JP3189386B2 - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

温度補償型水晶発振器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルラーや車載無線機
に用いられる温度補償水晶発振器に関し、より詳細に
は、補償データのデジタル/アナログ変換手段に特徴を
有する水晶発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】ATカット水晶振動子は、その周波数温
度特性が三次曲線であり、広範囲にわたって高性能が得
られることは周知である。図3は、この種のATカット
水晶振動子の周波数偏差−温度特性図であり、11〜1
8は、夫々カット角度の異なるATカット水晶振動子の
場合を示す。
【0003】一般に、ATカット水晶振動子の周波数偏
差(ΔF/F0)は、下記の(1)式により表される。
【0004】
【数1】 ΔF/F0=A0(T−25)3+B0(T−25)[ppm]・・・・・(1) ここに、A0はカットのばらつきに依存する三次係数
で、値としては概ね9〜10×10-5となる。また、B
0は主としてカット角度に依存する一次係数で、値とし
ては概ね−2〜−4.5×10-1となる。尚、Tは温度
[℃]を表す。
【0005】ところで、セルラーや車載無線機では、周
波数偏差(ΔF/F0)の許容値が非常に小さく、例え
ば、図4に示す例では−35℃〜+85℃の温度範囲で
は±0.5[ppm]以内である。したがって、図3に
示した特性の水晶振動子は、いずれも許容範囲外とな
る。そこで、上記用途においては、ATカット水晶振動
子を含む発振回路に温度補償回路を設けて温度補償型水
晶発振器となし、周波数偏差の変動が許容値内に収まる
ように制御しているのが通常である。
【0006】図5は、従来の温度補償型水晶発振器のブ
ロック構成図であり、図中、50は温度センサ、51は
温度符号化回路、52は補正値信号発生回路、53はデ
ータ設定回路、54はLPF(Low pass Filter)を内蔵
したデジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回
路と称する。)、55は水晶発振回路を表す。
【0007】水晶発振回路55は、図3の特性を有する
特定のATカット水晶振動子11と、バラクタダイオー
ド等の電圧−静電容量変換回路(以下、V−C変換回路
と称する。)と、発振部回路及び外部回路のインターフ
ェースをなす出力回路57とを有している。また、58
はシーケンサ部、59はCR発振器であり、上記温度符
号化回路51及び補正値信号発生回路52におけるデー
タ処理タイミングを制御するタイミング制御手段を構成
している。なお、CR発振器59は図5の構成の出力の
分周で代えるときもある。
【0008】次に、上記構成の水晶発振器の動作を簡単
に説明する。
【0009】いま、V−C変換回路56において、バラ
クタダイオード(CV)の入力逆方向電圧vがD/A変
換回路54の可変可能範囲のほぼ中央v0にあるものと
し、この電圧v0に対応する等価容量をCV0とすると、
このときの発振器出力周波数F0は(2)式のようになる。
【0010】
【数2】
【0011】(2)式において、CAはバラクタダイオード
(CV)の感度を調整する並列容量であり、その温度係
数を便宜上、”0”(温度変化の影響を受けない)とす
る。また、CKは回路57の入力端容量であり、これも
温度係数を”0”とする。更に、FS,C0,rは水晶振
動子11の等価定数であり、夫々、直列共振子周波数、
並列容量、容量比(C0/CL)を表す。
【0012】ここで、温度補償型水晶発振器の環境温度
が例えば−25℃から+62℃まで上昇した場合を考え
る。この場合、水晶振動子11の周波数偏差は、図3に
よれば−10.5[ppm]となる。温度センサ50は
このときの温度を検出して温度符号化回路51に送る。
温度符合化回路51では、検出温度を表すアナログ信号
を入力して該入力値に対応するデジタルの温度データD
aを生成し、これをアドレスデータとして補正値信号発
生回路52に送る。
【0013】補正値信号発生回路52には、E2−PR
OM(電気的消去可能ROM)やフラッシュROM、あ
るいはワンタイムROM等の記憶デバイスが備えられて
おり、水晶振動子11〜18の種類毎に、温度データD
aと該温度データに対応する補正値信号DV1(後述)と
がデータ設定回路55により書き込まれている。この補
正値信号発生回路52では、前記62℃の温度データD
aに対応する補正値信号DV1を読み出してD/A変換回
路54に送る。
【0014】D/A変換回路54では、この補正値信号
V1をアナログ化し、LPFを通してV−C変換回路5
6に送る。そしてここで補正値信号DV1に対応する逆方
向電圧v1 がバラクタダイオードに印加される。
【0015】バラクタダイオードの逆方向電圧がv0
らv1 に増えると、その等価容量は逆方向電圧に対応し
て小さくなる。このときの等価容量をCV1とする。上記
(2)式を参照すると、バラクタダイオードの等価容量
(CV0)が小さくなるにつれて発振器出力周波数(F
0 )が高くなることがわかる。例えば上記の例では、発
振器出力周波数をF1 とすると、
【0016】
【数3】 ΔF/F0 =(F1 −F0 )/F0 =−10.5[ppm] であったことになる。したがって、この発振器出力周波
数F1 が限りなくF0 に近付くようにバラクタダイオー
ドの等価容量CV1を調整すれば、温度補償がなされるこ
とになる。
【0017】このときの等価容量CV1は(4)式より求ま
る。
【0018】
【数4】
【0019】この等価容量をCV1とする逆方向電圧v1
の源データとなるのが前述の補正値信号DV1である。
【0020】なお、上記一連の動作は、シーケンサ部5
8により制御される。即ち、CR発振器59から出力さ
れるクロックを基準としてシーケンサ部58では、温度
符号化回路51から補正値信号発生回路52への温度デ
ータ出力タイミング、補正値信号発生回路52からD/
A変換回路54へのデータ出力タイミングを決定する新
たなクロック信号を生成し、夫々各回路51〜52に出
力する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5の構成
の水晶発振器において、適正な温度補償を行うためには
以下の条件を満足することが前提となる。
【0022】(1)温度センサ50が水晶発振回路55
の温度を遅れなく正確に検出すること。
【0023】(2)温度符号化回路51が充分小さな量
子化誤差にてA/D変換を行うこと。例えば0.125
[℃/dig(digは単位デジタル値、以下同じ)]以
上の精度で量子化するには少なくとも10ビット
(210)のデータ長が必要となる。
【0024】(3)補正値信号発生回路52から出力さ
れる補正値信号は充分なデータ長を持つこと。例えば
0.05[ppm/dig]以上の精度で補正する場合に
は、少なくとも9ビット(29)のデータ長が必要とな
る。
【0025】(4)D/A変換回路54では誤差の小さ
な変換を行うこと。
【0026】(5)シーケンサ部58は周囲温度の変化
率とジッタとを考慮した処理タイミングを持つこと。
【0027】このような条件を全て満たすには、各部品
を上記ビット数に対応した構成にしなければならず、ま
た、別途補正回路等が必要となる。そのため、発振器寸
法が大型化し、また、高価なものとなる。車載用無線機
では、少なくとも水晶発振器を小型にすることが使命で
あり、そのためには、温度符号化回路51のデータ長を
現在の10ビットから8ビットに削減し、これに伴い補
正値信号発生回路52のデータ長も現在の9ビットから
8ビット程度に抑える等の措置を講ずる必要がある。特
にデータ長の8ビット化は、良く使われている逐次比較
型コンバータ回路を採用することができるので、その効
果が大きい。
【0028】しかしながら、データ長を夫々8ビットに
すると、下記のような二つの問題を生じていた。
【0029】まず、量子化精度が低下し、周波数補正幅
が大きくなる問題が挙げられる。いま、温度符号化回路
51のデータ長を8ビットとして−35℃〜+85℃の
範囲をカバーしようとすると、各温度データDaが表す
温度ステップは、従来の0.125[℃/dig]の4
倍(22)、即ち0.5[℃/dig]となる。したがっ
て、周波数補正幅も4倍となり、補正の際に発振周波数
が急変する。この場合、前記(1)式から求まる周波数偏
差の変化率、即ち周波数変化率は、(5)式のようにな
り、例えば図3に示した平均的な水晶振動子14の場合
には、図6に示すように、下方に凸部を有する二次曲線
となる。
【0030】
【数5】
【0031】一方、全水晶振動子11〜18の場合につ
いてみると、周波数偏差の変化率が最大になるのは水晶
振動子18であり、この場合の−35℃,85℃におけ
る値は次のようになる。
【0032】
【数6】
【0033】この場合、1dig当りの変化は下記の
(6)式で表され、目標偏差の最大値0.5[ppm]を
明らかに超える。
【0034】
【数7】
【0035】更に、最悪の場合には2dig近い温度変
化を伴う場合もあり、この場合には1.2[ppm]と
なって大きく目標偏差幅を超える。
【0036】もう一つはジッタの問題である。データ長
が8ビットの場合は、前述のように、温度ステップが
0.5[℃/dig]であるから、検出温度がハザー点にあ
るときは、(6)式から明らかなように最大0.6[pp
m]のジッタが発生する。この場合、D/A変換回路5
4のLPFの効果が10ビットの場合と同様にあるとし
ても、そのジッタ量は2ビット削減の影響で4倍(2
2 )となる。したがって、この場合も目標偏差幅を超え
る。
【0037】また、上記データ長の8ビット化による問
題の外、電源供給直後の発振周波数変動の問題があっ
た。即ち、電源供給直後は水晶振動子11の温度が急変
するので、周波数偏差が容易に許容値を超えてしまう。
そのため、水晶振動子11の温度が所定値になるまで他
の電子回路の動作を休止させなければならず、運用効率
が悪くなる問題があった。
【0038】本発明は、かかる背景の下になされたもの
で、その目的とするところは、電源投入時及び通常運用
時の温度変化による周波数補正を適切に行い得る小型の
温度補償型水晶発振器を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、温度変化に伴いその周波数が変化する
ATカット水晶振動子を含む水晶発振回路と、前記水晶
振動子近傍の温度を検出する温度センサと、検出温度を
デジタル温度データに変換する温度符号化回路と、該温
度データに対応する所定信号レベルのデジタル補正値信
号を生成する補正値信号発生回路と、前記補正値信号に
基づいて前記水晶発振回路の発振周波数を補正する発振
周波数補正手段と、前記温度データ及び補正値信号の処
理タイミングを制御するタイミング制御手段とを備えて
なる温度補償型水晶発振器において、前記補正値信号発
生回路の出力段に、補正値信号出力開始時の信号レベル
を平滑化する出力平滑回路を設けたものである。
【0040】この出力平滑回路は、具体的には、補正値
信号の出力開始時から目標レベルに達するまでの時間を
補正値信号のレベル差で除した間隔で補間し、補間間隔
毎に補正値信号の信号レベルを順次変化させて出力する
補間手段、及び/又は、連続するm(自然数)の補正値
信号の信号レベルの平均値を演算し、該平均値に対応す
る信号レベルの補正値信号を選択出力する平均値出力手
段を有する。
【0041】更に、前記タイミング制御手段は、電源供
給直後又は前記平均値出力手段実行開始時に、前記処理
タイミングの送出速度を夫々少なくともm倍に速めるク
ロック制御回路を有する。
【0042】
【作用】補正値信号の出力開始時の信号レベルを平滑に
すると、補正値信号に基づく発振回路の発振周波数補正
が緩やかになされる。この平滑化は、出力平滑回路にお
いて選択的に採用される補間手段あるいは平均値出力手
段によりなされる。
【0043】前者が採用されたときは、補正値信号の出
力開始時から目標レベルに達するまでその信号レベルが
単位デジタル量毎に変化する。他方、後者が採用された
ときは、m個の補正値信号が生成されるまで一時出力が
保留され、最終の補正値信号が生成された時点で各信号
のレベルの平均値に対応する一つの補正値信号が出力さ
れる。この場合、前記保留時間を水晶振動子の温度変化
が生じる時間よりも十分小さな値にすることで平滑化に
よる弊害は緩和されるが、タイミング制御手段のクロッ
ク制御回路にて処理タイミングをm倍にすれば、この弊
害は全くなくなる。
【0044】また、電源供給直後は水晶振動子の温度が
急変するが、クロック制御回路で処理タイミングを速め
ることで、発振周波数の補正が迅速に行われる。
【0045】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、本発明の温度補償型水晶発振器は、従来の
ものと同一の構成部品を有するので、各構成部品につい
ては図5に示した名称及び符号をそのまま用いて説明す
る。
【0046】本実施例は、従来の温度補償型水晶発振器
において、扱うデータ長を8ビットとし、これに伴い、
補正値信号発生回路52及びシーケンサ部58の構成を
一部改良したものである。
【0047】図1は本実施例の要部構成図であり、補正
値信号発生回路52の出力段に出力平滑回路1を設け、
更に、シーケンサ部58の補正値信号発生回路52側の
出力段にクロック制御回路2を設けている。
【0048】出力平滑回路1は、検出温度Tに対応する
補正値信号の信号レベルを平滑化する回路であり、選択
的に採用される補間手段と平均値出力手段を有してい
る。
【0049】補間手段は、具体的には、入力される補正
値信号の信号レベルを検出するレベル検出回路、出力開
始時から目標レベルの補正値信号になるまでの時間を設
定する時間設定回路、及び、該時間を検出レベル差で除
算した補間間隔τにて信号レベルを1dig毎に徐々に
変化させるレベル補間回路とを有している。このときの
補間間隔τは、シーケンサ部58から出力されるクロッ
クの間隔をτ0とすると、(7)式で表される間隔とする。
【0050】
【数8】
【0051】ここに、DV(N)は出力平滑回路1に入
力された現時刻のデータであり、DV(N−1)はその
直前時刻のデータである。
【0052】図2に補正値信号の出力過程を示す。図
中、上段の波形は本実施例によらない場合であり、時刻
Nにて一挙に3dig分が立ち上がる様子が示されてい
る。この場合は3dig分のレベルの補正値信号が直ち
に出力され、例えば0.3[ppm]幅の補正が急激に
行われる。他方、次段の波形は本実施例による場合の例
であり、3段階にわたって1digづつ立ち上がる様子
が示されている。この場合は、0.1[ppm]毎に順
次補正がなされる。
【0053】このように補正値信号を順次レベルアップ
する補間手段によれば、補正による周波数の急変が無く
なり、周波数偏差のバラツキが抑制される。また、温度
変化時のジッタの発生や周波数偏差の変化率も抑えられ
る。これにより従来の問題が解消あるいは大幅に緩和さ
れる。
【0054】ところで、前述の(6)式によれば、データ
長が8ビットの場合、周波数偏差(ΔF/F0)は最大
で0.6[ppm]となる。この場合の補間間隔τは、
クロック間隔τ0の1/6になるのが最短である。ま
た、補正値信号は、約10クロック(10τ0)のう
ち、1ないし2クロック間でほぼ同一レベルで継続出力
されるのが通常である。したがって、水晶振動子の温度
変化が自然界では最大1[℃/分]程度であることを考
慮すると、各クロック間隔τ0は3秒程度が適当であ
り、補間間隔τもこれを基準に設定される。
【0055】次に、出力平滑回路1の平均値出力手段に
ついて説明する。
【0056】前述のように、補正値信号は、約10クロ
ックのうち、1ないし2クロック間でほぼ同一レベルで
継続出力されるのが通常であり、また、水晶振動子の温
度変化が前述のように最大1[℃/分]程度であるか
ら、10τ0程度に時間に温度変化が0.5℃以上になる
ことは無いとみて良い。そこで、平均値出力手段にてm
(自然数)クロック分の補正値信号のレベルを平均化
し、その平均値に対応する一つの補正値信号を後段に出
力するようにした。
【0057】この平均化手段は、具体的には、演算回路
を用いて現時刻のデータDV(N)の過去(m−1)ク
ロック分のデータDV(N−m+1)を順次加算し、こ
れをmで除算した値を平均値DV^(N)とする。この
演算式を(8)式に表す。
【0058】
【数9】
【0059】(8)式において、mの値は通常2〜10が
適当である。
【0060】この平均化された補正値信号を用いること
により、水晶発振回路55における周波数変化が緩和さ
れるばかりでなく、温度変化に伴う周波数偏差の増大、
ジッタによる周波数偏差幅の拡大が抑制される。したが
って、データ長を8ビット化した場合の従来の問題点が
解消ないし大幅に緩和される。
【0061】なお、上述の平均化出力手段を採用する場
合は、平均化に要する時間分だけ応答性が低下するが、
これはクロック制御回路2にて補うことができる。
【0062】即ち、平均化出力手段を選択すると同時に
出力平滑回路1からクロック制御回路2に制御信号aを
出力する。クロック制御回路2では、この制御信号aに
基づいて一定期間だけ補正値信号発生回路52を含む他
の回路へのクロック信号b,cの送出速度を速め、クロ
ック間隔τ0を短くする。例えば、前述のmの値を4に
した場合はクロック送出速度をそれ以前の場合の4倍と
する。これにより当該期間における各回路の処理タイミ
ングが速まり、応答性の低下を防止することができる。
【0063】また、出力平滑回路1による各手段の選択
の如何を問わず、シーケンサ部58の内部で電源供給直
後であることを自動検出し、各クロック信号b,cの送
出速度は前述のmの値に拘束されず、更に速めることが
好ましい。なお、bは補正値信号発生回路52へのクロ
ック信号、cは温度符号化回路へのクロック信号であ
る。このようにすることで電源供給直後の補正値信号の
出力頻度が高くなり、周波数補正が迅速になされる。
【0064】これにより、従来の問題点が解消ないし大
幅に緩和される。
【0065】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明で
は、補正値信号発生回路の出力段に補正値信号の出力開
始時レベルを平滑化する出力平滑回路を設け、この出力
平滑回路は、補正値信号の出力開始時から目標レベルに
達するまでの時間をそのレベル差で除した間隔で補間
し、補間間隔毎に補正値信号の信号レベルを順次変化さ
せて出力する補間手段を設け、補正値信号の出力開始時
の信号レベルを平滑にする。その結果、補正値信号に基
づく発振回路の発振周波数補正が緩やかになされる。
た、平均値出力手段を作用すると、m個の補正値信号が
生成されるまで一時出力が保留され、最終の補正値信号
が生成された時点で各信号のレベルの平均値に対応する
一つの補正値信号が出力される。この場合、前記保留時
間を水晶振動子の温度変化が生じる時間よりも十分小さ
な値にすることで平滑化による弊害は緩和されるが、タ
イミング制御手段のクロック制御回路にて処理タイミン
グをm倍にすれば、この弊害は全くなくなる。このよう
に、補正による周波数の急変、周波数偏差のバラツキ、
温度変化時のジッタの発生等を抑える事ができ、補正値
信号のデータ長を短くする際の従来の問題点が解消され
る。したがって、量子化手段の簡略化、記憶デバイス類
の容量節約が図れ、小型、低コストの温度補償型水晶発
振器を実現することができる。
【0066】また、電源供給直後は水晶振動子の温度が
急変するが、クロック制御回路で処理タイミングを速め
ることで、発振周波数の補正が迅速に行うことができ
る。
【0067】このように、本発明によれば、カット角度
のずれやバラツキにより周波数温度特性が夫々異なるA
Tカット水晶振動子を用いても、各特性に応じた温度補
償が容易になされるので、水晶振動子の有効利用が図
れ、且つ、周波数偏差の許容範囲の厳格な用途において
も使用可能な小型の温度補償型水晶発振器を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による要部構成図である。
【図2】補正値信号出力過程の説明図である。
【図3】一般的なATカット水晶振動子の周波数偏差−
温度特性図である。
【図4】セルラー等の許容周波数偏差の説明図である。
【図5】本発明が適用される従来の温度補償型水晶発振
器のブロック構成図である。
【図6】平均的なATカット水晶振動子における周波数
偏差の変化率特性図である。
【符号の説明】
1…出力平滑回路 2…クロック制御回路 11〜18…ATカット水晶振動子 50…温度センサ 51…温度符号化回路 52…補正値信号発生回路 53…データ設定回路 54…D/A変換回路 55…水晶発振回路 56…V−C変換回路 57…発振部回路及び出力回路 58…シーケンサ部 59…CR発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03B 5/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化に伴いその周波数が変化するA
    Tカット水晶振動子を含む水晶発振回路と、前記水晶振
    動子近傍の温度を検出する温度センサと、検出温度をデ
    ジタル温度データに変換する温度符号化回路と、該温度
    データに対応する所定信号レベルのデジタル補正値信号
    を生成する補正値信号発生回路と、前記補正値信号に基
    づいて前記水晶発振回路の発振周波数を補正する発振周
    波数補正手段と、前記温度データ及び補正値信号の処理
    タイミングを制御するタイミング制御手段とを備えてな
    る温度補償型水晶発振器において、 前記補正値信号発生回路の出力段に、補正値信号出力開
    始時の信号レベルを平滑化する出力平滑回路を設け、こ
    の出力平滑回路は、補正値信号の出力開始時から目標レ
    ベルに達するまでの時間をそのレベル差で除した間隔で
    補間し、補間間隔毎に補正値信号の信号レベルを順次変
    化させて出力する補間手段を有することを特徴とする温
    度補償型水晶発振器。
  2. 【請求項2】 前記出力平滑回路は、連続するm(自然
    数)の補正値信号の信号レベルの平均値を演算し、該平
    均値に対応する信号レベルの補正値信号を選択出力する
    平均値出力手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の温度補償型水晶発振器。
  3. 【請求項3】 前記タイミング制御手段は、電源供給直
    後又は請求項2記載の平均値出力手段実行開始時に、前
    記処理タイミングの送出速度を夫々少なくともm倍に速
    めるクロック制御回路を有することを特徴とする請求項
    1記載の温度補償型水晶発振器。
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