JPH05344864A - 脂質代謝改善に有効な機能性食品 - Google Patents

脂質代謝改善に有効な機能性食品

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JPH05344864A
JPH05344864A JP3268421A JP26842191A JPH05344864A JP H05344864 A JPH05344864 A JP H05344864A JP 3268421 A JP3268421 A JP 3268421A JP 26842191 A JP26842191 A JP 26842191A JP H05344864 A JPH05344864 A JP H05344864A
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興三 川瀬
Mitsunori Takase
光徳 高瀬
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幹夫 梶川
Yasuhiro Takeda
安弘 武田
Norio Murata
典男 村田
Michio Ikeda
三知男 池田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血中のコレステロール低下及び高密度リポプ
ロテインコレステロール増加に有効であり、且つ脂質代
謝の異常を誘発しない機能性食品を提供すること。 【構成】 少なくとも85%(重量)の割合で乳清蛋白
質を含有する高純度乳清蛋白質及び/又は該高純度乳清
蛋白質の加水分解物を、最終製品中の蛋白質の少なくと
も30%(重量)の割合で含有させるか、又は少なくと
も20%(重量)の高純度乳清蛋白質と最終製品の固形
分の少なくとも5%(重量)の割合で難消化性デキスト
リンとを含有させた脂質代謝改善に有効な機能性食品。 【効果】 血中のコレステロール増加及び高密度リポプ
ロテインコレステロール低下による成人病の予防に有効
であり、かつ食感も優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度乳清蛋白質およ
び/又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物を含有する脂
質代謝改善に有効な機能性食品、並びに高純度乳清蛋白
質および/又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物と難消
化性デキストリンとを含有する脂質代謝改善に有効な機
能性食品に関する。更に詳しくは、本発明は、固形分中
少なくとも85%(重量。以下とくに断りのない限り同
じ)の割合で乳清蛋白質を含有する高純度乳清蛋白質お
よび/又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物を、最終製
品中に含まれる全蛋白質の少なくとも30%の割合で含
有すること、及び固形分中少なくとも85%の割合で乳
清蛋白質を含有する高純度乳清蛋白質および/又は該高
純度乳清蛋白質の加水分解物を最終製品中の全蛋白質の
少なくとも20%の割合で、及び難消化性デキストリン
を最終製品の固形分中少なくとも5%の割合でそれぞれ
含有すること、からなる血中のコレステロール低下及び
高密度リポプロテインコレステロール(以下、高密度リ
ポプロテインと略記する)増加に有効であり、かつ脂質
代謝の異常を誘発しない機能性食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動物性脂肪摂取量の増加に伴い、
特に中高年者の血中コレステロールの増加が見られ、こ
れは種々の成人病(例えば、動脈硬化等)の引き金にな
ることから大きな問題になっている。また小児期の血中
コレステロール増加も将来の成人病発現の素因となるこ
とから、小児成人病として問題視されている。
【0003】このような観点から血中コレステロールを
低下させる食品成分の研究が従来から行われており、例
えば食物繊維を含む食品(例えば、特開昭63−795
75号公報、特開昭63−123355号公報、特開昭
63−152960号公報等)、スクロース・ポリエス
テルを含む食品(例えば、特開昭63−245651号
公報)、オクタコサノールを含む食品(例えば、特開昭
63−133969号公報等)が開示されている。
【0004】血中コレステロールを低下させる食品成分
の中で、近年注目されているのが、蛋白質及びその加水
分解物である。特に大豆蛋白質等の植物性蛋白質は、カ
ゼイン,魚肉蛋白質等の動物性蛋白質に比して血中コレ
ステロール低下作用が顕著であることが多数報告されて
いる。例えば、永田等は動物実験により大豆蛋白質が血
中コレステロールを低下させ、カゼインは上昇させるこ
とを報告している[ブリティッシュ・ジャーナル・オブ
・ニュートリーション(British Journal of Nutritio
n)、第44巻、第113ページ、1980年]。
【0005】一方、乳には他の食品に比較して多くの動
物性脂肪及びコレステロールが含まれており、更に前記
の血中コレステロール上昇作用を有する蛋白質であるカ
ゼインが含まれているが、乳の摂取によって血中コレス
テロールが上昇するという報告はなく、逆に低下すると
いう報告がなされている。例えば、ハワード等は全乳及
び脱脂乳に血中コレステロール低下作用を認めている
[アテロスクレロージス(Atherosclerosis)、第27
巻、第383ページ、1977年]。これらの事実か
ら、乳中には血中コレステロール低下因子の存在が推定
され、山内等はオロト酸、3−ヒドロキシー3−メチル
・グルタール酸、乳糖、カルシウム等の非蛋白質の低分
子成分を示唆している(日本畜産学会報、第52巻、第
71ページ、1981年)。この中でオロト酸は血中コ
レステロールの低下に有効であるが、脂肪肝の誘発等の
副作用も知られている[エクスペリエンシア(Experien
tia)、第30巻、第993ページ、1974年)。しか
しながら、85%以上の高純度乳清蛋白質及び/又はそ
の加水分解物が脂質代謝改善に有効であることは文献未
記載であり、従来知られていなかった。
【0006】尚、従来から乳清蛋白質を使用した食品
(例えば、母乳化するために乳清蛋白質を添加した育児
用調製粉乳等)は存在しているが、これらの食品に使用
されている乳清蛋白質の純度は何れも80%未満であ
り、これら製品には脂質代謝改善効果は認められていな
い。
【0007】難吸収性物質、例えば食物繊維等が血中コ
レステロールの低下作用を有することは知られている
(印南敏及び桐山修八編、「食物繊維」、第131ペー
ジ、第一出版、1982年)。チェン等は、水溶性食物
繊維がコレステロール投与ラットの肝及び血中コレステ
ロールを減少させる作用を有することを報告している
[プロシーディングス・オブ・ザ・ソサイエティー・フ
ォー・エクスペリメンタル・バイオロジー・アンド・メ
ディスン(Proceedings of the Society for Experi-me
ntal Biology and Medicine)、第175巻、第215ペ
ージ、1984年]。しかしながら、85%以上の高純
度乳清蛋白質及び/又はその加水分解物と難消化性デキ
ストリンとの併用によって相乗的な血中コレステロール
低下効果がもたらされることについては、従来は知られ
ていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】血中コレステロールレ
ベルが高い場合、医薬品が投与され、あるいは種々の食
餌制限が加えられる。医薬品は多かれ少なかれ副作用を
有し、食餌制限もまた望ましいことではない。したがっ
て、食餌を制限することなく、且つ医薬品を投与するこ
となしに、機能性食品の摂取によって血中のコレステロ
ールを低下させることができれば、極めて理想的であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この理想
を実現すべく鋭意研究を行い、乳成分に血中コレステロ
ール低下及び高密度リポプロテイン増加に有効な成分が
存在するのではないか、との仮説のもとに、その成分を
スクリーニングした結果、高純度の乳清蛋白質及びその
加水分解物にその効果があることを見いだし、更に高純
度の乳清蛋白質及び/又はその加水分解物と難消化性デ
キストリンとの併用が、相乗的に血中のコレステロール
低下及び高密度リポプロテイン増加効果をもたらすこと
を見いだし、本発明を完成した。
【0010】本発明によれば、固形分中少なくとも85
%の割合で乳清蛋白質を含有する高純度乳清蛋白質およ
び/又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物を、最終製品
中の全蛋白質の少なくとも30%の割合で含有する機能
性食品、及び固形分中少なくとも85%の割合で乳清蛋
白質を含有する高純度乳清蛋白質及び/又は該高純度乳
清蛋白質の加水分解物を最終製品中の全蛋白質の少なく
とも20%の割合で、及び難消化性デキストリンを最終
製品の固形分中少なくとも5%の割合でそれぞれ含有す
る機能性食品が提供され、これらの機能性食品は血中コ
レステロール低下及び血中高密度リポプロテイン増加に
有効であり、かつ脂質代謝の異常を誘発しない。
【0011】前述のように、従来から乳清蛋白質を使用
した食品は存在するが、これらの食品に使用されている
乳清蛋白質の純度は何れも80%未満であり、意外なこ
とに、低純度の乳清蛋白質を用いた場合には、乳清蛋白
質の含有量がたとえ本発明における含有量と同等であっ
ても脂質代謝改善効果は認められないことが判明した
(試験例1参照)。
【0012】本発明に使用する高純度乳清蛋白質及びそ
の加水分解物の製造法自体は公知であり、例えばホエー
から次のようにして製造され得る。
【0013】ホエーを酸性(例えばpH4)に調整し、
得られた溶液を陽イオン交換樹脂を充填したカラムに通
液し、乳清蛋白質を陽イオン交換樹脂に吸着させる。し
かる後カラムにアルカリ液(例えばpH9)を通液し、
乳清蛋白質を溶出し、得られた溶出液を常法により加水
しながら限外濾過濃縮し、固形成分中の蛋白質濃度が9
5%になるまで精製し、必要に応じて噴霧乾燥し、高純
度乳清蛋白質を得る。以上のようにして得られた高純度
乳清蛋白質は、通常固形分中85%以上の割合で乳清蛋
白質を含有し、ほかに水分約5%、灰分約2%、その他
微量の乳糖,脂質を含有している。更に精製を行えば、
ほぼ純粋な乳清蛋白質を得ることもできる。
【0014】高純度乳清蛋白質の加水分解物は、酸又は
酵素により加水分解して製造され得る。
【0015】酸により加水分解する場合の一例を示せ
ば、高純度乳清蛋白質を0.1〜20%、望ましくは5
〜15%の濃度で水,精製水等に溶解し、得られた溶液
に酸(無機酸又は有機酸)、例えば塩酸を0.5〜5%
の濃度で,高純度乳清蛋白質の5〜100倍量添加し、
70〜120℃で0.5〜100時間保持し、加水分解
を行う。次いで反応液を中和し、冷却し、必要に応じて
常法により脱色,濾過,脱塩,濃縮,乾燥する。上述の
加水分解の条件は、絶対的なものではなく、加熱の温
度,時間及び使用する試薬の濃度,量等に依存して適宜
変更され得る。
【0016】酵素加水分解に使用する酵素には特に制限
はなく、トリプシン,キモトリプシン,ズブチリシン,
パパイン,ペプシン,パンクレアチン等の市販のプロテ
アーゼや、酵母由来のカルボキシペプチダーゼ,乳酸菌
由来のアミノペプチダーゼ等が利用できる。またこれら
の酵素を任意の組み合わせで使用することもできる。酵
素使用量は高純度乳清蛋白質にたいして0.1〜5.0
%の範囲であってよい。高純度乳清蛋白質は、水,精製
水等に溶解し、得られた溶液に酵素を添加する。加水分
解は、原料の乳清蛋白質が変性しない範囲で、使用する
酵素の至適pH付近に調整し、15〜55℃で10分〜
24時間保持して行う。次いで、反応液をそのまま又は
中和した後、加熱により酵素を失活させ、冷却後必要に
応じて常法により濾過,脱塩,濃縮,乾燥を行い、高純
度乳清蛋白質の加水分解物(以下単に加水分解物と記載
する)を得る。一般的には、加水分解物を調製する際の
条件には特に厳密な制限はなく、製造コスト、例えば、
温度,時間,酵素の種類と量等を考慮して適宜条件を設
定する。
【0017】加水分解物の分解率若しくは分解度は、血
中のコレステロール低下及び高密度リポプロテイン増加
の効果にそれほど影響しないが、乳清蛋白質の蛋白質と
しての抗原性を消失させる等の特別な理由がある場合に
は、所望の分解率の加水分解物を使用することもでき
る。分解率は、例えばホルモール滴定法によって、全窒
素量に対するホルモール態窒素量の百分率として算出す
ることができる。
【0018】以上のようにして得られた加水分解物は、
加熱,pHの変動,酸化に対して、極めて安定であり、
種々の分子量を有するペプチド混合物からなっている。
【0019】本発明においては、食品素材中に蛋白質又
はデキストリンが本来的に含まれるか否かにかかわら
ず、高純度乳清蛋白質及び/又はその加水分解物が、最
終製品中における全蛋白質の少なくとも30%の割合
(好ましくは70〜100%)で含むこと、あるいは食
品素材中に蛋白質又はデキストリンが本来的に含まれる
か否かにかかわらず、高純度乳清蛋白質及び/又はその
加水分解物が、最終製品中における全蛋白質の少なくと
も20%の割合(好ましくは70〜100%)で含み、
かつ最終製品の固形分中少なくとも5%の割合で難消化
性デキストリンを含むことが特徴であり、それらの含有
率を実現する手段は問わない。すなわち、本来食品素材
中に含まれる蛋白質の一部又は全部を高純度乳清蛋白質
及び/又はその加水分解物で置換し、あるいは食品素材
に高純度乳清蛋白質及び/又はその加水分解物を添加し
て、最終製品中における高純度乳清蛋白質及び/又はそ
の加水分解物の上述の含有率(全蛋白質の20%以上、
又は30%以上)を達成することができ、あるいはま
た、本来食品素材中に含まれるデキストリンの一部又は
全部を難消化性デキストリンに置換し、あるいは食品素
材中に難消化性デキストリンを添加して、最終製品中に
おける難消化性のデキストリンの上述の含有率(固形分
中5%以上)を達成することができる。この際、置換量
又は添加量の上限は最終製品の物性,風味等を損なわな
い範囲で適宜決定すればよい。
【0020】本発明において使用する難消化性デキスト
リンは市販品であってよく、例えば、パインファイバー
(商標。松谷化学工業社製)等が市販されている。また
難消化性デキストリンは、市販のコーンスターチ,馬鈴
薯澱粉,甘藷澱粉,小麦澱粉,米澱粉,タピオカ澱粉等
から、例えば特開平2−100695号公報、特開平2
−145169号公報、特開平2−154664号公報
等に記載された方法等により製造することもできる。そ
の一例を参考までに以下に記載する。
【0021】原料澱粉に鉱酸、望ましくは塩酸の水溶液
を加え、100〜120℃で水分含量約5%前後まで乾
燥し、次いで150〜220℃で1〜5時間焙焼し、焙
焼デキストリンを得る。この焙焼デキストリンを30〜
50%の濃度で水に溶解し、溶液のpHを5.5〜6.
5に調整し、焙焼デキストリンの0.05〜0.2%の
割合のαーアミラーゼを添加して30〜120分間作用
させ、120℃に加熱して酵素を失活させ、冷却及びp
H調整を行い、トランスグルコシダーゼ単独、又はトラ
ンスグルコシダーゼとβーアミラーゼとの組み合わせ、
の何れかを焙焼デキストリンの0.05〜0.2%の割
合で添加して24〜48時間作用させ、のち加熱して酵
素を失活させ、難消化性デキストリンを得る。
【0022】以上のようにして製造された難消化性デキ
ストリンは、後述の試験例3から明らかなように、最終
製品の固形分の少なくとも5%、望ましくは10〜40
%、の割合で添加、混合される。高純度乳清蛋白質及び
/又は加水分解物と難消化性デキストリンとを併用する
ことにより、上述の相乗効果に加えて、機能性食品の食
感が著しく改善され、通常の食品と何等遜色無い製品が
得られる。
【0023】本発明の機能性食品の製造に際しては、特
別な方法は必要ではなく、夫々の食品の通常の製造方法
の適切な工程において適宜置換,混合を行えばよい。例
えば、カゼイン,大豆蛋白質,卵白,魚肉蛋白質,畜肉
蛋白質等の蛋白質素材、又は脱脂乳,全乳,豆乳等の蛋
白質を含む素材に対しては、それら素材に高純度乳清蛋
白質及び/又はその加水分解物を直接添加して、所望の
含有率(30%以上または20%以上)とし、蛋白質を
含まない素材については、所望量の高純度乳清蛋白質及
び/又はその加水分解物を添加し、以後夫々の食品の製
造方法に従って製造することができる。また難消化性デ
キストリンを併用する製品の製造においては、上述に従
って高純度乳清蛋白質及び/またその加水分解物を少な
くとも20%の割合で添加し、且つ最終製品の固形分中
少なくとも5%の割合で難消化性デキストリンを添加
し、以後夫々の食品の製造方法に従って製造することが
できる。 次に試験例を示して本発明を詳述する。
【0024】[試験例1]この試験は、高純度乳清蛋白
質及びその加水分解物の脂質代謝改善効果を調べるため
に行われた。
【0025】1)飼料の調製 表1に示す組成で、蛋白質の種類のみを変更した5種類
の飼料を調製した。これらの飼料にはコレステロール及
びコール酸が添加されており、その添加量は配合された
蛋白質に脂質代謝改善効果がなければ、血中コレステロ
ールを増加させるに充分な量である。尚、各蛋白質は、
窒素量を常法により測定し、各飼料の窒素量(蛋白質含
有量)が同一となるように配合し、総量はスクロースで
調整した。
【0026】
【表1】 2)試験方法 SD系ラットを8匹を1群として5群に分け、各群に異
なった蛋白質を含む飼料と水とを自由に摂取させた。各
群に与えられた飼料中の蛋白質は、下記のとおりであ
る。
【0027】第1群:カゼイン(オリエンタル酵母社
製。ビタミン不含有) 第2群:高純度乳清蛋白質(参考例1と同一の方法で調
製した。純度85%) 第3群:加水分解物(参考例2と同一の方法で調製し
た。純度85%の高純度乳清蛋白質の加水分解物) 第4群:従来法により得られた低純度乳清蛋白質(参考
例3と同一の方法で調製した。純度75%、ただし乳清
蛋白質の含量は、第3群における乳清蛋白質の含量に同
じ)。 第5群:市販の大豆蛋白質フジプロR(商標、不二製油
社製) 各ラットについて飼育開始3週間後に採血し、血清コレ
ステロール値、血清高密度リポプロテイン値、血清中性
脂肪値をそれぞれ測定して、各群の平均値を算出し、飼
料による血清コレステロール低下、高密度リポプロテイ
ン増加、血清中性脂肪の変動を試験した。
【0028】尚、血清コレステロール値は、コレステロ
ールEテスト(和光純薬工業社製)を用いた酵素法によ
り、血清高密度リポプロテイン値はHDLコレステロー
ルEテスト(和光純薬工業社製)を用いた沈殿・酵素法
により、血清中性脂肪値は、トリグリセリドEテスト
(和光純薬工業社製)を用いた酵素法により、それぞれ
測定し、各群の平均値を算出した。
【0029】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりであり、それらの
数値は各試験群の平均値で示してある。
【0030】
【表2】 第2群(高純度乳清蛋白質投与群)における血清コレス
テロール値及び血清高密度リポプロテイン値の平均値
は、第5群(血清コレステロールを低下させると言われ
ていた大豆蛋白質投与群)のそれらの約54%(低下)
及び約2.4倍(増加)であり、第1群(カゼイン投与
群)のそれらの約39%(低下)及び約1.8倍(増
加)であり、第4群(低純度乳清蛋白質投与群)のそれ
らの約76%(低下)及び約1.2倍(増加)であり、
本発明の高純度乳清蛋白質を投与した第2群の血清コレ
ステロール値が明らかに低下し、高密度リポプロテイン
が顕著に増加していた。
【0031】一方、第3群(加水分解物投与群)の血清
コレステロール値及び血清高密度リポプロテイン値は、
第5群(大豆蛋白質投与群)のそれらの約54%(低
下)及び約2.3倍(増加)であり、第1群(カゼイン
投与群)のそれらの約40%(低下)及び約1.7倍
(増加)であり、第4群(低純度乳清蛋白質投与群)の
それらの約77%(低下)及び約1.1倍(増加)であ
り、第2群(高純度乳清蛋白質投与群)よりは効果が劣
るものの、対照群に比して明らかに血清コレステロール
値が低下し、血清高密度リポプロテインが明らかに増加
していた。
【0032】また、飼育開始25日後の高密度リポプロ
テインとコレステロールとの比の各群の平均値は、第1
群0.084、第2群0.372、第3群0.355、
第4群0.246、第5群0.084であり、高純度乳
清蛋白質投与群(第2群)及び加水分解物投与群(第3
群)は他の群よりも顕著に改善されていた。
【0033】血清中性脂肪の増加は、血清コレステロー
ルの増加と共に動脈硬化発生の危険因子として知られて
いるが、第2群及び第3群の値は正常値であったのに対
して、低純度乳清蛋白質を投与した第4群は、血清中性
脂肪値含量が顕著に増加していた。
【0034】以上の結果から、高純度乳清蛋白質及びそ
の加水分解物が脂質代謝改善に有効であることが立証さ
れた。
【0035】尚、飼料中の各蛋白質の含量及び加水分解
物の分解率を種々に変更して、同様の試験を行ったが、
ほぼ同等の結果を得た。
【0036】[試験例2]この試験は、試験例1と同様
の5群のSD系ラットに、飼料中の蛋白質を種々の割合
で高純度乳清蛋白質と置換した飼料を投与した場合の脂
質代謝改善効果を調べるために行われた。
【0037】1)飼料の調製 試験例1の表1に示した組成において、カゼインを蛋白
質源とした飼料をベースとして、そのカゼインを異なっ
た比率で高純度乳清蛋白質で置換した下記の5種類の飼
料を調製し、夫々の群に投与した。
【0038】第1群:蛋白質源をカゼインとした飼料、 第2群:カゼインの20%を高純度乳清蛋白質で置換し
た飼料、 第3群:カゼインの30%を高純度乳清蛋白質で置換し
た飼料、 第4群:カゼインの70%を高純度乳清蛋白質で置換し
た飼料、 第5群:カゼインの100%を高純度乳清蛋白質で置換
した飼料、 2)試験方法 試験例1と同一の方法により各飼料の脂質代謝改善効果
を試験した。
【0039】3)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりであった。
【0040】
【表3】 表3から明らかなように、第3群(30%置換)、第4
群(70%置換)及び第5群(100%置換)では、対
照(カゼイン投与)の第1群よりも血清コレステロール
が低下し、かつ血清高密度リポプロテインが増加し、血
清中性脂肪には変化が認められなかった。したがって、
飼料中の蛋白質の少なくとも30%の割合での高純度乳
清蛋白質との置換が、脂質代謝改善に有効であることが
判明した。高純度乳清蛋白質の置換割合が高いほど、脂
質代謝改善効果が高くなるので、置換割合は70〜10
0%の範囲であることが望ましい。尚、加水分解物につ
いても上記と同様の試験を行い、ほぼ同様の結果を得
た。
【0041】[試験例3]この試験は、飼料中の蛋白質
及び食物繊維を種々の割合で変更した飼料を投与した動
物について脂質代謝改善効果を調べるために行われた。
【0042】1)飼料の調製 試験例1における表1の組成において、成分を下記のよ
うに変更した10種類の飼料を調製し、試験例1と同様
の態様で各群のSD系ラットに投与した。
【0043】第1群: 蛋白質の全量をカゼインとし、
セルロースを除去した飼料(但し総量をスクロースで調
整、以下同じ) 第2群: 蛋白質の全量をカゼインとし、セルロース
(オリエンタル酵母社製)を5%添加した飼料 第3群: 蛋白質の全量をカゼインとし、セルロースを
除去して市販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社
製)を2.5%添加した飼料 第4群: 蛋白質の全量をカゼインとし、セルロースを
除去して市販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社
製)を5%添加した飼料 第5群: 蛋白質の全量をカゼインとし、セルロースを
除去して市販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社
製)を10%添加した飼料 第6群: カゼインの20%を高純度乳清蛋白質に置換
し、セルロースを除去した飼料 第7群: カゼインの20%を高純度乳清蛋白質に置換
し、セルロース(オリエンタル酵母社製)を5%添加し
た飼料 第8群: カゼインの20%を高純度乳清蛋白質に置換
し、セルロースを除去して市販の難消化性デキストリン
(松谷化学工業社製)を2.5%添加した飼料 第9群: カゼインの20%を高純度乳清蛋白質に置換
し、セルロースを除去して市販の難消化性デキストリン
(松谷化学工業社製)を5%添加した飼料 第10群:カゼインの20%を高純度乳清蛋白質に置換
し、セルロースを除去して市販の難消化性デキストリン
(松谷化学工業社製)を10%添加した飼料 2)試験方法 試験例1と同様の方法により各飼料の脂質代謝改善効果
を試験した。
【0044】3)試験結果 この試験の結果は表4に示すとおりであった。表4から
明らかなように、第4群及び第5群(難消化性デキスト
リンを5%以上添加した飼料を投与)では第1群(対
照、食物繊維無添加飼料を投与)及び第2群(セルロー
ス添加飼料を投与)よりも、血清コレステロールが低下
し、かつ高密度リポプロテインが増加し、従来から知ら
れているように難消化性デキストリンそのものにも脂質
代謝改善効果が認められた。しかしながら、難消化性デ
キストリンを5%以上添加した場合の効果は、試験例1
及び試験例2に認められた高純度乳清蛋白質及びその加
水分解物の効果ほど顕著ではなかった(試験例1の第2
群及び第3群、試験例2の第3群,第4群及び第5群参
照)。
【0045】又、試験例2の第2群及び試験例3の第6
群及び第7群の結果から明らかなように蛋白質の20%
を高純度乳清蛋白質で置換したのみの場合(試験例2の
第2群)及び蛋白質の20%を高純度乳清蛋白質で置換
し難消化性デキストリンを添加しなかった場合(試験例
3の第6群及び第7群)は、顕著な脂質代謝改善効果が
認められなかったが、蛋白質の20%を高純度乳清蛋白
質で置換し、更に難消化性デキストリン5%以上を添加
した飼料を投与した第9群及び第10群では、顕著な脂
質代謝改善効果が認められ、高純度乳清蛋白質と難消化
性デキストリンとの併用による相乗効果が明らかに認め
られた。
【0046】したがって、最終製品中の蛋白質の少なく
とも20%を高純度乳清蛋白質で置換し、最終製品の固
形分の少なくとも5%の割合で難消化性デキストリンを
添加することにより、相乗的に脂質代謝改善効果が発揮
される。又、難消化性デキストリンの添加割合が高いほ
ど、脂質代謝改善効果は高くなるが、50%以上の添加
では好ましい食感が得られないので、難消化性デキスト
リンの添加割合は10〜40%の範囲が望ましい。
【0047】尚、高純度乳清蛋白質の加水分解物につい
ても、上記とほぼ同様の結果が得られた。又、難消化性
デキストリンの添加割合が5%未満の場合は、顕著な脂
質代謝改善効果が認められなかった。
【0048】
【表4】 [試験例4]この試験は、難消化性デキストリンを飼料
の固形分の5%の割合で添加し、飼料中の蛋白質(カゼ
イン)を種々の割合で高純度乳清蛋白質と置換した飼料
を投与した5群のSD系ラットについて脂質代謝改善効
果を調べるために行なった。 1)飼料の調製 表5に示す組成において、蛋白質を下記のように変更し
た5種類の飼料を調製し、試験例1と同様の態様で各群
のSD系ラットに投与した。
【0049】 第1群:蛋白質の全量をカゼインとした飼料、 第2群:カゼインの10%を高純度乳清蛋白質とした飼
料、 第3群:カゼインの20%を高純度乳清蛋白質とした飼
料、 第4群:カゼインの50%を高純度乳清蛋白質とした飼
料、 第5群:カゼインの100%を高純度乳清蛋白質とした
飼料、
【表5】 2)試験方法 試験例1と同一の方法により各飼料の脂質代謝改善効果
を試験した。
【0050】3)試験結果 この試験の結果は表6に示すとおりであった。表6から
明らかなように、難消化性デキストリンを飼料の固形分
の5%の割合で飼料に添加した場合、カゼインを20%
以上の割合で高純度乳清蛋白質と置換した飼料を投与し
た第3群、第4群、及び第5群では、対照の第1群(カ
ゼイン投与)よりも血清コレステロールが顕著に低下
し、かつ血清の高密度リポプロテインが増加した。した
がって、この結果及び試験例3の結果から、蛋白質の少
なくとも20%を高純度乳清蛋白質と置換した飼料にお
いて、飼料の固形分の少なくとも5%の難消化性デキス
トリンの添加が脂質代謝改善効果に相乗的に作用するこ
とが判明した。尚、高純度乳清蛋白質の加水分解物につ
いても、ほぼ同様の結果が得られた。
【0051】
【表6】 本発明における、ホエーからの高純度乳清蛋白質の分
離、高純度乳清蛋白質の酵素加水分解物の調製、及びホ
エーからの低純度乳清蛋白質の分離方法の概要を参考ま
でに以下に記載する。
【0052】[参考例1]温水で膨潤した30gのCM
−セファデックスC−50(ファルマシア社製)に、塩
酸でpH4に調整したホエー16kgを添加し、16時
間撹拌し、のちイオン交換樹脂を濾別し、イオン交換樹
脂を水洗し、ホエーを除去し、カラムに充填した。次い
で5%塩化ナトリウム水溶液を通液し、イオン交換樹脂
に吸着した乳清蛋白質を溶出し、この溶出液を分画分子
量20,000の限外濾過膜(DDS社製。GR61p
p)を装着したモジュールを用いて平均圧力3kg/c
2で限外濾過し、水を加えてダイアフィルトレーショ
ンを行って塩化ナトリウムを除去し、凍結乾燥し、高純
度乳清蛋白質の粉末約45gを得た。この粉末の乳清蛋
白質含量は91.2%であった。
【0053】[参考例2]参考例1と同一の方法により
製造した高純度乳清蛋白質粉末1kgに、水19kgを
添加して溶解し、50℃に加温し、10gのパンクレア
チン(天野製薬社製)を添加し、撹拌しながら同温度で
6時間保持し、のち85℃で10分間加熱して酵素を失
活させ、20℃に冷却し、ハイフロースーパーセルで濾
過し、濾液を35%に濃縮し、凍結乾燥し、加水分解物
粉末約0.95kgを得た。
【0054】[参考例3]ホエー16kgを参考例1と
同一の方法により限外濾過し、水を加えてダイアフィル
トレーションを行って低分子分画を除去し、凍結乾燥
し、乳清蛋白質の粉末約57gを得た。この粉末の乳清
蛋白質含量は75.1%であった。
【0055】次に実施例を示して、本発明を更に詳述す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0056】
【実施例】
[実施例1]参考例1と同一の方法で製造した高純度乳
清蛋白質(蛋白質含量90%)8.7kg及び市販のカ
ゼイン粉末(ニュージーランド・デイリーボード製。蛋
白質含量86%)6.0kgを温水150lに溶解し
た。この溶液に市販の乳糖56kg、市販の植物性油脂
(日本油脂社製)28kg、ビタミン,ミネラルを添
加,混合し、均質化し、120℃で3秒間加熱殺菌し、
常法により噴霧乾燥し、調製粉乳約100kgを得た。
【0057】この調製粉乳の蛋白質含量は13%であ
り、その約60%が高純度乳清蛋白質からなっていた。
【0058】[実施例2]参考例2と同一の方法で製造
した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量92%)の加水分解
物1.3kg、市販のカゼイン粉末(ニュージーランド
・デイリーボード製。蛋白質含量86%)1.8kg、
及び市販の大豆蛋白質(不二製油社製。蛋白質含量86
%)1.4kgを温水60lに溶解した。この溶液に市
販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社製)12.
5kg、市販の植物性油脂(日本油脂社製)3kg、ビ
タミン,ミネラルを添加、混合し、均質化し、全量を1
00lに調整し、150℃で2秒間加熱殺菌し、液状経
腸栄養剤約100kgを得た。 この液状経腸栄養剤の
蛋白質含量は4%であり、その約30%が高純度乳清蛋
白質の加水分解物からなっていた。
【0059】[実施例3]参考例と同一の方法で製造し
た高純度乳清蛋白質(蛋白質含量86%)1.5kg、
市販の脱脂乳(森永乳業社製。蛋白質含量34%)8.
0kg、及び市販の無塩バター(森永乳業社製)3.5
kgを温水80lに溶解し、均質化し、全量を100l
に調整した。次いで、90℃で15分間加熱殺菌し、冷
却し、市販の乳酸菌スターター(ハンゼン社製)0.3
kg(ストレプトコッカス・サーモフィラス0.2kg
及びラクトバシラス・ブルガリクス0.1kg)を接種
し、均一に混合し、500mlの容器に分注,充填し、
密封し、37℃で20時間発酵させ、のち冷却し、ヨー
グルト190個を得た。
【0060】このヨーグルトの蛋白質含量は4.0%で
あり、その32%が高純度乳清蛋白質からなっていた。
【0061】[実施例4]参考例1と同一の方法で製造
した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量90%)1.5k
g、市販の砂糖(東洋精糖社製)10kg、市販のクエ
ン酸(三栄化学社製)0.2kg、及び市販のペクチン
(三栄化学社製)0.3kgを温水90lに溶解した。
この溶液に市販の果汁10lを添加、混合し、均質化
し、120℃で3秒間加熱殺菌し、冷却し、乳清蛋白質
飲料約100lを得た。
【0062】この乳清蛋白質飲料の蛋白質含量は1.3
5%であり、その全て(100%)が高純度乳清蛋白質
からなっていた。
【0063】[実施例5]大豆14kgを剥皮し、15
℃の水に10時間浸漬し、浸漬した大豆に水120lを
加えながら磨砕し、60℃で30分間加熱し、スクリュ
ーデカンターで残渣を分離し、豆乳を得た。この豆乳に
市販の植物油脂(日本油脂社製)1.5kg、市販の砂
糖(東洋精糖社製)3kg及び参考例1と同一の方法で
製造した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量88%)1.5
kgを溶解し、均質化し、145℃で2秒間加熱殺菌
し、真空脱臭し、乳清蛋白質を強化した調製豆乳約10
0lを得た。
【0064】この調製豆乳の蛋白質含量は4.3%であ
り、その30%が高純度乳清蛋白質からなっていた。
【0065】[実施例6]参考例2と同一の方法で製造
した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量93%)の加水分解
物1.3kg、市販のカゼイン粉末(ニュージーランド
・デイリーボード製。蛋白質含量85%)1.8kg及
び市販の大豆蛋白質(不二製油社製。蛋白質含量88
%)1.4kgを温水60lに溶解した。この溶液に市
販のデキストリン(松谷化学工業社製)4.5kg、市
販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社製)8.0
kg、市販の植物性油脂(日本油脂社製)3kg、ビタ
ミン、ミネラルを添加、混合し、均質化し、全量を10
0lに調整し、150℃で2秒間加熱殺菌し、液状経腸
栄養剤約100kgを得た。
【0066】この液状経腸栄養剤の蛋白質含量は4%で
あり、その30%が高純度乳清蛋白質の加水分解物から
なり、20%の固形分の約40%が難消化性デキストリ
ンであった。
【0067】[実施例7]大豆14kgを剥皮し、15
℃の水に10時間浸漬し、浸漬した大豆に水120lを
加水しながら磨砕し、60℃で30分間加熱し、スクリ
ューデカンターで残渣を分離し、豆乳を得た。この豆乳
に市販の植物性油脂(日本油脂社製)1.5kg、市販
の砂糖(東洋精糖社製)1.5kg、参考例1と同一の
方法で製造した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量94%)
0.8kg、及び市販の難消化性デキストリン(松谷化
学工業社製)0.6kgを溶解し、均質化し、145℃
で2秒間加熱殺菌し、真空脱臭し、乳清蛋白質を強化し
た調製豆乳約100lを得た。 この調製豆乳の蛋白質
含量は3.75%であり、その20%が高純度乳清蛋白
質からなり、12%の固形分の約5%が難消化性デキス
トリンであった。
【0068】[実施例8]参考例1と同一の方法により
製造した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量90%)3.2
kg、及び市販の乳糖(ドイツのミライ社製)4.5k
gを温水70lに溶解し、20℃に冷却した。一方、市
販の塩化カルシウム0.13kg、塩化マグネシウム
0.09kg、炭酸カルシウム0.15kg、リン酸
0.33kg、水酸化ナトリウム0.06kg、及び水
酸化カリウム0.25kgを20℃の水17lに溶解
し、前記溶液と混合した。得られた混合液を65℃に加
熱し、市販の無塩バター(森永乳業社製)3.8kg及
び乳化剤(太陽化学社製)0.07kgを溶解し、均質
化し、150℃で2.4秒間直接加熱殺菌し、冷却し、
牛乳類似の乳清蛋白飲料約100lを得た。
【0069】得られた乳清蛋白飲料の蛋白質含量は2.
9%であり、その全部(100%)が高純度乳清蛋白質
であった。
【0070】[実施例9]実施例8と同一の方法により
製造した牛乳類似の乳清蛋白飲料5lを39℃に加温
し、のち市販の乳酸菌スターター(ハンゼン社製。スト
レプトコッカス・サーモフィラス50g及びラクトバシ
ラス・ブルガリクス25g)を添加し、10分間撹拌
し、紙容器に90mlずつ充填し、容器を密封し、37
℃で5時間培養し、のち直ちに10℃以下に冷却し、ヨ
ーグルト50個を得た。
【0071】得られたヨーグルトは、蛋白質の全部(1
00%)が高純度乳清蛋白質からなり、組織及び風味共
に良好であった。
【0072】[実施例10]実施例8と同一の方法によ
り調製した乳清蛋白飲料50.0kgと参考例1と同一
の方法により調製した高純度乳清蛋白質(蛋白質含量9
0%)1.3kg、市販の乳糖(ドイツのミライ社製)
1.8kg、砂糖(東洋精糖社製)13.0kg、市販
の粉飴(昭和産業社製)5.0kg、安定剤(三栄化学
社製)0.25kg及び着色料(三栄化学社製)0.0
2kgを60℃の温湯20.18kgに溶解し、70℃
に加温して市販のヤシ油(不二製油社製)8.0kg、
及び乳化剤(太陽化学社製)0.25kgを加えて混合
し、均質化し、85℃で15秒間加熱殺菌し、5℃に冷
却し、香料(三栄化学社製)0.2kgを添加し、1昼
夜エージングし、のち連続式フリーザー(APV−クレ
バコ社製)でフリージングし、カップに150mlずつ
充填し、カップを密封し、ラクトアイス1200個を得
た。
【0073】得られたラクトアイスは、蛋白質の全部
(100%)が高純度乳清蛋白質からなり、組織,風味
ともに良好であった。
【0074】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は、次の
とおりである。
【0075】(1) 本発明の機能性食品を摂取するこ
とにより、血中コレステロールを低下させることができ
る。
【0076】(2) 本発明の機能性食品を摂取するこ
とにより、血中高密度リポプロテインを増加させること
ができる。
【0077】(3) 本発明の機能性食品を摂取するこ
とにより血中コレステロール値の上昇による成人病を予
防することができる。
【0078】(4) 本発明の機能性食品を摂取するこ
とにより、望ましくない脂質代謝異常を誘発しない。
【0079】(5) 本発明の機能性食品は、高純度の
乳清蛋白質/及び又はその加水分解物と難消化性デキス
トリンとの併用により、食感が著しく改善され、通常の
食品と遜色の無い食品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23C 11/10 A23L 2/38 P (72)発明者 武田 安弘 神奈川県横浜市旭区西川島町19−30 エン ゼルハイツ202 (72)発明者 村田 典男 埼玉県此企郡玉川村大字玉川2078−31 (72)発明者 池田 三知男 神奈川県横浜市磯子区東町2−16 ストー クハイツ岸201

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分中少なくとも85%(重量)の
    割合で乳清蛋白質を含有する高純度乳清蛋白質および/
    又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物を、最終製品中の
    蛋白質の少なくとも30%(重量)の割合で含有するこ
    とを特徴とする脂質代謝改善に有効な機能性食品。
  2. 【請求項2】 固形分中少なくとも85%(重量)の
    割合で乳清蛋白質を含有する高純度乳清蛋白質および/
    又は該高純度乳清蛋白質の加水分解物を、最終製品中の
    蛋白質の少なくとも20%(重量)の割合で、及び難消
    化性デキストリンを最終製品の固形分中少なくとも5%
    (重量)の割合でそれぞれ含有することを特徴とする脂
    質代謝改善に有効な機能性食品。
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