JPH05347512A - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

温度補償型水晶発振器

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JPH05347512A
JPH05347512A JP15343392A JP15343392A JPH05347512A JP H05347512 A JPH05347512 A JP H05347512A JP 15343392 A JP15343392 A JP 15343392A JP 15343392 A JP15343392 A JP 15343392A JP H05347512 A JPH05347512 A JP H05347512A
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JP
Japan
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temperature
crystal oscillator
circuit
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crystal
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JP15343392A
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English (en)
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Takao Watabe
隆夫 渡部
Kazunari Matsumoto
一成 松本
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周波数偏差が許容値を超えない小型の水晶発
振器を提供する。 【構成】 ATカット水晶振動子11を含む水晶発振回
路55の近傍に温度センサ50を配し、その検出温度を
温度符号化回路51にてデジタルの温度データに変換す
るとともに、この温度データに基づく補正値信号をV−
C変換回路56に導いて水晶振動子11の発振周波数の
補正を行う水晶発振器において、温度符号化回路51の
入出力特性を、水晶振動子11の単位温度当りの周波数
変化率が最大となる温度近傍にてその勾配が最大となる
疑似三次曲線特性又はその曲線特性と近似する複数勾配
の一次直線特性となした。 【効果】 温度データを得る際に、周波数変化率が急峻
な領域では温度が細分化され、量子化ビット数を低減さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルラーや車載無線機
に用いられる温度補償水晶発振器に関し、より詳細に
は、温度情報のアナログ/デジタル変換手段に特徴を有
する水晶発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】ATカット水晶振動子は、その周波数温
度特性が三次曲線であり、広範囲にわたって高性能が得
られることは周知である。図3は、この種のATカット
水晶振動子の周波数偏差−温度特性図であり、11〜1
8は、夫々カット角度の異なるATカット水晶振動子の
場合を示す。
【0003】一般に、ATカット水晶振動子の周波数偏
差(ΔF/F0)は(1)式で表される。
【0004】
【数1】 ΔF/F0=A0(T−25)3+B0(T−25)[ppm]・・・・・(1) ここに、A0はカットのばらつきに依存する三次係数
で、値としては概ね9〜10×10-5となる。また、B
0は主としてカット角度に依存する一次係数で、値とし
ては概ね−2〜−4.5×10-1となる。尚、Tは温度
[℃]を表す。
【0005】ところで、セルラーや車載無線機では、周
波数偏差(ΔF/F0)の許容値が非常に小さく、例え
ば、図4に示す例では−35℃〜+85℃の温度範囲で
は±0.5[ppm]以内である。したがって、図3に
示した特性の水晶振動子は、いずれも許容範囲外とな
る。そこで、上記用途においては、ATカット水晶振動
子を含む発振回路に温度補償回路を設けて温度補償型水
晶発振器となし、周波数偏差の変動が許容値内に収まる
ように制御しているのが通常である。
【0006】図5は、従来の温度補償型水晶発振器のブ
ロック構成図であり、図中、50は温度センサ、51は
温度符号化回路、52は補正値信号発生回路、53はデ
ータ設定回路、54はLPF(Low pass Filter)を内蔵
したデジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回
路と称する。)、55は水晶発振回路を表す。
【0007】水晶発振回路55は、図3の特性を有する
特定のATカット水晶振動子11と、バラクタダイオー
ド等の電圧−静電容量変換回路(以下、V−C変換回路
と称する。)と、発振部回路及び外部回路とのインター
フェースをなす出力回路57とを有している。また、5
8はシーケンサ部、59はCR発振器である。なお、C
R発振器59は図5の出力の分周で代えるときもある。
【0008】次に、上記構成の水晶発振器の動作を簡単
に説明する。
【0009】いま、V−C変換回路56において、バラ
クタダイオード(CV)の入力逆方向電圧vがD/A変
換回路54の可変可能範囲のほぼ中央v0にあるものと
し、この電圧v0に対応する等価容量をCV0とすると、
このときの発振器出力周波数F0は(2)式のようになる。
【0010】
【数2】
【0011】(2)式において、CAはバラクタダイオード
(CV)の感度を調整する並列容量であり、その温度係
数を便宜上、”0”(温度変化の影響を受けない)とす
る。また、CKは出力回路57の入力端容量であり、こ
れも温度係数を”0”とする。更に、FS,C0,rは水
晶振動子11の等価定数であり、夫々、直列共振子周波
数、並列容量、容量比(C0/CL)を表す。
【0012】ここで、温度補償型水晶発振器の環境温度
が例えば−25℃から+62℃まで上昇した場合を考え
る。この場合、水晶振動子11の周波数偏差は、図3に
よれば−10.5[ppm]となる。温度センサ50は
このときの温度を検出して温度符号化回路51に送る。
【0013】温度符合化回路51は、検出温度を表すア
ナログ信号を入力して該入力値に対応するデジタル温度
データを出力する回路であり、具体的には、検出温度を
(アナログ)電圧に変換する温度/電圧変換部と、変換
後の電圧を所定レベルに増幅する増幅部と、該電圧値に
対応するデジタル信号を出力するアナログ/デジタル変
換部(A/D変換部)とを備えている。A/D変換部
は、図6に示すように、アナログ入力(検出温度T)6
1に対応するデジタル出力(温度データDa)62が比
例関係となる比例直線特性を有しており、上記62℃の
検出温度に対応する温度データDaを補正値信号発生回
路52に送る。
【0014】補正値信号発生回路52には、E2−PR
OM(電気的消去可能ROM)やフラッシュROM、あ
るいはワンタイムROM等の記憶デバイスが備えられて
おり、水晶振動子11〜18の種類毎に、アドレスデー
タとなるデジタル温度データDaと該温度データに対応
するデジタル補正値信号DV1(後述)とがデータ設定回
路55により書き込まれている。この補正値信号発生回
路52では、前記62℃の温度データDaに対応すアド
レスから補正値信号DV1を読み出してD/A変換回路5
4に送る。
【0015】D/A変換回路54では、この補正値信号
V1をアナログ化し、LPFを通してV−C変換回路5
6に送る。そしてここで補正値信号DV1に対応する逆方
向電圧v1 がバラクタダイオードに印加される。
【0016】バラクタダイオードの逆方向電圧がv0
らv1 に増えると、その等価容量は逆方向電圧に対応し
て小さくなる。このときの等価容量をCV1とする。上記
(2)式を参照すると、バラクタダイオードの等価容量
(CV0)が小さくなるにつれて発振器出力周波数(F
0 )が高くなることがわかる。例えば上記の例では、発
振器出力周波数をF1 とすると、
【0017】
【数3】 ΔF/F0 =(F1 −F0 )/F0 =−10.5[ppm] であったことになる。したがって、この発振器出力周波
数F1 が限りなくF0 に近付くようにバラクタダイオー
ドの等価容量CV1を調整すれば、温度補償がなされるこ
とになる。
【0018】このときの等価容量CV1は(4)式より求ま
る。
【0019】
【数4】
【0020】この等価容量をCV1とする逆方向電圧v1
の源データとなるのが前述の補正値信号DV1である。
【0021】なお、上記一連の動作は、シーケンサ部5
8により制御される。即ち、CR発振器59から出力さ
れるクロックを基準としてシーケンサ部58では、温度
符号化回路51から補正値信号発生回路52への温度デ
ータ出力タイミング、補正値信号発生回路52からD/
A変換回路54へのデータ出力タイミングを決定する新
たなクロック信号を生成する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
水晶発振器において、適正な温度補償を行うためには以
下の条件を満足することが前提となる。
【0023】(1)温度センサ50が水晶発振回路55
の温度を遅れなく正確に検出すること。
【0024】(2)温度符号化回路51が充分小さな量
子化誤差にてA/D変換を行うこと。例えば0.125
[℃/dig(digは単位デジタル量、以下同じ)]以
上の精度で量子化するには少なくとも10ビット
(210)のデータ長が必要となる。
【0025】(3)補正値信号発生回路52から出力さ
れる補正値信号は充分なデータ長を持つこと。例えば
0.05[ppm/dig]以上の精度で補正する場合に
は、少なくとも9ビット(29)のデータ長が必要とな
る。
【0026】(4)D/A変換回路54では誤差の小さ
な変換を行うこと。
【0027】(5)シーケンサ部58は周囲温度の変化
率とジッタとを考慮した処理タイミングを持つこと。
【0028】このような条件を全て満たすには、各部品
を上記データ長(ビット数)に対応した構成にしなけれ
ばならず、また、別途補正回路等が必要となる。そのた
め、発振器寸法が大型化し、また、高価なものとなる。
車載用無線機では、少なくとも水晶発振器を小型にする
ことが使命であり、そのためには、温度符号化回路51
のデータ長を8ビット程度に抑え、これに伴う補正値信
号発生回路52の記憶デバイスの容量削減等の措置を講
ずる必要がある。しかし、そうすると、下記のような二
つの問題があった。
【0029】まず、量子化精度が低下し、周波数急変を
伴う問題が挙げられる。いま、温度符号化回路51のデ
ータ長を8ビットとして−35℃〜+85℃の範囲をカ
バーしようとすると、各温度データDaは0.5[℃/
dig]となる。この場合、前記(1)式から求まる周波数偏
差の変化率、即ち周波数変化率は、下記に示す(5)式の
ようになり、例えば図3に示したある水晶振動子14の
場合には、図7のように下方に凸部を有する二次曲線と
なる。
【0030】
【数5】
【0031】一方、全水晶振動子11〜18の場合につ
いてみると、周波数変化率が最大になるのは水晶振動子
18であり、この場合の−35℃,85℃における値は
次のようになる。
【0032】
【数6】
【0033】この場合、1dig当りの変化は(6)式の
ようになり、目標偏差の最大値0.5[ppm]を明ら
かに超える。
【0034】
【数7】
【0035】更に、最悪の場合には2dig近い温度変
化を伴う場合もあり、この場合には1.2[ppm]と
なって大きく目標偏差幅を超える。
【0036】もう一つはジッタの問題である。データ長
が8ビットの場合は、前述のように、温度ステップが
0.5[℃/dig]であるから、(6)式から明らかなよう
に、最大0.6[ppm]のジッタが発生する。この場
合、D/A変換回路54のLPFの効果が10ビットの
場合と同様にあるとしても、そのジッタ量は2ビット削
減の影響で4倍(22 )となる。したがって、この場合
も目標偏差幅を超える。
【0037】本発明は、かかる背景の下になされたもの
で、その目的とするところは、温度変化による周波数変
動補償を適切に行い得る温度補償型水晶発振器を提供す
ることにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、温度変化に対応してその周波数偏差が
変化するATカット水晶振動子を含む水晶発振回路と、
前記水晶振動子近傍の温度を検出する温度センサと、検
出温度を表すアナログ信号を入力して該入力値に対応す
るデジタル温度データを出力する温度符号化回路と、該
温度データに基づく補正値信号を前記水晶発振回路に導
いて発振周波数の補正を行う発振周波数補正手段とを少
なくとも備えてなる温度補償型水晶発振器において、前
記温度符号化回路の入出力特性を、前記ATカット水晶
振動子の単位温度当りの周波数変化率が最小となる温度
近傍にてその勾配が最小となり、単位温度当りの周波数
変化率が最大となる温度近傍にてその勾配が最大となる
疑似三次曲線特性となしたものである。
【0039】なお、該温度符号化回路の入出力特性を、
前記疑似三次曲線特性と近似する複数勾配の一次直線特
性としても良い。
【0040】
【作用】温度符号化回路の入出力特性を疑似三次曲線と
なすことで、ATカット水晶振動子の周波数温度特性に
対応した温度データが出力される。即ち、該疑似三次曲
線の勾配が大きい領域では、1dig当たりの温度が小
さくなり、僅かな温度変化でも異なる温度データが出力
される。したがって、この領域ではA/D変換部のビッ
ト数を多くした場合と同様に作用し、発振周波数の補正
が頻繁になされる。
【0041】他方、単位温度当りの周波数変化率が最小
となる領域では1dig当たりの温度を大きくしても実
際上は支障がない。
【0042】なお、上記作用は、疑似三次曲線特性に近
似する複数の勾配を有する直線特性とした場合も同様と
なる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、本発明の温度補償型水晶発振器は、従来の
ものと同一の構成部品を有するので、各構成部品につい
ては図5に示した名称及び符号をそのまま用いて説明す
る。
【0044】本実施例は、従来の温度補償型水晶発振器
において、温度符号化回路51(A/D変換部)の入出
力特性を改良したものである。
【0045】図1は本実施例による入出力特性図であ
り、横軸は検出温度[℃]、縦軸は温度データを表す。
この図では、図3に示した特性を有する平均的なATカ
ット水晶振動子14の例を示している。即ち、図3を参
照すると、水晶振動子14の単位温度当りの周波数変化
【0046】
【数8】
【0047】が最小となるのは−10℃と60℃、他
方、単位温度当りの周波数変化率
【0048】
【数9】
【0049】が最大となるのは、−35℃と85℃の温
度近傍である。しかも、周波数偏差(ΔF/F0)の変
化は前記(1)式より明らかなように三次曲線となってい
る。
【0050】そこで、温度符号化回路51の入出力特性
を、−35℃と85℃の温度近傍にてその勾配が最大と
なり、且つ、−10℃と60℃の温度近傍にてその勾配
が最小となる疑似三次曲線特性となしたものである。具
体的には、三次曲線の変曲点温度T1
【0051】
【数10】
【0052】の場合に、−T1〜T1間、図1の例では−
10℃〜60℃間は負符号つきで写像し、それから先は
夫々通常の三次曲線をつないだ形の写像とする。
【0053】例えば、図1において、横軸の検出温度T
が−35℃及び85℃の場合の縦軸Yの温度データを夫
々K、−Kとすると、−10℃≦T≦60℃の領域で
は、(8)式の関数式で表される曲線とする。
【0054】
【数11】
【0055】また、60℃≦T≦85℃の領域では、
(9)式の関数式で表される曲線とする。
【0056】
【数12】
【0057】更に、−35℃≦T≦−10℃の領域で
は、(10)式の関数式で表される曲線とする。
【0058】
【数13】
【0059】入出力特性を上記のようにすると、図1の
曲線勾配が大きい−35℃、85℃の領域では、1di
g当たりの温度が小さくなり、僅かな温度変化でも異な
る温度データDaが出力される。これにより、あたかも
量子化ビット数が増加したように作用する。例えば、こ
れら温度領域における勾配が従来の比例直線特性の1.
5倍であったとすると、1dig当たりの温度は0.3
3℃となり、(6)式に対応する周波数偏差は0.4[p
pm]となる。したがって、A/D変換部が8ビット量
子化の場合であっても、目標偏差の最大値を超えなくな
り、従来の量子化精度の低下及びジッダの問題が解消さ
れる。
【0060】他方、図1の曲線勾配が小さい領域では、
1dig当たりの温度が大きくなるが、この温度領域で
は周波数変化率が小さいので、実際上は全く支障がな
く、該変化率に対応した頻度で温度データDaが出力さ
れる。
【0061】このような疑似三次曲線特性は、検出温度
Tに対応するA/D変換部の出力アドレスYを(8)〜(1
0)式を満足するような形で作成することで容易に実現で
きる。
【0062】なお、上記入出力特性を、前記疑似三次曲
線特性と近似する複数勾配の一次直線特性としても良
い。図2はこの場合の入出力特性を図示したものであ
り、例えば−35℃〜85℃間を五つの温度領域に分割
し、各温度領域で下記に示すように一次関数で形成する
疑似三次曲線の条件に近い実施例を示す。
【0063】
【数14】Y=K(T−5)/40 ・・・・・ (11)
(−35℃≦T≦−25℃)
【0064】
【数15】Y=K(T−65)/120 ・・・・ (12)
(−25℃≦T≦5℃)
【0065】
【数16】Y=K(T−25)/40 ・・・・・・(13)
(5℃≦T≦45℃)
【0066】
【数17】Y=K(T+15)/120 ・・・・・(14)
(45℃≦T≦75℃)
【0067】
【数18】Y=K(T−45)/40 ・・・・・・(15)
(75℃≦T≦85℃) このような一次直線特性によれば、疑似三次曲線の場合
とほぼ同様の効果が得られる。しかも、検出温度Tに対
応するA/D変換部の出力アドレスYを等分刻みにする
ことができるので、その作成が疑似三次曲線特性の場合
よりも容易であり、安定性のみに注目すれば良いので、
より一般的な手段となり得る。
【0068】なお、上記(11)〜(15)式は一例であって、
温度領域をより細分割することで、疑似三次曲線特性に
更に近似させることができる。
【0069】また、図1及び図2は平均的なATカット
水晶振動子14を含んでなる発振回路55の例である
が、他の水晶振動子11〜13、15〜18の場合にも
同様に適用することができるのは勿論である。この場合
は、水晶振動子毎に変曲温度T1を図3に従って算定
し、(8)〜(15)式の定数(温度条件)を変えることで、
各水晶振動子固有の疑似三次曲線特性又は一次直線特性
を得る。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
温度補償型水晶発振器では、温度符号化回路の入出力特
性を、ATカット水晶振動子の単位温度当りの周波数変
化率が最小となる温度領域にてその勾配が最小となり、
単位温度当りの周波数変化率が最大となる温度領域にて
その勾配が最大となる疑似三次曲線特性としたので、周
波数偏差の変化率の大きい領域では対応する温度を細分
化することができ、あたかも量子化ビット数を増加した
ような効果が得られる。これにより、温度符号化回路を
含めたデータ処理回路のビット数、データ長を小さくす
ることができ、記憶デバイスのメモリ容量も節約される
ので、その小型化、低価格化を図ることができる。
【0071】また、上記疑似三次曲線特性と近似する複
数勾配の一次直線特性にて代用することで、特性形成が
極めて容易となり、製造コストが格段に低下する。
【0072】このように、本発明によれば、カット角度
のずれやバラツキにより周波数温度特性が夫々異なるA
Tカット水晶振動子を用いても、各特性に応じた温度補
償が容易になされるので、水晶振動子の有効利用が図
れ、且つ、周波数偏差の許容範囲の厳格な用途において
も使用可能な小型の温度補償型水晶発振器を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による温度符号化回路の入出
力特性図(疑似三次曲線特性図)である。
【図2】本発明の他の実施例による温度符号化回路の入
出力特性図(一次直線特性図)である。
【図3】一般的なATカット水晶振動子の周波数偏差−
温度特性図である。
【図4】セルラー等の許容周波数偏差の説明図である。
【図5】本発明が適用される従来の温度補償型水晶発振
器のブロック構成図である。
【図6】従来の温度符号化回路の入出力特性図(比例直
線特性図)である。
【図7】平均的なATカット水晶振動子における周波数
偏差の変化率特性図である。
【符号の説明】
11〜18…ATカット水晶振動子 50…温度センサ 51…温度符号化回路 52…補正値信号発生回路 53…データ設定回路 54…D/A変換回路 55…水晶発振回路 56…V−C変換回路 57…発振部回路及び出力回路 58…シーケンサ部 59…CR発振器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化に伴いその周波数偏差が変化す
    るATカット水晶振動子を含む水晶発振回路と、前記水
    晶振動子近傍の温度を検出する温度センサと、検出温度
    を表すアナログ信号を入力して該入力値に対応するデジ
    タル温度データを出力する温度符号化回路と、該温度デ
    ータに基づく補正値信号を前記水晶発振回路に導いて発
    振周波数の補正を行う発振周波数補正手段とを少なくと
    も備えてなる温度補償型水晶発振器において、 前記温度符号化回路の入出力特性を、前記ATカット水
    晶振動子の単位温度当りの周波数変化率が最小となる温
    度近傍にてその勾配が最小となり、単位温度当りの周波
    数変化率が最大になる温度近傍にてその勾配が最大とな
    る疑似三次曲線特性となしたことを特徴とする温度補償
    型水晶発振器。
  2. 【請求項2】 前記温度符号化回路の入出力特性を、前
    記疑似三次曲線特性と近似する複数勾配の一次直線特性
    となしたことを特徴とする請求項1記載の温度補償型水
    晶発振器。
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