JPH06117550A - バタフライ弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 弁棒の軸心を含む平面上において弁箱流路の
軸心に対して適当角度に傾斜する仮想円筒面上に弁箱シ
ート部２を設け、弁箱シート部２に対向する弁体４の外
周に全周にわって金属製の中空体をなす弁体シートリン
グ５を設け、弁体シートリング５にスリット６を設け
た。 【効果】 弁棒に阻害されることなく、弁箱シート部２
の全周にわたってシールすることができる。弁体シート
リング５の弾性変形により、弁体シートリング５が弁箱
シート部２に偏重して圧接する場合にも、弁体シートリ
ング５の全周にわたって確実なシールを行うことがで
き、軽い操作力で容易に開閉操作を行うことができる。
歪みをスリット６で吸収することにより、弁体シートリ
ング５をより柔軟に弾性変形させて弁箱シート部２に密
着させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道等に用いられるメ
タルシートのバタフライ弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のバタフライ弁は、弁箱の内周に沿
って環状に弁箱シート部を設け、弁箱シート部に対向す
る弁体の外周に盛金によって弁体シート部を形成し、弁
体シート部を弁箱シート部に圧接させることにより、弁
箱と弁体の間をシールしている。弁箱シート部は、弁棒
の軸心に対して直角な平面上において弁箱流路の軸心に
対して適当角度に傾斜する仮想円筒面上に形成してお
り、弁棒を挿通するために弁箱に形成した弁棒孔によっ
て弁箱シート部が途切れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成では、弁箱シート部が途切れる弁棒孔において弁
棒と弁棒孔との間をシールするための装置を別途に設け
る必要があった。また、剛性の高い金属体であると弁体
シート部と弁箱シート部とを圧接してシールするため
に、その圧接面の形状には高い精度が必要であり、加工
誤差によりシート部間に隙間が生じるとシール性が不十
分となる問題があった。さらに、弁体の一側において弁
箱シート部と弁体シート部の間に隙間が生じると、弁棒
を介した反対側において弁箱シート部と弁体シート部と
が必要以上に強く圧接し、摩擦力が大きくなるために開
閉操作が困難となる問題があった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するもので、加工
誤差に影響されることなく、しかも弁体の全周にわたっ
て高いシール性を確保するとともに、開閉操作を容易に
行えるバタフライ弁を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、弁箱の内周に形成する弁箱シート部を、弁
棒の軸心を含む平面上において弁箱流路の軸心に対して
適当角度に傾斜する仮想円筒面上に設け、弁箱シート部
に対向する弁体の外周に全周にわって金属製の中空体を
なす弁体シートリングを設けた構成としたものである。

【０００６】また、弁箱シート部に接触する弁体シート
リングの圧接面に周方向に沿ってスリットを形成した構
成としたものである。

【０００７】

【作用】上記構成により、弁箱シート部を弁棒に阻害さ
れることのない位置に設けたので、全閉状態において弁
体シートリングが弁箱シート部の全周にわたって圧接し
て弁箱と弁体の間をシールすることができる。

【０００８】このとき、弁体シートリングは圧接に伴う
反力を受けて径方向に撓みながら弾性変形して弁箱シー
ト部に圧接するので、弁箱と弁体の間の軸心ずれや、弁
箱の歪みによって弁体シートリングが弁箱シート部の一
側に偏重して圧接する場合においても、弁体シートリン
グに対する弁箱シート部の偏位に応じて撓み具合を変化
させることにより、弁体シートリングの全周にわたって
確実なシールを行うことができる。さらに、弁体の開閉
に際しても、弁体シートリングが弾性変形して弁箱シー
ト部に圧接するので過剰な摩擦力が生じず、軽い操作力
で容易に開閉操作を行うことができる。

【０００９】また、弁体シートリングに形成したスリッ
トで圧接の撓みにともなう歪みをスリットで吸収するこ
とにより、弁体シートリングをより柔軟に弾性変形させ
て弁箱シート部に密着させることができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１〜図２において、弁箱１の内面には環状に
弁箱シート部２を形成しており、弁箱シート部２は弁棒
３の軸心を含む平面上（垂直面上）において弁箱流路の
軸心に対して上下方向に適当角度に傾斜する仮想円筒面
上に設けている。

【００１１】弁箱１の内部には弁棒３に連結して弁体４
を配置しており、弁体４には弁箱シート部２に対向する
外周に全周にわって弁体シートリング５を設けている。
弁体シートリング５は断面円形状の鋼管で形成してお
り、弁箱シート部２に接触する圧接面には周方向に沿っ
てスリット６を形成している。

【００１２】以下、上記構成における作用を説明する。
弁箱シート部２を弁棒３に阻害されることのない位置に
設けたので、全閉状態において弁体シートリング５が弁
箱シート部２の全周にわたって圧接して弁箱１と弁体４
の間をシールすることができる。

【００１３】このとき、弁体シートリング５は圧接に伴
う反力を受けて径方向に撓み、その歪みをスリット６に
おいて吸収して縮径しながら弾性変形し、弁箱シート部
２に圧接するので、弁箱１と弁体４の間の軸心ずれや、
弁箱１の歪みによって弁体シートリング５が弁箱シート
部２の一側に偏重して圧接する場合においても、弁体シ
ートリング５に対する弁箱シート部２の偏位に応じて撓
み具合を変化させることにより、弁体シートリング５の
全周にわたって確実なシールを行うことができる。ま
た、圧接の撓みにともなう歪みをスリット６で吸収する
ことにより、弁体シートリング５をより柔軟に弾性変形
させて弁箱シート部２に密着させることができる。

【００１４】また、弁箱シート部２に圧接する状態にお
いて、弁体シートリング５は弾性力のみならず、その内
圧によって弁箱シート部２に押圧されるセルフシール構
造となり、正逆両方向の止水が可能となる。

【００１５】さらに、弁体４の開閉に際しても、弁体シ
ートリング５が弾性変形して弁箱シート部２に圧接する
ので過剰な摩擦力が生じず、軽い操作力で容易に開閉操
作を行うことができる。

【００１６】図３は本発明の他の実施例を示すものであ
り、弁体シートリング１１は弁体４の表裏方向に向かい
合わせて配置した鋼板製の一対の葉部１１ａ，１１ｂで
形成している。弁体シートリング１１は葉部１１ａ，１
１ｂを適当位置で折り曲げて断面形状がほぼＵ字状をな
しており、双方の葉部１１ａ，１１ｂ間にはスリット１
２を形成している。

【００１７】この構成によれば、葉部１１ａ，１１ｂは
折り曲げた一側が弁箱シート部２に圧接するとともに、
圧接による反力を受けて径方向に撓み、弁体シートリン
グ１１に対する弁箱シート部２の偏位に応じて撓み具合
を変化させることにより、弁体シートリング１１の全周
にわたって確実なシールを行うことができる。他の作用
効果は先の実施例と同様である。

【００１８】図４は本発明のさらに他の実施例を示すも
のであり、弁体シートリング２１は鋼管を用いて断面半
円形に形成しており、圧接面にスリットは形成していな
いが、先の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることがで
きる。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、弁箱
シート部を弁棒に阻害されることのない位置に設けたの
で、全閉状態において弁体シートリングが弁箱シート部
の全周にわたって圧接して弁箱と弁体の間をシールする
ことができる。弁体シートリングが弾性変形して弁箱シ
ート部に圧接するので、弁箱と弁体の間の軸心ずれや、
弁箱の歪みによって弁体シートリングが弁箱シート部の
一側に偏重して圧接する場合においても、弁体シートリ
ングの全周にわたって確実なシールを行うことができ
る。また、弁体シートリングが弾性変形して弁箱シート
部に圧接するので過剰な摩擦力が生じず、軽い操作力で
容易に開閉操作を行うことができる。さらに、圧接の撓
みにともなう歪みをスリットで吸収することにより、弁
体シートリングをより柔軟に弾性変形させて弁箱シート
部に密着させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるバタフライ弁の全体
断面図である。

【図２】図１におけるＡ部の拡大図である。

【図３】本発明の他の実施例におけるバタフライ弁の要
部断面図である。

【図４】本発明のさらに他の実施例におけるバタフライ
弁の要部断面図である。

【符号の説明】

２ 弁箱シート部 ４ 弁体 ５ 弁体シートリング ６ スリット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁箱の内周に形成する弁箱シート部を、
   弁棒の軸心を含む平面上において弁箱流路の軸心に対し
   て適当角度に傾斜する仮想円筒面上に設け、弁箱シート
   部に対向する弁体の外周に全周にわって金属製の中空体
   をなす弁体シートリングを設けたことを特徴とするバタ
   フライ弁。
2. 【請求項２】 弁箱シート部に接触する弁体シートリン
   グの圧接面に周方向に沿ってスリットを形成したことを
   特徴とする請求項１記載のバタフライ弁。