JPH0534775U - フアクシミリ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ファクシミリ装置において、画像信号を正しく
白黒２値化するための基準レベルを容易に設定できるよ
うにする。 【構成】基準レベルＳを閾値とし、撮像素子１１ａで読
み取ったアナログ画像信号を白黒２値化してデジタル画
像データを求める画像読取部１１と、予め用意したテス
トチャートＰ１（Ｐ２）を撮像素子１１ａで読み取らせ
てアナログ画像信号を求め、求めた画像信号が、テスト
チャートＰ１（Ｐ２）に対応して正しく白黒２値化され
たデジタル画像データに変換されるように基準レベルＳ
を変更設定させる信号処理部１０とを備えた構成とされ
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファクシミリ装置の改良に係り、更に詳しくは、画像信号を正しく 白黒２値化するための基準レベルを容易に設定できるようにしたことに特徴を有 したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、電話回線を介して画像情報を送受信するようにしたファクシミリ装置が 開発され使用されるようになってきたが、このようなファクシミリ装置では、図 ４に示したように、送信原稿Ｐを搬送ローラＲで副走査方向（矢印方向）に走査 しながら、照射光源１００で送信原稿Ｐを照射し、その反射光をミラーＭで反射 させレンズＤで集光して撮像素子１０１に加え、反射光量に応じたアナログ画像 信号を得るようにされている。そして、このようにして得られたアナログ画像信 号を、所定の基準レベルを閾値として２値化回路１０２で白黒２値化してデジタ ル画像データに変換し、変換されたデジタル画像データを符号化して送信するよ うにされている。

【０００３】 図５の（ａ）〜（ｃ）は、このようなファクシミリ装置において、送信原稿Ｐ から読み取られたアナログ画像信号がデジタル画像データに変換される様子を示 したもので、図５の（ａ）に示したように、送信原稿Ｐを走査ラインＣ１に沿っ て走査（主走査）すると図５の（ｂ）に示したアナログ画像信号が撮像素子１０ １から出力され、このアナログ画像信号を２値化回路１０２によって所定の基準 レベルＳを閾値として白黒２値化して図５の（ｃ）に示したデジタル画像データ を得るようになっている。

【０００４】 ところが、同一機種のファクシミリ装置では、上述した２値化回路１０２の基 準レベルＳが固定的に設定されているため、例えば、照射光源１００の光度が高 かったり、あるいは撮像素子１０１の感度が高いために、図６の（ｂ）に示した ように、撮像素子１０１から出力されるアナログ画像信号が白レベル側に変動す ると、本来黒画素であるべき部分が欠落した画像データが出力され、逆に、照射 光源１００の光度が低かったり、あるいは撮像素子１０１の感度が低いために、 図７の（ｂ）に示したように、撮像素子１０１から出力されるアナログ画像信号 が黒レベル側に変動すると、本来白画素であるべき部分が黒画素に誤変換された 画像データが出力されることになり、ファクシミリ装置毎の照射光源１００の光 度や撮像素子１０１の感度などの部品のばらつきを補償する手だてがなく、品質 の安定した商品を製造するうえで問題となっていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、画像信号を正しく白黒２値化す るための基準レベルを容易に設定できるようにし、これによって、画像の読取精 度を向上させ、品質を安定させたファクシミリ装置を提供することを目的として いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために提案される本考案は、基準レベルを閾値とし、撮像 素子で読み取ったアナログ画像信号を白黒２値化してデジタル画像データを求め る画像読取部と、予め用意したテストチャートを上記撮像素子で読み取らせてア ナログ画像信号を求め、求めた画像信号が、テストチャートに対応して正しく白 黒２値化されたデジタル画像データに変換されるように上記基準レベルを変更設 定させる信号処理部とを備えた構成とされている。

【０００７】

【作用】

本考案のファクシミリ装置では、信号処理部では、予め用意されたテストチャ ートを画像読取部の撮像素子で読み取らせてアナログ画像信号を求め、求めたア ナログ画像信号が、テストチャートに対応して正しく白黒２値化されたデジタル 画像データに変換されるように、基準レベルを変更設定させる。 このため、同じ画像を読み取っても、部品などのばらつきによって各ファクシ ミリ装置毎にアナログ画像信号レベルが異なるような場合でも、正しいデジタル 画像データを得るための基準レベルを自動的に設定させることが可能となり、高 精度の画像読取を実現させ、商品の品質を安定させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下に、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案のファクシミリ装置１の構成例を示したもので、図において、 １０は各部の信号処理を行う信号処理部、１１は送信原稿の画像情報を読み取っ て画像データに変換する画像読取部、１２は後述するようにラインセンサ１１ａ で読み取られたアナログ画像信号をデジタルデータに変換するレベル変換部（本 実施例では、Ａ／Ｄ変換回路を用いている）、１３は各種の操作キー（不図示） を有したキー操作部、１４は後述する基準レベル設定モードに切り換えるための モード切換部である。また、１５はＲＯＭ１５ａとＲＡＭ１５ｂとを有したシス テムメモリ、１６は受信した画像データなどを記録紙に印字させる印字出力部、 １７は電話回線Ｌを介して画像データなどを送受信する送受信制御部である。

【０００９】 画像読取部１１は、送信原稿を１ライン毎に走査してアナログ画像信号を求め る撮像素子で成るラインセンサ１１ａと、信号処理部１０から伝送されるデジタ ルデータを保持するとともに、デジタルデータに基づいたアナログ電圧を基準レ ベルとして保持出力する基準レベル設定部１１ｃと、ラインセンサ１１ａで得ら れたアナログ画像信号を基準レベル設定部１１ｃで設定された基準レベルを閾値 として白黒２値化してデジタル画像データを得る２値化回路１１ｂとを有してい る。

【００１０】 このような構成の本考案のファクシミリ装置１の動作を、図２の（ａ）〜（ｃ ）に示した動作説明図を参照して述べる。 キー操作部１３のモード切換キー（不図示）を操作すると、モード切換部１４ によって、通常モードから基準レベル設定モードに切り換えられる。 図２の（ａ）に示したテストチャートＰ１（ラインセンサ１１ａが読取可能な 最小幅Ｗの黒線と白線とを交互にストライプ状に描いたチャート）を画像読取部 １１にセットしてラインセンサ１１ａで走査線Ｃ１に沿って画像情報の読み取り を行うと、図２の（ｂ）に示したアナログ画像信号が得られる。このようにして 得られたアナログ画像信号は、レベル変換部１２でアナログレベルに対応したデ ジタルデータに変換されて信号処理部１０に伝送され、信号処理部１０は伝送さ れたデジタルデータを一時的にＲＡＭ１５ｂに記憶させる。 信号処理部１０では、ＲＡＭ１５ｂに記憶されたデジタルデータを解析し、幅 Ｗの黒線を読み取ることによって得られたアナログ画像信号の極小レベルＳＢと 、幅Ｗの白線を読み取ることによって得られたアナログ画像信号の極大レベルＳ Ｗとを求め、これらのアナログ画像信号レベルＳＢとＳＷとの平均値を基準レベ ルＳとして算出する。（Ｓ＝（ＳＷ＋ＳＢ）／２）。 信号処理部では、求めた基準レベルＳのデジタルデータを画像読取部１１の基 準レベル設定部１１ｃに伝送し、デジタルデータに対応したアナログ基準レベル を保持出力させる。 このようにして基準レベルの設定が終了した後に、キー操作部１３のモード切 換キーを再度操作すると、通常モードに切換設定され、以降は、画像読取部１１ では、基準レベル設定部１１ｃで設定された基準レベルＳを閾値として、ライン センサ１１ａで読み取ったアナログ画像信号を２値化回路１１ｂで白黒２値化し たデジタル画像データを求めて信号処理部１０に伝送する画像読取動作を行う。

【００１１】 ここで、上記の処理において、アナログ画像信号レベルＳＢとＳＷの平均値 を基準レベルＳとしたのは、例えば、黒線の幅がＷよりも減少するに連れてアナ ログ信号レベルＳＢが上昇する一方、白線の幅がＷよりも減少するに連れてアナ ログ信号レベルＳＷが低下するため、これらの線幅減少の発生確立が等しいもの としてその中間値（平均値）を基準レベルＳとし、これによって、可能な限り正 しいデジタル画像データを得る（分解能を最大にする）ことができるようにする ためである。

【００１２】 このように、本考案によれば、テストチャートを読み取って得られたアナログ 画像データが、正しく白黒２値化されたデジタル画像データに変換されるように 、基準レベルＳが自動的に設定されるので、ラインセンサ１１ａの感度のばらつ きなどによってアナログ画像信号レベルが変動した場合であっても、ファクシミ リ装置毎に、高精度の画像読取動作を行うことが可能となる。

【００１３】 尚、上記説明では、テストチャートＰ１に、読取可能な最小幅Ｗの黒線および 白線を交互にストライプ状に描いたものを用いているが、このようなテストチャ ート以外にも、例えば、図３の（ａ）に示したように、読取可能な１本の最小幅 Ｗの黒線と、同じく、読取可能な最小幅Ｗの白線の描かれたテストチャートＰ２ を用いて、黒線を撮像素子で読み取って得られたアナログ画像信号レベルＳＢ’ と、白線を撮像素子で読み取って得られたアナログ画像信号レベルＳＷ’とを求 め、これらの平均値を基準レベルＳ’として算出するような構成とすることも可 能である。（図３の（ｂ），（ｃ）参照）。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案のファクシミリ装置によれば、予め 用意したテストチャートを読み取らせるだけで、画像信号を正しく白黒２値化さ れた画像データに変換するための最適な基準レベルが自動的に設定されるので、 ファクシミリ装置毎の部品のばらつきなどに伴って画像の読取精度が低下するこ とを未然に防止でき、商品の品質を安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のファクシミリ装置の構成例図である。

【図２】（ａ）〜（ｃ）は、テストチャートを読み取る
ことによって基準レベルを設定する場合の説明図であ
る。

【図３】（ａ）〜（ｃ）は、別のテストチャートを読み
取ることによって基準レベルを設定する場合の説明図で
ある。

【図４】送信原稿の画像を読み取って画像データを得る
構成を模式的に示した説明図である。

【図５】（ａ）〜（ｃ）は、送信原稿の画像を読み取っ
て白黒２値化した画像データを得る説明図である。

【図６】（ａ）〜（ｃ）は、送信原稿の画像を読み取っ
て白黒２値化した画像データを得る場合において、画像
データが欠落する状況の説明図である。

【図７】（ａ）〜（ｃ）は、送信原稿の画像を読み取っ
て白黒２値化した画像データを得る場合において、画像
データが誤変換される状況の説明図である。

【符号の説明】

１・・・ファクシミリ装置 １０・・・信号処理部 １１・・・画像読取部 １１ａ・・・撮像素子（ラインセンサ） Ｐ１，Ｐ２・・・テストチャート Ｓ，Ｓ’・・・基準レベル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基準レベルを閾値とし、撮像素子で読み取
   ったアナログ画像信号を白黒２値化してデジタル画像デ
   ータを求める画像読取部と、予め用意したテストチャー
   トを上記撮像素子で読み取らせてアナログ画像信号を求
   め、求めた画像信号が、テストチャートに対応して正し
   く白黒２値化されたデジタル画像データに変換されるよ
   うに上記基準レベルを変更設定させる信号処理部とを備
   えたファクシミリ装置。