JPH05341685A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JPH05341685A
JPH05341685A JP16824792A JP16824792A JPH05341685A JP H05341685 A JPH05341685 A JP H05341685A JP 16824792 A JP16824792 A JP 16824792A JP 16824792 A JP16824792 A JP 16824792A JP H05341685 A JPH05341685 A JP H05341685A
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貴裕 久保
Yasuo Nami
泰夫 浪
Yasushi Miura
康 三浦
Akio Suzuki
章雄 鈴木
Tatsuo Takeuchi
達夫 竹内
Jiro Ishizuka
二郎 石塚
Haruo Naruse
晴夫 成瀬
Motoi Kato
基 加藤
Takeshi Menjo
健 校條
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、加熱手段を内部に備えた回転体の
軸方向における温度分布が均一で、かつ、定着装置の立
ち上がり時間を短縮することのできる定着装置を提供す
ることを目的の一つとしいる。 【構成】 定着用回転体100を構成する芯金100a
の、記録材通過部と軸方向端部の間に相当する位置に、
熱伝導率が上記芯金100aよりも低い熱遮断材101
を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機及びレーザビー
ムプリンタ等の画像形成装置、及び該画像形成装置に使
用される定着用回転体、及び加圧用回転体を備え、少な
くとも一方の回転体をハロゲンランプを用いて加熱する
定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の定着装置には、定着用回転体もし
くは加圧用回転体の内部よりハロゲンランプを用いて該
回転体を加熱する方式が採用されているが、このような
定着装置では記録材上に定着される画像の定着状態を安
定させるために、加熱される回転体表面の温度分布を回
転体軸方向で均一にする必要がある。
【0003】しかしながら、一般に使用されている定着
用回転体もしくは加圧用回転体では、回転体の軸方向端
部への熱の逃げと、回転体内面にハロゲンランプより照
射される輻射線の回転体軸方向端部での減少傾向との二
つの要因によって、回転体表面温度が軸方向端部で低下
する傾向がある。
【0004】そこで従来は、上記回転体の軸方向端部に
おける表面温度の低下を避けるための手段として、ハロ
ゲンランプから回転体内面への輻射線供給量分布(以
下、配光分布と称する)を上記軸方向端部で上げ、両端
部から放熱される熱量をカバーする方法が提案されてい
る。具体的には、ハロゲンランプを形成するタングステ
ンフィラメントの巻き線部を、中央より端部にしたがっ
て長くしたり、密度を密にしたりする方法が用いられて
いる。
【0005】図8は、このような定着装置の動作を説明
するものであり、回転体の軸方向に垂直な断面を示して
いる。図8において、104は定着用回転体であり、ア
ルミニウム製芯金106の上にRTVシリコーンゴムの
弾性層107を有して未定着画像(トナー)112を定
着後十分に離型できる構造になっている。
【0006】この定着用回転体104の内部には、加熱
用ハロゲンヒータ108が設置されており、このハロゲ
ンヒータ108はサーミスタ109により検知された温
度に基づいて制御回路(図示せず)により制御されてい
る。これにより、上記定着用回転体104は所定温度に
加熱温調される。105は加圧用回転体で、定着用回転
体104と圧接され、定着用回転体104と共に矢印の
方向に回転する。したがって、周知の電子写真プロセス
技術によって記録材111上に形成された未定着画像1
12は、進入ガイド110を通って定着ニップ内に進入
し、定着ニップ内にて加熱及び加圧されて記録材111
上に定着されることとなる。
【0007】一方、図9は、定着用回転体104の軸方
向に平行な断面を示している。図9において、106は
芯金で、記録材通過部の中央部114から端部115に
かけて一様な材質で作られている。芯金106表面に
は、RTVシリコーンゴム層107が接着され、芯金内
部に配置されたハロゲンヒータ108のタングステンフ
ィラメント113からの輻射線で芯金は加熱される。
【0008】図9に示すように、定着用回転体104は
軸方向端部にて保持部材116によって支持されるが、
定着用回転体104に蓄えられた熱はアルミニウム芯金
106を通して上記保持部材116側へと流れ、この熱
量損失が上記中央部114よりも端部115の表面温度
を低下させる一因となっている。そこで、この端部11
5の温度の低下を防ぐために、上記タングステンフィラ
メント113の配置は端部ほど密になっている。
【0009】また、従来の定着装置には、温度制御装置
によって定着用回転体の表面温度を所定値に保つものも
ある。以下、このような定着装置について図17を用い
て説明する。図17に示すように、この定着装置は、定
着用回転体たる回転自在な定着ローラ211と、該定着
ローラ211に圧接しながら回転する加圧用回転体たる
加圧ローラ212と、定着ローラ211の表面に離型剤
を供給する着脱可能な塗布装置213と、定着ローラ2
11及び加圧ローラ212の表面上に付着した現像剤た
るトナーや紙粉をクリーニングするクリーニングウェブ
214とが配設された構成となっている。
【0010】定着ローラ211は、金属製パイプの表面
にシリコーン、フッ素ゴムを被覆した構造になってい
る。加圧ローラ212は、金属ローラの表面にシリコー
ンを設け、その表面にフッ素樹脂コートを施したもので
ある。定着ローラ211及び加圧ローラ212の内部に
は、加熱手段としてハロゲンランプ等のヒータ216が
配置されている。また、加圧ローラ212には、温度検
知手段たるサーミスタ215が接触しており、温度制御
手段たる温度調整回路(図示せず)を介してヒータ21
6への電圧を制御することによりローラの表面温度を調
節している。なお、これらのローラ211,212はプ
リンタ装置本体(図示せず)に対して矢印方向に回転自
在に軸支されている。
【0011】塗布装置213は離型剤としてシリコーン
オイルを収納した離型剤槽213aと、離型剤槽213
aから離型剤を汲み上げる汲み上げローラ213bと、
離型剤を定着ローラ211に塗布するローラ213c
と、離型剤の塗布量を制御するためのブレード213d
から構成されている。塗布ローラ213cはスポンジゴ
ムの表面にシリコーンゴムを被覆して回転自在に配設さ
れ、かつ、定着ローラ211に着脱自在に配設されてお
り、該定着ローラ211に離型剤を塗布している。離型
剤の塗布量はブレード213dにより調整され一定の塗
布量で記録材(図示せず)の先端から後端まで塗布して
いる。
【0012】また、クリーニングウェブ214は、定着
ローラ211側にニッケルウェブ214a,加圧ローラ
212側にノーメックスフェルト214bが圧接して、
ローラのクリーニングを行っている。
【0013】この状態において記録材が搬送されてくる
と、定着ローラ211と加圧ローラ212は一定速度で
回転し、記録材はローラ211,212の間を通過する
際に表裏両面からほぼ一定の圧力温度で加圧及び加熱さ
れ、表面に担持した未定着トナーが溶融するようになっ
ている。
【0014】したがって、良好な画像を得るには、上記
ローラの表面温度を所定温度に保つことが必要であり、
上述した温度制御装置によって所定の温度制御を行って
いる。
【0015】さらに、従来の定着装置には、定着ローラ
の肉厚を薄くしたものがある。以下、このような定着装
置について図23及び図24を用いて説明する。上述し
たように、従来、電子写真方式をとる画像形成装置で
は、未定着現像剤像の記録材たる用紙への定着方式とし
て熱定着方式が多く使われている。この熱定着を行う定
着装置の性能を決める一つの要因として定着ローラの肉
厚が挙げられる。
【0016】定着ローラは通常、アルミニウムや鉄系の
金属材料で作られており、この肉厚を薄くするとそのと
きの定着ローラの体積、つまり、熱容量の減少に起因し
て以下のような長所、短所が生ずることが知られてい
る。
【0017】長所としては、ウォームアップタイムが短
いこと、及びローラ材料費が安いことが挙げられる。ま
た、短所としては非通紙部における昇温が大きく、その
結果、ローラ及びその周辺部の熱破損を生ずるというこ
とが挙げられる。
【0018】すなわち、肉厚が薄くなると熱容量が減少
する。そのため、ウォームアップタイムが短くなるとい
う長所がある。つまり、定着ローラ表面の温度が室温か
ら温調温度になるまでの時間が短くなる。反面、通紙に
よる温度変化が大きいために非通紙部における昇温が大
きくなるという短所がある。これらの兼ね合いから、従
来においてはコピースピード(つまり定着ローラから熱
を奪い取る速度)が決まると定着ローラの肉厚はほぼ決
定されていた。
【0019】しかしながら、近年OA機器に対しユーザ
ーからウォームアップタイム短縮の要望が強くなり、非
通紙部昇温を防いで芯金を薄くする必要が生じたため、
図23のような熱定着装置が提案されている。図23は
コピースピード30枚/分(以下、cpmとする)の複
写機における定着ローラの断面図である。アルミニウム
製の定着ローラ301は、その両端を断熱軸受332
a,332b、軸受333a,333bを介して定着ユ
ニットの前、後側板334a,334bに支持されてい
る。該定着ローラ301は熱供給手段としてハロゲンヒ
ータ335,336を有しており、該二本のヒータは図
24に示す配光特性をもつ。したがって、複写機本体に
備えられた用紙サイズ検知手段(図示せず)の検知信号
により、用紙サイズに適したいずれか一本のヒータを選
択して使用することができ、定着ローラ301の表面温
度はサーミスタ339による温度検知に基づき180℃
に温度調節される。例えば、大サイズ紙(A3,B4,
A4横)のように定着ローラ301のほぼ全域が通紙部
の場合にはハロゲンヒータ335を用いてほぼ全域に熱
供給を行い、また、小サイズ紙(A4縦,B5,B5
縦)のように非通紙部が多い場合にはハロゲンヒータ3
36を用いて非通紙部に与える熱量を大幅に減らしてい
る。従来、非通紙部昇温を230℃以内に抑えるには定
着ローラの肉厚を6mm以上にする必要があったが、上記
方式によれば肉厚を1mmまで薄くすることができた。そ
の結果、ウォームアップタイムの短縮化、及び大幅なコ
ストダウンを実現することができた。
【0020】次に、さらに別の従来例について説明す
る。従来、電子写真複写装置などの画像形成装置には、
熱ローラ方式による定着装置が用いられている。この熱
ローラ方式による定着装置として、定着ローラと、該定
着ローラに回転可能に圧接され、定着ローラと協動して
転写材を挟圧搬送するためのニップ部を形成する加圧ロ
ーラと、定着ローラ内部を該定着ローラの軸線と同軸上
に延び、定着ローラ表面を所定の温度にまで加熱するた
めのヒータであるハロゲンランプとを備え、ハロゲンラ
ンプは、その軸線に沿って間隔をおいて配列され、タン
グステンからなる複数のフィラメント部を有するものが
ある。
【0021】定着ローラ表面はその内部にあるハロゲン
ランプで加熱されることにより、定着ローラ端部から外
部に熱が放散するから、定着ローラの表面温度分布を均
一に保持することは難しい。
【0022】そこで、定着ローラ表面温度を均一に保持
するために、ハロゲンランプ端部近傍に位置する各フィ
ラメント部はハロゲンランプ中央部に位置するフィラメ
ント部より長くし、ハロゲンランプ端部の配光分布をハ
ロゲンランプ中央部の配光分布より強くすることによっ
て定着ローラ端部から放散する熱量を補う方法が提案さ
れている。
【0023】この方法によるハロゲンランプ407b
は、図30に示すように、定着ローラ401の軸線に沿
って間隔をおいて配列され、タングステンからなる複数
のフィラメント部421,422,423,424,4
25,426,427,428を有する。
【0024】フィラメント部421は定着ローラ401
の中央部に位置し、その数は1である。フィラメント部
421の一方の側には各フィラメント部422,42
3,424,425,426,427が互いに一定の間
隔をおいて定着ローラ401の一方の端部に向けて配列
されている。フィラメント部421の他方の側には、フ
ィラメント部421の一方の側と同様に、各フィラメン
ト部422,423,424,425,426,427
が互いに一定の間隔をおいて定着ローラ401の他方の
端部に向けて配列されている。各フィラメント部42
1,422,423,424,425,426は同じ長
さ寸法L1を有する。各フィラメント部427,428
は同じ長さ寸法L2を有し、フィラメント部427の長
さ寸法L2とフィラメント部421の長さ寸法L1とは
異なる。なお、各長さ寸法L1,L2は、定着ローラ4
01の表面温度分布が均一になるように選択されてい
る。具体的には、長さ寸法L1は16mmであり、長さ
寸法L2は25mmである。各フィラメント部の間隔は
6mmである。
【0025】表面温度分布を均一に保持するための他の
方法として、ハロゲンランプ端部近傍における各フィラ
メント部の配列間隔をハロゲンランプ中央部における各
フィラメント部の配列間隔より小さくし、ハロゲンラン
プ端部の配光分布をハロゲンランプ中央部の配光分布よ
り強くすることによって定着ローラ端部から放散する熱
量を補う方法がある。
【0026】この他の方法によるハロゲンランプ407
cは、図31に示すように、定着ローラ401の軸線に
沿って間隔をおいて配列され、タングステンからなる複
数のフィラメント部441,442,443,444,
445,446を有する。
【0027】フィラメント部441は定着ローラ401
の中央部に位置し、その数は1である。フィラメント部
441の一方の側には各フィラメント部442,44
3,444,445,446が互いに間隔をおいて定着
ローラ401の一方の端部に向けて配列されている。フ
ィラメント部441の他方の側には、フィラメント部4
41の一方の側と同様に、各フィラメント部442,4
43,444,445,446が互いに間隔をおいて定
着ローラ401の他方の端部に向けて配列されている。
なお、各フィラメント部442,443,444,44
5,446の長さ寸法は同一である。
【0028】フィラメント部441とフィラメント部4
42との間隔をF、フィラメント部442とフィラメン
ト部443との間隔をG、フィラメント部443とフィ
ラメント部444との間隔をH、フィラメント部444
とフィラメント部445との間隔をI、フィラメント部
445とフィラメント部446との間隔をIとすると、
次の関係式F=G>H=I=Jを満足する。具体的に
は、間隔F,Gは10mm、間隔H,I,Jは6mmで
ある。
【0029】次に、図35を用いてカラー画像を形成す
る従来の電子写真装置について説明する。
【0030】図35に示されるカラー電子写真装置は、
装置本体501の右側から装置本体の略中央部に亘って
設けられている転写材搬送系Iと、装置本体501の略
中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラ
ム515に近接して設けられている潜像形成部IIと、上
記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段、す
なわち回転式現像装置III とに大別される。
【0031】上記転写材搬送系Iは、以下のような構成
となっている。先ず、上記装置本体501の右壁に開口
部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給
用トレイ502,503が一部機外に突出して配設され
ている。該トレイ502,503の略直上部には給紙用
ローラ504,505が配設され、これら給紙用ローラ
504,505と左方に配された矢印RA方向に回転自
在な転写手段たる転写ドラム515とを連絡するよう
に、給紙ローラ506及び給紙ガイド507,508が
設けられている。上記転写ドラム515の外周面近傍に
は回転方向上流側から下流側に向って当接用ローラ50
9、グリッパ510、転写材分離用帯電器511、分離
爪512が順次配設されている。また、上記転写ドラム
515の内周側には転写帯電器513、転写材分離用帯
電器514が配設されている。転写ドラム515は転写
材が巻き付く部分にポリ弗化ビニリデン等より成る転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされるようになっ
ている。上記転写ドラム515の右側上部には上記分離
爪512と近接して搬送ベルト手段516が、そして該
搬送ベルト手段516の転写材搬送方向終(右)端には
定着装置518が配設されている。該定着装置518よ
りもさらに搬送方向後流には装置本体501外へと延在
し、装置本体501に対して着脱自在な排出用トレイ5
17が配設されている。
【0032】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。先ず、図35矢印RB方向に回転自在な潜像担持体
たる感光ドラム519が、外周面を上記転写ドラム51
5の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム
519の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム51
9の回転方向上流側から下流側に向って除電用帯電器5
20、クリーニング手段521及び一次帯電器523が
順次配設され、さらに上記感光ドラム519の外周面上
に静電潜像を形成するためのレーザビームスキャナのご
とき像露光手段524、及びミラーのごとき像露光反射
手段525が配設されている。
【0033】最後に上記回転式現像装置III の構成は以
下のごとくである。上記感光ドラム519の外周面と対
向する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」とい
う)526が配設され、該回転体526中には四種類の
現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム
519の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すな
わち現像化)するようになっている。上記四種類の現像
装置は、それぞれイエロー現像装置527Y、マゼンタ
現像装置527M、シアン現像装置527C及びブラッ
ク現像装置527BKとなっている。
【0034】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、まず、フルカラーモードの場合を
例として簡単に説明する。上述した感光ドラム519が
図35矢印RB方向に回転すると、該感光ドラム519
上の感光体は一次帯電器523によって均等に帯電され
る。なお、図35装置においては、各部動作速度(以
下、プロセススピードとする)は160mm/sec であ
る。一次帯電器523による感光体に対する均等な帯電
が行われると、原稿528のイエロー画像信号にて変調
されたレーザ光ELにより画像露光が行われ、感光ドラ
ム519上に静電潜像が形成され、回転体526の回転
によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装
置527Yによって上記静電潜像の現像が行われる。
【0035】一方、給紙ガイド507、給紙ローラ50
6、給紙ガイド508を経由して搬送されてきた転写材
は、所定のタイミングにてグリッパ510により保持さ
れ、当接用ローラ509と該当接用ローラ509と対向
している電極とによって静電的に転写ドラム515に巻
き付けられる。転写ドラム515は、感光ドラム519
と同期して図35矢印RA方向に回転しており、イエロ
ー現像装置527Yで現像された顕画像は、上記感光ド
ラム519の外周面と上記転写ドラム515の外周面と
が当接している部位にて転写帯電器513によって転写
される。転写ドラム515はそのまま、回転を継続し、
次の色(図35においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0036】一方、感光ドラム519は上記除電用帯電
器520により除電され、従来公知のブレード法による
クリーニング手段521によってクリーニングされた
後、再び一次帯電器523によって帯電され、次のマゼ
ンタ画像信号により上記のような像露光を受ける。上記
回転式現像装置は、感光ドラム519上に上記像露光に
よってマゼンタ画像信号による静電潜像が形成される間
に回転して、マゼンタ現像装置527Mを上述した所定
の現像位置に定置せしめ所定のマゼンタ現像を行う。引
き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色
及びブラック色に対しても実施し、四色分の転写が終了
すると、転写材上に形成された四色顕画像は各帯電器5
20,514により除電され、上記グリッパ510によ
る転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離
爪512によって転写ドラム515より分離され、搬送
ベルト516で定着装置518に送られ、熱と圧力によ
り定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了
し、所要のフルカラープリント画像が形成されることと
なる。
【0037】このとき、定着装置518での定着動作速
度は、本体のプロセススピード160mm/sec より遅い
90mm/sec で行われる。これは、後述するようにトナ
ーが二層から四層積載された未定着画像を溶融混色させ
る場合、十分な加熱量をトナーに与えなければならない
ためで、本体速度より遅い速度で定着を行うことにより
トナーに対する加熱量を多くしているのである。
【0038】以上のように、カラー画像は多色のトナー
が二層〜四層の層を形成しているために、カラー画像形
成用電子写真装置においては以下に述べる二つの点で白
黒用の装置と異なった特徴を有している。
【0039】先ず第一の特徴は、使用されるトナーに関
するものである。
【0040】このトナーには、シャープメルト性のトナ
ーが使用される。シャープメルトトナーを使用すること
により、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色または
フルカラー像に忠実なカラーコピーを得ることができる
からである。
【0041】このようなシャープメルトトナーは、例え
ばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリルエステル
樹脂のごとき結着樹脂、着色剤(染料、昇華性染料)、
荷電制御剤等のトナー形成用材料を溶融混練、粉砕、分
級することにより製造される。必要とあらば、トナーに
各種外添剤(例えば、疎水性コロイダルシリカ)を添加
する外添工程を付加してもよい。このようなカラートナ
ーとしては定着性、シャープメルト性を考慮すると結着
樹脂としてポリエステル樹脂を使用したものが特に好ま
しい。シャープメルト性ポリエステル樹脂としてはジオ
ール化合物とジカルボン酸とから合成される分子の主鎖
にエステル結合を有する高分子化合物が例示される。
【0042】特に、次式
【0043】
【化1】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の正の整数であり、かつx+yの平均
値は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘
導体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上
のカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエ
ステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくとも共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0044】ポリエステル樹脂の軟化点は、75〜15
0℃、好ましくは80〜120℃が良い。
【0045】このポリエステル樹脂を結着樹脂として含
有するシャープメルトトナーの軟化特性の例を図36に
示す。測定条件は以下の通りである。
【0046】フローテスターCFT−500A型(島津
製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2mm、
厚み1.0mmとして20kgの押出荷重を加え初期設定温
度70℃で、予熱時間300秒の後、6℃/分の速度で
等速昇温したとき描かれるトナーのプランジャー降下量
−温度曲線(以下軟化S字曲線という)を求めた。試料
となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プラン
ジャー断面積は1.0cm2とする。軟化S字曲線は図
36のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナ
ーは徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降
下PA→PB)。さらに昇温すると溶融状態となったト
ナーは大きく流出し(PB→PC→PD)プランジャー
降下が停止し終了する(PD→PE)。
【0047】S字曲線の高さhは全流出量を示し、h/
2のPC点に対応する温度T0 はトナーの軟化点を示
す。
【0048】トナー及び結着樹脂がシャープメルト性を
有するか否かは、トナーまたは結着樹脂の見掛けの溶融
粘度を測定することにより判定できる。
【0049】このようなシャープメルト性を有するトナ
ーまたは結着樹脂とは、見掛けの溶融粘度が103 ポイ
ズを示すときの温度をT1 、5×102ポイズを示すと
きの温度をT2 としたとき、 T1 =90〜150℃ |△T|=|T1−T2 |=5〜20℃ の条件を満たすものをいう。
【0050】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性樹脂は加熱されることにより極めてシャー
プに粘度低下を起こすことが特徴である。このような粘
度低下が最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混
合を生じせしめ、さらにトナー層自体の透明性を急激に
増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0051】このようなシャープメルト性のカラートナ
ーは、親和力が大きく、定着ローラにオフセットし易い
という性質も有している。
【0052】したがって、以上のようなカラートナーを
用いる画像形成装置の定着装置においては、長期間に亘
って高い離型性を示すことが必要となる。以下に、カラ
ー画像形成用電子写真装置における第二の特徴である定
着装置518について図37を用いて説明する。
【0053】図37において、定着手段たる定着ローラ
529はアルミニウム製の芯金531上にHTV( 高温
加硫型)シリコーンゴム層532、この外側にRTV(
室温加硫型)シリコーンゴム層533を有し、厚さ3m
m、直径40mmに形成されている。
【0054】一方、加圧手段たる加圧ローラ530はア
ルミニウムの芯金534の上に1mm厚のHTVと、さら
にその表面にフッ素樹脂層535を設け、直径が40mm
となっている。
【0055】上記定着ローラ529には発熱手段である
ハロゲンヒータ536が配設され、加圧ローラ530に
は同じくヒータ537が芯金内に配設されて両面からの
加熱を行っている。加圧ローラ530に当接されたサー
ミスタ538により加圧ローラの温度が検知され、この
検知温度に基づき制御装置539によりハロゲンヒータ
536,537が制御され、定着ローラ529の温度及
び加圧ローラ530の温度が共に約170℃の一定に保
つように制御される。なお、上記定着ローラ529と加
圧ローラ530は加圧機構(図示せず)によって総圧約
40kgで加圧されている。
【0056】また、図37においてOは離型剤塗布手段
たるオイル塗布装置、CLはクリーニング装置、CBは
加圧ローラのオイル、汚れを除去するクリーニングブレ
ードである。オイル塗布装置Oはオイルパン540内の
ジメチルシリコーンオイル541(信越化学製KF96
300cs)をオイル汲み上げローラ542及びオイ
ル塗布ローラ543を経由させオイル塗布量調整ブレー
ド544でオイル塗布量を規制して定着ローラ529上
に塗布させる。図37に示す装置では塗布量として後述
する測定方法により0.08g/A4の量を塗布してい
る。
【0057】上記オイル塗布装置Oによるシリコーンオ
イルの塗布量は、次のようにして求める。
【0058】先ず、A4サイズの白紙50枚の重量をA
1(g)とし、この白紙上への画像の転写もせず、定着
ローラのゴム層へのシリコーンオイルの塗布もせずに、
定着ローラと加圧ローラとの間を通紙した後の白紙50
枚の重量をB1(g)とする。次に、同様に別のA4サ
イズの白紙50枚の重量をA2(g)とし、この白紙上
への画像の転写をしないが、定着ローラのゴム層へのシ
リコーンオイルの塗布は行って、定着ローラと加圧ロー
ラとの間を通紙した後の白紙50枚の重量をC1(g)
とする。以上のA1 ,B1,A2,C1を用いるとA4サ
イズの白紙1枚当たりのシリコーンオイルの塗布量X
(g)は、次式のように求められる。
【0059】X=(C1+A1−B1−A2)/50 一方、クリーニング装置CLはノーメックス(商品名)
より成る不織布ウェブ546を押圧ローラ545にて定
着ローラ529に押し当ててクリーニングしている。ま
た、該ウェブ546は巻き取り装置(図示せず)により
適宜巻き取られ、当接部にトナー等が堆積しないように
されている。
【0060】以上に説明したカラー画像形成用電子写真
装置は、片面のみに顕画像を形成するものであるが、こ
の顕画像を転写材の表面及び裏面の両方に形成できる装
置が既に提案されている。以下、図38に基づいて該装
置について説明する。
【0061】図38の装置は、図35に示した従来装置
と同様にカラー画像形成用電子写真装置であるが、転写
材の両面に画像を形成可能としているところが異なって
いる。以下に両面画像形成の機構を説明するが、上記装
置と共通な箇所には同一の符号を付して説明を省略する
こととする。
【0062】本装置は、両面画像形成のための搬送機構
たる再給紙ローラ560と搬送通路561を備えてい
る。
【0063】排紙ローラ562の下方において排紙トレ
イ517に一度載せた転写材を再び潜像形成部IIへと送
り込む再給紙ローラ560が配設され、該再給紙ローラ
560の後方には転写材を搬送する搬送通路561が配
設されている。
【0064】次に以上のような本装置においてカラー画
像の両面コピーを行うときの動作について説明する。
【0065】現像装置III において現像され、未定着ト
ナー像を表面に担持した転写材は搬送ベルト手段516
により搬送され定着ローラ529及び加圧ローラ530
により定着された後、排紙ローラ562によって排紙ト
レイ517にもたらされる。この後、再給紙ローラ56
0により再び給紙されて搬送通路561を通り、再び潜
像形成部IIへ搬送されて表面と同様にして裏面にカラー
画像を形成する。こうして、表面にすでに定着されたカ
ラー画像をもち、裏面に転写された未定着カラートナー
像を担持した転写材は搬送ベルト手段516により定着
ローラ529及び加圧ローラ530まで運ばれる。
【0066】以上のように、図38に示す従来例装置に
よれば転写材の両面にカラー画像を形成することができ
た。
【0067】このようにカラー画像を両面にコピーでき
る電子写真装置の定着装置は、図37に示す上述の片面
コピー用電子写真装置のものとほぼ同様の構成である
が、図39に示すように加圧ローラの表層の材質が異な
っている。図39に示す装置の場合、オフセットし易い
カラートナーが紙の両面に担持されているため、加圧ロ
ーラ530’表層の材質を従来のフッ素樹脂535の代
わりにRTVシリコーンゴム533’としている(以
下、この種類の定着装置を両面定着用定着装置とす
る)。
【0068】これは、加圧ローラ530’の表層の材質
がフッ素樹脂の場合には、転写材に一度定着されたトナ
ー像が再び加熱されると該加圧ローラ530’の表層に
オフセットしてしまうためである。RTVシリコーンゴ
ム533’を用いるとオフセットが発生しない理由は、
明確ではないものの、離型用オイルとRTVシリコーン
ゴムとの親和性及び吸油性が良いために加圧ローラ53
3’の表層に良好にオイルが保持されるためで、オイル
をはじき易いフッ素樹脂より高離型性が得られるものと
考えられる。
【0069】しかしながら、図39のように加圧ローラ
の表層の材質にシリコーンゴムを用いた両面定着用定着
装置においては、シリコーンゴムの材料強度が弱いため
に耐久性が転写材枚数にして約2万枚、期間にして1年
程度保持させるのが限度であり、定期的な保守作業が必
要であった。
【0070】一方、片面コピーしか行わない場合は、図
37のように加圧ローラの表層の材質がフッ素樹脂で形
成されたもの(以下、この種類の定着装置を片面定着用
定着装置とする。)を用いることができ、転写材枚数で
約10万枚、期間にして5年程度の長寿命化を図ること
ができる。
【0071】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例においては、それぞれ次のような問題点があっ
た。
【0072】先ず、図8及び図9に示した従来例におい
ては、タングステンフィラメント113の配置を調節す
ることによって端部での配光分布が大きくなるようにし
ても、回転体の軸方向端部の温度は中央部に比べて低く
なる傾向があり、連続通紙時には定着不良が発生すると
いう問題点があった。また、軸方向端部の温度が中央部
と同程度となるような極端なフィラメント配置をとった
場合、ヒータワッテージが軸方向端部に対して無駄に消
費され、同一のワッテージのヒータを用いた場合でも熱
効率が悪化するので、ローラに対する熱の供給が遅れ、
定着装置の立ち上がり時間が長くなるという問題点もあ
った。このように、軸方向端部の温度低下を配光特性の
調節のみで解決するのは困難であった。
【0073】また、図17に示した従来例によれば、ヒ
ータ216からの熱は、ローラの長手方向全面に供給さ
れるため、A4R,B5R等のローラの長手方向に対し
て幅の小さな記録材(以下、小サイズの記録材)を連続
して定着する場合に不都合が生じていた。
【0074】図18に小サイズの記録材が連続して搬送
された場合の定着ローラ211の表面の温度変化を示
す。折れ線で示したものが、通紙領域を示し、各山の先
端が記録材一枚の先端、各山の谷部が記録材一枚の後端
が通過したときの定着ローラ表面温度を示している。ま
た、実線は、非通紙領域の温度変化を示している。
【0075】すなわち、小サイズの記録材が連続して搬
送されてきた場合、記録材に熱を奪われ、通紙領域のロ
ーラ表面温度は低下し、それをサーミスタ215が検知
することにより、ヒータ216が点灯するが、非通紙領
域においては、記録材に熱を奪われることがないので、
ローラ表面温度は低下しない。しかし、ヒータ216は
点灯してしまうため、非通紙領域のローラ表面温度は、
さらに上昇してしまうことになる。このことにより、ロ
ーラの温度上昇部のゴムの劣化が早まっていた。
【0076】また、通紙領域と非通紙領域との温度差に
よって、画質が異なってしまう場合があった。特に、小
サイズの記録材の連続通紙後に、ローラの長手方向の幅
とほぼ等しい様なサイズの記録材(以下、大サイズの記
録材とする。)を定着する場合、通紙領域と非通紙領域
との温度差によって定着性、光沢度等が異なってしまっ
ていた。特に、それは、カラー画像形成の場合に顕著に
現れていた。
【0077】これらの問題を解決するために、従来まで
は、ヒータ特性に配光をもたせたりしてしたが、非通紙
領域の昇温を完全に抑えることはできていなかった。
【0078】さらに、図23に示した従来例にあって
は、ウォームアップ時間の短縮及び定着ローラ材料の節
約を図るために、定着ローラを薄くしようとすると、非
通紙部昇温が高くなるという問題点があった。
【0079】このために、定着ローラの肉厚の限界は、
この昇温の限界により決まってしまい、むやみに薄肉化
できるものではなかった。また、従来例のような二本ヒ
ータ系によれば、効果は大きいが、構成の複雑化、コス
トアップは避けられず、また、小径定着ローラを用いる
場合には、スペース的制約により実現不可能なことがあ
った。また、熱供給の不要な非通紙部にも大量の熱を供
給するという不合理もあった。
【0080】また、図30に示した従来例装置よれば、
ハロゲンランプ407bが、端部に位置するフィラメン
ト部427,428の長さ寸法L2がフィラメント部4
21,422,423,424,425,426の長さ
寸法L1より大きいことにより、フィラメント部42
7,428の出力は他のフィラメント部421,42
2,423,424,425,426の出力より大きい
から、定着ローラ401に対する熱の供給が遅れ、定着
ローラ401の表面温度が定着温度に到達するまでの立
ち上がり時間が長くなる。
【0081】さらに、図31に示すハロゲンランプ40
7cでは、端部に位置するフィラメント部の間隔H,
I,Jは他のフィラメント部の間隔F,Gより大きいこ
とにより、端部における出力は中央部における出力より
大きいから、定着ローラ401に対する熱の供給が遅
れ、定着ローラ401の表面温度が定着温度に到達する
までの立ち上がり時間が長くなる。
【0082】よって、いずれのハロゲンランプ407
b,407cでも、連続通紙時に、次の転写材がニップ
部に導入されるまでに定着ローラ401の表面温度を所
定の定着温度にまで立ち上げることはできず、定着不良
が発生し易くなる。
【0083】さらに、図38に示す従来の両面コピー用
複写機においては、両面コピーだけでなく片面コピーも
頻繁に行われるのにも拘らず、両面コピーが行われる場
合を考慮して加圧ローラの表層の材質にRTVシリコー
ンゴムを用いた定着装置を採用せざるを得ず、頻繁に保
守・交換作業を行わなければならなかった。
【0084】この対策として、片面定着用定着装置を交
換可能に用意し、ユーザに随時選択使用させることも考
えられたが、誤装着によるオフセット発生の危険があ
り、実用されるには至っていなかった。
【0085】また、近年の多様な電子写真装置へのニー
ズにより、定着後の画像における光沢の程度を適宜選択
可能な画像形成装置が望まれているが、上述したように
一律に一種類の定着装置しか用いない従来の画像形成装
置においては、このような要求を満たすことはできなか
った。
【0086】本発明は、上記各問題点を解決するもので
あり、先ず第一の目的は、加熱手段を内部に備えた回転
体の軸方向における温度分布が均一で、かつ、定着装置
の立ち上がり時間を短縮することのできる定着装置を提
供することにある。
【0087】次に第二の目的は、加熱手段を内部に備え
た定着用回転体あるいは加圧用回転体における通紙領域
と非通紙領域との温度差を低減し、回転体表層のゴムを
劣化させず、また、通紙領域と非通紙領域の定着性及び
光沢度に差を生ずることのない定着装置を提供すること
にある。
【0088】さらに第三の目的は、定着ローラ等の加熱
手段を内包するローラを薄肉化した場合であっても、非
通紙領域を不必要に昇温させることがなく、無駄なエネ
ルギーを消費することのない定着装置を提供することに
ある。
【0089】また、第四の目的は、定着ローラなどの回
転体の表面温度を所定の定着温度に均一にかつ迅速に立
ち上げることができる定着装置を提供することにある。
【0090】そして、第五の目的は、両面定着あるいは
片面定着、さらには画像の光沢を増加させる等の様々な
定着環境において、それぞれの環境に最も適した定着装
置を随時使用でき、かつ、誤装着による定着不良を防止
することのできる画像形成装置を提供することにある。
【0091】
【課題を解決するための手段】本願第一発明によれば、
上記目的は、芯金上に弾性体層を有する定着用回転体及
び加圧用回転体からなる回転体対と、該回転体対の少な
くとも一方の回転体内部に配設された加熱手段とを備え
た定着装置において、上記加熱手段が配設された回転体
の芯金には、該回転体の支持部材あるいは駆動部材が取
り付けられる回転体端部と、上記回転体における記録材
通過部との間に、熱伝導率が上記芯金に比較して低い熱
遮断材が挿入されていることにより達成される。
【0092】また、本願第二発明によれば、上記目的
は、定着用回転体と、該定着用回転体に圧接しながら回
転する加圧用回転体との一対の回転体を有し、少なくと
も一方の回転体が加熱手段を備えた定着装置において、
上記加熱手段を備えた回転体の内面と該加熱手段との間
で該回転体の長手方向に移動自在に配設された反射鏡
と、記録材の大きさに応じて上記長手方向に上記反射鏡
を移動するように設定された位置可変手段とを有してい
ることにより達成される。
【0093】さらに、本願第三発明によれば、上記目的
は、定着用回転体と、該定着用回転体に圧接しながら回
転する加圧用回転体との一対の回転体を有し、少なくと
も一方の回転体が加熱手段を備え、上記定着用回転体と
加圧用回転体の圧接部にて該定着用回転体の軸方向端部
側を基準に記録材の挟持搬送を行う定着装置において、
上記定着用回転体の周囲の空気を上記軸方向における非
通紙基準側から通紙基準側へ送る送風手段と、該送風手
段の駆動制御手段とを有し、該駆動制御手段は、小サイ
ズ紙通紙時のみ該送風手段を駆動するように設定されて
いることにより達成される。
【0094】また、本願第四発明によれば、上記目的
は、互いに圧接されながら回転し、協動して転写材を挟
圧搬送するためのニップ部を形成する一対の回転体と、
該回転体の内の少なくとも一方の回転体の内部に配置さ
れ、該回転体の表面を加熱するためのハロゲンランプと
を備える定着装置において、上記ハロゲンランプは、上
記回転体の中央部に配置されている第一のフィラメント
群と、該第一のフィラメント群の一方の側に配置されて
いる第二のフィラメント群と、上記第一のフィラメント
群の他方の側に配置されている第三のフィラメント群と
を有し、上記第一のフィラメント群は互いに間隔をおい
て上記回転体の軸線に沿って配列されている複数のフィ
ラメント部からなり、上記第二のフィラメント群は互い
に間隔をおいて上記第一のフィラメント群の一方の側か
ら上記回転体の一方の端部に向けて該回転体の軸線に沿
って配列されている複数のフィラメント部からなり、上
記第三のフィラメント群は互いに間隔をおいて上記第一
のフィラメント群の他方の側から上記回転体の他方の端
部に向けて該回転体の軸線に沿って配列されている複数
のフィラメント部からなり、上記第一のフィラメント群
および上記第二のフィラメント群内の上記回転体の中央
部からその一方の端部に向けて配列されているフィラメ
ント部のそれぞれと上記第一のフィラメント群および上
記第三のフィラメント群内の上記回転体の中央部からそ
の他方の端部に向けて配列されているフィラメント部の
それぞれとは上記回転体の中央部に対して対称に配置さ
れ、上記第二のフィラメント群を構成する各フィラメン
ト部の長さ寸法および上記第三のフィラメント群を構成
する各フィラメント部の長さ寸法は上記回転体の中央部
からその端部に向かう配列順に漸次に大きくなることに
より達成される。
【0095】さらに、本願第五発明によれば、上記目的
は、互いに圧接されながら回転し、協動して転写材を挟
圧搬送するためのニップ部を形成する一対の回転体と、
該回転体の内の少なくとも一方の回転体の内部に配置さ
れ、該回転体の表面を加熱するためのハロゲンランプと
を備える定着装置において、上記ハロゲンランプは、上
記回転体の中央部に配置されている第一のフィラメント
群と、該第一のフィラメント群の一方の側に配置されて
いる第二のフィラメント群と、上記第一のフィラメント
群の他方の側に配置されている第三のフィラメント群と
を有し、上記第一のフィラメント群は互いに間隔をおい
て上記回転体の軸線に沿って配列されている複数のフィ
ラメント部からなり、上記第二のフィラメント群は互い
に間隔をおいて上記第一のフィラメント群の一方の側か
ら上記回転体の一方の端部に向けて該回転体の軸線に沿
って配列されている複数のフィラメント部からなり、上
記第三のフィラメント群は互いに間隔をおいて上記第一
のフィラメント群の他方の側から上記回転体の他方の端
部に向けて該回転体の軸線に沿って配列されている複数
のフィラメント部からなり、上記第一のフィラメント群
および上記第二のフィラメント群内の上記回転体の中央
部からその一方の端部に向けて配列されているフィラメ
ント部のそれぞれと上記第一のフィラメント群および上
記第三のフィラメント群内の上記回転体の中央部からそ
の他方の端部に向けて配列されているフィラメント部の
それぞれとは上記回転体の中央部に対して対称に配置さ
れ、上記第二のフィラメント群を構成する各フィラメン
ト部の間隔および上記第三のフィラメント群を構成する
各フィラメント部の間隔は上記回転体の中央部からその
端部に向かう配列順に漸次に小さくなることにより達成
される。
【0096】また、本願第六発明によれば、上記目的
は、画像形成装置動作により得られた転写材上の未定着
像を定着して永久画像とする定着装置を有する画像形成
装置において、該画像形成装置は、用途の異なる複数の
定着装置が随時交換自在であり、各定着装置を識別する
手段を備えていることにより達成される。
【0097】
【作用】本願第一発明によれば、発熱体を内部に備えた
定着用回転体あるいは加圧用回転体の芯金は、記録材通
過部と軸方向端部の間に、熱伝導率が上記芯金に比較し
て低い熱遮断材が挿入されている。したがって、上記発
熱体によって上記芯金の加熱が行われ、上記記録材通過
部から上記軸方向端部側への熱の移動が起こっても、上
記熱遮断材の熱伝導率が該芯金よりも低いため、上記軸
方向端部への熱の伝達を防ぐ。
【0098】また、本願第二発明によれば、定着用回転
体と加圧用回転体の圧接部に搬送される記録材の大きさ
が、上記両回転体の通紙領域の全域と接するような大き
なものである場合には、位置可変手段によって反射鏡の
位置を回転体の軸方向端部側へ移動させる。したがっ
て、回転体内部の加熱手段は、該回転体の内部を全面に
亘って加熱し、良好な定着が行われる。一方、記録材の
大きさが、上記通紙領域の一部と接触するような小さな
ものである場合には、上記位置可変手段によって、非通
紙領域に対応する加熱手段の所定領域に上記反射鏡を移
動せしめる。したがって、上記非通紙領域には、加熱手
段による熱が伝達されず、昇温することがない。かくし
て、通紙領域と非通紙領域との温度差は解消される。
【0099】さらに、本願第三発明によれば、定着用回
転体と加圧用回転体に挟持搬送される記録材が小サイズ
紙の場合には、駆動制御手段によって送風手段が駆動さ
れる。したがって、記録材と接しない非通紙領域に滞留
した不要な熱は、上記送風手段により非通紙基準側から
通紙基準側へと送られる。その結果、非通紙領域におけ
る昇温が防止されるばかりでなく、上記熱が通紙領域に
おける定着動作に寄与するので、エネルギーの節約が実
現される。
【0100】また、本願第四発明の定着装置では、上記
ハロゲンランプの第二のフィラメントをを構成する各フ
ィラメント部の長さ寸法および上記第三のフィラメント
群を構成する各フィラメント部の長さ寸法が上記回転体
の中央部からその端部に向かう配列順に漸次に大きくな
る。
【0101】複数枚の転写材を連続的に定着するとき、
転写材がニップ部を通過する毎に上記回転体の表面温度
は全体にまたは部分的に低下するから、次の転写材がニ
ップ部に導入されるまでに上記回転体の表面温度を所定
の定着温度までに均一に立ち上げる必要がある。上記第
二のフィラメント群および第三のフィラメント群の各フ
ィラメント部の長さ寸法が上記回転体の中央部から端部
に向かう配列順に大きいことによって上記ハロゲンラン
プから上記回転体に供給される熱量は上記回転体の軸方
向に均一になる。
【0102】さらに、本願第五発明の定着装置では、上
記第二のフィラメント群を構成する各フィラメント部の
間隔および上記第三のフィラメント群を構成する各フィ
ラメント部の間隔は上記回転体の中央部からその端部に
向かう配列順に漸次に小さくなる。
【0103】上記第二のフィラメント群を構成する各フ
ィラメント部の間隔および上記第三のフィラメント群を
構成する各フィラメント部の間隔が上記回転体の中央部
から端部に向かう配列順に小さいことによって上記ハロ
ゲンランプから上記回転体に供給される熱量は上記回転
体の軸方向に均一になる。
【0104】そして、本願第六発明によれば、用途の異
なる複数の定着装置が随時交換自在なので、ユーザ等は
所望の画像に適した定着装置を選択して装着する。する
と、画像形成装置は、識別手段によってそれぞれの定着
装置を識別してそれぞれに適した画像形成動作を行い、
また、それ以外の不適切な動作を禁止する。かくして、
本発明によれば、様々な定着環境において最も適した定
着が確実に行われる。
【0105】
【実施例】本発明の実施例1ないし実施例10を図面に
基づいて説明する。
【0106】〈実施例1〉先ず、本発明の実施例1を図
1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施例の定
着用回転体100における軸方向に平行な断面図であ
る。図1において、100aは芯金であり、該芯金10
0a上にはRTVシリコーンゴム層100bが形成され
ている。また、上記定着用回転体100内には、ハロゲ
ンランプ等の発熱体(図示せず)が配設されており、上
記芯金100a及びゴム層100bへ熱を伝達する。
【0107】しかし、回転体内の熱の流れは、図2に矢
印で示すように、主に芯金中で起こっている。これは、
該芯金が他に比べて熱伝導率が高いからである。芯金材
質にはアルミニウムを使用するのが一般的であるが、こ
の場合、熱伝導率は2.33×102[J/m・sec
・℃]であり、RTVシリコーンゴムの3.81×10
-1[J/m・sec・℃]に比較して、熱の流れ易さに
約500倍の差がある。したがって、図2において矢印
Yで示す芯金端部の保持部へと流れる熱量は、矢印Zで
示す回転体表面に移動する熱量に比べて無視できず、回
転体端部の表面温度を低下させる要因となっている。
【0108】そこで、本実施例における芯金100aに
は、図1に示すように、回転体100の記録材通過部1
02と端部保持部103の間に熱遮断材101を挿入し
ており、記録材通過部102と端部保持部103との間
の熱の移動を有効に抑えている。この結果、回転体保持
部への放熱量を減少させ、回転体端部の表面温度の低下
を防止することが可能となる。
【0109】以下、熱遮断材として熱伝導率が異なる四
種類の材質を使用した回転体と、従来例の熱遮断材を用
いていない回転体との軸方向における温度分布を比較し
た実験例について説明する。先ず、実験例に用いた回転
体は次の通りである。 回転体a:熱遮断材を用いていない従来の定着用回転体 回転体b:熱伝導率が芯金の熱伝導率(2.33×10
2[J/m・sec・℃])の10分の1である熱遮断
材を使用した定着用回転体 回転体c:熱伝導率が芯金の100分の1の熱遮断材を
使用した定着用回転体 回転体d:熱伝導率が芯金の1000分の1の熱遮断材
を使用した定着用回転体 回転体e:熱伝導率が芯金の10000分の1の熱遮断
材を使用した定着用回転体 ただし、上記回転体a,b,c,d,eにおいて、ハロ
ゲンヒータはすべて同一のものを使用した。該ハロゲン
ヒータの総ワッテージは100V,800Wであり、配
光特性は図3に示すものを使用している。また、回転体
自体の構造も、芯金の端部に熱遮断材を挿入した他はす
べて同一とした。さらに、図4示す熱遮断材101の軸
方向の厚さtは、芯金端部の保持部の肉厚r0と同じに
設定してある。
【0110】初期温度を20℃とし、五種類の回転体
a,b,c,d,eのヒータONから一定時間経過した
後の表面温度の軸方向分布を図5に示す。ただし、回転
体形状、表面温度の軸方向分布ともに、回転体中心を境
に対称であるので、図5にはその片側(対称面より右
側)のみを示してある。
【0111】図5において、A,B,C,D,Eで示す
曲線は、各回転体の通紙部における表面温度の軸方向分
布を示しており、それぞれ従来例回転体a,回転体b,
回転体c,回転体d,回転体eのものである。
【0112】図5に示すように、一般的に通紙領域内に
おける回転体の表面温度分布は中心程高く、通紙領域端
部ほど低くなる。しかし、定着用回転体では、定着性の
軸方向の均一化のために、このような表面温度の軸方向
分布を極力抑える必要がある。温度分布Aの場合、中心
部と端部の温度は20℃程度の差が現れている。温度分
布Bでもやはり20℃程度、温度分布Cからは15℃程
度、温度分布DとEは10℃程度となっている。
【0113】図6は、各実施例に対する軸方向温度差Δ
TPをプロットしたものである。図6により、熱伝導率
が芯金の10分の1程度の熱遮断材では充分な効果がな
く、100分の1以下から本発明の効果が現れ始めるの
が分かる。特に、1000分の1以下ではその効果が顕
著となる。しかし、1000分の1と10000分の1
とではその効果の差は少なくなっている。
【0114】したがって、従来型回転体aと、熱遮断体
の熱伝導率が芯金の熱伝導率と同程度の回転体bでは、
連続通紙枚数が少量の場合には影響が出ないが、多量の
連続通紙時には通紙領域端部付近で定着性、光沢等の評
価に差が現れるようになる。一方、回転体c,d,eで
は、そのような現象は生じない。
【0115】さらに、回転体表面温度の上昇速度に注目
すると、例えばワッテージが同一のヒータを用いて表面
温度を上昇させた場合、ヒータONから所定のある時刻
までにおける表面温度は、本発明による回転体eの方が
従来型回転体aに比べ5〜10%程度高くなる。
【0116】このことは、本発明に則した定着用回転体
を使用することによって、通紙部中央と端部の温度差を
小さくする効果があるのみならず、定着装置の立ち上が
り時間(複写機のスイッチをONしてから定着装置が定
着可能な温度に到達するまでの時間)を短縮することが
できることを示している。
【0117】以上に説明した例は、図4に示す熱遮断材
の厚さtを芯金保持部の肉厚r0と同じ寸法に設定した
場合であったが、次に、熱遮断材の厚さtを変化させた
場合について説明する。
【0118】一次元の伝熱で考えると、熱通過の際の熱
抵抗は、熱伝導率に反比例し、伝熱方向距離に比例す
る。本実施例の場合、熱遮断材が挿入される部分の伝熱
形態は一次元伝熱状態に極めて近い。
【0119】図7は、回転体中央部と端部の温度差ΔT
Pが、上記回転体cと同様に15℃となる場合の熱遮断
材の厚さと熱伝導率の関係を示すものである。図7では
熱遮断材の熱伝導率を縦軸に、伝熱方向距離を横軸にと
っている。
【0120】図7に示す◎印は、上記回転体cの位置を
表している。図7により、熱遮断材の熱抵抗(温度差Δ
TPの値に関係する値)を固定すると、熱伝導率と伝熱
方向距離はほぼ比例関係にある。つまり、もし熱伝導率
が上記回転体cの場合の二倍の材質を使用して、同一の
温度差ΔTPを得るには、伝熱方向の厚さtを二倍にす
る必要がある。
【0121】また、この関係は、上記回転体cの温度差
ΔTPの場合のみならず、本実施例で説明したすべての
温度差ΔTPに関しても成り立つ。
【0122】以上の事実と、上述した熱遮断材の熱伝導
率の表面温度への影響とを合わせると次のことが言え
る。すなわち、上記熱遮断材の熱伝導率λを伝熱方向の
厚さtで除した値が、芯金の熱伝導率λ0を芯金保持部
の厚さr0で除した値の100分の1以下になるように
決定すると、本発明の効果が顕著に得られる。
【0123】この規則に従えば、熱遮断材の熱伝導率が
大きければ、その分、熱遮断材の厚さtを同程度大きく
しないと同等の効果が得られないことを示している。式
で表すと、 100×λ/t≦λ0/r0 のようになる。
【0124】ただしハロゲンヒータのワッテージは特に
本実施例で用いたものである必要はない。
【0125】以上に説明した性質を具備する具体的な材
料は、ステンレス鋼,耐熱性プラスチック材,各種セラ
ミック材が挙げられる。熱遮断材としてステンレス鋼を
使用する場合、その熱伝導率は13[J/m・sec・
℃]と、アルミニウムの約18分の1であるので、上記
の式に従い、熱遮断材の厚さtはr0の5.6倍程度も
たせれば良い。
【0126】ステンレス鋼が熱遮断材として適切な理由
は、耐食性が良いこと、剛性が十分なこと、回転体との
(ネジなどでの)結合が容易であることが挙げられる。
【0127】耐熱性プラスチック材の場合は、熱伝導率
は0.1〜1.0[J/m・sec・℃]でアルミニウ
ムの200分の1から2000分の1程度と、極めて低
いので熱遮断材として使用する際の厚さもこれに応じて
薄くてよい。耐熱性プラスチック材を熱遮断材として使
用するメリットは、成型が容易、コストが安いことが挙
げられる。た、熱伝導率が小さいので、熱遮断材厚が薄
くで済み、剛性的弱点をカバーできる。
【0128】しかし、プラスチック材は、一般に耐熱温
度が低いので注意を要する。耐熱性プラスチック材の中
では、連続耐熱温度316℃以上、熱変形温度482℃
以上、熱伝導率0.31[J/m・sec・℃]のガラ
ス繊維充填シリコーン樹脂などが適している。
【0129】セラミック材も、熱伝導率がアルミニウム
に比べ30分の1から100分の1程度と低いので熱遮
断材として適している。セラミック材のメリットとして
は、耐熱性が高いことが挙げられる。
【0130】〈実施例2〉次に、本発明の実施例2を図
10ないし図13に基づいて説明する。図10は本発明
の実施例2を示す定着装置の概略図で、図17に示した
従来例との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0131】図10において、220は、反射鏡で、ヒ
ータ216の周囲を覆う様に配備され、ヒータ216か
らの熱を反射するようになっている。また、反射鏡22
0は、図11に示す位置可変装置230によってローラ
長手方向に移動可能となっている。このような状態にお
いて、例えば、最大複写サイズの記録材が搬送されてき
た場合、反射鏡220は、図11に示すように定着ロー
ラ211の端部位置へ移動する。反射鏡が、図11に示
すような位置にある場合、ヒータ216が点灯し、ヒー
タ216からの熱は、ほとんど定着ローラ211の通紙
領域全域に供給される。
【0132】次に、小サイズの記録材が搬送されてくる
と、反射鏡220は、その記録材の幅に合わせて、図1
2に示すように若干中央部位置へと移動する。このよう
な状態で、小サイズの記録材が連続で搬送された場合の
定着ローラ211の表面の通紙領域と非通紙領域の温度
変化を図13に示す。
【0133】記録材が搬送されてくると、通紙領域の表
面温度は低下していき、サーミスタ215がそれを検知
することにより、ヒータ216が点灯する。ヒータ21
6が点灯すると、反射鏡220に覆われていない領域に
おいては、ヒータ216からの熱が定着ローラ211の
内面に到達し、定着ローラ表面の温度は徐々に回復して
いく。
【0134】一方、反射鏡220に覆われている領域に
おいては、ヒータ216からの熱は、反射鏡220によ
って反射されてしまい、定着ローラ211の内面に到達
しない。すなわち、非通紙領域においてはヒータから熱
の供給が行われないため、表面温度が大きく上昇するこ
とはなく、徐々に低下していき、やがて一定となる。
【0135】以上のように、定着ローラ内部のヒータの
周囲に反射鏡を移動自在に配設し、記録材のサイズに応
じて配設位置を調節することで、通紙領域と非通紙領域
との温度差を従来より小さくすることが可能となった。
【0136】〈実施例3〉次に、本発明の実施例3を図
14に基づいて説明する。なお、実施例2との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0137】図14に本発明の実施例3の反射鏡の概略
図を示す。本実施例に用いた反射鏡は、定着ローラの端
部側の径が小さく、反対側の定着ローラ中央部側の径が
大きくなっている型221の中に、反射鏡221aが傾
斜をもって備えられている。これを実施例2と同様にヒ
ータ216の周囲に配備し、大サイズの記録材の場合は
図11、小サイズの記録材の場合は、その記録材の幅に
合わせて図12の位置に移動させるようにしたものであ
る。この反射鏡221aを用いることによっても実施例
2と同様に、非通紙領域の昇温を抑え、通紙領域との温
度差を小さくすることが可能となった。さらに、本実施
例のような構成の反射鏡を用いることにより、非通紙領
域で反射鏡によって反射された熱は、角度をもって中央
部へ向かって反射されるため、通紙領域のローラ内面に
到達することになり、ヒータからの熱の有効な利用が可
能となった。
【0138】〈実施例4〉次に、本発明の実施例4を図
15及び図16に基づいて説明する。なお、実施例1と
の共通箇所には同一符号を用いて説明を省略する。
【0139】図15に本発明の実施例4の制御図を示
す。図15は実施例3及び実施例4で示したような反射
鏡を用い、その反射鏡の位置を連続コピー中にある所定
枚数毎に切り替えるように制御したものである。実施例
2及び実施例3のように記録材のサイズに応じて反射の
位置を切り替えることで、非通紙領域の昇温は抑えるこ
とは可能となる。しかし、例えば、小サイズの記録材の
連続定着を行う場合、反射鏡は、常に記録材のサイズに
応じて図12に示すような位置にあるため、非通紙領域
にはヒータ216からの直接の熱の供給は行われない。
そのため、図13に示すように、非通紙領域の温度は徐
々に降下していき、若干の温度差ΔTHが生じてしまっ
た。そこで、本実施例においては、図15に示すよう
に、ある所定枚数を設定し、その枚数毎に反射鏡の位置
を図11と図12に示すような位置に切り替えた。する
と、非通紙領域においては、熱の供給がある場合とない
場合とが交互になり、図16に示すような温度に制御す
るこどか可能となった。このように、反射鏡の位置を切
り替えることにより、通紙部と非通紙部との温度差をさ
らに小さく抑えることにが可能となり、実施例2及び実
施例3より大きな効果を得ることができた。
【0140】〈実施例5〉次に、本発明の実施例5を図
19ないし図21に基づいて説明する。図19は、本発
明の実施例5の30cpmの複写機の定着装置の概略構
成を示す図である。図19において、301は定着ロー
ラであり、両端の軸受309を介してフレーム306に
取り付けられている。また、定着ローラ301はギヤ3
04,ギヤ305を介して本体の駆動系(図示せず)よ
り駆動力を受けている。302はシリコーンゴム製の加
圧ローラであり、定着ローラ301に圧接されていて、
この定着ローラ301に従動回転する。303は、ハロ
ゲンヒータである。このハロゲンヒータ303は、定着
ローラ301の内径に入るように、ヒータ支板307を
介してフレーム306に取り付けられており、定着ロー
ラ301へ定着プロセスに必要な熱量を供給する。31
0は、シロッコファンであり、本体の用紙サイズ検知手
段(図示せず)が小サイズ通紙(B5R,A4R,レタ
ーR等)を検知した場合に、送風を開始する。これによ
り所定量の空気がダクト311を介して図20に示すガ
イド板308と定着ローラ301とのなす空間SAに取
り込まれ、図19に矢印で示すような方向のエアフロー
を形成する。
【0141】ここで、シロッコファン310の送風は、
小サイズ紙通紙時、つまり、非通紙部の昇温が高いとき
に行われる。この送風により、図21のエアフローが形
成されて、図21の如くの熱量の移動が起こる。非通紙
部の余分な熱量は、エアフローにより通紙部に運ばれ
て、トナー定着に利用されるのである。
【0142】本発明によれば、エアーフローにより非通
紙部の余分な熱が通紙部に供給されるために、小サイズ
通紙時に従来よりも温度差がなくなる。このため、非通
紙部が昇温しにくくなるのである。
【0143】この効果により、30cpmの複写機で非
通紙部昇温を230℃に抑えるには、従来、定着ローラ
の肉厚5mmが必要であったが、本実施例装置では、
0.7mmでよくなった。このため、実施例装置立ち上
げ時のウォームアップタイムは、従来の170秒から本
実施例の構成により40秒へと大幅に短縮できた。
【0144】また、小サイズ紙通紙時に非通紙部から通
紙部へ熱量供給されるために省資源化が可能となった。
【0145】〈実施例6〉次に、本発明の実施例6を図
22に基づいて説明する。なお、実施例5との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0146】図22は、本発明の実施例6の概略構成を
示す図であり、30cpmの複写機の定着装置である。
【0147】図22において、301は定着ローラであ
り、両端の軸受け309を介してフレーム306に取り
付けられている。また、定着ローラ301は、ギヤ30
4,ギヤ305を介して本体の駆動系(図示せず)より
駆動力を受けている。302は、シリコーンゴム製の加
圧ローラであり、定着ローラ301に圧接されていて、
この定着ローラ301に従動回転する。303は、ハロ
ゲンヒータである。このハロゲンヒータ303は定着ロ
ーラ301の内径に入るように、ヒータ枝板307を介
してフレーム306支持されていて、定着ローラ301
へ定着プロセスに必要な熱量を供給する。312は、小
型DCモータであり、フレーム306に支持されてい
る。313は、フィンであり、軸受314を介してその
両端をフレーム306に支持されている。また、DCモ
ータ312の出力軸と同軸に回転するように圧入されて
いる。315は、金属製のダクトであり、フレーム30
6に支持されている。
【0148】以上のように、本実施例装置においては、
フレーム306,ダクト308,定着ローラ301によ
って囲まれる空間(空間SBとする)にフィン313が
入っている。そして、DCモータ312に電力供給され
るとフィン313は図22中矢印方向に回転して図のよ
うな方向へのエアフローを形成する。
【0149】このように設定された装置において、本体
の用紙サイズ検知手段(図示せず)が小サイズ紙(A4
R,B5R,レターR等)の通紙を検知した場合のみ、
フィン313を駆動して上述のエアフローを発生させ
る。
【0150】この構成によって、実施例5と同様の効果
が得られる。なお、実施例5及び実施例6では、共に定
着装置専用の送風手段を設けたものであるが、必ずしも
こうする必要はなく、本体のエアフロー用のダクトから
送風を受けられるようにしても同様の効果が得られるの
はいうまでもない。
【0151】〈実施例7〉次に、本発明の実施例7につ
いて図面を参照しながら説明する。図25は本発明の定
着装置の一実施例を示す構成図、図26は図25の定着
装置に用いられている定着ローラを示す縦断面図であ
る。
【0152】定着装置は、図25に示すように、所定の
方向に回転する定着ローラ401と、定着ローラ401
に圧接しながら回転し、定着ローラ401と協動して転
写材410を挟圧搬送するためのニップ部を形成する加
圧ローラ402とを備える。
【0153】定着ローラ401は中空の芯金403を有
し、芯金403の外周面はRTVシリコーンゴムからな
るゴム層404で被覆されている。加圧ローラ402は
アルミニウム材からなる芯金405を有し、芯金405
の外周面はPFAチューブからなる樹脂層406で被覆
されている。
【0154】定着ローラ1の内部にはハロゲンランプ4
07aが配置されている。ハロゲンランプ407aは、
図26に示すように、互いに間隔をおいて定着ローラ4
01の軸線に沿って配列され、タングステンからなる複
数のフィラメント部413,414,415,416,
417,418,419,420を有する。フィラメン
ト部413は定着ローラ401の中央部に位置し、その
数は1である。フィラメント部413の一方の側には,
各フィラメント部414,415,416,417,4
18,419,420が互いに一定の間隔をおいて定着
ローラ401の一方の端部に向けて配列されている。フ
ィラメント部413の他方の側には、フィラメント部4
13の一方の側と同様に、各フィラメント部414,4
15,416,417,418,419,420が互い
に一定の間隔をおいて定着ローラ401の他方の端部に
向けて配列されている。フィラメント部414の一方の
側に配列されている各フィラメント部414,415,
416,417,418,419,420とフィラメン
ト部413の他方の側に配列されている各フィラメント
部414,415,416,417,418,419,
420とは互いにフィラメント部413に対して対称に
配置されている。
【0155】各フィラメント部413,414,41
5,416,417,418,419,420をそれぞ
れL13,L14,L15,L16,L17,L18,
L19,L20とすると、次の関係式を満足する。
【0156】L13<L14<L15<L16<L17
<L18<L19<L20各フィラメント部414,4
15,416,417,418,419,420の間隔
は同じである。
【0157】なお、本実施例では、L13=8mm、L
14=9.7mm、L15=11.9mm、L16=1
4.5mm、L17=17.7mm、L18=21.6
mm、L19=26.4mm、L20=32.2mmで
あり、各フィラメント部414,415,416,41
7,418,419,420の間隔は6mmであるが、
互いに隣合うフィラメント部の長さ寸法の比を1.1か
ら1.3の範囲内の値にすることが好ましく、1.2か
ら1.24の範囲内の値にすることがさらに好ましい。
また、各フィラメント部の間隔は6mmである必要はな
く、中心に位置するフィラメント部413の長さ寸法の
0.1から2倍の間の値にすればよい。
【0158】ハロゲンランプ407aの入力電圧は10
0Vであり、その出力は800Wである。
【0159】定着ローラ401表面には、温度検知素子
408が接触されている。温度検知素子408は定着ロ
ーラ401の表面温度を検知し、該検知温度はハロゲン
ランプ407aの動作制御に用いられる。
【0160】定着ローラ401と加圧ローラ402との
間に形成されるニップ部の入口側には入口ガイド409
が配置され、ニップ部の出口側には出口ガイド412が
配置されている。
【0161】転写材410に未定着トナー像411を定
着させる定着処理開始前、定着ローラ401はハロゲン
ランプ407aで加熱され、定着ローラ401表面温度
は所定の定着温度に保持される。
【0162】定着ローラ401の表面温度が定着温度に
保持された後、転写材410は入口ガイド409に案内
されながらニップ部に導入される。ニップ部において、
転写材410上のトナー像411は加熱、加圧される。
転写材410のニップ部の通過後、トナー像411は永
久画像として転写材410に定着される。
【0163】永久画像が形成されている転写材410は
出口ガイド412に案内されながら外部に排出される。
【0164】複数枚の転写材410に画像を連続的に形
成するとき、転写材410がニップ部を通過する毎に定
着ローラ401の表面温度は低下するから、次の転写材
410がニップ部に導入されるまでに定着ローラ401
表面温度を所定の定着温度までに立ち上げる必要がある
が、ハロゲンランプ407aの各フィラメント部の長さ
寸法が各フィラメント部の定着ローラ401中央部から
端部に向かう配列順に大きいことにより、ハロゲンラン
プ407aからの熱量は定着ローラ401にその軸方向
に均一に供給されるから、定着ローラ401表面温度が
定着温度に到達するまでの立ち上がり時間は短くなり、
次の転写材410がニップ部に導入されるまでに定着ロ
ーラ401表面温度を所定の定着温度までに立ち上げる
ことができ、また、定着ローラ401の表面温度分布は
再び均一にされる。その結果、定着不良を発生させるこ
となく次の転写材410上の未定着トー像411を転写
材410に確実に定着させることができる。
【0165】なお、上述の効果を確認するためのテスト
を行い、その結果を図29に示す。本テストでは、定着
ローラ401表面温度が20℃であるときに対象のハロ
ゲンランプによる加熱動作を開始し、加熱動作開始から
3分後に定着ローラ401表面温度を測定し、表面温度
分布を曲線で示す。本テストにはハロゲンランプ407
a、従来のハロゲンランプ407b(図30に示す。)
およびハロゲンランプ407fが用いられている。
【0166】ハロゲンランプ407fはハロゲンランプ
407bと同じ配列の各フィラメント部(図示せず)を
有する。ハロゲンランプ407bの各フィラメント部4
21,422,423,424,425,426に対応
するフィラメント部の長さ寸法L1は14mmであり、
フィラメント部427,428に対応するフィラメント
部の長さ寸法L2は35mmである。
【0167】ハロゲンランプ407aを用いている定着
ローラ401表面温度分布は、図29に示すように曲線
407aで示され、ハロゲンランプ407bを用いてい
る定着ローラ1表面温度分布は曲線407bで示され、
ハロゲンランプ407fを用いている定着ローラ1表面
温度分布は曲線407fで示される。
【0168】図29から明らかなように、ハロゲンラン
プ407aを用いている定着ローラ401の表面の通紙
領域内の温度差は約5℃であり、定着性および光沢性な
どについては全通紙領域でほぼ同等の評価結果が得られ
ることが確認されている。また、定着ローラ401の表
面温度が定着に十分な温度に到達していることが分か
る。
【0169】これに対し、ハロゲンランプ407bを用
いている定着ローラ401の中央部の表面温度と端部の
表面温度との差は約10℃である。よって、転写材41
0の縁部における光沢と中央部における光沢との差が発
生し、該差は目視で確認される。
【0170】ハロゲンランプ407fを用いている定着
ローラ401の表面温度分布はほぼ均一であるが、その
表面温度は所定の定着温度に到達せず、定着ローラ40
1表面温度を所定の定着温度までに立ち上げる時間が長
くなる。
【0171】次に、本定着装置にハロゲンランプ407
aに代えて用いることができる他のハロゲンランプにつ
いて説明する。図27は図25の定着装置に用いられる
他のハロゲンランプを示す構成図である。
【0172】他のハロゲンランプ407dは、図27に
示すように、互いに間隔をおいて定着ローラ401の軸
線に沿って配列され、タングステンからなる複数のフィ
ラメント部451,452,453,454,455,
456を有する。フィラメント部451は定着ローラ4
01の中央部に位置し、その数は401である。フィラ
メント部451の一方の側には,各フィラメント部45
2,453,454,455,456が定着ローラ1の
一方の端部に向けて配列されている。フィラメント部4
51の他方の側には、フィラメント部451の一方の側
と同様に、各フィラメント部452,453,454,
455,456が定着ローラ401の他方の端部に向け
て配列されている。各フィラメント部451,452,
453,454,455,456は同一の長さ寸法を有
し、その長さ寸法は22mmである。
【0173】フィラメント部451とフィラメント部4
52との間隔をLA、フィラメント部452とフィラメ
ント部453との間隔をLB、フィラメント部453と
フィラメント部454との間隔をLC、フィラメント部
454とフィラメント部455との間隔をLD、フィラ
メント部455とフィラメント部456との間隔をLE
とすると、次の関係式LA>LB>LC>LD>LEを
満足する。
【0174】なお、本実施例では、間隔LAを14m
m,間隔LBを10mm,間隔LCを7mm,間隔LD
を4mm,間隔LEを3mmとしているが、互いに隣合
う各フィラメント部の間隔の比を0.5から0.9の範
囲内の値にすることが好ましい。
【0175】以上により、ハロゲンランプ407dの互
いに隣合うフィラメント部の間隔のそれぞれが各フィラ
メント部の定着ローラ401中央部から端部に向かう配
列順に漸次に小さくなることにより、ハロゲンランプ4
07dからの熱量は定着ローラ1にその軸方向に均一に
供給されるから、定着ローラ401表面温度が定着温度
に到達するまでの立ち上がり時間は短くなり、次の転写
材がニップ部に導入されるまでに定着ローラ401表面
温度を所定の定着温度までに立ち上げることができ、ま
た、定着ローラ401の表面温度分布は再び均一にされ
る。その結果、定着不良を発生させることなく次の転写
材上の未定着トー像を該転写材に確実に定着させること
ができる。
【0176】次に、本定着装置にハロゲンランプ407
aに代えて用いることができるさらに他のハロゲンラン
プについて説明する。図28は図25の定着装置に用い
られるさらに他のハロゲンランプを示す構成図である。
【0177】さらに他のハロゲンランプ407eは、図
28に示すように、互いに間隔をおいて定着ローラ40
1の軸線に沿って配列され、タングステンからなる複数
のフィラメント部429,430,431,432,4
33,434,435,436を有する。フィラメント
部429は定着ローラ401の中央部に位置し、その数
は1である。フィラメント部429の一方の側には,各
フィラメント部430,431,432,433,43
4,435,436が一定の間隔をおいて定着ローラ4
01の一方の端部に向けて配列されている。フィラメン
ト部429の他方の側には、フィラメント部429の一
方の側と同様に、各フィラメント部430,431,4
32,433,434,435,436が一定の間隔を
おいて定着ローラ1の他方の端部に向けて配列されてい
る。
【0178】各フィラメント部429,430,431
は同一の長さ寸法を有し、その長さ寸法は10mmであ
る。これに対し、フィラメント部432の長さ寸法は1
2mm,フィラメント部433の長さ寸法は15mm,
フィラメント部434の長さ寸法は19mm,フィラメ
ント部435の長さ寸法は27mm,フィラメント部4
36の長さ寸法は36mmである。
【0179】以上により、各フィラメント部432,4
33,434,435,436の長さ寸法が定着ローラ
401中央部から端部に向かう配列順に漸次に大きくな
ることにより、ハロゲンランプ407eからの熱量は定
着ローラ401にその軸方向に均一に供給されるから、
定着ローラ401表面温度が定着温度に到達するまでの
立ち上がり時間は短くなり、次の転写材がニップ部に導
入されるまでに定着ローラ401表面温度を所定の定着
温度までに立ち上げることができ、また、定着ローラ4
01の表面温度分布は再び均一にされる。その結果、定
着不良を発生させることなく次の転写材上の未定着トー
像を該転写材に確実に定着させることができる。
【0180】次に、上述の効果を確認するためのテスト
を行い、その結果を図29に示す。本テストでは、定着
ローラ401表面温度が20℃であるときにハロゲンラ
ンプ407eによる加熱動作を開始し、加熱動作開始か
ら3分後に定着ローラ401表面温度を測定し、その測
定温度を記録する。
【0181】図29から明らかなように、ハロゲンラン
プ407eを用いている定着ローラ401の中央部の表
面温度がハロゲンランプ407aを用いている定着ロー
ラ401の中央部の表面温度より僅かに高くなるが、他
の部位においてハロゲンランプ407eを用いている定
着ローラ401表面温度分布を示す曲線407dはハロ
ゲンランプ407aを用いている定着ローラ401の表
面温度分布を示す曲線とほぼ同じである。よって、ハロ
ゲンランプ407eを用いている定着ローラ401の表
面の通紙領域内の温度差は約5℃であり、定着性および
光沢性などについては全通紙領域でほぼ同等の評価結果
が得られることが確認されている。また、定着ローラ4
01の表面温度が定着に十分な温度に到達していること
が分かる。
【0182】なお、本実施例では、端部およびその近傍
に位置する各フィラメント部432,433,434,
435,436の長さ寸法を各フィラメント部の配列順
に大きくしているが、各フィラメント部432,43
3,434,435,436の間隔を各フィラメント部
の配列順に小さくすることによって上述の効果を得るこ
とができる。
【0183】〈実施例8〉次に、本発明の実施例8を図
32に基づいて説明する。本実施例は構成の異なる二種
類の定着装置を交換可能に用意し、ユーザ等がそれらの
定着装置を随時選択可能としたところが従来例と異な
る。また、本実施例は両面複写が可能な図38のような
電子写真装置と片面複写のみが可能な図35のような電
子写真装置の両方の装置について説明する。
【0184】図32においてMAは、加圧ローラ530
の表層の材質にフッ素樹脂535を用いた片面定着用の
定着装置であり、MBは加圧ローラ530’の表層の材
質にRTVシリコーンゴム533’を用いた両面定着用
の定着装置である。また、550は定着装置と一体に形
成された定着装置検知ユニットである。爪551は片面
定着用ユニットであることを示し、爪551と552を
両方有するものは、両面定着用ユニットであることを示
す。
【0185】上記爪の検知は従来公知の電気式等で行え
ばよく、他にも、光検知、電流検知、抵抗検知等いかな
る方法でもよい。
【0186】カラー電子写真装置が図35の従来例のよ
うに画像形成動作として片面画像のみの形成用の場合に
は、通常、片面定着用の定着装置MAが該電子写真装置
に組み込まれる。この場合は、加圧ローラ530の表層
の材質がフッ素樹脂535であるため、該加圧ローラ5
30の寿命も長く、電子写真装置として長寿命化が達成
される。
【0187】しかし、ユーザあるいはサービスマン等が
誤って両面定着用の定着装置MBを組み込んだ場合に
は、電子写真装置の動作としては何の変更もなく、通常
の片面画像形成が行われるが、フッ素樹脂ではなくRT
Vシリコーンゴムの表層を有する加圧ローラ530’の
寿命は短くなるという問題点を有する。そこで、本実施
例においては、上記爪551,552によって装着され
た定着装置が両面定着用であることを検知し、操作パネ
ル(図示せず)等を介して誤装着であることをユーザあ
るいはサービスマン等に知らせるように設定されてい
る。
【0188】一方、カラー電子写真装置が図38の従来
例のように、両面画像形成用の場合は、通常は、両面定
着用の定着装置MBが組み込まれる。このとき、爪55
1、552により両面定着用定着装置が組み込まれてい
ることを検知して、従来例で説明したような両面画像形
成が支障なく行われる。つまり、加圧ローラ530’の
表層はRTVシリコーンゴム533’で形成されている
ため、オフセットを有効に防止して良好な画像を提供で
きる。
【0189】しかし、本実施例装置においては二種類の
定着装置が交換可能であるため、両面コピー用の電子写
真装置であっても主に片面コピーを行うときには、例え
ばユーザの判断によって片面定着用の定着装置MAを装
着することができる。このように、定着装置MAが組み
込まれた場合は、爪551により片面定着用定着装置で
あることを検知し、両面画像形成を行わないようにす
る。これは、操作パネル(図示せず)の両面コピースイ
ッチを受付ないようにしたり、また、両面用搬送路56
1への侵入を禁止する等の手法によって行うことができ
る。このため、片面用定着装置を装着した場合に誤って
両面コピーが行われることがなく、オフセットの発生を
未然に防止できる。そして、加圧ローラ530の表層に
フッ素樹脂35を用いているので、耐久性を増加させる
ことができる。
【0190】また、意に反して片面定着用定着装置MA
が装着された場合には、上述のように両面コピー動作が
禁止されるので、ユーザあるいはサービスマン等は直ち
に誤装着を知ることができる。
【0191】以上のように片面定着用定着装置MAと両
面定着用定着装置MBを検知することにより片面定着に
おいては、定着装置の長寿命化を図ることができ、両面
定着においては、加圧ローラ側へトナー像がオフセット
して不具合を発生することを防止でき、良好な両面定着
を行わせることができた。さらに、それぞれの場合にお
ける定着装置の誤装着を確実に防止することができた。
【0192】〈実施例9〉次に、本発明の実施例9を図
33に基づいて説明する。なお、実施例8との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0193】本実施例は定着ローラの表層の材質が実施
例8と異なる。図33において、白黒コピー用定着装置
MCの定着ローラ529の表層の材質はフッ素樹脂53
3”であり、カラーコピー用定着装置Dの定着ローラ5
29の表層の材質はRTVシリコーンゴム533を用い
ている。本実施例においても、爪551により、定着装
置MCであることを検知し、爪551、552により定
着装置MDであることを検知する。
【0194】図35,38の従来例のようにカラー電子
写真装置の場合には、カラーコピー用定着装置MDが組
み込まれたことを爪551、552により検知したとき
のみ動作可能とする。すなわち、オフセットの発生し易
いシャープメルトなカラートナーの場合、定着ローラの
表層の材質として白黒コピー用定着装置MCのフッ素樹
脂ではオイルとの親和性がなくオフセットしてしまうた
めである。したがって、白黒コピー用定着装置MCが組
み込まれた場合は、操作板(図示せず)のコピースイッ
チを受付ないようにすればよい。
【0195】一方、白黒コピー用定着装置MCが従来公
知の白黒複写装置のような低融点でシャープメルトでは
ないトナーを用いた複写装置に組み込まれたときは、検
知によりコピー動作可能とする。
【0196】〈実施例10〉次に、本発明の実施例10
を図34に基づいて説明する。なお、実施例8との共通
箇所については、同一符号を付して説明を省略する。
【0197】本実施例は、定着後の画像の光沢を増すこ
とのできる装置である。図34において、定着装置ME
は爪551のみで検知される図32の定着装置MAと同
様な加圧ローラの表層にフッ素樹脂を用いた片面コピー
用定着装置である。
【0198】また、定着装置MHは爪551、552で
検知される図32の定着装置MBと同様な加圧ローラの
表層にRTVシリコーンゴムを用いた両面コピー用定着
装置である。
【0199】さらに、定着装置MFは爪552のみで検
知され、定着ローラ表層の材質及び加圧ローラの表層の
材質が定着装置Hと同様にRTVシリコーンゴムの定着
装置であって、定着温度の制御温度が200℃となるよ
うに設定された、両面コピーにおける光沢増加用の定着
装置である。このように加熱量を増加させることによ
り、トナーを良く溶かし、光沢を増すことができる。
【0200】そして、定着装置MGは、爪なしで検知さ
れ、定着ローラ表層の材質及び加圧ローラの表層の材質
が定着装置MEと同様にフッ素樹脂となっている片面コ
ピーにおける光沢増加用の定着装置である。定着温度
は、定着装置MFと同じ200℃になるように設定され
ている。これにより、画像の光沢が増すのは定着装置M
Fと同様であるが定着装置MGは片面定着用の定着装置
である。
【0201】本実施例においては、以上のような各定着
装置がユーザまたはサービスマン等により交換可能に用
意されており、画像形成動作として、片面で通常の光
沢、両面で通常の光沢、片面で光沢増加、両面で光沢増
加、の四種類を選択することができ、かつ、それぞれの
場合における誤装着を防止できる。また、定着装置M
E、MGによって長寿命化、定着装置MH、MFによっ
て両面コピーにおけるオフセットの防止が可能となっ
た。
【0202】なお、以上に説明した実施例においては、
爪551、552の有り、無しにより定着装置の検知を
行ったが、爪の数はこれに限られるものではない。さら
に、それぞれの定着装置の所定箇所にそれぞれ位置の異
なる凹部を設ける等の他の方式を用いてもよい。また、
このように定着装置の識別を定着装置に取り付けた定着
装置検知ユニットにより自動的に行う方式の他、定着装
置にシール等を付けることにより種類を識別できるよう
にして操作パネル(図示せず)等により識別信号を与え
るようにしてもよい。
【0203】また、各種類の定着装置を選択したとき、
操作パネル(図示せず)に表示を出してもよく、定着装
置MF、MGのような光沢増加用の場合、光沢性コピー
等の表示を行っても良い。
【0204】さらに、上記実施例においては、片面・両
面・カラー・白黒・光沢増加等、数種類の検知例を示し
たが、他にも定着装置としての種類がある場合、適宜検
知手段を増やして細かく検知しても良いことは言うまで
もない。
【0205】
【発明の効果】以上説明したように、第一の発明によれ
ば、定着用回転体及び加圧用回転体からなる回転体対を
備え、上記回転体対の少なくとも一方の回転体内部に発
熱体を用いて回転体を加熱する定着装置において、回転
体芯金の記録材通過部と端部の回転体保持部との間に、
熱伝導率が芯金に比べて低い熱遮断材を挿入すること
で、回転体軸方向に安定した熱量を供給し、記録材全面
で安定した定着性を確保できるようになると共に、定着
装置のウォームアップタイムを短縮することが可能とな
った。
【0206】また、第二の発明によれば、ヒータの周り
に反射鏡を設け、その反射鏡を記録材のサイズに応じて
移動させることにより、非通紙領域の昇温を防ぎ、通紙
領域との温度差を小さくすることが可能となった。その
結果、定着ローラ及び加圧ローラのゴムの劣化を防ぎ、
また、画質を向上させることが可能となった。
【0207】さらに、第三の発明によれば、片側基準の
画像形成装置の定着装置において、小サイズ通紙時に
は、定着ローラ周囲で、ローラ長手方向で非基準側から
基準側へのエアフローを形成することにより、非通紙部
昇温の低減及び、非通紙部での熱を通紙部へリサイクル
させることによるエネルギーの有効利用等ができるよう
になった。
【0208】また、第四の発明によれば、上記ハロゲン
ランプの各フィラメント部の長さ寸法が上記回転体の中
央部から端部に向かう配列順に大きいことによって上記
ハロゲンランプから上記回転体に供給される熱量は上記
回転体の軸方向に均一になるから、上記回転体の表面温
度が定着温度に到達するまでの立ち上がり時間は短くな
り、次の転写材がニップ部に導入されるまで上記回転体
の表面温度を所定の定着温度までに均一にかつ迅速に立
ち上げることができる。
【0209】さらに、第五の発明によれば、上記ハロゲ
ンランプの各フィラメント部の間隔が上記回転体の中央
部から端部に向かう配列順に小さいことによって上記ハ
ロゲンランプから上記回転体に供給される熱量は上記回
転体の軸方向に均一になるから、上記回転体の表面温度
が定着温度に到達するまでの立ち上がり時間は短くな
り、次の転写材がニップ部に導入されるまで上記回転体
の表面温度を所定の定着温度までに均一にかつ迅速に立
ち上げることができる。
【0210】そして、第六の本発明によれば、用途の異
なる複数の定着装置を交換自在に配設し、各定着装置の
識別手段を設けたので、一台の画像形成装置によって多
様化するニーズに適合した様々な画像形成が随時可能と
なり、かつ、誤動作を防止することができる。さらに、
装着した定着装置の種類を上記識別手段によって識別可
能なので、保守・交換時等における誤装着を確実に防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1装置の概略構成を示す断面図
である。
【図2】図1装置の定着用回転体の芯金における熱の流
れを示す図である。
【図3】実施例1の実験例に使用した発熱体の配光分布
を示す図である。
【図4】図1装置における定着用回転体の芯金端部の肉
厚及び熱遮断材の軸方向の厚さを示す図である。
【図5】実施例1の実験例における定着用回転体の表面
温度の軸方向分布を示す図である。
【図6】実施例1の実験例における定着用回転体の記録
材通過部と端部の温度差を示す図である。
【図7】実施例1の実験例において、図6の温度差が1
5℃となる場合の熱遮断材の厚さと熱伝導率の関係を示
す図である。
【図8】実施例1に対応する従来例装置の定着用回転体
の軸方向に垂直な断面図である。
【図9】実施例1に対応する従来例装置の定着用回転体
の軸方向に平行な断面図である。
【図10】本発明の実施例2装置の概略構成を示す断面
図である。
【図11】図10装置に最大サイズの記録材が搬送され
るときの反射鏡の位置を説明するための図である。
【図12】図10装置に小サイズの記録材が搬送される
ときの反射鏡の位置を説明するための図である。
【図13】反射鏡が図12の位置にある場合の定着ロー
ラの表面温度の変化を示す図である。
【図14】本発明の実施例3装置の概略構成を示す断面
図である。
【図15】本発明の実施例4の制御図である。
【図16】実施例4の制御が行われた場合の定着ローラ
の表面温度の変化を示す図である。
【図17】実施例3並びに実施例4に対応する従来例装
置の概略構成を示す断面図である。
【図18】図17装置における定着ローラの表面温度の
変化を示す図である。
【図19】本発明の実施例5装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図20】図19装置の定着ローラ上方に配設されたガ
イド板と該定着ローラとの間に形成された空間SAを説
明するための断面図である。
【図21】図19装置において送風手段を駆動させたと
きの定着ローラ表面上方の空気の流れと熱の流れを説明
するための図である。
【図22】本発明の実施例6装置の概略構成を示す斜視
図である。
【図23】実施例5及び実施例6に対する従来例装置の
概略構成を示す断面図である。
【図24】図23装置の加熱手段の配光分布を示す図で
ある。
【図25】本発明の実施例7装置の概略構成を示す断面
図である。
【図26】図26装置に用いられているハロゲンランプ
を示す構成図である。
【図27】図25装置に用いられる他のハロゲンランプ
を示す構成図である。
【図28】図25装置に用いられるさらに他のハロゲン
ランプを示す構成図である。
【図29】図26のハロゲンランプ、図28のハロゲン
ランプ、従来のハロゲンランプが内蔵されているそれぞ
れの定着ローラの表面温度の分布を示す図である。
【図30】実施例7に対応する従来の定着装置に用いら
れているハロゲンランプの一例を示す構成図である。
【図31】図30装置に用いられるハロゲンランプの他
の例を示す構成図である。
【図32】本発明の実施例8装置における二種類の定着
装置の概略構成を示す断面図である。
【図33】本発明の実施例9装置における二種類の定着
装置の概略構成を示す断面図である。
【図34】本発明の実施例10装置における四種類の定
着装置の概略構成を示す断面図である。
【図35】実施例8ないし実施例10に対応する従来の
片面カラー複写が可能な画像形成装置の概略構成を示す
断面図である。
【図36】図35装置に用いられるトナーの温度に対す
るプランジャー降下量を示す断面図である。
【図37】図35装置に用いられる定着装置の概略構成
を示す断面図である。
【図38】実施例8ないし実施例10に対応する従来の
両面カラー複写が可能な画像形成装置の概略構成を示す
断面図である。
【図39】図38装置に用いられる定着装置の概略構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
100 定着用回転体 100a 芯金 100b RTVシリコーンゴム層(弾性体層) 101 熱遮断材 102 記録材通過部 103 端部保持部(回転体端部) 211 定着ローラ(定着用回転体) 212 加圧ローラ(加圧用回転体) 216 ヒータ(加熱手段) 220,221a 反射鏡 301 定着ローラ(定着用回転体) 302 加圧ローラ(加圧用回転体) 303 ハロゲンヒータ(加熱手段) 310 ファン(送風手段) 311 ダクト(送風手段) 401 定着ローラ 402 加熱ローラ 407a,407d,407e ハロゲンランプ 410 転写材 411 トナー像 413,414,415,416,417,418,4
19,420 フィラメント部 429,430,431,432,433,434,4
35,436 フィラメント部 451,452,453,454,455,456 フ
ィラメント部 550 定着装置検知ユニット(定着装置の識別手段) 551,552 爪(定着装置の識別手段) MA 片面定着用定着装置 MB 両面定着用定着装置 MC 白黒用定着装置 MD カラー用定着装置 ME 片面定着における通常の光沢用定着装置 MF 両面定着における光沢増加用定着装置 MG 片面定着における光沢増加用定着装置 MH 両面定着における通常の光沢用定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 康 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 鈴木 章雄 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 竹内 達夫 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 石塚 二郎 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 成瀬 晴夫 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 加藤 基 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 校條 健 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金上に弾性体層を有する定着用回転体
    及び加圧用回転体からなる回転体対と、該回転体対の少
    なくとも一方の回転体内部に配設された加熱手段とを備
    えた定着装置において、上記加熱手段が配設された回転
    体の芯金には、該回転体の支持部材あるいは駆動部材が
    取り付けられる回転体端部と、上記回転体における記録
    材通過部との間に、熱伝導率が上記芯金に比較して低い
    熱遮断材が挿入されていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 熱遮断材は、その熱伝導率をλ、回転体
    軸方向における熱遮断材の厚さをt、芯金の熱伝導率を
    λ0、該芯金の端部の肉厚をr0とすると、100×λ/
    t≦λ0/r0の式を満たすように設定されていることと
    する請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 熱遮断材の材質として、ステンレス鋼,
    各種耐熱プラスチック材,各種セラミック材のいずれか
    を使用することとする請求項1または請求項2に記載の
    定着装置。
  4. 【請求項4】 定着用回転体と、該定着用回転体に圧接
    しながら回転する加圧用回転体との一対の回転体を有
    し、少なくとも一方の回転体が加熱手段を備えた定着装
    置において、上記加熱手段を備えた回転体の内面と該加
    熱手段との間で該回転体の長手方向に移動自在に配設さ
    れた反射鏡と、記録材の大きさに応じて上記長手方向に
    上記反射鏡を移動するように設定された位置可変手段と
    を有していることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 定着用回転体と、該定着用回転体に圧接
    しながら回転する加圧用回転体との一対の回転体を有
    し、少なくとも一方の回転体が加熱手段を備え、上記定
    着用回転体と加圧用回転体の圧接部にて該定着用回転体
    の軸方向端部側を基準に記録材の挟持搬送を行う定着装
    置において、上記定着用回転体の周囲の空気を上記軸方
    向における非通紙基準側から通紙基準側へ送る送風手段
    と、該送風手段の駆動制御手段とを有し、該駆動制御手
    段は、小サイズ紙通紙時のみ該送風手段を駆動するよう
    に設定されていることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 互いに圧接されながら回転し、協動して
    転写材を挟圧搬送するためのニップ部を形成する一対の
    回転体と、該回転体の内の少なくとも一方の回転体の内
    部に配置され、該回転体の表面を加熱するためのハロゲ
    ンランプとを備える定着装置において、上記ハロゲンラ
    ンプは、上記回転体の中央部に配置されている第一のフ
    ィラメント群と、該第一のフィラメント群の一方の側に
    配置されている第二のフィラメント群と、上記第一のフ
    ィラメント群の他方の側に配置されている第三のフィラ
    メント群とを有し、上記第一のフィラメント群は互いに
    間隔をおいて上記回転体の軸線に沿って配列されている
    複数のフィラメント部からなり、上記第二のフィラメン
    ト群は互いに間隔をおいて上記第一のフィラメント群の
    一方の側から上記回転体の一方の端部に向けて該回転体
    の軸線に沿って配列されている複数のフィラメント部か
    らなり、上記第三のフィラメント群は互いに間隔をおい
    て上記第一のフィラメント群の他方の側から上記回転体
    の他方の端部に向けて該回転体の軸線に沿って配列され
    ている複数のフィラメント部からなり、上記第一のフィ
    ラメント群および上記第二のフィラメント群内の上記回
    転体の中央部からその一方の端部に向けて配列されてい
    るフィラメント部のそれぞれと上記第一のフィラメント
    群および上記第三のフィラメント群内の上記回転体の中
    央部からその他方の端部に向けて配列されているフィラ
    メント部のそれぞれとは上記回転体の中央部に対して対
    称に配置され、上記第二のフィラメント群を構成する各
    フィラメント部の長さ寸法および上記第三のフィラメン
    ト群を構成する各フィラメント部の長さ寸法は上記回転
    体の中央部からその端部に向かう配列順に漸次に大きく
    なることを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 第一のフィラメント群および第二のフィ
    ラメント群内の回転体の中央部からその一方の端部に向
    けて配列されている各フィラメント部の長さ寸法はその
    配列順に漸次に大きくなり、第一のフィラメント群およ
    び第三のフィラメント群の内の上記回転体の中央部から
    その他方の端部に向けて配列されている各フィラメント
    部の長さ寸法はその配列順に漸次に大きくなることとす
    る請求項6に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 互いに圧接されながら回転し、協動して
    転写材を挟圧搬送するためのニップ部を形成する一対の
    回転体と、該回転体の内の少なくとも一方の回転体の内
    部に配置され、該回転体の表面を加熱するためのハロゲ
    ンランプとを備える定着装置において、上記ハロゲンラ
    ンプは、上記回転体の中央部に配置されている第一のフ
    ィラメント群と、該第一のフィラメント群の一方の側に
    配置されている第二のフィラメント群と、上記第一のフ
    ィラメント群の他方の側に配置されている第三のフィラ
    メント群とを有し、上記第一のフィラメント群は互いに
    間隔をおいて上記回転体の軸線に沿って配列されている
    複数のフィラメント部からなり、上記第二のフィラメン
    ト群は互いに間隔をおいて上記第一のフィラメント群の
    一方の側から上記回転体の一方の端部に向けて該回転体
    の軸線に沿って配列されている複数のフィラメント部か
    らなり、上記第三のフィラメント群は互いに間隔をおい
    て上記第一のフィラメント群の他方の側から上記回転体
    の他方の端部に向けて該回転体の軸線に沿って配列され
    ている複数のフィラメント部からなり、上記第一のフィ
    ラメント群および上記第二のフィラメント群内の上記回
    転体の中央部からその一方の端部に向けて配列されてい
    るフィラメント部のそれぞれと上記第一のフィラメント
    群および上記第三のフィラメント群内の上記回転体の中
    央部からその他方の端部に向けて配列されているフィラ
    メント部のそれぞれとは上記回転体の中央部に対して対
    称に配置され、上記第二のフィラメント群を構成する各
    フィラメント部の間隔および上記第三のフィラメント群
    を構成する各フィラメント部の間隔は上記回転体の中央
    部からその端部に向かう配列順に漸次に小さくなること
    を特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 第一のフィラメント群および第二のフィ
    ラメント群内の回転体の中央部からその一方の端部に向
    けて配列されている各フィラメント部の間隔はその配列
    順に漸次に小さくなり、上記第一のフィラメント群およ
    び第三のフィラメント群の内の上記回転体の中央部から
    その他方の端部に向けて配列されている各フィラメント
    部の間隔はその配列順に漸次に小さくなることとする請
    求項6ないし請求項8のうちの一に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 画像形成装置動作により得られた転写
    材上の未定着像を定着して永久画像とする定着装置を有
    する画像形成装置において、該画像形成装置は、用途の
    異なる複数の定着装置が随時交換自在であり、各定着装
    置を識別する手段を備えていることを特徴とする画像形
    成装置。
  11. 【請求項11】 識別した定着装置の用途に応じた画像
    形成動作を行うように設定されていることとする請求項
    10に記載の画像形成装置。
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