JPH05345294A - 連続切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送される被切断物を停止すること無く、特
定の所望の角度にて、連続して切断する事が出来る連続
切断装置の提供。 【構成】 ウォータージェット等の切断手段（９）と、
該切断手段を移動させる移動手段（３）と、切断手段を
所定角度（θ）だけ傾けて位置せしめる変位手段（１
０）と、上記所定角度（θ）等を演算し或いは変位手段
（１０）等を制御する制御手段、とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばコンベヤ等によ
り搬送される切断対象物（被切断物）を特定の角度に
て、しかも連続して切断する事が出来る連続切断装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】コンベヤ等により搬送される被切断物
を、搬送方向に対して直角或いは特定の角度にて連続し
て切断するために、従来は、例えば被切断物の全幅に相
当する切断幅を有するカッターを用いていた。そして切
断に際しては、被切断物の移動速度すなわちコンベヤの
搬送速度と、カッターの切断作用の時間とを同調せしめ
る必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、コンベヤとカ
ッターとの同調が不十分であると、被切断物の全幅に相
当する切断幅を有するカッターはその切断幅が比較的大
きいため、被切断物がカッターに絡み付いたり、破損し
てしまうことという問題が存在する。

【０００４】これに対して、切断幅が比較的小さい切断
手段を用いれば、絡み付きや破損の問題に対処する事が
可能である。しかし、切断幅が比較的小さい切断手段の
場合は、該切断手段を被切断物に対して移動しなければ
切断が不可能であるが、コンベヤで搬送されている最中
では好適に移動することが困難である。そのため、切断
時にはコンベヤを一時停止するか、或いは被切断物を
（切断用の）退避場所へ一時誘導しておく等の操作が必
要である。そして、その様な操作は当然に切断速度、効
率を低下させてしまう。

【０００５】さらに、被切断物の全幅に相当する切断幅
を有するカッターの場合も、切断幅が比較的小さい切断
手段を用いる場合も、被切断物の幅に依っては大形化せ
ざるを得なくなる。しかし、大形化すれば磨耗等が生じ
た際に、保守や交換作業に費やされる時間やコストが増
大するという問題が生じる。

【０００６】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みて提案されたもので、コンベヤ等により搬送される被
切断物を停止すること無く、特定の所望の角度にて、連
続して切断する事が出来る連続切断装置の提供を目的と
している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の連続切断装置
は、搬送される被切断物を特定の角度にて連続して切断
するための連続切断装置において、切断幅が比較的小さ
い切断手段と、該切断手段を移動させる移動手段と、切
断手段を被切断物の搬送方向と直角な方向に対して所定
角度だけ傾けて位置せしめる変位手段と、非搬送物の搬
送速度に対応して切断手段や変位手段を制御する制御手
段、とを含んでいる。

【０００８】本発明の実施に際して、前記切断手段とし
ては、例えばウォータージェット或いは切断幅が狭い刃
物を用いるのが好ましい。また、被切断物としては、比
較的薄い板状部材が好適である。

【０００９】そして、ウォータージェット或いは切断幅
が狭い刃物（短い刃物）がそれに沿って移動する様に構
成された支持アームを、支持手段として設けているのが
好ましい。

【００１０】前記移動手段は１本だけ設けても良いが、
複数本設けても良い。

【００１１】また、前記変位手段は、被切断物の搬送方
向と平行に往復動可能であり、且つ前記移動手段を所定
の角度に回動可能である様な構造を具備しているのが好
ましい。ここで、該「所定の角度」は、被切断物の搬送
速度、切断手段の移動速度、切断方向（被切断物の切断
面が搬送方向或いは直交する方向に対して形成する角
度）の関数として、前記制御手段により決定される。一
方、切断手段の移動速度も、被切断物の搬送速度、上記
「所定の角度」、切断方向の関数として、前記制御手段
により決定される。

【００１２】さらに、前記制御手段は機械的に制御作用
を奏するタイプのものであっても良いが、種々の切断条
件にも容易に対処出来る様に、ＣＰＵ等の様な電気的な
制御手段が好ましい。

【００１３】なお、以下において詳細に説明するが、本
発明において切断方向は搬送方向と直交する方向に限定
されるものではない。

【００１４】

【作用】上記した様な構成を具備する本発明の連続切断
装置によれば、切断手段が被切断物の全幅に亘って移動
することにより切断が行われる。ここで、被切断物に対
する移動手段の角度、換言すれば被切断物に対する切断
手段の移動方向は、被切断物の搬送速度、切断手段の移
動速度、切断方向の関数として前記制御手段により決定
されるので、種々の切断条件下においても所望の切断方
向へ、直線的な切断面を形成して切断作業を行うことが
出来る。すなわち、被切断物に対する移動手段の角度を
調節することにより、搬送手段と同調するのと同一の結
果が得られるのである。

【００１５】そして、被切断物の搬送と同調するのと同
一の結果が得られることから、ウォータージェット或い
は短い刃物の様に切断幅が比較的短い切断手段を使用す
る切断であっても、コンベヤの一時停止或いは退避場所
への一時誘導等の操作を行う必要が無く、切断効率が悪
化しない。また、切断手段の切断幅が比較的短いので、
被切断物の絡み付き、或いはそれに起因する破損等の弊
害は発生しない。そして、保守、点検に費やされるコス
トが極めて安価となる。

【００１６】切断作業に際して、被切断物に対する移動
手段の角度の調節は変位手段において行われ、前記変位
手段が前記移動手段を所定の角度に回動するか、或いは
変位手段自身が被切断物の搬送方向と平行に移動する事
に為される。この操作は極めて容易であり、且つ切断条
件が変更しない限り機械的に行うことが可能であるた
め、被切断物に対する移動手段の角度の調節と、切断手
段の移動すなわち切断とを、変位手段において機械的に
繰り返すことにより、連続切断が行われるのである。

【００１７】また、切断の最中における切断手段の移動
速度を変化させれば、切断箇所を直線のみならず、曲線
で構成することが可能である。切断の最中において移動
手段を回動或いは揺動しても同様な結果が得られる。

【００１８】ここで、ウォータージェットを用いて切断
作業を行う場合には、超高圧（〜４０００Ｋｇｆ／ｃｍ
² ）の水圧を利用するため、ジェットのＯＮ−ＯＦＦを
頻繁に行うとバルブの寿命が低下する。しかし本発明に
よれば、切断手段（この場合はウォータージェットノズ
ル）が移動手段上で往復移動するが、切断作業を行って
いない場合は、該切断手段は被切断物上に位置しておら
ず、ウォータージェットをＯＦＦ状態としていなくても
被切断物には影響を与えない。従って、切断手段が移動
していない時にもウォータージェットをＯＦＦ状態にす
る必要が無く、ウォータージェットを連続して噴射した
ままの状態で所定の切断を行うことが出来るのである。

【００１９】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。

【００２０】図１、２において、全体を符号２０で示す
連続切断装置が、コンベヤ１上を跨ぐ様な態様で設置さ
れている。そして、コンベヤ１は符号２で示す被切断物
を図１の矢印Ｍ方向に搬送している。

【００２１】図１において、２本の支持手段すなわち支
持アーム４、４が、コンベヤ１を横断する様に配置され
ている。そして、支持アーム４と平行に、２個の移動手
段すなわちノズル移動装置３が延在している。該ノズル
移動装置３に沿って、切断手段であるウォータージェッ
ト噴射用ノズル９（図２）が移動する。このノズル９
は、図示しない圧力発生ポンプ（高圧水源）から高圧水
を導入し、ウォータージェットを噴出して被切断物２を
切断するのである。

【００２２】支持アーム４の一端には支持車輪６（図
２）が設けられ、該車輪６はコンベヤ１の１側に形成さ
れた軌道２２上を走行する。支持アーム４の他端は、変
位手段であるギヤボックス１０における回転軸５に軸支
されている。ギヤボックス１０において、駆動モータ７
の回転が歯車８を介して回転軸１０に伝達される。そし
て、駆動モータ７を作動することにより回転軸１０が回
転し、支持アーム４は、搬送方向Ｍ或いはそれと直交す
る方向Ｖに対して、所定の角度だけ傾いた状態（図１に
おいては直交する方向Ｖと同一方向の状態が示されてい
る）で位置されるのである。

【００２３】ギヤボックス１０の下方には２本のスライ
ドレール１１、１１が敷設されており、該スライドレー
ル１１、１１はコンベヤ１と平行である。そして、ギヤ
ボックス１０は駆動シリンダ１２を含み、該駆動シリン
ダ１２によりスライドレール１１上を摺動して、コンベ
ヤ１と平行に往復移動をする。

【００２４】図示されていないが、駆動モータ７と駆動
シリンダ１２は制御手段であるＣＰＵにより、同調して
作動する様に制御されている。後述する様に、移動装置
３が搬送方向Ｍ或いはそれと直交する方向Ｖに対して形
成する角度（ノズル９が移動する角度）は、移動装置３
の回動量或いはギヤボックス１０の移動量により決定す
るので、図示しないＣＰＵはノズル９が移動する角度を
制御することが出来るのである。

【００２５】次に、図３〜６を参照して、図示の実施例
の作用を説明する。ここで、説明を簡単にするために、
搬送方向Ｍに直交する方向Ｖと同一方向に切断する場合
について説明する。なお、図３〜６において、符号Ｃ０
〜Ｃ６は切断番号を示し、直交方向Ｖの２点鎖線ＯＣは
切断位置を示している。

【００２６】図３は連続切断の第１ステップを示す。先
ず、駆動モータ７と駆動シリンダ１２とを図示しないＣ
ＰＵにより制御して、２個のノズル移動装置３を直交方
向Ｖに対して時計方向に所定の角度θ（以下、時計方向
の角度には「−」を付して表現する）だけ傾けて配置す
る。そして、ウォータージェットを噴出して被切断物２
を切断しつつ、各ノズル９を初期位置Ａ、Ｂから反対側
位置Ａ´、Ｂ´にまで移動せしめる。ここで、コンベヤ
１の搬送速度を矢印Ｖｂで示し、ノズル９の移動速度す
なわち切断速度を矢印Ｓｃで示すと、両者の関係は、 Ｓｃ＝Ｖｂ／ｓｉｎθ となる。この関係から、切断方向が直交方向Ｖと等しい
場合の所定の角度θは、コンベヤ１の搬送速度Ｖｂ、切
断速度Ｓｃの関数として θ＝ｓｉｎ^-1（Ｖｂ／Ｓｃ） なる式から求められる。

【００２７】所定角度θだけ傾いているため、ノズル９
が実際に被切断物を切断する方向は直交方向Ｖと同一で
ある。従って、各ノズル９を初期位置Ａ、Ｂから反対側
位置Ａ´、Ｂ´にまで移動せしめる間に、被切断物２は
切断番号Ｃ１、Ｃ２における切断位置にて２箇所が切断
されるのである。

【００２８】なお、図３において、符号Ｂｓは被切断物
２の全幅寸法、Ｌｃは実切断長を示し、そして符号ｔｂ
は切断時間を示している。

【００２９】次に、図４で示す第２ステップに移る。第
１ステップにおいて位置Ａ´、Ｂ´まで移動したノズル
９を、移動装置３のギヤボックス１０とは反対側（図中
右側）端部近傍の位置に止まったままの状態に維持しつ
つ、駆動モータ７を作動して、移動装置３を反時計方向
に角度２θ（以下、反時計方向の角度には「＋」を付し
て表現する）だけ回動させる。これと同時に、駆動シリ
ンダ１２を伸長して、ギヤボックス１０を搬送方向下流
側（図４の下側）へ距離Ｌｓだけ移動せしめる。この距
離Ｌｓは、被切断物２の切断箇所間の長さ、搬送速度Ｖ
ｂ、切断速度Ｓｃ、移動装置３、３間の距離、移動装置
３の回動及び駆動シリンダ１２による移動時間ｔｓ、切
断ピッチ移動時間ｔｐ等を考慮して演算される。ここ
で、シリンダ１２による移動距離Ｌｓは、次式にて求め
られる。

【００３０】Ｌｓ＝ｔａｎθ・（Ｂｓ＋２Ｌｇ） （但し、Ｌｇは被切断物２の端部から回転軸５の中心ま
での距離） 図４において、回動前の移動装置３の位置を２点鎖線で
示され、回動後の位置が実線で示されている。この操作
が完了すると、移動装置３が直交方向Ｖに対して傾斜し
ている角度は＋θとなる。ここで、ノズル９、９の位置
Ａ´、Ｂ´は、移動装置３、３が回動し、ギヤボックス
１０が移動しても不動である。換言すれば、ノズル９、
９の位置は第２ステップの最初と最後とで変化していな
い。

【００３１】第３ステップ（図５）において、位置Ａ
´、Ｂ´のノズル９、９は、移動装置３のギヤボックス
１０側端部近傍の位置Ａ、Ｂまで移動する。ここでノズ
ル９、９の移動速度はＳｃであり、ウォータージェット
を噴出して被切断物２を切断位置Ｃ２、Ｃ３で切断しつ
つ移動する。

【００３２】角度θについては第１ステップと同様であ
り、この角度θに起因して、ノズル９が実際に被切断物
２を切断する方向は直交方向Ｖと同一（左方向）とな
り、各ノズル９を位置Ａ´、Ｂ´から反対側位置Ａ、Ｂ
にまで移動せしめる間に、被切断物２は切断番号Ｃ３、
Ｃ４における切断位置にて切断される。

【００３３】さらに、図６で示す第４ステップにおいて
は、図４で示す第２ステップと逆の操作が為される。す
なわち、ノズル９、９を位置Ａ、Ｂに止めたまま、移動
装置３を角度−２θだけ回動し、それと同時に駆動シリ
ンダ１２を収縮して、ギヤボックス１０を搬送方向上流
側（図４の上側）に距離Ｌｓだけ移動させる。その結
果、移動装置３が直交方向Ｖに対して傾斜している角度
は−θとなるが、ノズル９、９の位置Ａ、Ｂは、第４ス
テップの最初と最後とで変化していない。

【００３４】この第４ステップ終了時における状態は、
図３の第１ステップにおいてノズル９、９を移動する直
前の状態と略々等しい。以下、同様な操作を繰り返すこ
とにより、被切断物２は連続的に切断されるのである。

【００３５】図示の実施例においては、移動装置３及び
ノズル９は２個設けられているが、その数は必要に応じ
て増減出来ることを付記する。

【００３６】

【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列挙する。

【００３７】（１） 種々の切断条件下において、直線
的な切断を行うことが出来る。

【００３８】（２） 被切断物の搬送方向に直交する方
向のみならず、所望の方向に切断をすることが出来る。

【００３９】（３） 被切断物に対する移動手段の角度
或いは速度を調節することにより、搬送手段と同調する
のと同一の結果が得られる。

【００４０】（４） ウォータージェット或いは短い刃
物の様に切断幅が比較的短い切断手段を使用する切断で
あっても、コンベヤの一時停止或いは退避場所への一時
誘導等の操作を行う必要が無く、切断効率が悪化しな
い。

【００４１】（５） 切断手段の切断幅が比較的短いの
で、被切断物の絡み付き、或いはそれに起因する破損等
の弊害は発生しない。

【００４２】（６） 保守、点検に費やされるコストが
極めて安価となる。

【００４３】（７） 連続する切断作業が、極めて容易
に、機械的に行われる。

【００４４】（８） ウォータージェットを噴出したま
まの状態で、所定の切断作業を実施することが出来る。
そのため、ウォータージェットノズルの寿命が長くな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の平面図。

【図２】本発明の１実施例の正面図。

【図３】本発明の実施例の作用における第１ステップを
示す平面図。

【図４】本発明の実施例の作用における第２ステップを
示す平面図。

【図５】本発明の実施例の作用における第３ステップを
示す平面図。

【図６】本発明の実施例の作用における第４ステップを
示す平面図。

【符号の説明】

１・・・コンベヤ ２・・・被切断物 ３・・・ノズル移動装置（移動手段） ４・・・支持アーム ５・・・回転軸 ６・・・支持車輪 ７・・・駆動モータ ８・・・歯車 ９・・・ウォータージェット噴射用ノズル（切断手段） １０・・・ギヤボックス（変位手段） １１・・・スライドレール １２・・・駆動シリンダ ２０・・・連続切断装置 ２２・・・軌道 Ｍ・・・搬送方向 Ｖ・・・搬送方向と直交する方向 θ・・・移動装置が直交方向と為す角度 Ｖｂ・・・コンベヤの搬送速度 Ｓｃ・・・切断速度 Ｌｓ・・・シリンダによる移動距離

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送される被切断物を特定の角度にて連
   続して切断するための連続切断装置において、切断幅が
   比較的小さい切断手段と、該切断手段を移動させる移動
   手段と、切断手段を被切断物の搬送方向と直角な方向に
   対して所定角度だけ傾けて位置せしめる変位手段と、非
   搬送物の搬送速度に対応して切断手段や変位手段を制御
   する制御手段、とを含む事を特徴とする連続切断装置。