JPH05339610A - 高炉制御方法 - Google Patents

高炉制御方法

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JPH05339610A
JPH05339610A JP4149317A JP14931792A JPH05339610A JP H05339610 A JPH05339610 A JP H05339610A JP 4149317 A JP4149317 A JP 4149317A JP 14931792 A JP14931792 A JP 14931792A JP H05339610 A JPH05339610 A JP H05339610A
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剛司 牧
Hiroaki Nakano
浩明 中野
Yoshihisa Otsuka
喜久 大塚
Kunihiro Hanaoka
邦浩 花岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉の炉内状況や操業条件の変化に起因して
炉熱又は溶銑Si値の予測精度が悪化した場合でも,こ
の予測精度の悪化分を補償することにより,高炉を安定
して操業することのできる高炉制御方法の提供。 【構成】 上記方法を適用した高炉制御装置1では,あ
る時点iから例えば2時間前の時点(i−n)に予測さ
れた溶銑温度の予測値Yfi-n がメモリMに予め格納さ
れている。そこで,当該時点iにおける溶銑温度の実測
値Yai が検出されると,2時間後のシフト値として読
み出されたYei-n と上記実測値Yaiとの差が減算器
7により演算される。一方,当該時点iにおける予測値
Yfi と予め設定された目標値Ytとの目標誤差として
の差ΔY1iが減算器5により求められ,当該差ΔY1i
ら予測誤差としての上記差ΔY2iが差引かれて得た動作
信号値に基づいて送風温度変更量ΔUが補償されて演算
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高炉の炉熱又は溶銑S
i(シリカ)値の予測値を演算し,上記炉熱又は溶銑S
i値の目標値と上記予測値との差に基づいて高炉の操業
データに関する操作量を演算する高炉操業方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に,高炉において,溶銑温度に代表
される炉熱,又は溶銑Si値を安定して制御すること
は,高炉操業を安定に保ち,溶銑の品質を良好に維持す
る上で重要であることが知られている。上記溶銑温度又
は溶銑Si値は,炉底より吹き込まれる高温の送風の送
風温度,送風中湿分,送風量,微粉炭吹き込み量,或い
は炉頂から投入される鉄鉱石量とコークス量との比であ
るコークス比等の操業データを変更操作することにより
一定に制御されている。以下,ここではこれらの操業デ
ータのうち,上記送風温度についてこれらを代表して説
明する。高炉においては,例えば上記送風温度を変更し
てから溶銑温度の実測値が変化するまでに数時間という
むだ時間が存在し,制御の応答性が極めて低いので,上
記溶銑温度の実測値だけを用いて送風温度の変更アクシ
ョンをフィードバック制御すれば,制御が後手にまわ
り,上記溶銑温度をうまく制御することができない。そ
こで,ある時点における炉頂ガス成分や炉壁温度等の各
種測定データ,溶銑温度及びそのときの送風温度変更量
(操作量)に基づいて上記溶銑温度の未来の予測値を予
測して,この溶銑温度の予測値を基に上記送風温度の変
更アクションを行う制御手法が従来技術として採用され
ている。上記溶銑温度又は溶銑Si値を予測する予測手
法としては,例えば特公昭60−55561号公報,特
開昭54−114413号公報,特開昭60−2048
13号公報,特開平2−115311号公報等に開示さ
れている。これらに開示された上記予測手法によれば,
高炉からの各種の測定データに検出センサ特有の微小な
変動成分と高炉の操業状況の変化によるゆるやかな変動
成分を含んでいること及び操業者により過去実行された
操業アクション(操業データの操作量)の影響が考慮さ
れていないこと等の原因で上記予測手法により予測され
た溶銑温度が実績とあまり良い対応を示していないこと
があった。又,高炉の複雑な操業状況を数式モデルによ
り表現した場合には,大型の計算機が必要となり演算時
間に時間がかかるうえ,操業条件の変更時に手間のかか
る数式モデルの変更を行う必要があった。そこで,本発
明者らは,過去における高炉の操業データの操作量と上
記操業データの操作量に起因して変化した,例えば現時
点の溶銑温度の変化量との関係を非定常シュミレーショ
ン等の手法により得た伝達関数として表し,高炉からの
測定データを指数化し,上記指数化された測定データの
内から上位溶銑温度の変化に関連性の高い測定データを
抽出し,現時点において実測された溶銑温度と,上記抽
出された現時点の測定データに基づいて演算された未来
の溶銑温度の変化量と,上記伝達関数を備えた非定常モ
デルに現時点の操業データの操作量を適用して得られた
未来の溶銑温度の変化量とから未来の溶銑温度を予測す
る予測装置を開発し,特願平4−39699号として出
願した。上記開発された予測装置によれば,必要な記憶
容量や演算能力が小さくて済む伝達関数が用いられるの
で,小型の計算機によって具現化することができ,しか
も過去にとられた操業アクションの影響が少なくとも上
記伝達関数により加味されて未来の溶銑温度が予測され
るので,溶銑温度の予測結果が実績値とよく対応すると
いう利点がある。ここで,図7に,上記開発された溶銑
温度予測装置4を備えた高炉制御装置1 a を示す。上記
高炉制御装置1a では,送風温度決定部2a により演算
された送風温度変更量△U,溶銑温度が制御される高炉
3からの炉頂ガス成分や炉壁温度等の各種測定データX
i 及びその時実測された溶銑温度の実測値Yai (iは
所定間隔の検出・演算時点を示す)が溶銑温度予測装置
4にそれぞれ入力される。溶銑温度予測装置4は上記各
種の入力データXi ,△U,Yai に基づいて,例えば
予め設定された上記伝達関数を備えた非定常モデルを用
いて,その時から所定時間経過後の未来の溶銑温度の予
測値Yfi を演算する。この予測値Yfi と予め設定さ
れた溶銑温度の目標値Ytとから,減算器5においてこ
れらの値の差△Y1iが求められ,上記送風温度決定部2
a に入力される。送風温度決定部2a は上記差△Y1i
基づいて次の時点の送風温度変更量△Uを演算し,上記
高炉3等に出力するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,高炉におけ
る炉内状況は極めて複雑であり,生産計画の変更等に伴
って操業条件(操業データ)の変更を余儀なくされるこ
ともあり,これらの操業条件の変更によって,一般的に
は炉内状況が変化する。しかしながら,これらの炉内状
況や操業条件の無数の組み合わせを想定し,これら全て
の組み合わせについて上記非定常モデルや制御ルールの
内容を設定することは現実には不可能である。そこで,
上記従来の高炉制御装置1a において実際には,代表的
な組み合わせに係る内容の非定常モデルや制御ルールが
設定されている。そのため,実際には,炉内状況や操業
条件が上記設定された非定常モデルや制御ルールの内容
からずれている場合があり,このような場合,上記溶銑
温度予測装置4により演算される予測値Yfi が精度良
く予測されないことがあった。このように,上記予測値
Yfi の予測精度が悪くなると,高炉制御装置1a によ
り制御された高炉3の溶銑温度の実測値Yai は,図8
に示すように,溶銑温度の目標値Ytとの差△Y1iが修
正されず,上記実測値Yai を目標値Ytに応答性良く
制御できないといった問題を生じていた。本発明は,上
記したような従来の問題点に鑑みてなされたものであっ
て,高炉の炉内状況や操業条件の変化に起因して炉熱又
は溶銑Si値の予測精度が悪化した場合でも,この悪化
した予測精度分を補償することにより,上記高炉を安定
して操業することのできる高炉制御方法の提供を目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明が採用する主たる手段は,その要旨とすると
ころが,ある時点から所定時間遡及した時点における高
炉の操業データの操作量と上記操作量に起因して変化し
た炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量との関係を伝達
関数で表わし,上記遡及した時点における操業データの
操作量を上記伝達関数に適用して上記ある時点における
炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量を求め,少なくと
も上記遡及した時点における炉熱の実測値又は溶銑Si
値の実測値と,上記遡及した時点における高炉からの各
種の測定データに基づいて上記ある時点に関して演算さ
れた上記炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量と,上記
ある時点に関して上記伝達関数により求められた炉熱の
変化量又は溶銑Si値の変化量とに基づいて上記ある時
点に関する炉熱又は溶銑Si値の予測値を上記遡及した
時点において演算し,上記演算された炉熱又は溶銑Si
値の予測値と予め設定された炉熱又は溶銑Si値の目標
値との差に基づいて上記操作量を演算する高炉制御方法
において,上記ある時点に関して予測された炉熱又は溶
銑Si値の予測値を上記ある時点に対応して記憶手段に
格納し,上記ある時点における炉熱又は溶銑Si値の実
測値を検出し,上記ある時点における炉熱又は溶銑Si
値の実測値と上記記憶手段に格納されている炉熱又は溶
銑Si値の予測値との第1の差を演算し,上記ある時点
において予測された炉熱又は溶銑Si値の予測値と上記
目標値との差から,上記第1の差に基づく値を差引いて
得た動作信号に基づいて上記操作量を演算するようにし
たことを特徴とする高炉制御方法として構成されてい
る。
【0005】
【作用】本発明に係る高炉制御方法においては,ある時
点の操作量の演算に先立って,上記ある時点に関して当
該ある時点から所定時間遡及した時点において演算され
た炉熱又は溶銑Si値の予測値が上記ある時点に対応し
て記憶手段に予め格納されている。そこで,上記ある時
点における炉熱又は溶銑Si値の実測値が検出される
と,上記記憶手段に格納されている上記遡及した時点の
予測値が読み出され,この読み出された予測値と上記あ
る時点における炉熱又は溶銑Si値の実測値との第1の
差が演算される。一方,上記ある時点における上記予測
値と上記目標値との差が求められ,更に当該差から上記
第1の差に基づく値が差引かれて制御部に入力される動
作信号が求められる。上記制御部は上記動作信号に基づ
いて上記操作量を演算する。従って,上記目標値に対す
る上記ある時点における予測値の目標誤差は,予測誤差
としての上記第1の差により補償される。その結果,高
炉の操業を安定して行うことができる。
【0006】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明方法を採用した一実施例に係る高炉制
御装置の制御系統を示すブロック図,図2は上記高炉制
御装置の溶銑温度予測装置に入力すべき各種測定データ
を抽出するために実行された時間遅れ相関解析結果を示
すグラフ図,図3は抽出された測定データに関するファ
ジィルール群を示す説明図,図4は抽出された測定デー
タから溶銑温度変化を予測するためのメンバシップ関数
を示し,(a)は測定データのレベルに関するメンバシ
ップ関数を示すグラフ図,(b)は測定データの変化傾
向に関するメンバシップ関数を示すグラフ図,(c)は
溶銑温度の変化を予測するためのメンバシップ関数を示
すグラフ図,図5は上記高炉制御装置により制御される
高炉の溶銑温度の応答特性を示すグラフ図,図6は上記
高炉制御装置を実炉に適用した場合の操作量,被制御対
象及び各種測定データの経時推移を示すグラフ図であ
る。但し,図7に示した上記従来の高炉制御装置1a
共通する要素には,同一の符号を使用すると共に,その
詳細な説明は省略する。また,同様の機能を有する要素
には同一の符号を使用し且つその符号に新たな添字を付
したり或いは異なる添字を付する。本実施例に係る高炉
制御方法を適用した高炉制御装置1は,図1に示すよう
に,上記従来の高炉制御装置1a と基本的構造をほぼ同
様とし,上記従来の高炉制御装置1a との相違点は,定
期的な演算時刻としてのある時点iに関して当該ある時
点iから所定時間遡及した時点(i−n)(上記所定時
間は本実施例では,例えば2時間に相当する)において
溶銑温度予測装置4により予測された溶銑温度の予測値
Yfi-n を上記遡及した時点(i−n)に対応して時間
シフト部6のメモリM(記憶手段の一例)に格納し,上
記ある時点iに上記遡及した時点(i−n)における予
測値Yfi-n を上記メモリMから取り出して時間的なシ
フト値Yei-n として出力し,上記時間シフト部6から
のシフト値Yei-n とその時点iに検出された溶銑温度
の実測値Yai との差△Y2i(第1の差)を減算器7に
より演算し,上記ある時点iにおいて予測された溶銑温
度の予測値Yfi と予め設定されている目標値Ytとの
差△Y1iから上記演算された差△Y2iを差引いて得た動
作信号値△Yを以下に示す(1)式より求め,更に高炉
3へ吹き込まれる送風の送風温度(操業データの一例)
の送風温度変更量△U(操作量の一例)を送風温度決定
部2により以下に示す(2)式を用いて決定するように
したことである。 △Y=△Y1i−△Y2i =(Yt−Yfi )−(Yai −Yei-n ) ・・・(1) △U=Kp×△Y+Ki×∫△Ydt ・・・(2) ここで,Kp:比例ゲイン,Ki:積分ゲインである。
尚,被制御因子としては,上記溶銑温度に替えて,溶銑
中のシリカ量を表す溶銑Si値を用いることもできる。
尚,上記溶銑温度予測装置4では,高炉内における流
動,反応,伝熱を記述した非定常モデルを基に,炉頂部
より羽口部までの炉内ガスの圧力損失,温度分布,還元
率分布の経時変化を計算する非定常シミュレーションプ
ログラムが適用されている。そして,上記ある時点iか
ら所定時間遡及した時点(i−n)における送風温度,
送風湿度,送風量,微粉炭吹き込み量,コークス比等に
代表される操業データの操作量と上記操作量に起因して
変化した,例えば溶銑温度の変化量との関係が上記非定
常シミュレーションプログラムを用いることにより伝達
関数として表されている。例えば,上記送風温度に関す
る伝達関数の一例を次式に示す。 G(s)=b1 /(b2 s+1)+b3 /(b4 s+1)2 ・・・(3) ここで,s:ラプラス演算子b1 〜b4 :上記非定常シ
ミュレーションにより得た定数である。一方,上記溶銑
温度予測装置4に入力される高炉3からの各種測定デー
タXiは,先ず図2に示すように,時間遅れ相関解析に
より,上記溶銑温度に影響を与える相関関係の高い測定
データXi のみ(例えば,図2においては測定データ
1)が抽出される。ここでは,例えばソリューションロ
スC量,装入速度,送風圧,炉頂ガス温度等が抽出され
たとする。次に,上記抽出された測定データXi に対し
て,図3に示すようなルール群が作成されて,IF〜T
HENのプロダクション型のファジィルールが構築され
る。ここで,レベルとは測定データのデータの大きさを
表し,傾向とは測定データの変化傾向を表す。そして,
上記ルール群のマトリックス表中の欄内に表示されたL
〜Hは溶銑温度の変化量の予測値を定性的に示すもので
ある。上記抽出された測定データXi 毎に上記レベル及
び傾向についてそれぞれ図4(a)及び(b)に示す如
くのメンバシップ関数がそれぞれ設定されている。又,
溶銑温度の変化量の予測値に関するメンバシップ関数も
図4(c)に示すように設定されている。そこで,上記
溶銑温度予測装置4は,その時求められた送風温度変更
量ΔUと上記抽出された測定データXi と溶銑温度の実
測値Yai とを用いて溶銑温度の2時間後の予測値Yf
i を以下の(4)式により予測する。 Yfi =Yai +a1 ΣCFi +a2 f(過去)・・・(4) ここで,ΣCFi は,上記抽出された各種測定データX
i から求めた溶銑温度の変化量に対する確信度である。
この確信度ΣCFi は上記抽出された測定データXi
ファジィ推論法を適用して求めたものである。ここで
は,上記求められた確信度ΣCFi に,更に影響係数a
1 が乗算されて溶銑温度の変化量の予測値として算出さ
れた。一方,f(過去)は,上記ある時点iから所定時
間遡及した時点(i−n)にとった操業アクション(操
作量)が現在までどれくらい影響していて,例えばこれ
から2時間先にどの程度影響するかを上記伝達関数を適
用した非定常シミュレーションプログラムを用いて算出
したものである。ここでは,上記f(過去)に更に影響
係数a2 を乗算して用いた。尚, 上記非定常シミュレー
ションプログラムは実炉において予測精度が適切である
ことを確認した後に使用された。ところで,上記減算器
7において,その時点iに検出された溶銑温度の実測値
Yai と比較されるシフト値Yei-n は,言い換える
と,当該時点iを見越して上記所定時間(2時間)前に
上記溶銑温度予測装置4により演算された予測値Yf
i-n である。従って,本実施例方法によれば上記予測値
Yfi-n と時点iでの溶銑温度との差ΔY2i(第1の
差)は(i−n)時点での予測の正確度を示すことにな
り,上記のようにi時点での操作量を上記第1の差ΔY
2iを用いて修正することにより溶銑温度予測装置4の予
測精度の悪化分を補償することができる。例えば,上記
溶銑温度の目標値Ytを1500℃として,本実施例方
法の高炉制御装置1を用いて高炉3を制御した場合の応
答特性を図5に示す。同図において,時刻0時に溶銑温
度予測装置4によって,溶銑温度が15℃上昇すると予
測された場合である。同図に示すように,実際には予測
よりも大きく異なった操業条件の変動があり,実測され
た溶銑温度Yai は時刻4時頃に約10℃上昇した。し
かしながら,本発明の第1の差△Y2iの作用により上記
予測誤差が補償されたため,従来のように目標値との偏
差(図8参照)が修正されないといった状態を引き起こ
すことがなく,上記溶銑温度を速やかに目標とする15
00℃に近づけることができた。さらに,本実施例の高
炉制御装置1を実炉に適用した結果を図6に示す。ここ
で,適用期間中の溶銑温度の目標値Ytは上記と同様に
1500℃であって管理値は目標値Yt±15℃とし
た。同図に,上記期間中の溶銑温度に影響を与える各種
測定データXi (ソリューションロスC量,・・・,ク
ロスゾンデ),送風温度(操作量)及び被制御対象であ
る溶銑温度の経時推移結果を示す。同図からも明らかな
ように,本実施例装置によれば溶銑温度は実炉において
も管理値に収まるようにうまく制御できていることがわ
かる。又,溶銑温度と極めて相関関係の高い溶銑Si値
(不図示)についても副次的に安定化させることがで
き,溶銑品質の極めて高い安定化を実現することができ
た。
【0007】尚,上記第1の差に基づく値として,上記
実施例では,△Y2iを用いたが,この差△Y2iに例えば
重みwを乗算した値を上記第1の差に基づく値として用
いることも可能である。それにより,上記目標誤差から
の予測誤差の補償度合いを調節することができ,制御の
適用範囲が広くなる。又,上記実施例では,抽出された
測定データに基づいて溶銑温度の変化量の予測値を定量
化する手法として,溶銑温度制御の精度向上を図るため
にファジィ推論法を用いたが,これに限定されず,若干
制御精度は低下するが古典的な指数化法によっても充分
実用化することができる。そして,上記実施例では,被
操作対象となる操業データとして送風温度を用いたが,
これに代えてあるいはこれと併用して,上記コークス
比,微粉炭吹き込み量,送風湿度等を上記被操作対象と
して用いることも可能である。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば,ある時点から所定時間
遡及した時点における高炉の操業データの操作量と上記
操作量に起因して変化した炉熱の変化量又は溶銑Si値
の変化量との関係を伝達関数で表わし,上記遡及した時
点における操業データの操作量を上記伝達関数に適用し
て上記ある時点における炉熱の変化量又は溶銑Si値の
変化量を求め,少なくとも上記遡及した時点における炉
熱の実測値又は溶銑Si値の実測値と,上記遡及した時
点における高炉からの各種の測定データに基づいて上記
ある時点に関して演算された上記炉熱の変化量又は溶銑
Si値の変化量と,上記ある時点に関して上記伝達関数
により求められた炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量
とに基づいて上記ある時点に関する炉熱又は溶銑Si値
の予測値を上記遡及した時点において演算し,上記演算
された炉熱又は溶銑Si値の予測値と予め設定された炉
熱又は溶銑Si値の目標値との差に基づいて上記操作量
を演算する高炉制御方法において,上記ある時点に関し
て予測された炉熱又は溶銑Si値の予測値を上記ある時
点に対応して記憶手段に格納し,上記ある時点における
炉熱又は溶銑Si値の実測値を検出し,上記ある時点に
おける炉熱又は溶銑Si値の実測値と上記記憶手段に格
納されている炉熱又は溶銑Si値の予測値との第1の差
を演算し,上記ある時点において予測された炉熱又は溶
銑Si値の予測値と上記目標値との差から,上記第1の
差に基づく値を差引いて得た動作信号に基づいて上記操
作量を演算するようにしたことを特徴とする高炉制御方
法が提供される。それにより,高炉の炉内状況や操業条
件の変化に起因して炉熱又は溶銑Si値の予測精度が悪
化した場合でも,この予測精度の悪化分を補償すること
ができる。その結果,高炉を安定して操業することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を採用した一実施例に係る高炉制
御装置の制御系統を示すブロック図。
【図2】 上記高炉制御装置の溶銑温度予測装置に入力
すべき各種測定データを抽出するために実行された時間
遅れ相関解析結果を示すグラフ図。
【図3】 抽出された測定データに関するファジィルー
ル群を示す説明図。
【図4】 抽出された測定データから溶銑温度変化を予
測するためのメンバシップ関数を示し,(a)は測定デ
ータのレベルに関するメンバシップ関数を示すグラフ
図,(b)は測定データの変化傾向に関するメンバシッ
プ関数を示すグラフ図,(c)は溶銑温度の変化を予測
するためのメンバシップ関数を示すグラフ図。
【図5】 上記高炉制御装置により制御される高炉の溶
銑温度の応答特性を示すグラフ図。
【図6】 上記高炉制御装置を実炉に適用した場合の操
作量,被制御対象及び各種測定データの経時推移を示す
グラフ図。
【図7】 本発明の背景の一例となる従来方法による高
炉制御装置の制御系統を示すブロック図。
【図8】 上記従来の高炉制御装置による溶銑温度の応
答特性を示すグラフ図。
【符号の説明】
1,1a …高炉制御装置 2,2a …送風温度決定部 3…高炉 4…溶銑温度予測装置 5,7…減算器 6…時間シフト部 M…メモリ(記憶手段) △U…送風温度変更量(操作量) Yt…目標値 Yai …実測値 Yfi …予測値 Yei-n …シフト値 △Y1i…差 △Y2i…差(第1の差)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花岡 邦浩 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある時点から所定時間遡及した時点にお
    ける高炉の操業データの操作量と上記操作量に起因して
    変化した炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量との関係
    を伝達関数で表わし,上記遡及した時点における操業デ
    ータの操作量を上記伝達関数に適用して上記ある時点に
    おける炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量を求め,少
    なくとも上記遡及した時点における炉熱の実測値又は溶
    銑Si値の実測値と,上記遡及した時点における高炉か
    らの各種の測定データに基づいて上記ある時点に関して
    演算された上記炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量
    と,上記ある時点に関して上記伝達関数により求められ
    た炉熱の変化量又は溶銑Si値の変化量と に基づいて上記ある時点に関する炉熱又は溶銑Si値の
    予測値を上記遡及した時点において演算し,上記演算さ
    れた炉熱又は溶銑Si値の予測値と予め設定された炉熱
    又は溶銑Si値の目標値との差に基づいて上記操作量を
    演算する高炉制御方法において,上記ある時点に関して
    予測された炉熱又は溶銑Si値の予測値を上記ある時点
    に対応して記憶手段に格納し,上記ある時点における炉
    熱又は溶銑Si値の実測値を検出し,上記ある時点にお
    ける炉熱又は溶銑Si値の実測値と上記記憶手段に格納
    されている炉熱又は溶銑Si値の予測値との第1の差を
    演算し,上記ある時点において予測された炉熱又は溶銑
    Si値の予測値と上記目標値との差から,上記第1の差
    に基づく値を差引いて得た動作信号に基づいて上記操作
    量を演算するようにしたことを特徴とする高炉制御方
    法。
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