JPH053392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、車両用カーペツトの改良に関する。

「従来の技術」 従来の車両用カーペツトとしては、例えば第４
図に示すようなものがある。

すなわち、カーペツト本体１の下に緩衝シート
材２が添着され、カーペツト本体１と緩衝シート
材２とを貫通してクリツプ挿通孔３が穿設され、
カーペツトを車体に固定するときは、クリツプ挿
通孔３にクリツプ４の嵌合脚４ａを挿通し、頭部
４ｂをカーペツトの上面に係止させ、嵌合脚４ａ
をフロアＡに穿設した取付孔Ａ１に圧嵌してカー
ペツトを固定するのが一般的であつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来の車両用カーペ
ツトでは、クリツプ４の頭部４ｂが露出して見栄
えが悪いうえに、近くにごみがたまつたり、もの
が引掛つてクリツプ４が抜けたりするという問題
点があつた。また、緩衝シート材２を添着すると
き、緩衝シート材２が平で突出部がないために位
置ずれしやすいという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、クリツプの頭部が露出せず、外
観品質が良好で、緩衝シートを正確に位置決めし
て添着できるようにして上記問題点を解決した車
両用カーペツトを提供することを目的としてい
る。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 カーペツト本体の下に緩衝シート材を重畳して添
わせ固定して成形される車両用カーペツトにおい
て、 固定用クリツプを、取付部に圧嵌する嵌合脚の
頂部に、拡頭した薄厚の頭部を設けて構成し、 前記固定用クリツプの嵌合脚が嵌挿する挿通孔
を前記緩衝シート材に穿設し、 前記緩衝シート材の挿通孔に成形時に位置決め
になるよう、前記固定用クリツプの嵌合脚を下面
から突出させて嵌挿するとともに、該固定用クリ
ツプの頭部が緩衝シート材の上に広がつて圧接す
るように配置し、 重畳して添わせ固定した前記カーペツト本体と
緩衝シート材との間に前記固定用クリツプの頭部
を挾持したことを特徴とする車両用カーペツトに
存する。

「作用」 しかして、固定用クリツプの頭部が露出しない
ので、見栄えがよく、ごみがたまつたり引掛けて
外れたりすることもなく、緩衝シート材の添着時
にクリツプを、位置決め部材として有効に用いる
ことができるようにしたものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ており、カーペツト１０は、自動車のフロアＡに
敷設されるもので、カーペツト本体２０の下面に
緩衝シート材３０が添着されて成る。なお、本明
細書において添着といつた場合、平面的な広がり
をもつた２つの対象を重畳させ、接着あるいは縫
い合わせ等で両者を固定することを意味してい
る。

カーペツト本体２０は、バツキング２１の上に
パイル２２が植設されて成り、緩衝シート材３０
は通常はフエルトであるが、弾性のある綿状のも
のが用いられ、カーペツト本体２０の下面の全面
あるいは要所に添着固定されている。

カーペツト１０の要所には取付部たるフロアＡ
の取付孔に圧嵌する嵌合脚４３を有する固定用ク
リツプ４０が装着されている。フロアＡの立上が
つた部位Ａ２ではカーペツト１０がめくれやすい
ので特に必要な部位である。

固定用クリツプ４０は頚部４１とその先の太径
部４２とより成る嵌合脚４３の頂部にフランジ状
に拡頭した頭部４４が設けられて成り、頭部４４
がカーペツト本体２０と緩衝シート材３０との間
に挾持され、嵌合脚４３が緩衝シート材３０に穿
設された挿通孔３１に嵌挿され、成形時に位置決
めになるよう緩衝シート材３０の下面から突出し
ている。固定用クリツプ４０の頭部４４は緩衝シ
ート材３０の上に広がつて圧接するように配置さ
れており、その厚さはカーペツト本体２０と緩衝
シート材３０との間に挾持されたとき、外観が見
苦しくならない程度に薄厚に形成されている。

上記カーペツト１０は、第３図に示すように、
下型Ｂ１と上型Ｂ２との間にカーペツト原反２０
ａおよび緩衝シート材３０を挾持しプレス成形し
て製造する。

緩衝シート材３０は形状に馴染みやすいので、
プレス成形前に下型Ｂ１の形状に合わせて敷設し
ておく、その際、予め緩衝シート材３０に穿設し
てあつた挿通孔３１に固定用クリツプ４０の嵌合
脚４３を挿通し、下型Ｂ１に設けてある位置決め
穴Ｂ３に嵌合脚４３を嵌め込んで緩衝シート材３
０の位置を定める。頭部４４は緩衝シート材３０
の上面に係合している。

その後、下型Ｂ１の上にカーペツト原反２０ａ
を広げ、上型Ｂ２を加工させてカーペツト原反２
０ａをフロアＡの形状になるようプレスする。固
定用クリツプ４０は頭部４４がカーペツト本体２
０と緩衝シート材３０との間に挾持して保持され
る。

カーペツト１０をフロアＡに取付けるには、フ
ロアＡの上にカーペツト１０を置き、フロアＡの
取付孔Ａ１に固定用クリツプ４０の嵌合脚４３を
圧嵌させれば、自ずからカーペツト１０の位置が
定まり隙間なく確実にフロアＡの上に敷設され
る。

「考案の効果」 本考案に係る車両用カーペツトによれば、カー
ペツト本体と緩衝シート材との間に固定用クリツ
プの薄厚の頭部を挾持して保持するようにしたか
ら、カーペツトの成形時に固定用クリツプにより
緩衝シート材の位置を定めることができ、カーペ
ツト本体と緩衝シート材とがずれることなく精度
よくかつ、良好な外観品質をもつて成形できると
ともに、フロアに取付けるときもカーペツトに固
定用クリツプが装着してあるから、そのままフロ
アの取付孔に嵌合させれば自ずから位置が定まり
作業性がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示してお
り、第１図はカーペツトの要部垂直断面図、第２
図はカーペツトが敷設されたフロアの斜視図、第
３図は成形工程の説明図、第４図は従来のカーペ
ツトの要部垂直断面図である。 １０……カーペツト、２０……カーペツト本
体、２１……バツキング、２２……パイル、３０
……緩衝シート材、３１……挿通孔、４０……固
定用クリツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カーペツト本体の下に緩衝シート材を重畳して
   添わせ固定して成形される車両用カーペツトにお
   いて、 固定用クリツプを、取付部に圧嵌する嵌合脚の
   頂部に、拡頭した薄厚の頭部を設けて構成し、 前記固定用クリツプの嵌合脚が嵌挿する挿通孔
   を前記緩衝シート材に穿設し、 前記緩衝シート材の挿通孔に成形時に位置決め
   になるよう、前記固定用クリツプの嵌合脚を下面
   から突出させて嵌挿するとともに、該固定用クリ
   ツプの頭部が緩衝シート材の上に広がつて圧接す
   るよう配置し、 重畳して添わせ固定した前記カーペツト本体と
   緩衝シート材との間に前記固定用クリツプの頭部
   を挾持したことを特徴とする車両用カーペツト。