JPH0534364U - ちよう形弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁シートにおけるシール部の耐高圧性および
弁シートの耐久性を向上させると共に、弁開閉操作の円
滑性を向上させる。 【構成】 外周部に弁シート挟持部４，４′を形成した
円形状の弁本体と、弁シート挟持部４，４′に挟着しか
つ環状で外周面を断面山形状のシール部１０に形成した
弁シート８と、内周面に断面山形状の屈折弁座１４を形
成した弁箱１２とからなり、弁シート挟持部４，４′の
外周端部に形成した弁シート抱持部７，７′の弁開放側
の弁シート抱持部７′を弁箱１２側へ延設して小間隙Ｌ
を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ちょう形弁に関し、弁シートにおけるシール部の耐高圧性の向上お よび弁シートの耐久性の向上を図ると共に、弁シートのシール部を断面山形状に 形成することにより、弁開閉操作の円滑性の向上を図るものに関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

この種の弁本体の外周部に弁シートが装着されたちょう形弁においては、弁本 体の外周部に形設された弁シート装着溝に環状の弁シートが嵌着されているもの 、あるいは弁本体に一体に周設された一方の挟持部とこれに対向して取りつけら れた他方の挟持リングとにより環状の弁シートが挟着されているもの等が一般的 であり、いずれのものも弁シートの弁箱に対するシール部を箱軸方向へ幅広状に 形成して弁シートと弁箱との接触面積を増大させることにより、閉弁時における 流体の漏洩防止が図られている。

【０００３】 しかしながら、弁シートの弁箱に対するシール部を箱軸方向へ幅広状に形成す ることは、閉弁時に流体の漏洩防止を図ることができるものの、反面、閉弁操作 時および開弁操作時における弁箱に対するシール部の摺接長さが増大し、弁開閉 操作の円滑性が低下するばかりでなく、シール部の変形量が増大してシール部の 劣化を招くと共に、特に閉弁操作時においてシール部の後続側が弁本体の外周端 部から屈折変形されてシール部後続側の急速な劣化を招き、弁シートの耐久性が 著しく低下するという問題があった。

【０００４】 本考案は上記従来技術の問題点を解決するもので、弁シートの断面山形状のシ ール部に対して弁箱内周面に突設された断面山形状の突条におけるシール部側の 面から弁箱内周面にわたって形成された屈折弁座と、弁箱側へ小間隙をおいて延 設された弁シート挟持部における弁開放側の弁シート抱持部との協働によって、 弁シートにおけるシール部の耐高圧性の向上および弁シートの耐久性の向上を図 ると共に、弁シートのシール部を断面山形状に形成することにより、弁開閉操作 の円滑性の向上を図ることができるちょう形弁を提供することを目的とするもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のちょう形弁においては、径方向に弁棒装 着部および外周部に弁シート挟持部が形成された円形状の弁本体と、弁シート挟 持部に挟着された環状の弁シートとを有し、弁シートの外周面に形成された断面 山形状シール部の弁閉鎖側における弁箱内周面には断面山形状の突条が突設され 、該突条のシール部側の面から弁箱内周面にわたって屈折弁座が形成されている と共に、弁シート挟持部の外周端部に形成された弁シート抱持部の弁開放側の弁 シート抱持部が弁箱側へ小間隙をおいて延設されているものである。

【０００６】

【作用】

上記のように構成されたちょう形弁は、径方向に弁棒装着部および外周部に弁 シート挟持部が形成された円形状の弁本体と、弁シート挟持部に挟着された環状 の弁シートとを有するものであるから、流体通路に介装された弁箱に弁棒装着部 に弁棒を介してちょう形弁を回動自在に装設することにより、ちょう形弁の閉弁 あるいは開弁操作によって流体通路は閉鎖あるいは開放されるのであるが、弁シ ート挟持部に挟着されている弁シートのシール部はその外周面が断面山形状に形 成されているものであるから、閉弁操作時および開弁操作時における弁箱に対す るシール部の摺接長さを最小限にとどめることができるため、弁開閉操作の円滑 性を向上することができる。

【０００７】 しかも弁シートのシール部の弁閉鎖側における弁箱内周面には断面山形状の突 条が突設され、該突条のシール部側の面から弁箱内周面にわたって屈折弁座が形 成されているものであるから、弁シートのシール部と弁箱との接触面積が増大す ると共に弁座の屈折によりシール部のシール圧を増大させることができるため、 シール部の耐高圧性を向上することができる。

【０００８】 さらには弁シート挟持部の外周端部に形成された弁シート抱持部の弁開放側の 弁シート抱持部が弁箱側へ小間隙をおいて延設されているものであるから、閉弁 時におけるシール部のシール圧による変形を延設された弁シート抱持部により支 承阻止することができるため、シール部の劣化を防止することができると共に、 屈折弁座によシール圧の増大と延設された弁シート抱持部によるシール部変形の 支承阻止との協働によりシール部の耐高圧性をさらに向上することができる。

【０００９】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、１は弁本体で、該弁本体１は２枚 の円板２，２′により構成されており、各円板２，２′には対称的なプレス成形 により径方向の各弁棒装着部３，３′および外周部に各弁シート挟持部４，４′ がそれぞれ形成されている。各弁棒装着部３，３′にはその中央部に棒軸を横切 って直角方向へ形成された各リブ５，５′と各弁シート挟持部４，４′との間に 断面直角形状の各弁棒嵌合部６，６′が形成されていると共に、各弁棒装着部３ ，３′における各弁シート挟持部４，４′は半円形状に形成されており、また各 弁棒装着部３，３′を除く各弁シート挟持部４，４′にはその外周端部に各弁シ ート抱持部７，７′が対向方向へ傾斜して形成されている。

【００１０】 一方、各弁シート挟持部４，４′に挟着される弁シート８は環状に形成されて おり、その径方向における対称位置に対向して円形状の各弁棒嵌入部９，９が形 成されていると共に、弁シート８の外周面に形設されているシール部１０は断面 山形状に形成されている。 かくして形成された弁シート８をその各弁棒嵌入部９，９が弁本体１の弁棒装 着部３，３′と一致すべく弁本体１の各弁シート挟持部４，４′により挟持し、 弁本体１の弁棒装着部３，３′と各弁シート挟持部４，４′との間における両円 板２，２′の接触部をスポット溶接等の固着手段により固着させることによって 、弁シート８は弁本体１の各弁シート挟持部４，４′に挟着され、弁シート挟持 部４，４′の外周端部に形成されている弁シート抱持部７，７′の弁開放側の弁 シート抱持部７′は弁箱１２側へ小間隙Ｌをおいて延設されていると共に、弁開 放側の弁シート抱持部７′の内面と弁シート８の外周面に形成された断面山形状 のシール部１０の基部との間に間隙１１が形成されており、断面山形状のシール 部１０の弁閉鎖側における弁箱１２の内周面には断面山形状の突条１３が突設さ れ、該突条１３のシール部１０側の面から弁箱１２の内周面にわたって屈折弁座 １４が形成されている。

【００１１】 実施例は以上のように構成されているものであるから、弁本体１は２枚の円板 ２，２′のプレスによる板金加工により成形されるため、製作が容易であり、弁 シート８のシール部１０が断面山形状に形成されていることにより、弁開閉操作 時における弁箱１２に対するシール部１０の摺接長さを最小限にとどめることが できるため、弁開閉操作の円滑性を向上することができる。

【００１２】 また弁箱１２に形成された屈折弁座１４によりシール部１０と弁箱１２との接 触面積が増大すると共にシール部１０のシール圧を増大させることができるため 、シール部１０の耐高圧性を向上することができる。 さらに弁開放側の弁シート抱持部７′の内面とシール部１０の基部との間隙１ １および該弁シート抱持部７′の弁箱１２側へ小間隙Ｌを置いた延設とにより、 閉弁時におけるシール部１０のシール圧による変形を吸収および支承阻止するこ とができるため、シール部１０の劣化が防止され弁シート８の耐久性を向上する ことができると共に、屈折弁座１４によるシール圧の増大と延設された弁シート 抱持部７′によるシール部１０変形の支承阻止との協働により、シール部１０の 耐高圧性をさらに向上することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているものであり、弁シート挟持部に 挟着されている弁シートのシール部はその外周面が断面山形状に形成されている ものであるから、閉弁操作時および開弁操作時における弁箱に対するシール部の 摺接長さを最小限にとどめることができるため、弁開閉操作の円滑性の向上を図 ることができる。また弁シートのシール部の弁閉鎖側における弁箱内周面には断 面山形状の突条が突設され、該突条のシール部側の面から弁箱内周面にわたって 屈折弁座が形成されているものであるから、シール部と弁箱との接触面積が増大 すると共に弁座の屈折によりシール部のシール圧を増大させることができるため 、シール部の耐高圧性の向上を図ることができる。さらに弁シート挟持部の外周 端部に形成された弁シート抱持部の弁開放側の弁シート抱持部が弁箱側へ小間隙 をおいて延設されているものであるから、閉弁時におけるシール部のシール圧に よる変形を延設された弁シート抱持部により支承阻止し、シール部の劣化を防止 することができるため、弁シートの耐久性の向上を図ることができると共に、屈 折弁座によるシール圧の増大化と延設された弁シート抱持部によるシール部変形 の支承阻止との協働により、シール部の耐高圧性の向上をさらに図ることができ るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ちょう形弁の正面図である。

【図２】ちょう形弁の側面図である。

【図３】ちょう形弁の平面図である。

【図４】図１におけるＡ−Ａ線断面平面図である。

【図５】ちょう形弁の要部を９０°転回して示す拡大断
面図である。

【符号の説明】

１ 弁本体 ３，３′ 弁棒装着部 ４，４′ 弁シート挟持部 ７ 弁シート抱持部 ７′ 延設された弁シート抱持部 ８ 弁シート １０ シール部 １２ 弁箱 １３ 突条 １４ 屈折弁座 Ｌ 小間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】径方向に弁棒装着部および外周部に弁シー
   ト挟持部が形成された円形状の弁本体と、弁シート挟持
   部に挟着された環状の弁シートとを有し、弁シートの外
   周面に形成された断面山形状シール部の弁閉鎖側におけ
   る弁箱内周面には断面山形状の突条が突設され、該突条
   のシール部側の面から弁箱内周面にわたって屈折弁座が
   形成されていると共に、弁シート挟持部の外周端部に形
   成された弁シート抱持部の弁開放側の弁シート抱持部が
   弁箱側へ小間隙をおいて延設されていることを特徴とす
   るちょう形弁。