JPH0534547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、野菜、果物等を完全に密閉状態で
貯蔵する密閉型貯蔵庫に関するものである。

従来の技術 一般に、野菜、果物等の貯蔵庫は、庫内空気を
炭酸ガスや窒素ガスのような不活性ガスで置換
し、野菜、果物等の産品を仮死状態にして所要期
間保存し、これらの産品を収穫期より後の季節に
出荷できるように貯蔵するものである。このた
め、貯蔵庫には完全な気密性が要求される。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、従来の貯蔵庫は、気密性が完全
でなく、保存中の産品の鮮度低下を防ぐことがで
きないという問題があつた。

この考案の目的は、完全な気密性を保証し、貯
蔵産品の鮮度低下を確実に防止することができる
密閉型貯蔵庫を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案による密閉型貯蔵庫は、上記の目的を
達成するために、貯蔵庫本体の扉受パネルの開口
周縁部に配されているチヤンネル形カバーの内側
壁と開口の内縁部との間にブチルゴムシートが介
在せられるとともに、カバーの外側壁の表面に、
軟質合成樹脂または軟質ゴム製の密閉用帯板が取
り付けられ、扉の内面周縁部に、密閉用帯板に密
接せしめられかつ中空部を有する軟質合成樹脂ま
たは軟質ゴム製のガスケツトがブチルゴムシート
を介して取り付けられており、密閉用帯板および
カバーの外側壁それぞれの庫外側縁と扉受パネル
の外面とで形成せられる角部にシーリング材が施
され、ガスケツトおよびブチルゴムシートそれぞ
れの庫内側縁と扉の内面とで形成せられる角部に
シーリング材が施されているものである。

作 用 この考案の密閉型貯蔵庫は、貯蔵庫本体の扉受
パネルの開口周縁部に配されているチヤンネル形
カバーの表面に、軟質合成樹脂または軟質ゴム製
の密閉用帯板が取り付けられ、扉の内面周縁部
に、密閉用帯板に密接せしめられかつ中空部を有
する軟質合成樹脂または軟質ゴム製のガスケツト
が取り付けられているから、扉を閉めて、これを
扉受けパネルに押し付けた場合、扉側のガスケツ
トと扉受パネル側の密閉用帯板との密着性がきわ
めて良好である。

また、扉受パネルの開口周縁部に配されている
チヤンネル形カバーの内側壁と開口の内縁部との
間にブチルゴムシートが介在せられているから、
チヤンネル形カバーの内側壁と開口の内縁部との
間に隙間が生じない。

また、密閉用帯板およびカバーの外側壁それぞ
れの庫外側縁と扉受パネルの外面とで形成せられ
る角部にシーリング材が施されているから、密閉
用帯板とカバーの外側壁との間、カバーの外側壁
と扉受パネルの間から庫内に侵入しようとする外
気は、シーリング材で遮断せられる。

また、扉の内面周縁部にガスケツトがブチルゴ
ムシートを介して取り付けられているから、扉の
内面周縁部とガスケツトとの間に隙間が生じな
い。

さらに、ガスケツトおよびブチルゴムシートそ
れぞれの庫内側縁と扉の内面とで形成せられる角
部にシーリング材が施されているから、ガスケツ
トとブチルゴムシートの間、ブチルゴムシートと
扉の間から不活性ガスが庫外に漏洩しようとして
もシーリング材で遮断せられる。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

第２図において、密閉型貯蔵庫１は、所要数の
断熱パネルが略箱形に組み合わされてなる貯蔵庫
本体２と、断熱パネルよりなる扉３とによつて構
成され、扉３は貯蔵庫本体２の扉受パネル４に、
これの開口部５を塞ぐように開閉自在に取り付け
られている。扉３には、パイプ式開閉ハンドル２
８が取り付けられ、扉受パネル４には、電気錠２
９と、所要数の密閉用ロツク・ハンドル３０が取
り付けられている。

そして、第１図に示すように、貯蔵庫本体２の
扉受パネル４の開口５周縁部に配されているチヤ
ンネル形カバー２３の内側壁２３ｂと開口５の内
縁部との間にブチルゴムシート１０が介在せられ
るとともに、カバー２３の外側壁２３ａの表面
に、軟質ゴム製の密閉用帯板１２が接着剤により
取り付けられ、扉３の内面周縁部に、密閉用帯板
１２に密接せしめられかつ中空部１３を有する軟
質合成樹脂製のガスケツト１１がブチルゴムシー
ト１０を介して取り付けられており、密閉用帯板
１２およびカバー２３の外側壁２３ａそれぞれの
庫外側縁と扉受パネル４の外面とで形成せられる
角部にシーリング材１７が施され、ガスケツト１
１およびブチルゴムシート１０それぞれの庫内側
縁と扉３の内面とで形成せられる角部にシーリン
グ材１７が施されている。

ガスケツト１１の中空部１３は、横断面略方形
であり、これの底壁から延長状に外方に突出した
板状取付部１４が一体に設けられ、取付部１４が
押え板１５により押え付けられた状態で所要数の
ビス１６によつて扉３に固定されている。

扉３は、相互に所要間隔をおいて対向せしめら
れたアルミニウム板よりなる一対の表面板６，７
と、これらの表面板６，７の周縁部に配せられた
木材よりなる枠材８と、両表面板６，７および枠
材８によつて囲まれている中空部内に充填された
発泡ポリウレタンよりなる断熱材９とによつて構
成されている。扉３の内側表面板６の周縁部は直
角に折曲げられて、枠材８に形成せられた溝１８
にはめ止められ、溝１８にはシーリング材１７が
充填されている。

貯蔵庫本体２の扉受パネル４は、相互に所定間
隔をあけて対向するアルミニウム板よりなる一対
の表面板２０，２１と、開口５の周縁部に配せら
れた木材よりなる枠材２２と、同パネル４の接続
側縁部に配せられた嵌合部材２４と、表面板２
０，２１、枠材２２および嵌合部材２４によつて
囲まれた中空部内に充填された発泡ポリウレタン
よりなる断熱材９とによつて構成されている。

扉受パネル４の嵌合部材２４は凸形であり、こ
れは隣接断熱パネル２５の凹形嵌合部材２６に嵌
め合わせられる。両嵌合部材２４，２６どうしの
間隙２７の庫内側部分にはシーリング材１７が充
填されている。

この実施例では、密閉用帯板１２に軟質ウレタ
ンゴムが、ガスケツト１１に軟質塩化ビニルが、
シーリング材１７に粘性シリコーンがそれぞれ用
いられている。また、チヤンネル形カバー２３は
硬質ポリ塩化ビニル製であり、開口５の周縁にお
いて内外の表面板２０，２１の縁部および枠材２
２に被せられている。

密閉型貯蔵庫１は、これの内部に野菜、果物等
の産品を開口５より入れ、扉３を閉じ、ロツク・
ハンドル３０により扉３を扉受パネル４に押し付
けて厳重に密閉したのち、炭酸ガスまたは窒素ガ
ス等の不活性ガスを貯蔵庫１の底部より導入し、
庫内空気を同頂部より排出して、庫内空気を全部
不活性ガスに置換し、この状態で産品を所要期間
貯蔵するものである。

なお、上記実施例において、扉３側のガスケツ
ト１１は、軟質ポリ塩化ビニルよりなるが、これ
はウレタンゴム等の軟質ゴムでもよい。また、密
閉用帯板１２が軟質ウレタンゴムよりなるが、こ
れは軟質ポリ塩化ビニル等の軟質合成樹脂でもよ
い。

考案の効果 この考案の密閉型貯蔵庫によれば、扉を閉め
て、これを扉受けパネルに押し付けた場合、扉側
のガスケツトと扉受パネル側の密閉用帯板との密
着性がきわめて良好であるのみならず、扉受パネ
ル側では、チヤンネル形カバーの内側壁と開口の
内縁部との間に隙間が生じるおそれがないととも
に、密閉用帯板とカバーの外側壁との間、カバー
の外側壁と扉受パネルの間から庫内に侵入しよう
とする外気は、シーリング材で遮断せられ、ま
た、扉側では、扉の内面周縁部とガスケツトとの
間に隙間が生じるおそれがないとともに、ガスケ
ツトとブチルゴムシートの間、ブチルゴムシート
の扉の間から不活性ガスが庫外に漏洩しようとし
てもシーリング材で遮断せられるから、完全な気
密性が保証せられる。したがつて、外気が庫内に
侵入せず不活性ガスが庫外に漏洩することがない
ので、野菜や果物等の内蔵産品の鮮度低下を確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は密閉型貯蔵庫の要部拡大水平断面図、第２図は
密閉型貯蔵庫の部分斜視図である。 １……貯蔵庫、２……貯蔵庫本体、３……扉、
４……扉受パネル、５……開口、１０……ブチル
ゴムシート、１１……ガスケツト、１２……密閉
用帯板、１３……中空部、１７……シーリング
材、２３……カバー、２３ａ……カバーの外側
壁、２３ｂ……カバーの内側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯蔵庫本体２の扉受パネル４の開口５周縁部に
   配されているチヤンネル形カバー２３の内側壁２
   ３ｂと開口５の内縁部との間にブチルゴムシート
   １０が介在せられるとともに、カバー２３の外側
   壁２３ａの表面に、軟質合成樹脂または軟質ゴム
   製の密閉用帯板１２が取り付けられ、扉３の内面
   周縁部に、密閉用帯板１２に密接せしめられかつ
   中空部１３を有する軟質合成樹脂または軟質ゴム
   製のガスケツト１１がブチルゴムシート１０を介
   して取り付けられており、密閉用帯板１２および
   カバー２３の外側壁２３ａそれぞれの庫外側縁と
   扉受パネル４の外面とで形成せられる角部にシー
   リング材１７が施され、ガスケツト１１およびブ
   チルゴムシート１０それぞれの庫内側縁と扉３の
   内面とで形成せられる角部にシーリング材１７が
   施されている密閉型貯蔵庫。