JPH0534544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は燻蒸器に関し、特に吸液芯を具備した
薬液容器を使用しこの吸液芯を加熱させるように
構成した燻蒸器に関するものである。

＜従来技術＞ 従来、白金触媒利用によるカイロを熱源とし、
これに殺虫成分を含浸保持させたマツトを載置し
て用いる形のもの、吸液芯を用いた家庭用電源か
ら給電する電熱方式の燻蒸器は知られていた。

＜考案が解決すべき問題点＞ しかしながら、上記従来の燻蒸器においてマツ
ト式のものはマツトを取り替える手間がかかり取
扱いが煩雑であると共に、薬液の薬効が時間の経
過と共に落ちてきて長時間一定した薬効を得るこ
とは出来なかつた。

一方、吸液芯を備えた薬液容器（薬液ボトル）
を用いた燻蒸器は長時間使用ができる構成である
が、その加熱形態が家庭用電源からの給電電熱方
式であるため、持ち運びが出来ず、また使用場所
が限られる等取扱い上の問題があつた。

本考案は上記従来の問題点を除去することを目
的としてなされたものであり、吸液芯を備えた薬
液容器方式のものでその使用場所が限定されず使
い勝手の向上した燻蒸器を提供することを目的と
するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の上記目的は中央空間を有するドーナツ
型燃料タンクの外周面の一部に白金触媒を用いて
着火部を形成すると共に、前記燃料タンクの内周
面を加熱面となし、該加熱面によつて取り囲まれ
る前記中央空間には、薬液容器よりの薬液を吸液
するための吸液芯が前記加熱面とは非接触で挿入
されていることを特徴とする燻蒸器により達成す
ることができる。

本考案において薬液としては、殺虫剤、殺菌
剤、忌避剤、殺ダニ剤、芳香剤、消臭剤等を挙げ
得る。これらは、１種以上を組み合わせて用いる
こともできる。

上記薬液には、各種の添加剤を配合することも
でき、安定剤、共力剤、揮散率向上剤等を添加し
得る。

本考案においては燃料タンクは、燃料を収容し
得るものであれば何ら限定されるものではない。
形態的には、ドーナツ型燃料タンクの外周面に綿
状や格子状またはハニカム状に組み込まれた白金
またはパラジウム等の金属触媒を用いた着火部が
燃料タンクの外周面に設けられている。

このように形成することにより、着火が極めて
容易にでき、かつ薬液に引火するおそれもないの
で極めて安全に行え、かつ薬液が不燃性のもので
あつたとしても燃料の燃焼による直火で熱分解す
ることがなく、また着火部が内周面側にないので
加熱による蒸散気流も安定し、極めて薬液の有効
揮散率が高くなる利点がある。

又、燃料タンクの材質は少なくとも加熱面に熱
を伝導し得る材質を用いていれば他の任意であ
る。上記燃料タンク中には、ベンジン、アルコー
ル等の揮散性液を保持させておくためのパルプ、
綿、スポンジ等の吸液剤からなる保持体を入れて
おくことができる。

本考案において、吸液芯としては、無機質粉を
バインダーで成型したもの、不織布、素焼き、フ
エルト、パルプ等を任意に使用し得る。また、吸
液芯の大きさ、形状は薬液の種類、量、素材に応
じて適宜選択して使用し得る。

本考案において、薬液容器の大きさ、形状、材
質、設け方等は吸液芯との関係で任意に決定し得
るものである。

＜作用＞ 本考案は上記のごとき構造を有しているので、
ドーナツ型の燃料タンク自体の内周の加熱面によ
つて吸液芯を加熱することにより、棒状の吸液芯
を効果的に加熱でき、着火部が加熱面から離れた
位置にあるので、その着火操作性がよいだけでな
く、吸液芯が加熱されて薬液が蒸散するとき、空
気の流れを乱すことがなく、効力が長期間一定し
ていると共に、薬液の有効揮散率が長期に渡つて
安定している。また、加熱のための電源を必要と
しないので持ち運びが自由であり、電源のない部
屋や野外でも使用可能である。

＜実施例＞ 以下本考案を図面に基づき詳細に説明する。

図は本考案の１実施例を示す縦断面図であり、
本体１の上蓋１ａには外周面および中央空間６を
取り囲む内周面を有するドーナツ型燃料タンク２
が設けられる。該燃料タンク２の外周面の一部に
は白金触媒３を用いた着火部４が形成され、燃料
タンク２の内周面は加熱面５となつている。

本体１の下蓋１ｂにおいて、例えば、ボルト状
の薬液容器７が容器収納部８に収納されている。
薬液容器７の上部には口部７ａが設けられ、該口
部７ａを通つて棒状の吸液芯９が上方に延在しか
つ該口部７ａで保持されている。吸液芯９の上方
端は燃料タンク２の中央空間６内に延び、そして
周囲の加熱面５と接触しないように配置される。
本実施例において、着火部４を燃料タンク２の外
周面に設けるのは内周面、すなわち、加熱面５か
ら着火部４が離れた位置にあることで、その操作
性がよいこと、また吸液芯９からの薬液揮散に際
してその気流が安定するからである。

また、着火方式は、特に限定するものではない
が、例えばニクロム線を発熱させて着火する電池
式の場合には、火を使用しなくてよく安全性を高
くすることができる。

なお、図中における符号１０は薬液であり、１
１は薬液の揮散孔、１２は消化用のシヤツターで
ある。

使用に際し、燃料タンク２の外周面に形成され
かつ白金触媒３を用いた着火部４に着火すること
により、吸液芯９に含浸された薬液が加熱面５か
らの熱により揮散され、薬液容器７中に薬液が存
在する間安定した薬液揮散が得られる。

本考案にて使用したドーナツツ型の燃料タンク
形態の加熱手段は、吸液芯を加熱するタイプ以外
のマツト形態のものにも使用することができる。
この場合はその内周面に嵌着する部材（加熱面５
を有する部材）を適宜設けてマツトを加熱するも
のであり、例えば、第２図に示した構造のごとく
構成することができる。第２図に示した蒸散器
（燻蒸器）は実開昭55−79887号公報に開示されて
いるものにおいて、その加熱手段としてドーナツ
ツ型の燃料タンクを使用した構造のものである。

なお、図中において、１３ａは薬液連絡路、１
３は薬液タンク、５は燃料タンク２の内周面に嵌
着する形状を有した加熱面であり、他の同符号を
付した部分は本考案の構成要素と同様のものであ
るので説明を省略する。

＜考案の効果＞ 本考案は上記のごとき構成を有しているので、
着火部と吸液芯が離れた位置にあり、薬液に引火
の恐れがなく安全で、着火部が吸液芯近傍にある
場合に生じる気流の乱れがないので揮散気流を有
効に出すことができ、また、使用時、薬液の効力
が長期間一定していると共に長期間安定した有効
揮散率が得られ、さらに、屋外への携帯用にも利
用できるという優れた効果を発揮し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による燻蒸器の１実施例を示す
縦断面図である。第２図は本考案にて使用したド
ーナツツ型の燃料タンクをマツトタイプの燻蒸器
に使用した場合を示す概略図である。 図において、１は本体、２は燃料タンク、３は
白金触媒、４は着火部、５は加熱面、６は中央空
間、７は薬液容器、９は吸液芯、１０は薬液であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央空間を有するドーナツ型燃料タンクの外周
   面の一部に白金触媒を用いて着火部を形成すると
   共に、前記燃料タンクの内周面を加熱面となし、
   該加熱面によつて取り囲まれる前記中央空間に
   は、薬液容器よりの薬液を吸液するための吸液芯
   が前記加熱面とは非接触で挿入されていることを
   特徴とする燻蒸器。