伝子のcys17のコドンを
含む領域であつて該コドン中の1個又は複数個の
塩基が変化しているものと相補的な合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを用いるオリゴヌクレオチ
ド指令変異誘発法(oligonucleotibe−directed
mutagenesis)を用いることにより、選択された
任意の他のアミノ酸によるcys17の置き換をもた
らすデザイナー遺伝子を調製することができる。
除去するのが好ましい場合、オリゴヌクレオチド
プライマーはcys17のコドンを欠く。cys17を中性
アミノ酸、例えばグリシン、バリン、アラニン、
ロイシン、イソロイシン、チロシン、フエニルア
ラニン、ヒスチジン、トリプトフアン、セリン、
スレオニン又はメチオニンに変えるのが好ましい
方法である。セリン及びスレオニンはシステイン
の化学的類似体であるから、これらが最も好まし
い置換基である。システインが除去された場合、
成熟ムテインは天然の親蛋白質又は微生物的に生
産されたIFN−βよりアミノ酸1個だけ短い。 ヒトIL−2は、蛋白質の58位、105位、及び
125位に位置する3個のシステイン残基を有する
ことが報告されている。IFN−βの場合と同様
に、IL−2は細菌細胞から単離された場合集合
したオリゴマー形で存在し、そして細菌抽出物か
ら良好な収量を得るためには還元剤により還元し
なければならない。さらに、精製され還元された
IL−2蛋白質は不安定であり、そして貯蔵の際
に不活性なオリゴマー形に再酸化されやすい。3
個のシステインの存在は、再酸化に際して3種類
の可能な分子内ジスルフイド橋の1つが不作為的
に形成され、その内の1つのみが天然分子中に存
在する正しい架橋であることを意味する。天然
IL−2蛋白質のジスルフイド構造は知られてい
ないから、この発明を用いてIL−2のコドン58、
105及び125に変異を形成し、そしてどのシステイ
ン残基が活性のために必要であり従つて天然のジ
スルフイド橋形成に関連しているらしいかを同定
することができる。おなじ考えにそつて、遊離シ
ステイン残基の除去又は置き変えによつて正しく
ない分子内ジスルフイド橋の形成を防止し、そし
て分子間ジスルフイド橋の形成の機会を最少にす
るように、活性に必要でないシステイン残基を変
えることができる。 酸化することができる天然蛋白質の合成対応物
(前記のムテインを包含する)は遺伝子工学的技
法で製造される。これらの方法は典型的には、天
然蛋白質をコードする構造遺伝子を同定しそして
特徴付け、この遺伝子又は天然蛋白質の機能的に
同等なムテインをコードする変異遺伝子を単離又
は合成し、該遺伝子を適当な発現ベクター中の該
遺伝子の発現を可能にする位置に挿入し、該ベク
ターによりコンピテント微生物を形質転換し、正
しい形質転換体を同定し、そして該形質転換体を
適当な増殖倍地中で培養することを含む。蛋白質
は典型的には、細胞を破砕し、破砕物を溶解剤
(蛋白質の溶解性に依存して)及び1種又は複数
種の抽出剤で処理することにより粗蛋白質を分離
し、そして粗蛋白質を種々の調製用クロマトグラ
フ法によつて精製することにより回収される。蛋
白質がオリゴマーの形で、又は回収中にオリゴマ
ーを形成しやすい形で微生物により産生される場
合には、この蛋白質は回収工程の適当な段階で還
元剤により処理されるであろう。 合成蛋白質を粗生成物の形で、実質上純粋な形
で、又は純粋な形で微生物から回収した後、必要
によりこれを還元し、そして次にこの発明の方法
を用いて制御された態様で酸化する。この発明に
従う制御された酸化により天然対応物中のジスル
フイド橋と一致するジスルフイド橋が合成蛋白質
中に形成され、この場合過剰酸化、及び非協調的
(nonconforming)架橋又はオリゴマーの形成が
伴わず、又はこれらは最少にとどまる。このよう
な酸化により、天然対応物の構造
(configuration)と最も密接に類似する構造の合
成蛋白質を高収量で製造することが可能となり、
これにより合成蛋白質が機能的に天然蛋白質と同
等である可能性が保証される。 この発明において使用される酸化剤(o−イオ
ドソ安息香酸又はその塩)はシステイン残基を選
択的、且つ化学量論的に酸化する。ここで、「選
択的」なる語は、酸化剤が(1)システインをジスル
フイドのレベルまで酸化し一層高いレベルには酸
化しないか有意には酸化せず、そして(2)還元され
た蛋白質中で接近して位置する活性システインを
優先的に酸化することを意味する。酸化剤と合成
蛋白質とのモル比は使用する酸化剤に依存して広
範囲に変えることができる。モル比は少なくとも
理論量比(1:1又はこれより大)であり、そし
て典型的には1:1〜100:1の範囲である。o
−イオドソベンゾエートの場合、モル比は通常約
1:1〜約5:1の範囲である。すべての場合
に、還元された蛋白質の完全な酸化を保証するた
め、反応の終末期間にわたつて酸化剤を過剰に存
在せしめる。これらの条件は、反応の全期間にわ
たつて過剰の酸化剤を用いて反応を行うか、又は
反応の大部分の期間にわたつておよそ等モル量の
反応体を用い、そして反応期間の終末近くで過剰
の酸化剤を加えて反応を行うことにより達成する
ことができる。蛋白質が特にオリゴマー化しやす
い場合、酸化剤につい擬似一次反応(seudo
first order kinetics)が生ずる割合で反応体を
用いるのが好ましい。このような速度は、酸化剤
が上記のモル比の範囲内でわずかに過剰に存在す
る場合に生ずる。反応混合物中の蛋白質の濃度
は、オリゴマーの形成の可能性を低下せしめるた
め、低く維持する。すなわち、約5mg/mlより低
くし、通常は約0.1〜約1.5mg/mlであり、そして
好ましくは約0.3〜約0.7mg/mlである。 反応媒体のPHは、酸化されるシステインの残基
のpKaより少なくとも0.5PH単位低いレベルに維
持する。これらの複数の残基のpKaが異る場合、
最も低いpKaを有するシステイン残基のそれより
少なくとも約0.5PH単位低いレベルに維持するの
が好ましい。このようにPHを制御することによつ
て非イオン化チオールの量が制御され、これによ
つて反応速度が制御され、所望のジスルフイド橋
の形成に有利にされる。上記の特定にされたPHよ
り有意に高いPHを使用することにより不所望の異
性体及びオリゴマーの生成が増加する。本質的に
高いPH、すなわち約9より高いPHによりオリゴマ
ーの形成が増加し、従つてこのようなPHはほとん
どの場合において推奨されない。合成IFN−βに
ついては、PHを6〜9の範囲、好ましくは6.5〜
8.0の範囲に維持する。合成IL−2については、
PHを5.5〜9の範囲、好ましくは7.0〜8.0の範囲に
維持する。 チオールのpKa値は、Irving R.J.等、アク
タ・ケミカ・スカンジナビア(Acta Chemica
Scandinavica)(1964)18:769−787;Shaked
Z.等、ビオケミストリー(Biochemistry)
(1981)19:4256−4266;及びSnyder G.H.等、
ビオケミストリー(Biochemistry)(1981)20
6509−6519に記載されている方法により決定する
ことができ、そしてこの決定から所与の合成ポリ
ペプチドについての望ましいPH範囲を計算する。
この方法に代えて、所与の合成蛋白質を酸化する
ための実施可能なそして好ましいPHを実験的に決
定することもできる。 酸化反応時間は反応混合物の容積に依存するで
あろう。反応温度は臨界的ではなく、通常は20℃
〜25℃の範囲であり、便利には室温である。酸化
反応はPHを反応が停止するレベル(約PH4.5)に
下げることにより停止することができる。反応に
続いて、残留酸化剤、並びに不所望の異性体及び
オリゴマーをクロマトグラフイーにより除去する
ことができる。必要により、ゲル過、高速液体
クロマトグラフイー、透析等のごとき蛋白質精製
法を用いて、酸化された蛋白質をさらに精製する
ことができる。 酸化された蛋白質のための好ましい精製法の1
つにおいては、ドデシル硫酸ナトリウム又はo−
イオドソ安息香酸のごとき小分子量種を、透析よ
りむしろゲル過、例えばセフアデツクスG−25
脱塩カラムを使用して、蛋白質プールから除去す
る。このゲル過法は一般に精製のための簡単
な、迅速な、確実な、穏和な、高収率の方法を代
表する。インターフエロン−β及びIL−2を精
製するために、G−25脱塩カラム階段を用いて酸
化中に存在する可溶化洗剤SDSを除去することが
できる。IFN−βについては、PH6〜8の中性溶
液中ではインターフエロン−βが溶解しないた
め、10mM水酸化ナトリウムのアルカリ性環境が
一般に要求される。透析によればインターフエロ
ンがPH12のアルカリ性環境に4〜5時間かけら
れ、その結果サンプルに不均一性が導入される。
ゲル過によりPH12での全インキユベーシヨン時
間が流速に依存して単に20〜70分間に短縮され
る。さらに、PH10.3〜11という一層低いPH値にお
いてG−25脱塩カラムを使用することができる。
これら2つの改良により、透析後のインターフエ
ロン−βに観察される不均一性が除去される。ゲ
ル過を用いる場合の唯一の欠点である蛋白質の
稀釈は、サンプルの負荷を最適化することによ
り、そして最少の粒子サイズの銘柄を選択するこ
とにより調節することができる。その上、ほとん
どの方法においてゲル過は最終段階ではなく、
サンプルの濃縮又は一層の稀釈が生ずる。 制御された酸化により製造された調製物は、そ
の天然対応物のジスルフイド橋を有する合成蛋白
質から本質上成る。このものはオリゴマーを実質
上含有せず(約1重量%未満)、そして天然対応
物と異るジスルフイド橋を有する異性体を15重量
%未満含有する。異性体の形成の可能性を除去す
るために設計されている合成蛋白質(例えば、
125位のシステインがセリンに変えられているIL
−2、又は17位のシステインがセリンに変えられ
ているIFN−β)は、言うまでもなく異性体を含
有しない。これに対して、制御されない酸化によ
り製造された調製物は、典形的には有意量のオリ
ゴマー(5〜10%)及び非常に多量の不所望の異
性体を含有する。IL−2及びIFN−βの場合、酸
化された蛋白質は還元されたものより水溶性であ
る。従つて、溶解剤(例えばSDS)を調製物から
実質上除去することができ、精製された生成物は
十分に水溶性であつて、常用の水性非経口担体と
共に製剤化することができる。 制御された酸化により製造された調製物は、制
御されない酸化により製造された調製物に比べて
一層多くの目的生成物及び一層少ない汚染物を含
有するため、これらは抗原性が少なく、そして一
般に一層活性が強いであろう。医療用蛋白質の調
製物は、医療的に有効な量の蛋白質を医薬として
許容される担体と共に含んで成る。IFN−β及び
IL−2の場合、調製物は一般に水性担体、例え
ば蒸留水、リンゲル液、ハンク液、及び生理的食
塩水中で非経口投与剤として製剤化される。IFN
−βは一般にヒトに対して1×105〜4×108ユニ
ツトの範囲の投与量で投与され、IL−2は一般
に約1×104〜2×108ユニツトで投与されるであ
ろう。 次に、例によつてこの発明をさらに具体的に説
明する。但し、これによつてこの発明の範囲を限
定するものではない。これらの例において、温度
は特にことわらない限り℃で示す。 例 1 IFN−βser17の制御された酸化十分に還元され
たIFN−βser17の調製 IFN−βser17はIFN−βの微生物的に製造され
たムテインであり、アミノ酸位置17のシステイン
残基がセリン残基により置き換えられている。
IFN−βser17は2個の維持されたシステイン残基
を、一方は31位に、そして他方は141位に有する。
天然IFN−βにおいては、31位及び141位のシス
テインが相互反応してジスルフイド橋を形成す
る。IFN−βser17を製造するためにこの例におい
て使用される遺伝子操作されたE.コリ(E.Coli)
株は、アメリカン・タイプ・カルチユア・コレク
シヨン、12301パークラウンドライブ、ロツクビ
ル、メリーランド20852、米国に、1983年11月18
日にNo.3、517として寄託された。 遺伝子操作したE.コリを次の倍地に増殖せしめ
た。 成分 およその初期濃度 Na3シトレート・2H2O 3mM KH2PO4 30mM (NH42SO4 74mM MgSO4・7H2O 3mM MnSO4・H2O 46μM ZnSO4・7H2O 46μM CuSO4・5H2O 1−2μM L−トリプトフアン 350μM FeSO4・7H2O 74μM チアミン・HCl 0.002% グルコース 0.5% ダウコーニングアンチホームB25%溶液、グル
コース50%溶液、及び5NのKOHを必要により加
えた。 温度を37±1℃に、PHをNaOHにより6.5±0.1
に、そして溶存酸素を30%の空気飽和にそれぞれ
維持した。光学濃度及び残留グルコースの測定を
14時間目、及びその後約1時間の間隔で行つた。
グルコースの消費量が40±6g/(680nM)
におけるOD=10〜11)に達した時に培養物を得
た。これを加圧下でミクロポーラスクロスフロー
フイルターを通して循環させることにより約3倍
に濃縮した。収得物が4〜5倍に濃縮されるま
で、濃縮細胞を脱イオン水に対して透析した。次
に、4.1〜5.1×104Kpaにて細胞をManton−
Gaulinホモジナイザーを通すことにより破砕し
た。最初の通過の後、ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)−燐酸ナトリウム緩衝液を2%SDS、
0.08M燐酸ナトリウムとなるように加え、そして
ホモジナイズをさらに1時間続けた。次に固体ジ
チオスレイトール(DTT)を終濃度が50mMと
なるように加え、そしてホモジネートを10分間90
±5℃に加熱した。得られた細胞懸濁液を、2−
ブタノールを用いて、2−ブタノールと懸濁液と
の容積比を1:1として静置ミキサー中で抽出し
た。次に混合物を遠心し、そして2−ブタノール
高含有相を集めた。 2−ブタノール高含有相を、燐酸緩衝化塩溶液
(PBS)中0.1%SDS2.5容量と混合した。固体
DTTを最終濃度が1mMになるように加えた。
混合物のPHを、氷酢酸を用いて6.2±0.1に調節
し、そしてこの混合物を遠心した。得られたペー
ストを集め、そしてPBS+10%SDSに再懸濁し
1NNaOHを用いてPHを8.5±0.1に調整した。固体
DTTを最終濃度が100mMとなるように加え、そ
して懸濁液を10分間90±5℃に加熱した。次に、
懸濁液を約25℃に冷却し、そして氷酢酸を用いて
PHを5.5±0.1に調整し、そして溶液を過した。 次に、溶液をセフアクリルS−200前カラムに
適用し、そして最高のインターフエロン活性を有
する画分をプールし、そして10kdal分子量カツ
ト−オフの限外過により濃縮した。 十分に還元されたIFN−βser17の酸化 o−イオドソ安息香酸を水中で混合し、この混
合物を約5分間超音波処理し、そして次に撹拌
し、2%NaOHを徐々に加えて最終PHを8.2±0.2
とする(塩基を加える代りに追加の超音波処理を
行うこともできる)ことにより1mMo−イオド
ソ安息香酸溶液を調製した。 Na4P2O7・10H2Oを水に2mMの濃度に溶解
することにより反応緩衝媒体を調製した。この溶
液のPHを、10%酢酸を加えることにより9.0に調
製した。SDSを0.1%に、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)を0.1mMに、そしてo−イオドソ
安息香酸溶液を15×10-6Mとなるように前記溶液
に加えた。 緩衝媒体を、マグネチツクスターラー及び9.0
にセツトされたPH電極を装着した反応器に入れ
た。IFN−βser17調製物及びo−イオドソ安息香
酸溶液を、IFNと酸化剤の等モル量を導入するよ
うに調製されたペリスタルポンプを用いて、保持
タンクから反応混合物に加えた。必要な場合に
0.25M NaOHをペリスタルポンプを介して5
ml/時で加えることにより反応混合物のPHを9.0
に調節した。IFN−β溶液(50mM酢酸緩衝液中
5mg/ml、PH5.5)を2ml/時(7.0マイクロモ
ル/時)の流速で約5時間にわたつて加え、o−
イオドソ安息香酸溶液を7ml/時(7マイクロモ
ル/時)で同じ時間にわたつて加えた。その後、
酸溶液の添加を、10〜15モルの最終過剰量となる
まで続けた。逆相HPLCにかけ、そしてIFN−
βser17の残留チオール含量をEllman法により測定
することにより反応を追跡した。6.5時間後、反
応混合物に10%酢酸を加えてPHを5.5にすること
により反応を停止した。 結 果 反応の最初2〜3時間の間、オリゴマーは形成
されず又は低いレベル(<1%)のみのオリゴマ
ーが形成された。反応の後の段階においてオリゴ
マーのレベルが実質上低下した。酸化生成物は遊
離チオールを含有せず、そして96%を超える収率
で目的酸化生成物を得た。 比較として、o−イオドソ安息香酸(2mg/
ml)を反応混合物に5ミリモルの濃度に1度に加
えることによりIFN−βser17の酸化を行つた。こ
の酸化により10〜15%のオリゴマーが生成し、そ
して目的の酸化IFNが中程度の収率(80%)での
み得られた。 例 2 IFN−βser17の制御された酸化及び精製 1 十分に還元されたIFN−βser17の制御された
酸化 十分に還元された形のIFN−βser17の溶液を
調製するため、最終前−カラム段階を除き例1
に記載した方法を用いた。DTT中1〜2mg/
mlの溶液すべてをS−200カラムに通し、そし
て酢酸ナトリウム緩衝液(50mM、PH5.5、0.1
%SDS)で溶出した。S−200IFN−βプール
を、燐酸ナトリウム緩衝液(PH7.5、0.1%
SDS)を加えることにより0.1mg/mlの(5μM
IFN−β)に稀釈した。溶液のPHを7.5に調製
した。酸化剤であるイオドソ安息香酸(2mg/
ml)をIFN−β溶液に加え、最終濃度を40μM
とした。このIFN−酸化剤溶液を、室温にて空
気中で穏やかに撹拌しながら3時間保持した。
2,2′−ジチオジピリジンを用いて蛋白質溶液
のチオール含量を監視することにより酸化を追
跡した。アミコンセルを用いてIFN−βを5〜
10mg/mlに濃縮し、そしてS−200カラムのた
めに使用したのと同じ緩衝液を使用しながらG
−75カラムを通した。最終IFN−β濃度は2〜
3mg/mlであつた。 2 G25セフアデツクスカラムによるG−75IFN
−βプールのゲル過 充填レシーバーを有する2.6×70cmのガラス
カラム(フアルマシア)にセフアデツクスG−
25(微細銘柄)のあらかじめ膨潤したゲル溶液
600mlを充填した。 前段階からの全量10ml(1.44mg/ml)のIFN
−βをカラムに導入し、そして1mM
NaOH溶液(PH10.8)を用いて溶出した。流速
は250mg/時となつた。約98%の蛋白質ピーク
を一緒にし、そして蛋白質濃度、SDS及び生物
学的活性について分析した。さらに、逆相
HPLC及びSDS−PAGEゲルを得た。 3 逆相HPLC法 カラムから集められた蛋白質サンプルを、濃
トリフルオロ酢酸(TFA)を添加することに
よつてPH2〜3に酸性化した。アクアポア
(Aquapore)カラムに20〜200μを注入する
ことによりHPLC追跡を行つた。サンプルの溶
出は214nmで追跡し、2溶剤系及び溶剤Bの
45〜60%グラジエント(溶剤Bはアセトニトリ
ル中0.1%TFAであり、溶剤Aは水中0.1%
TFAである)を用いて行つた、流速を2ml/
分とし、チヤートスピードを0.5cm/分とした。
ピークの面積を求めるためにHewlett−
Packard積分器を用いた。 4 SDSの決定 アクリジンオレンジ測定によりSDSの決定を
行つた。13×100mmのデイスポーサブルねじぶ
た試験管にIFN−βサンプル(0.5ml)を入れ、
次にNaHSO4(0.1ml、1.75M)、アクリジンオ
レンジ(0.1ml、1w/v%)及び最後にトルエ
ン(1.5ml)を入れた。試験管を密閉し、そし
て2〜3分間渦流撹拌した。試験管を5〜10分
間遠心した。相分離の後有機相を石英キユビツ
トに移し、そしてブランク(0.5mlの水)に対
して500nmにおける吸収を測定した。 5 正常な血清アルブミン(NSA)によるIFN
−βの製剤化 NSAを用いるIFN−βの製剤化においてま
ず最終容積フアクター(F.V.)を計算して製
剤化に必要なNSA容積、デキストロース溶積
及び水容積を求めた。 最終容積(F.V)=IFN−β/0.25 NSA容積〔V(NSA)〕=1.25/25×F.V. デキストロース容積〔V(Dext)〕 =1.25/50×F.V. 水容積=F.V−〔V(IFN−β) +V(NSA)+V(Dext)+V(neut)〕 典型的な方法により、NSA(3.9ml、トラベ
ノールから得られた25%溶液)を46mlの水と混
合した。NaOH(2.5N)溶液を用いてPHを12に
上げ、そして電極により監視した、IFN−β溶
液(20ml)を加え、そして混合物を15分間PH12
に保持した。HCl(2.5N又は0.25N)溶液を用
いてPHを徐々に7.23に下げた。PH調整に約10〜
15分間を要した。水(2ml)及びデキストロー
ス(1.9ml、50%)を加えた。最終IFN−β濃
度を0.25mg/mlとした。最終的に製剤化された
溶液を0.2ミクロンのNalge殺菌フイルターに
通し、そして過された溶液をバイアルに充填
する(各バイアルに1mlずつ)。バイアルを凍
結乾燥し、そして蓋をした。PHを7.3に下げた
後オリを生じず透明なままであつた。 6 生物学的活性 IFN−処理細胞からのウイルス収率の直接測
定である収率減少測定法により生物学的活性を
決定した。測定方法はジヤーナル・オブ・ビロ
ロジーJournol of Virology、、795−799
(1970)に記載されているStewart及び
Lockhartの方法によつた。 7 結果 SDS−PAGEゲル及び逆相HPLC追跡の結果
は、酸化されたIFN−β調整物が均一であり、
そして基本的に純粋であることを示した。第1
表に要約する酸化された物質についての2試行
の結果は、酸化されたIFN−βのプールを脱塩
してSDSを許容レベルにするためにゲル過G
−25カラムが効果的であることを示している。
SDSのレベルはアナリテイカル・ビオケミスト
リー(Anal.Biochem.)Vol118、138−141頁
(1981)に記載されているアクリジンオレンジ
法により、容積及びPHレベルをわずかに変えて
測定したものである。カラムにおける全時間
は、SDS除去効率に影響を与えることなく30分
間と短かくすることができた。G−25プール中
のDTTレベルはほとんど検出されなかつた。
カラムからのIFN−βの回収は本質的に定量的
であり、そして稀釈フアクターは2未満であ
る。逆相HPLC追跡は、1mM NaOH中PH
10.8での酸化された形のIFN−βのインキユベ
ーシヨンにより、少なくともHPLC法で測定し
た場合にはIFN−β調製物中に不均一性が導入
されないことを示している。HPLC追跡はさら
に、NSAで製剤化されそして過されたIFN
−βは5日後でも変化しないことを示してい
る。 G−25脱塩蛋白質のSDS−PAGE還元ゲルは
さらに、単一蛋白質が得られたことを示してい
る。 蛋白質の生物学的活性はこの変法の全段階を
通して本質上同一に維持され、酸化されたIFN
−βはゲル過段階にわたつて本質上変化しな
いで維持されることが示された。 【表】 【表】 例 3 十分に還元されたIL−2の酸化十分に還元さ
れたIL−2の調製 プラスミドpLW1により形質転換されたE.コリ
K−12MM294株(アメリカン・タイプ・カルチ
ユアー・コレクシヨンに、1983年8月4日付で
ATCCNo.39405として寄託された)からIL−2を
次のようにして回収した。 遺伝子操作されたE.コリを、発酵槽中で次の増
殖倍地を用いて増殖せしめた。 (NH42SO4 72mM KH2PO4 21.6mM Na3シトレート 1.5mM ZnSO4・7H2O 60mM MnSO4・H2O 60mM CuSO4・5H2O 2mM オートクレーブ処理した2.5N NaOHによりPH
6.50に調整。 無菌的添加(オートクレーブ処理後) MgSO4・7H2O 3mM FeSO4 100μM L−トリプトフアン 70mg/ チアミン−HCl 20mg/ グルコース 5g/ テトラサイクリン 5mg/ エタノール(場合により加える) 2% カザミノ酸 2% 必要があればダウコーニングアンチホームB20
%溶液、グルコース50%溶液及び5NのNaOHを
加えた。 発酵槽のPHを5N KOHにより6.8に維持した。
残留グルコースを2〜10g/の間に、溶存酸素
を40%に、そして温度を37±1℃に保持した。
OD680が約10〜15となつたときカザミノ酸(20%
ストツク溶液)を加えた。エタノール添加の2時
間後に収得した。カザミノ酸濃厚液を添加して3
時間後にエタノール(95%)を最終濃度が2%と
なるように加えた。 クロス−フロー限外過ユニツト中で細胞を濃
縮した。細胞を洗浄し、そして次にManton−
Gaulinホモジナイザー中で破砕した。細胞破砕
物を遠心分離した。ペーストを4M尿素中に再懸
濁しそして15〜30分間放置した。尿素洗浄した断
片を遠心し、Tris−HCl緩衝液(PH8.0)に再懸
濁した。断片を可溶化するため、固体SDSを5%
SDSのレベルまで加えた。 尿素洗浄溶液(200ml)を、DTT(10mM)に
より、EDTA(2.5mM)の存在下PH8.0、60℃に
て30分間還元した。懸濁液を35Kにて2時間遠心
した。上清液(35ml)をS−200(K−50)カラム
に負荷し、そして緩衝液E〔酢酸塩PH5.5、DTT
(2mM)、EDTA(1mM)及びSDS(0.1%)〕に
より1.5ml/分の流速で溶出した。S−200プール
(270ml、A280=1.77)はHPLCで測定した場合約
33%の純度を有する。 S−200プール(35ml)の部分をトリフルオロ
酢酸(TFA)によりPH2.0に酸性化し、そして2.5
ml/分の流速で新しく調製した半−調製用C−
3Vydacカラム(1.3cm)に負荷した。35mlずつ負
荷してこれを3回行つた。この半−調製用精製に
使用した溶剤はアセトニトリル(0.1%TFA、緩
衝液B)であり、0〜45%の緩衝液Bによる15分
間のグラジエント及びこれに続く45〜75%の緩衝
液Bによる200分間のグラジエントを行つた。IL
−2プールはA280=0.326を有する76ml(3試行)
として得られ、これは約25mgのIL−2、約15%
の収率に相当する。このHPLC流出物を1600mlの
Na2SO4緩衝液(0.1M、PH7.0、0.1%SDS)中に
稀釈し、そして次に76mmPM−10メンブランを装
着したアミコンセルを用いて50mlに濃縮した。こ
の濃縮物を、0.1%のSDSを含有するNa2PO4(50
mM)PH7緩衝液50mlずつで3回洗浄した。最終
溶量は43ml、A280=0.65であつた。 IL−2の制御された酸化 制御された酸化を行うまえに蛋白質溶液の全チ
オール含量を2,2′−ジチオジピリジンにより測
定した。この測定は、完全な酸化を行うために
IL−2溶液に加えなければならない。−イオドソ
安息香酸の最少理論量を計算するために必要であ
つた。0−イオドソ安息香酸(13.4mg)を45mlの水
に入れ、この混合物を数分間超音波処理し、そし
て次に撹拌しそしてNaOH(1N)をゆつくり加え
て酸を溶解することにより該酸の溶液(1mM、
50ml)を調製した。アルカリ溶液を加えて最終PH
を8.0〜8.5にした。酸化剤溶液の容量を最終容量
50mlに調製した。完全酸化に必要な酸化剤の全量
を決定するためにスルヒドリル基の測定を行つ
た。これは全チオール濃度の2分の1+15マイク
ロモル過剰の酸化剤に相当する。IL−2溶液
(50mM Na2PO4、PH7又は7.5)にo−イオド
ソ安息香酸溶液を0.5ml/時の流速で加えること
により制御された酸化を行つた。酸化の程度を逆
相HPLCにより監視した。濃酢酸を用いて溶液の
PHを5.5に下げることにより酸化を停止した。酸
化生成物のHPLC分析により、この生成物が約80
%の目的とする酸化されたIL−2、約13%の不
所望の異性体(異性体を集め、IL−2活性につ
いて測定し、そして不活性であることが見出され
た)、及び約6%の還元された(酸化されていな
い)IL−2を含んで成ることが示された。 PH7.5において行われた同様の酸化は、目的生
成物への有意に低い転換(54%)をもたらした。 酸化されたIL−2の精製 還元されたIL−2の精製について記載したの
と本質的に同じ方法により酸化された精製物を精
製した。13cmのカラムに2回の負荷(各20ml)を
行つた。個々の画分を分析用逆相HPLCカラムで
分析することにより前記HPLCのプールを決定し
た。2回のHPLC流出液の全溶量は18ml、A280
0.266に相当し、これは酸化されHPLC精製され
たIL−2約4.8mgである。 Speed−Vacを用いて有機溶剤を除去した。試
験管を乾燥して有機溶剤を完全に除去した後、燐
酸塩緩衝液(0.1M、PH7.0)を加え、次に0.1mlの
SDS(1%)を加え、そして完全に溶解するため
に超音波処理した。全容量(3ml)をG−25(中
間)カラム(1.5×23cm)に負荷し、そして燐酸
ナトリウム緩衝液(2mM、PH7.5)を用いて45
ml/時で溶出した。得られた最終容積は5.1ml
(0.6ml/mlのIL−2含有)であつた。蛋白質濃度
をLowry法により測定した。硫酸アルキルの全
含量測定をアクリジンオレン法により行つた。硫
酸アルキルの全残量はIL−2mg当り約42μgであ
つた。 この精製され酸化されたIL−2のPH7.5、5℃
及び室温における貯蔵安定性試験は、この物質が
長時間安定であることを示した(すなわち、IL
−2活性が変化しないで維持された)。 例 4 十分に還元されたDes−Ala IL−2ser125の酸化 Des−Ala IL−2ser125は、最初のN−末端アラ
ニン残基を欠いておりそして125位のシステイン
がセリンにより置き換えられていることにより天
然ヒトIL−2と異るアミノ酸配列を有するIL−
2である。この例において使用するDes−ala IL
−2ser125生産菌E.コリは1984年3月6日にATCC
No.3962Bとして寄託されている。 遺伝子操作したDes−ala IL−2ser125生産E.コ
リを増殖せしめ、細胞を破砕し、そして例2の一
般的方法を用いて破砕物から細胞片を回収した。
例2と同様にして4M尿素を用いて細胞片を抽出
した。得られたペーストを水性緩衝液に再懸濁
し、そしてSDSを用いて可溶化した。DTT、150
mMを溶液に加え、そしてPH8.5にて40℃に加熱
することによりIL−2を還元した。混合物を冷
却し、そしてそのPHを5.0に調整した。次に、溶
液を室温において、1mM DTTを含有する2
−ブタノールにより1:1の容量比で抽出した。
有機抽出液をS−200カラム上でクロマトグラフ
処理(例2と同様にして)し、そして次に緩衝液
Eを用いてG−25カラム上で処理した。 G−25プールを、例2の一般的方法により酸化
した。酸化の後、Vydac TR214パツキング、及
び1M酢酸中プロパノールの溶剤系(35〜60%プ
ロパノールグラジエント、200分間)を用いて酸
化生成物を精製した。次に、回収したIL−2を
50mM酢酸緩衝液、PH5.5、6mM EDTA0.1%
SDS中に稀釈し、そして2mM燐酸ナトリウム、
PH7.5緩衝液を用いるG−25カラムゲル過によ
りSDSを除去した。得られた、酸化され精製され
た生成物は非経口投与用製剤を形成するために適
当である。製剤化された組成物は貯蔵のために凍
結乾燥することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有用蛋白質中では分子内結合してシスチンを
    形成している十分に還元されたシステインを有し
    そして該有用蛋白質と実質上同一のアミノ酸配列
    を有する微生物に生産されたグリコシル化されて
    いない合成蛋白質を酸化し、こうすることによつ
    て過剰酸化と正しくない架橋のシスチン基又は合
    成蛋白質のオリゴマーの形成を最少にとどめなが
    ら前記システインを選択的に酸化して前記有用蛋
    白質に存在する状態のシスチンを形成することに
    よる蛋白質調製物の製造方法において、前記十分
    に還元された微生物的に生産された合成蛋白質の
    酸化を、水性媒体中、前記システインのpkaより
    少なくとも0.5PH単位低いPHにおいて、o−イオ
    ドソ安息香酸又はその塩を用いて行い、この場合
    において反応混合物中の合成蛋白質の濃度を5
    mg/mlより低くしそしてo−イオドソ安息香酸又
    はその塩と蛋白質とのモル比を少なくとも理論量
    的にし、但し反応の終点においてo−イオドソ安
    息香酸又はその塩が過剰に存在する、ことを特徴
    とする方法。 2 前記有用な蛋白質が有用な生物学的活性を有
    する天然蛋白質であり、そして前記分子内結合が
    該生物学的活性に必須であり又は該生物学的活性
    を増強する特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 前記蛋白質がIFN−β又はIL−2である特許
    請求の範囲第1項又は第2項のいずれか1項に記
    載の方法。 4 有用蛋白質中では分子内結合してシスチンを
    形成している十分に還元されたシステインを有し
    そして有用蛋白質と実質上同一のアミノ酸配列を
    有する微生物的に生産されたグリコシル化されて
    いない合成蛋白質から製造される、天然有用蛋白
    質と同一のジスルフイド橋を有するシスチン含有
    蛋白質を含んでなる調製物であつて、 (i) 該調製物が合成蛋白質のオリゴマーを実質上
    含まず;そして (ii) 該調製物中の天然有用蛋白質と異るジスルフ
    イド橋を有する異性体の含有量が15重量%より
    少ない; ことを特徴とする調製物。 5 前記合成蛋白質オリゴマーの含有量が1%よ
    り少ないことを特徴とする特許請求の範囲第4項
    記載の調製物。 6 前記合成蛋白質が生物学的に活性な蛋白質の
    合成ムテインであり、該生物学的に活性な蛋白質
    は、ジスルフイド結合を形成することができそし
    て前記生物学的活性のためには必須でない少なく
    とも一個のシステイン残基を有し、そして前記合
    成ムテインは前記システイン残基の少なくとも1
    つを欠いており又は該システイン残基が他のアミ
    ノ酸により置き代えられていることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項又は第5項に記載の調製
    物。 7 十分に還元されたシステインを有する微生物
    的に生産された合成IL−2から製造される、天
    然ヒトIL−2と同一のジスルフイド橋を有する
    シスチン含有IL−2を含んで成る調製物であつ
    て、 (i) 該調製物が合成IL−2のオリゴマーを実質
    上含有せず;そして、 (ii) 該調製物中の天然ヒトIL−2と異るジスル
    フイド橋を有する異性体の含有量が15重量%よ
    り少ない; ことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の調
    製物。 8 前記IL−2がdes−ala IL−2ser125である特
    許請求の範囲第7項記載の調製物。 9 十分に還元されたシステインを有する微生物
    的に生産されたグリコシル化されていない合成
    IFN−βから製造される、天然ヒトIFN−βと同
    一のジスルフイド橋を有するシスチン含有IFN−
    βから本質上成る調製物であつて、 (i) 該調製物が合成IFN−βのオリゴマーを実質
    上含有せず;そして、 (ii) 該調製物中の天然ヒトIFN−βと異るジスル
    フイド橋を有する異性体の含有量が15重量%よ
    り少ない; ことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の調
    製物。 10 前記IFN−βがIFN−βser17である特許請
    求の範囲第9項記載の調製物。
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