JPH05341574A - 電子写真用現像剤 - Google Patents

電子写真用現像剤

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JPH05341574A
JPH05341574A JP4150489A JP15048992A JPH05341574A JP H05341574 A JPH05341574 A JP H05341574A JP 4150489 A JP4150489 A JP 4150489A JP 15048992 A JP15048992 A JP 15048992A JP H05341574 A JPH05341574 A JP H05341574A
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JP
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toner
resin
composition
toners
domain
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JP4150489A
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English (en)
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Mineyuki Sako
峰行 酒向
Sanji Inagaki
三治 稲垣
Shoichi Tsuge
昌一 柘植
Kenzo Totani
謙三 戸谷
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる着色剤を含む異なる色のトナーにおい
て、表面特性が同一化され、環境変動による帯電量変動
が同じであるトナーを提供することおよび複数色のトナ
ーを使用する電子写真複写において、各色のトナーの付
着量を安定化させる制御が簡単なトナーを提供すること 【構成】 複数のトナーを使用する電子写真装置におい
て、各トナーの表面露出部の材料が実質的に同一である
トナーからなる電子写真用現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のトナーを使用す
る電子写真装置(ツインカラー、マルチカラー、フルカ
ラー等)に使用される現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写に用いられるトナーは、一
般に、結着剤としての樹脂中に着色剤、荷電制御剤、必
要により磁性粉等を溶融混練し、この混練物を粉砕、分
級することにより得られる。このようにして得られたト
ナーは、図2に示したように、結着剤としての樹脂
(1)中に、着色剤(2)、荷電制御剤(3)が均一に
分散した構成をしている。
【0003】このような従来のトナー製造法に得られる
トナーは、添加物、着色剤および帯電制御剤の一部がト
ナーの表面に露出するため、トナーの表面性状、ひいて
は帯電特性が表面露出着色剤の種類により異なる。
【0004】ツインカラー、マルチカラー、フルカラー
を再現する複写装置等においては、異なった色の着色剤
を含有する複数のトナーを使用するが、上記に示す製法
により調製した各色トナーは、異なった着色剤が表面に
露出しているので、帯電特性の異なる各色トナーを同一
装置内で使用することになる。
【0005】ツインカラー、マルチカラー、フルカラー
の複写においては、カラーバランスを正確にするため、
感光体上に実際にトナー像(サンプル像として像間部形
成する)を形成し、このトナー像の反射光量を検知して
トナー濃度を間接的に把握する手段(AIDC)によ
り、感光体上の付着量を検知し、その結果に応じてΔV
を変化させ付着量の制御を行っている。
【0006】しかし、従来のトナーは、各色で帯電特性
が異なっており、それぞれ同一の帯電付与部材(一成分
系における規制ブレード、二成分系におけるキャリア
等)を用いたとしても、環境変動による帯電量変動に差
が生じる。したがって、色再現を正確にするためにはそ
れぞれのトナーについての上記の制御を行わなければな
らない。そのため、制御機構が複雑になり、しかも余分
なトナー消費が生じる。
【0007】また、従来のトナー構成では、前述のよう
に色によって帯電特性が異なるので、トナーを開発する
さい、各色について帯電特性を確認する実験が必要にな
り、多大な労力、時間を要する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、異なる着色剤を含む異なる色の
トナーにおいて、表面特性が同一化され、環境変動によ
る帯電量変動が同じであるトナーを提供することを目的
とする。
【0009】本発明はさらに、複数色のトナーを使用す
る電子写真複写において、各色のトナーの付着量を安定
化させる制御が簡単なトナーを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のトナー
を使用する電子写真複写装置に使用される現像剤であっ
て、各トナーの表面露出部の材料が実質的に同一である
トナーからなる電子写真用現像剤に関する。
【0011】本発明の表面露出部の材料が実質的に同一
であるトナーは、図1に示したような構成とすることに
より得ることができる。すなわち本発明のトナーは少な
くともドメイン樹脂組成物(4)、ドメイン樹脂組成物
と混和性の低いマトリクス樹脂組成物(5)およびドメ
イン樹脂とマトリクス樹脂の両樹脂に混和性を有し、か
つアイゾット衝撃値がマトリクス樹脂より高い値を有す
る分散助剤を含み、ドメイン樹脂組成物が、マトリクス
樹脂組成物中に分散助剤を介して分散している。このよ
うな構成とすることにより、含有させる着色剤が異なっ
ても、その着色剤はドメイン樹脂組成物中に封じ込めら
れ、表面に露出する材料を同じとすることができる。こ
のようなトナーをツインカラー、マルチカラー、フルカ
ラー等の複写に用いれば、付着量制御を行う際、それぞ
れの現像器が同一の帯電付与部材(例えば一成分におけ
る規制ブレード、二成分におけるキャリア等)を備えて
おれば、各トナーの環境変動による帯電量変動が同一に
なる。したがって、ある一つのトナーについて、AID
C検知することで、それぞれのトナーを現像する際のΔ
Vを一義的に決めることができる。このため、本制御が
非常に単純になり、かつ余分なトナー消費を減らすこと
ができる。また本トナーでは、各色について帯電特性を
確認する必要がないから、非常に短い期間でトナー開発
ができる。
【0012】本発明の電子写真用現像剤を構成するトナ
ーのマトリクス樹脂としては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィン(エチレンを
包含する)の単独または相互の共重合体、これらα−オ
レフィンの過半重量と他の不飽和化合物とのブロック、
ランダムあるいはグラフト共重合体、これらの単独また
は共重合体にハロゲン化、スルホン化、酸化等の処理を
施した変性重合体等のオレフィン重合体、アクリロニト
リル、スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリカーボネー
ト、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロック共重合
体、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等
の熱可塑性重合体およびゴムを挙げることができる。
【0013】上記のオレフィン重合体で、α−オレフィ
ンと共重合し得る他の不飽和化合物としては、酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン、お
よび上記例示のα−オレフィン以外のエチレン性不飽和
単量体等を挙げることができる。
【0014】本発明で用いられる熱可塑性重合体とし
て、ポリエステルおよびポリスチレンはマトリクス相と
して好ましい。
【0015】本発明で好適に用いられるポリエステル
は、一般に使用されている多塩基性酸と多価アルコール
の重縮合によって得られるものから適宜選んで用いられ
る。
【0016】ここで多塩基酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、トリメリト酸等の芳香族カルボン酸、ア
ジピン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、こはく酸、n−
ドデセニルこはく酸、イソ−ドデセニルこはく酸、n−
ドデシルこはく酸、n−オクチルこはく酸、イソ−オク
チルこはく酸、n−ブチルこはく酸等の脂肪族カルボン
酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸、お
よびそれらの無水物が挙げられる。また多価アルコール
成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、2,2,4,4−テトラ
メチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ソ
ルビトールまたはそれらのエーテル化ヒドロキシル化合
物、例えばポリオキシエチレン(10)ソルビトール、ポ
リオキシプロピレン(5)グリセリン、ポリオキシエチレ
ン(4)ペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレン
(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0017】より好ましいポリエステルは、溶剤可溶性
のものである。非晶性あるいは低結晶性のもの、特にX
線解析による結晶化度が5%未満のものが効果が大き
い。軟化点については40〜150℃、特に60〜15
0℃のものが、また数平均分子量については500〜3
0000、特に1000〜20000のものが効果が大
きい。
【0018】本発明で好適に用いられるポリスチレンと
しては、ポリスチレンあるいはスチレンと共重合モノマ
ー、例えばアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルやメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、フマル酸ジブチ
ル、フマル酸ジオクチルなどの不飽和カルボン酸エステ
ルの他、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物
等、いわゆる不飽和カルボン酸またはその誘導体などを
過半量を超えない範囲で共重合させたものが使用され
る。なかでもガラス転移温度が30〜105℃、数平均
分子量が1000〜150000、特に2000〜10
0000のものが効果が大きい。
【0019】また、本発明に用いられるポリスチレンと
しては、特に溶剤可溶性のものが好ましい。これらのマ
トリクス樹脂は分散したドメイン樹脂成分を実質的に被
覆するに足りる量存在すれば良いので、トナーに対して
広い範囲で使用することが可能である。従って一般的に
はトナー樹脂に対して、20〜99重量%用いることが
好ましく、より好ましくは30〜95重量%である。上
記範囲より少ないとマトリクス樹脂とドメイン樹脂が相
反転を起こして粉砕面に着色剤含有樹脂が露出し帯電不
良となり、過粉砕になり易いために粒径分布が広がって
製造効率が悪化する。又、上記範囲より多いと着色剤の
マトリクス樹脂への分散不良を招く。
【0020】ドメイン樹脂としては、上述のマトリクス
樹脂と同様の樹脂を用いることができるが、共重合させ
るコモノマーを変えることにより相溶性を変化させ、相
互に均一に混和しないものを用いる。そうすることによ
り、マトリクス樹脂中にドメイン樹脂が分散した構成と
することができる。
【0021】本発明の電子写真現像剤用トナーに用いら
れる着色剤はドメイン樹脂中に分散保持させ、このドメ
イン樹脂がマトリクス樹脂に分散した構成をしている。
着色剤をドメイン樹脂に分散保持させることにより、ト
ナー表面への着色剤の露出が防がれ、着色剤の種類が異
なったトナーであっても、表面露出部の材料を実質同一
とすることができる。
【0022】すなわち、本発明のトナー組成物において
は、マトリクス樹脂とドメイン樹脂とは相互に均一に混
和しない樹脂であって、用いる着色剤との親和性の大き
い方がドメイン樹脂として作用する。
【0023】本発明のトナーに用いられる分散助剤は、
ドメイン樹脂成分とマトリクス樹脂成分とを含有してな
る共重合体である。ドメイン樹脂またはマトリクス樹脂
の一方を構成するモノマーを含有してなる樹脂に、他方
の樹脂を構成するモノマーをグラフト共重合させること
によって得られるものが好適である。
【0024】本発明で用いる分散助剤は、マトリクス樹
脂にドメイン樹脂を微細に分散させる作用をし、トナー
組成物中に1重量%以上あれば、分散相は充分微細、か
つ、均一となる。好ましくは3重量%以上の量で用い
る。
【0025】そして、分散助剤はマトリクス樹脂よりア
イゾット衝撃値が0.1kgf・cm/cm以上、好ましくは
0.2kgf・cm/cm以上、より好ましくは0.4kgf・cm/
cm以上のものを用いる。そのような樹脂を用いることに
より、粉砕工程において、マトリクス樹脂相で優先的に
破壊を生じさせ、ドメイン樹脂の破壊を防止できる。従
って、着色剤をドメイン樹脂相中に閉じ込めたままであ
るので、トナー表面への着色剤の露出を防止することが
できる。アイゾット衝撃値が上記範囲より小さいとき
は、ドメイン樹脂にもストレスがかかり易くなり、この
為に破壊され易くなってしまう。そしてドメイン樹脂相
が破壊されると、着色剤が露出し、表面露出部の材料が
実質的に同一であるものとすることができない。
【0026】なお、本発明においてアイゾット衝撃値
は、Mini-max Izot衝撃試験機(ModelCS-183;Instrume
nt社製)を使用して測定した値で表している。測定に際
しては、30×12×2.0[mm]の試験片をプレス
成形(条件130℃、60〜70kg/cm2)で作製し、この
試験片を上記試験機に供した。
【0027】分散助剤の具体例としては、スチレン系重
合体とビニルモノマーとをグラフト反応させる方法とし
ては、溶剤に重合体を溶解し、そこへビニルモノマー
を投入して反応させる方法、ビニルモノマーに重合体
を溶解して反応させる方法、水に重合体粒子を懸濁さ
せ、これにビニルモノマーを添加して該重合体粒子に含
浸させたのち、反応させる方法、ビニルモノマーに重
合体を溶解したものを水中に液滴として浮遊させた状態
で反応させる方法、重合体の溶融状態下にビニルモノ
マーと反応させる方法、もしくは放射線グラフト法等
がある。中でも好ましい方法は、上記またはの方法
である。またはの方法で得られた重合体は、マトリ
クス樹脂およびドメイン樹脂が同時に含有生成されてお
り、マトリクス樹脂またはドメイン樹脂を別途に加える
ことなく用いことができる。
【0028】この反応に際しては、通常、重合開始剤を
用いる。重合開始剤としては一般にラジカル重合に用い
られるものを用いることができるが、重合反応の温度か
ら見て、分解温度が45〜110℃、特に50〜105
℃の範囲のものから選ぶのが好ましい。ここでいう分解
温度とは、ベンゼン1リットル中に重合開始剤を0.1
モル添加して、10時間放置したときにラジカル発生剤
の分解率が50%となるときの温度を意味する。
【0029】このような開始剤の具体例としては、例え
ば2,4−ジクロルベンゾイルペルオキシド(54℃)、t
ert−ブチルペルオキシピバレート(56℃)、O−メチ
ルベンゾイルペルオキシド(57℃)、ビス−3,5,5−
トリメチルヘキサノイルペルオキシド(60℃)、オクタ
ノイルペルオキシド(61℃)、ラウロイルペルオキシド
(62℃)、ベンゾイルペルオキシド(74℃)、tert−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキサノエイト(74℃)、
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン(91℃)、シクロヘキサノンペ
ルオキシド(97℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジベン
ゾイルペルオキシヘキサン(100℃)、tert−ブチルペ
ルオキシベンゾエート(104℃)、ジ−tert−ブチル−
ジペルオキシフタレート(105℃)、メチルエチルケト
ンペルオキシド(109℃)、ジクミルペルオキシド(1
17℃)、ジクミル−tert−ブチルペルオキシド等の有
機過酸化物を挙げることができる(ここで括弧内の温度
は分解温度を示す)。これらは併用もできる。
【0030】重合開始剤の使用量は、ビニルモノマーに
対して0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜10
重量%の範囲である。
【0031】本発明においては、分散助剤はマトリクス
樹脂(例えばポリエステル)とドメイン樹脂を与え得る単
量体(例えばスチレン)を「その場で(in sit
u)」グラフト共重合することによっても得ることがで
きる。
【0032】トナーに含有させる着色剤としては、特に
限定されず、公知のもの、例えばカーボンブラック、ア
ゾ染料、酸化チタン等の各種各色の染料、顔料を使用可
能である。着色剤は、実施的全量をドメイン樹脂に分散
充填させる必要から、着色剤はマトリクス樹脂に対する
よりドメイン樹脂に対する親和力の大きいものを用い
る。
【0033】本発明の現像剤を構成するトナーには、さ
らに流動性、離型性などを改質する目的で、低分子量の
オレフィン重合体、コロイダルシリカ、脂肪酸および脂
肪酸金属塩等を添加してもよい。
【0034】本発明のトナーは、一成分系トナーあるい
はキャリアとともに用いられる二成分系現像剤用トナー
等、その用途にしたがって構成成分組成物を選択すれば
よく、基本的には以下に記載の工程を経ることにより調
製することができる。 ドメイン樹脂と着色剤を溶融混練してなる混練物を
得る工程、 ドメイン樹脂に対して混和性の低いマトリクス樹脂
と荷電制御剤を溶融混練してなる混練物を得る工程、 の工程で得られた混練物、の工程で得られた混
練物、およびドメイン樹脂とマトリクス樹脂の両樹脂に
混和性を有しかつアイゾット衝撃値がマトリクス樹脂よ
り高い値を有する分散助剤を溶融混練して着色組成物を
得る工程および の工程で得られた混練物を粉砕分級する工程。
【0035】ここで、分散助剤相の耐衝撃性は、マトリ
クス相の耐衝撃性よりも高く設定されているため、トナ
ーの製造時の粉砕工程において、分散助剤相およびドメ
イン樹脂相が破壊されることが有効に防止される。した
がって、破壊はマトリクス樹脂相のみで発生し、粉砕物
の表面、つまり得られたトナーの表面は、実質的に荷電
制御剤を含んだマトリクス樹脂相のみで形成される。こ
れは着色剤の実質的全量はドメイン樹脂相に含有され、
粉砕時には応力がマトリクス相に集中して、マトリクス
相が表面相を形成するので、ドメイン相中の各色着色剤
は表面に露出しないからである。着色剤の種類、色を種
々かえても、表面露出部の材料が実質的に同一であるト
ナーを得ることができる。またマトリクス樹脂中のドメ
イン樹脂分散相の粒径は5μm以下が好ましい。なおこ
こでいう粒径とは、試料断面の電子顕微鏡の観察によっ
て測定される平均一次粒子径(Martinの径)である。以
下に示す実施例で、本発明を具体的に説明するが、本発
明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0036】
【実施例】実施例に用いたドメイン樹脂、マトリクス樹
脂および分散助剤を示す。ドメイン樹脂 スチレン・アクリル酸エステル共重合体 分子量: 53000 アイゾット衝撃強さ: 0.51[kgf・cm/cm2]マトリクス樹脂 スチレン・無水マレイン酸共重合体 分子量: 10000 アイゾット衝撃強さ: 0.17[kgf・cm/cm2]分散助剤 改質スチレン重合体 アイゾット衝撃強さ: 0.41[kgf・cm/cm2]
【0037】分散助剤の製造例 内容量10リットル のオートクレーブ内に水4kg、リ
ン酸三カルシウム80g、ドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ0.12gを加えて水性媒質とし、これに、「ナイ
パーB」8gをスチレン640gおよびn−ブチルアクリレ
ート160gの混合液に溶解した液を加えて撹拌した。
これに前記マトリクス樹脂(スチレン共重合体)粒子12
00gを投入し、オートクレーブ内を窒素置換したのち
系内温度を60℃に昇温し、その温度を3時間維持して
上記の重合開始剤を含むスチレンをマトリクス樹脂粒子
中に含浸させた。
【0038】次いで、「パーブチルPV」11.4gをこ
の懸濁系に投入し、さらに系内温度を65℃に昇温して
2時間保持してスチレン重合体粒子表面の重合を開始さ
せた。その後、系内温度を90℃に昇温して3時間維持
し、重合を完結させた。冷却後、内容物を取り出して酸
洗いおよび水洗を行なって分散助剤樹脂2kgを得た。
【0039】ドメイン樹脂42重量部と着色剤(Lionol
Yellow FG-1310;東洋インキ製造社製)3重量部とを二
軸混練押出機にて溶融混練した。次に、マトリクス樹脂
52重量部と荷電制御剤(ボントロンE−81;オリエ
ント化学社製)3重量部を二軸押し出し機にて溶融混練
した。上記ドメイン樹脂混練物45重量部と上記マトリ
クス樹脂混練物55重量部、および分散助剤8重量部を
二軸混練押し出し機にて溶融混練して着色組成物を得
た。
【0040】この着色組成物の一部をスライドグラスと
カバーグラスの間にはさみ、ホットプレス上で熱溶融さ
せて薄膜化し、透過型光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、着色された分散相の存在が見られ、その粒径は0.
5〜1.0μmであり、この分散相はマトリクス中に均
一微細に分散していた。また、着色剤はマトリクス中に
は見られず、帯電制御剤はマトリクス中のみに存在して
いた。得られた着色物をジェットミルにより微粉砕し、
その後分級により平均粒径11μmのイエロートナーを
得た。
【0041】また、ドメイン樹脂42重量部と溶融混練
する着色剤を以下のようにすることで、マゼンタトナ
ー、シアントナーおよびブラックトナーを製造した。マゼンタトナー Lionol Red 6B FG-4213(東洋インキ製造社製)3重量
シアントナー Lionol Blue FG-7350(東洋インキ製造社製)3重量部ブラックトナー Lionol Yellow FG-1310(東洋インキ製造社製)2重量
部 Lionol Red 6B FG-4213(東洋インキ製造社製)2重量
部 Lionol Blue FG-7350(東洋インキ製造社製)2重量部
【0042】得られた着色組成物のそれぞれを上記方法
により観察したところ、同様に着色された分散相の存在
が見られた。分散相は、その粒径は0.5〜1.0μm
であり、マトリクス中に均一微細に分散していた。また
着色剤はマトリクス中に見られず、帯電制御剤はマトリ
クス中にのみ存在していた。
【0043】得られた着色物をジェットミルにより微粉
砕し、その後分級によりそれぞれ平均粒径11μmのマ
ゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを得た。
【0044】
【比較例】結着剤としての樹脂 スチレン−無水マレイン酸共重合体(上記実施例でマト
リクス樹脂として用いた樹脂と同一)100重量部荷電制御剤 ボントロンE−81(オリエント化学社製)3重量部着色剤 Lionol Yellow FG-1310(東洋インキ製造社製)3重量
【0045】上記材料を溶融混練し着色物を得た。得ら
れた着色物をジェットミルにより微粉砕し、その後分級
により平均粒径11μmのイエロートナーを得た。
【0046】また、着色剤を以下のようにすることで平
均粒径11μmのマゼンタトナー、シアントナー、ブラ
ックトナーを得た。マゼンタトナー Lionol Red 6B FG-4213(東洋インキ製造社製)3重量
シアントナー Lionol Blue FG-7350(東洋インキ製造社製)3重量部ブラックトナー Lionol Yellow FG-1310(東洋インキ製造社製)2重量
部 Lionol Red 6B FG-4213(東洋インキ製造社製)2重量
部 Lionol Blue FG-7350(東洋インキ製造社製)2重量部
【0047】
【評価】一成分系での帯電量測定 実施例および比較例の各4色のトナーすなわちイエロー
トナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラック
トナーをそれぞれ図3に示す一成分系の現像器(規制ブ
レードはSUS)に装入し、各環境における帯電量を測
定した。測定条件としてはトナーを投入後、5分間現像
器中で撹拌し、スリーブ上のトナーをブローオフするこ
とで測定した。その結果を図4および図5に示す。図4
および図5からわかるように実施例のトナーは各色同一
の帯電量変動を示すのに対し、比較例のトナーは各色の
トナーによってその変動量はまちまちであった。
【0048】二成分系での帯電量測定 各環境において、実施例および比較例の各4色のトナー
をそれぞれフェライトキャリア(F141−300;パ
ウダーテック社製)をポリプロピレンのポリビンにい
れ、これを撹拌架台に載せ5分間撹拌した後の帯電量を
測定した。なお、トナー濃度は6%とし、帯電量測定方
法はブローオフ法を用いた。結果を図6および図7に示
した。
【0049】図6および図7からわかるように実施例の
トナーは各色同一の帯電量変動を示すのに対し、比較例
のトナーは各色のトナーによってその変動量はまちまち
であった。
【0050】フルカラー複写機CF−70(ミノルタカ
メラ社製)を用いての確認 上記実施例のトナー4色を用いて確認実験を行った。な
お条件は以下のようにした。 現像剤形態: 2成分 キャリア: F141−300(パウダーテック社
製) トナー濃度: 6%設定 環境: H/H,N/N,L/L 画像安定化方法:イエロートナーの感光体上への付着量
を検知し、基準の付着量と比較し、どの環境においても
イエロートナーのペーパー上のマックス付着量が0.8
mg/cm2と一定になるようにΔVを調整した。本機
は反転現像をもちいているので、Vbを振ることでΔV
を制御した。
【0051】イエロートナーのΔVの結果を他の色のト
ナーにも適用した。結果を図8に示した。図8から明ら
かなように、各色のトナーは、各環境において非常に安
定した付着量を示した。これにより、各色のトナーは、
環境変動による帯電量変動が等しく、全ての環境におい
て各トナーの現像効率が等しいことが確認された。
【0052】
【発明の効果】異なる着色剤を含む異なる色のトナーに
おいて、環境変動による帯電量変動が同じであり、各色
トナーの付着量が安定したトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明トナーの模式的断面図を示す。
【図2】 従来のトナーの模式的断面図を示す。
【図3】 一成分現像器の模式的断面図を示す。
【図4】 各環境における帯電量の測定結果を示す。
【図5】 各環境における帯電量の測定結果を示す。
【図6】 各環境における帯電量の測定結果を示す。
【図7】 各環境における帯電量の測定結果を示す。
【図8】 各環境における帯電量の測定結果を示す。
【符号の説明】
1:結着剤としての樹脂 2:着色剤 3:荷電制
御剤 4:ドメイン樹脂 5:マトリクス樹脂
6:分散助剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柘植 昌一 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 戸谷 謙三 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のトナーを使用する電子写真複写装
    置に使用される現像剤であって、各トナーの表面露出部
    の材料が実質的に同一であるトナーからなる電子写真用
    現像剤。
JP4150489A 1992-04-07 1992-06-10 電子写真用現像剤 Pending JPH05341574A (ja)

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JP4150489A JPH05341574A (ja) 1992-06-10 1992-06-10 電子写真用現像剤
US08/043,910 US5415963A (en) 1992-04-07 1993-04-07 Plural color toners, developers comprising the same, image-forming method using the plural toners, and image-forming system therefor

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7153622B2 (en) 2001-04-27 2006-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Electrostatic charge image developing toner, producing method therefor, image forming method and image forming apparatus utilizing the toner, construct and method for making the construct
JP2008216624A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Konica Minolta Business Technologies Inc トナーキット

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