JPH05339270A - マイトマイシン誘導体 - Google Patents

マイトマイシン誘導体

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JPH05339270A
JPH05339270A JP4144393A JP14439392A JPH05339270A JP H05339270 A JPH05339270 A JP H05339270A JP 4144393 A JP4144393 A JP 4144393A JP 14439392 A JP14439392 A JP 14439392A JP H05339270 A JPH05339270 A JP H05339270A
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JP
Japan
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compound
chloroform
added
mitomycin
mixture
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Withdrawn
Application number
JP4144393A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Arai
仁 新井
Yutaka Saito
裕 斉藤
Masaji Kasai
政次 河西
Tadashi Ashizawa
忠 芦沢
Makoto Morimoto
眞 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明により抗腫瘍活性を持つマイトマイシ
ン誘導体を提供する。 【構成】 式(I) {式中、U、Vは同一あるいは異なってアルキル、アル
コキシまたはアルケニルオキシを表し、Yは水素または
メチルを、Zは水素またはメチルを表し、R1 およびR
2 は一方がカルバモイルオキシメチルで他方が水素を表
す}で表されるマイトマイシン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍活性を有する新
規なマイトマイシン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】マイトマイシン類は抗菌活性、抗腫瘍活
性を有する抗生物質として知られている。一般に、これ
らマイトマイシン類は7位にアミノ基あるいはメトキシ
基等窒素原子あるいは酸素原子を介して結合した化合物
である。7位に上記以外の官能基を導入したマイトマイ
シン誘導体としては、硫黄原子を介して結合した化合物
が知られている(特開平2−25487号公報)が、本
発明に関連して、炭素原子を介した化合物については知
られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、7位に置換
メチル基を有する新規なマイトマイシン誘導体を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は式(I)
【0005】
【化2】
【0006】{式中、UおよびVは同一または異なって
アルキル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表し、
Yは水素またはメチルを表し、Zは水素またはメチルを
表し、R1 およびR2 は一方がカルバモイルオキシメチ
ルで他方が水素を表す}で表されるマイトマイシン誘導
体に関する。
【0007】以下、式(I)で表される化合物を化合物
(I)という。他の式番号についても同様である。
【0008】式(I)の各基の定義のうち、アルキルお
よびアルコキシのアルキル部分とは炭素数1〜10の直
鎖または分岐状の、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル等を表し、アルケニルオキシのアルケニル部分とは炭
素数1〜10の直鎖または分岐状の、例えばビニル、ア
リル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デシニル等が
あげられる。
【0009】なお、化合物(I)においてUがアルキル
である化合物は、以下に示した平衡式に従い、例えば化
合物 (Ia) 、 (Ib) 、 (Ic) 等の平衡混合物として存在
し、また、化合物 (Ib) はMがリチウム、カリウム、ナ
トリウ等のアルカリ金属で表される塩を形成することも
できるが、これらの化合物も全て、本発明化合物に包含
される。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Z、Y、R1 、R2 およびVは前
記と同義であり、U1 はUの定義中のアルキルを表し、
Mは水素を表す)
【0012】次に化合物(I)の製造法について説明す
る。 製造法1 化合物(I)は、次に説明する工程に従い製造すること
が出来る。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 、R2 、Y、Z、UおよびV
は前記と同義である)化合物(I)は、化合物(III )
に化合物(IV)を塩基で処理し得られる塩とを反応に不
活性な溶媒中で反応させることにより得ることができ
る。反応溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられ
る。またtert−ブタノール等のアルコール系溶媒の使用
も可能である。化合物(IV) の塩の調製に際し用いられ
る塩基には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
素化物、アルコキシド、炭酸塩等が用いられ、例えば水
素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert
−ブトキシド、炭酸ナトリウム等があげられる。これら
は通常、化合物(IV)に対し1当量前後用いられる。化合
物(IV)の塩は化合物(III) に対し当量から過剰量用いら
れ、好ましくは1〜3当量の範囲である。反応は0〜5
0℃で通常5分〜48時間で終了する。本反応において
は、18−クラウン−6等のクラウンエーテルを化合物
(IV)の種類に応じて触媒量〜1当量を適宜添加するのが
望ましい。化合物(III) は、例えばマイトマイシンA
(メルクインデックス、第10版)、マイトマイシンB
(メルクインデックス、第10版)およびマイトマイシ
ンF(特開昭55−45322号公報)等の天然より得
られる公知化合物である。
【0015】化合物(Ib) のアルカリ金属塩を所望の場
合は、化合物(I)のうち、Uがアルキルである化合物
を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属
水酸化物の水溶液に溶解することにより得ることが出来
る。アルカリ金属水酸化物は化合物(I)に対して1当
量以上、好ましくは1当量用いる。
【0016】上述した製造法における化合物(I)は、
有機合成化学で常用される精製法、例えば、中和、濾
過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグ
ラフィー等に付して単離精製することが出来る。また、
化合物(I)およびその薬理上許容される塩は、水また
は各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、こ
れら付加物も本発明に包含される。
【0017】以下に化合物(I)の具体例を第1表に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】以下に化合物(I)の抗菌活性および抗腫
瘍活性について、試験例により具体的に示す。
【0020】試験例1.ストレプトコッカス・フェカリ
ス(Streptococcus faecalis)寄託番号ATCC 10541(以
下SF)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylo
coccus aureus)寄託番号ATCC 6538P(以下SA)、プ
ロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)寄託番号AT
CC 6897 (以下PV)およびクレブシェラ・ニューモニ
アエ(Klebsiella pneumoniae )寄託番号ATCC 1031
(以下KP)等の各種細菌類に対する試験化合物の抗菌
活性を測定した。抗菌活性は寒天希釈法(pH7.0)
による最小生育濃度により表示した。各試験化合物の最
小生育濃度(μg/ml)を第2表に示した。
【0021】
【表2】
【0022】試験例2.サルコーマ180固形腫瘍に対
する試験化合物の抗腫瘍活性を測定した。5×106
のサルコーマ180細胞をddYマウスの腹腔内に移植
し、移植後7日目の腹水から細胞を採取し、滅菌生理食
塩水で1回洗浄後、滅菌生理食塩水で5×107 個/m
lの該細胞浮遊液を作製した。該細胞浮遊液0.1ml
を体重20±2gのddY雄性マウスの右腋窩部皮下に
移植した。
【0023】試験化合物を生理食塩水またはポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート含有生理食塩水に溶
解し、腫瘍移植後24時間めに、1群5匹のマウス静脈
内に0.1〜0.2mlを投与した。 試験化合物の抗
腫瘍活性は、移植後7日目に腫瘍の長径(a)と短径
(b)から腫瘍体積に相当するa×b2 /2の値を求
め、薬物非投与の対照群の体積(C)に対する試験化合
物投与群の体積(T)の比T/C値を求めて表わした。
結果を第3表に示した。
【0024】
【表3】
【0025】また抗腫瘍活性のED50値はつぎのように
算出した。縦軸に通常目盛でT/C値、横軸に対数目盛
で投与量を表わしたグラフに、各投与量におけるT/C
値をプロットし、投与量とT/Cの関係を最小二乗法に
より直線として求め、得られる直線の回帰式からT/C
=0.5を示す投与量をED50値とした。結果を第4表
に示した。
【0026】
【表4】
【0027】本発明により得られる化合物は、抗菌剤、
抗腫瘍剤として有用であり、そのままあるいは各種の投
与形態で用いることが出来る。例えば化合物(I)を注
射剤として用いる場合には、希釈剤としてこの分野で常
用されているもの、例えば生理食塩水、ブドウ糖注射
液、乳糖注射液、マンニット注射液等に溶解して用いる
か、または日本薬局方に基づいた凍結乾燥注射剤もしく
は塩化ナトリウム等と混合した粉末注射剤として用いて
も良い。またこれらの注射剤にポリエチレングリコー
ル、HCO−60(界面活性剤;日光ケミカル社製)等
の補助剤、エタノールおよび/またはリポソーム、シク
ロデキストリン等の担体を加えて用いても良い。これら
の注射剤は通常静脈内投与に供せられるが、動脈内投
与、腹腔内投与、胸腔内投与も可能である。
【0028】化合物(I)と適当な賦形剤、崩壊剤、結
合剤、潤沢剤等を常法により混合成形して錠剤、粒剤、
粉剤、シロップ等とすることにより経口剤として用いる
ことも出来る。さらには化合物(I)と常用される担体
とを常法により混合成形して坐剤とし、直腸投与するこ
とも可能である。
【0029】投与量は投与方法、化合物(I)の種類、
年齢、症状等によって異なり、また投与方法も症状や投
与量によって変えることが出来る。例えば、週1回ある
いは3週間に1回の間隔で0.06〜6mg/kgの範
囲で投与することも可能である。
【0030】以下に実施例を示す。
【0031】
【実施例】化合物の物理化学的データは次の機器類によ
って測定した。 TLC:シリカゲル Merck Art5719、5
7151 H−NMR:ブルーカー AM−400(400MH
z) 日本分光 JNM−JX270(270MHz) 日本分光 FX−100(100MHz) MS:日立 M−80B(SI法により測定) 日本分光 JMS−D300(FAB法により測定) 日本分光 JMS−01 SG(EI法により測定) IR:日本分光 IR−810(KBr法により測定) 島津 IR−G27(KBr法により測定)
【0032】実施例1。 7−デアミノ−7−[ビス(メトキシカルボニル)メチ
ル]マイトマイシンC[化合物(1)]
【0033】カリウムtert−ブトキシド(4.8 mg)およ
び18−クラウン−6(17 mg )を無水テトラヒドロフ
ラン(3.0 ml)に溶解し、マロン酸ジメチル(50 μ
l)を加えて室温で 30 分撹拌した。一方、マイトマイ
シンA(5.2 mg, 0.015 mmol)を無水テトラヒドロフラ
ン( 1.0 ml )に溶解し、これに上記溶液の全量を加え
室温で 30 時間撹拌した。反応液にリン酸緩衝液(0.1
M, pH 5 )を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムでの乾燥、乾
燥剤の濾別、溶媒留去を施し、得られた残渣を分取用 T
LC(シリカゲル;クロロホルム−メタノール、9:1 )で
精製し、赤色の画分を集め減圧下溶媒を留去した。得ら
れた残渣を少量のアセトンに溶解し、n −ヘキサンを加
えて粉末化した後に再度溶媒を減圧下で留去し、さらに
真空下で十分乾燥させ、赤色粉末の化合物(1)(6.9
mg;収率定量的)を得た。
【0034】EI-MS: m/z 449 (M + −C20H23N3O9)= 44
9。1 H NMR: δ, ppm, (100 MHz, 重クロロホルム) (主なピー
ク)1.98 (s, 3H), 2.84 (dd, J = 1.8, 4.3 Hz, 1H),
2.93 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.47 (dd,
J = 1.8, 12.5 Hz, 1H), 3.65 (dd, J = 4.8, 10.6 Hz,
1H), 3.75 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.01 (d, J = 12.
5 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 10.6 Hz, 1H), 4.75 (dd, J
= 4.8, 10.6 Hz, 1H), 4.77 (br s, 2H), 5.08 (s, 1
H)。
【0035】実施例2。 7−デアミノ−7−[ビス(メトキシカルボニル)メチ
ル]ポルフィロマイシン[化合物(2)]
【0036】ナトリウムメトキシド(49.0 mg )を無水
テトラヒドロフラン(50 ml )に溶解した溶液に、マロ
ン酸ジメチル(1.2 ml)を加え、室温下で 30 分間撹拌
した。該反応液にマイトマイシンF(205 mg)を加え、
室温で2時間撹拌し、引続き加熱還流下で2時間撹拌し
た。反応混合物に実施例1と同様の後処理を施し、得ら
れた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ク
ロロホルム−メタノール、97:3)で精製し、実施例1と
同様に粉末化を行い、赤紫粉末状の化合物(2)(214.
3 mg; 収率 82 % )を得た。
【0037】EI-MS: m/z 431 (M + −メタノール) C21
H25N3O9 = 463 。 IR: cm-1, 3460, 3400, 2950, 1735, 1720, 1665, 163
0, 1590, 1430, 1330,1245, 1160, 1060。1 H NMR: δ, ppm (100 MHz, 重クロロホルム) 1.97 (s, 3H),
2.27 (s, 3H), 2.3 (m,2H), 3.20 (s, 3H), 3.44 (dd,
J = 1.6, 12.5 Hz, 1H), 3.61 (dd, J = 4.6, 10.6 Hz,
1H), 3.75 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.98 (d, J = 12.
5 Hz, 1H), 4.39(t, J = 10.6 HZ, 1H), 4.73 (dd, J =
4.6, 10.6 Hz, 1H), 4.81 (br s, 2H),5.10 (s, 1H)。
【0038】実施例3。 7−デアミノ−7−[ビス(エトキシカルボニル)メチ
ル]マイトマイシンC[化合物(3)]
【0039】カリウムtert−ブトキシド(45.3 mg )を
無水テトラヒドロフラン(5.0 ml)に懸濁させ撹拌下マ
ロン酸ジエチル(63.4 mg )を加えた後、アルゴン雰囲
気下室温で40分撹拌した。該溶液にマイトマイシンA
(98.6 mg )および触媒量の18−クラウン−6を加
え、ひきつづき室温で20分間撹拌した。この反応混合物
をリン酸緩衝液(pH 4)に加えた後、クロロホルムで抽
出を行い、得られたクロロホルム層に、飽和食塩水洗
浄、水洗、無水硫酸ナトリウムによる乾燥、乾燥剤の濾
別、溶媒留去を順次施した。得られた残渣をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム−メタノー
ル、20:1)で精製し、赤色の画分を集め減圧下溶媒を留
去した。残渣を少量のクロロホルムに溶解し、n −ヘキ
サンを加えて粉末化した後に再度溶媒を減圧下で留去
し、さらに真空下で十分乾燥させ、赤色粉末の化合物
(3)(124.6 mg; 収率 93 % )を得た。
【0040】TLC: Rf 0.44 (クロロホルム-メタノール, 9:1)。 FAB-MS: m/z 479 (M+ + 2) C22H27N3O9 = 477 。 IR: cm-1, 3450, 3300, 3200, 2970, 2930, 1730, 167
0, 1630, 1590, 1310, 1250, 1150, 1060。1 H NMR: δ, ppm (90 MHz, 重クロロホルム) 1.25 (t, J = 7
Hz, 3H), 1.27 (t, J =7 Hz, 3H), 1.75 (br s, 1H),
1.99 (s, 3H), 2.7 - 3.0 (m, 2H), 3.24 (s, 3H), 3.4
3 (dd, J = 2, 13 Hz, 1H), 3.62 (dd, J = 5, 10 Hz,
1H), 4.02 (d, J= 13 Hz, 1H), 4.22 (q, J = 7 Hz, 2
H), 4.23 (q, J = 7 Hz, 2H), 4.67 (brt, J = 10 Hz,
1H), 4.6 - 5.0 (1H, 他のピークと重複), 4.87 (br s,
2H), 5.07 (s, 1H)。
【0041】実施例4。 7−デアミノ−7−[アセチル(エトキシカルボニル)
メチル]マイトマイシンC[化合物(4)]
【0042】カリウムtert−ブトキシド(169 mg)を無
水アセトニトリル(10 ml )に懸濁させた後、アセト酢
酸エチル(0.30 ml )を加え室温で 1時間15分撹拌し
た。該溶液へマイトマイシンA(346.1 mg)を加え、室
温で 1時間40分撹拌した。該反応混合物にクロロホルム
を加え、水酸化ナトリウム水溶液(0.1 N )で 3回抽出
し、得られた褐色の水層部をリン酸二水素カリウムで酸
性にし、クロロホルムで3回抽出した。これに無水硫酸
ナトリウムによる乾燥、乾燥剤の濾別、溶媒留去を順次
施し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロ
ホルム−メタノール、97:3)で精製し、赤色の画分を得
た。この画分の溶媒を留去し、少量のクロロホルムで溶
解した後、 n−ヘキサンを加え粉末化し、再度溶媒を留
去して真空下で十分乾燥させることにより、赤色粉末状
の化合物(4)(321.2 mg; 収率 70 % )を得た。生成
物は 7 位側鎖のエノール体、ケト体(2 種の立体異性
体)の平衡混合物で得られ、その比は 1H NMR より約
1:1 であった。
【0043】TLC: Rf 0.45 (クロロホルム-メタノール, 9:1)。 SI-MS: m/z 448 (M + +1) C21H25N3O8 = 447。 IR: cm-1, 3450, 3350, 3290, 2980, 2930, 1730, 171
0, 1640, 1610, 1580,1330, 1260, 1060。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);[ケト体+
エノール体]1.00 - 1.07 (t x 2, J = 5.6 Hz, 3H),
1.70 + 1.81 (s, 3H), 1.92 + 1.94 (s, 3H), 2.05 -
2.15 (br, 1H), 2.36 + 2.43 (s, 約 0.5H, ケト体),
2.76 (br s, 1H),3.1 - 3.2 (m, 1H), 3.18 + 3.23
(s, 3H),3.54 (br d, J = 13 Hz, 1H), 3.98- 4.24 (m,
4H), 5.14 (br t, J = 9 Hz, 1H), 5.35 - 5.45 (m, 1
H), 7.3 - 7.9 (br, 2H), 13.5 (br s, 約 0.5H, エノ
ール体) 。
【0044】実施例5。 7−デアミノ−7−[(ジアセチル)メチル]マイトマ
イシンC[化合物(5)]
【0045】カリウムtert−ブトキシド(266 mg)を無
水アセトニトリル(20 ml )に加え混合した。該溶液に
撹拌下アセチルアセトン(0.40 ml)および18−クラウ
ン−6(489 mg)を加え、室温で更に 25 分間撹拌し
た。これにマイトマイシンA(636 mg)を加え、ひきつ
づき室温で 8時間 45 分撹拌した。反応混合物をクロロ
ホルムで希釈した後、希釈液に対し飽和塩化アンモニウ
ム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水による洗浄を順次施
し、更に無水硫酸ナトリウムによる乾燥、乾燥剤の濾
別、溶媒留去を順次行なった。得られた残渣をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム−アセト
ン、2:1 )で精製し、赤色の画分を得た。この画分の溶
媒を留去し、少量のクロロホルム溶液としてから n−ヘ
キサンを加え粉末化し、再度溶媒を留去して真空下で十
分乾燥させることで、赤色粉末状の化合物(5)(410.
5 mg; 収率 54 % )を得た。生成物は 7 位側鎖のエノ
ール体、ケト体の平衡混合物で得られ、その比は 1H NM
R より約 9:1 であった。
【0046】TLC: Rf 0.38 (クロロホルム-メタノール, 9:1)。 SI-MS: m/z 418 (M + +1) C20H23N3O7 = 417。 IR: cm-1, 3450, 3380, 3290, 2910, 1710, 1660, 161
0, 1575, 1440, 1330,1275, 1060。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);[エノール
体]1.76 (s, 3H), 1.88(s, 3H), 1.92 (s, 3H), 2.15
(br s, 1H), 2.80 (br s, 1H), 3.18 (br s, 1H), 3.26
(s, 3H), 3.58 (br d, J = 12.6 Hz, 1H), 4.11 (dd,
J = 4.4, 11.0 Hz, 1H), 4.22 (d, J = 12.3 Hz, 1H),
5.15 (br t, J = 11 Hz, 1H), 5.42 (dd,J = 4.5, 10.4
Hz, 1H), 7.4 - 7.9 (br, 2H), 17.2 (br s, 1H);
[ケト体](主なピーク)1.83 (s, 3H), 4.01 (s, 1
H)。
【0047】実施例6。 7−デアミノ−7−[アリルオキシカルボニル(エトキ
シカルボニル)メチル]マイトマイシンC[化合物
(6)]
【0048】マイトマイシンA(343 mg)およびマロン
酸アリルエチルとカリウムt−ブトキシドから調製した
カリウム塩(2.0 当量)を用いて、実施例2と同様の操
作を行い、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル;クロロホルム−メタノール、100:1 か
ら 50:1 )により精製した。得られた画分を粉末化し、
乾燥させることにより赤色粉末状の化合物(6)(371.
0 mg; 収率 77 % )を得た。なお、生成物は 7位側鎖に
関する 2種の立体異性体の混合物で得られ、その比は 1
H NMR より約 1:1 であった。
【0049】TLC: Rf 0.43 (クロロホルム-メタノール, 9:1)。 FAB-MS: m/z 491 (M+ + 2) C23H27N3O9 = 489 。 IR: cm-1, 3450, 2900, 1730, 1660, 1630, 1590, 144
0, 1320, 1250, 1160,1060。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);1.129 + 1.
134 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.1 (br s, 1H), 2.12 (s,
3H), 2.73 (br d, J = 4 Hz, 1H), 3.10 (br d,J = 3.9
Hz, 1H), 3.13 + 3.14 (s, 3H), 3.50 (br d, J = 12
Hz, 1H), 4.00 (dd, J = 4.3, 11.1 Hz, 1H), 4.11 (d,
J = 12.4 Hz, 1H), 4.13 - 4.25 (m, 2H), 4.65 - 4.8
0 (m, 2H), 5.01 (br t, J = 10 Hz, 1H), 5.14 + 5.19
(ddd, J= 1.3, 2.7, 10.5 Hz, 1H), 5.36 (br d, J =
17.2 Hz, 1H), 5.38 (dd, J = 4.4, 10.4 Hz, 1H), 5.5
5 + 5.55 (s, 1H), 5.88 - 5.99 (m, 1H), 7.2 - 8.0
(br, 2H)
【0050】実施例7。 7−デアミノ−7−[アセチル(アリルオキシカルボニ
ル)メチル]マイトマイシンC[化合物(7)]
【0051】マイトマイシンA( 1.050 g )およびア
セト酢酸アリル(1.50 ml )とカリウムtert−ブトキシ
ド(669 mg)から調製したカリウム塩を用いて実施例2
と同様の操作を行った。得られた粗生成物をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム−メタノー
ル、30:1)により精製し、粉末化、乾燥の後、赤色粉末
状の化合物(7)(802.9 mg; 収率 58 % )を得た。生
成物は 7位側鎖のエノール体、ケト体(2 種の立体異性
体)の平衡混合物で得られ、その比は 1H NMRより約
1:1 であった。
【0052】TLC: Rf 0.43 (クロロホルム-メタノール, 9:1)。 FAB-MS: m/z 460 (M+ +1 ) C22H25N3O8 = 459 。1 H NMR: δ, ppm (270 MHz, ピリジン-d5);[ケト体+
エノール体]1.72 + 1.83 (s, 3H), 1.92 + 1.96 (s, 3
H), 2.14 (br s, 1H), 2.37 + 2.45 (s, 約 0.5H, ケ
ト体), 2.78 (br s, 1H), 3.1 - 3.3 (1H, 他のピーク
と重複), 3.18 +3.24 (s, 3H), 3.55 (br d, J = 12.2
Hz, 1H), 4.05 (dd, J = 4.9, 11.9 Hz,約 0.5H), 4.09
(dd, J = 4.3, 11.9 Hz, 約 0.5H), 4.14 (br d, J =
12.5 Hz,約 0.5H), 4.22 (br d, J = 12.2 Hz, 約 0.5
H), 4.45 - 4.8 (m, 2H), 4.8- 5.5 (4H, 他のピーク
と重複), 5.7 - 6.0 (m, 1H), 7.3 - 7.9 (br, 2H), 1
3.1〜13.7 (br, 約 0.5H, エノール体)。
【0053】実施例8。 7−デアミノ−7−[ビス(メトキシカルボニル)メチ
ル]マイトマイシンD[化合物(8)]
【0054】水素化ナトリウム(60 % 油状懸濁物; 3
4.4 mg )を無水テトラヒドロフラン(5.0 ml)に懸濁
させ、撹拌しているところに、マロン酸ジメチル(100
μl )を加え室温で 5分間撹拌した。該反応液へマイト
マイシンB(99.8 mg )を加え、ひきつづき 18 分間撹
拌した。反応混合物に実施例2と同様の後処理、カラム
クロマトグラフィー(シリカゲル ;クロロホルム−メ
タノール、20:1)による精製、粉末化、乾燥を行い、赤
色粉末状の化合物(8)(111 mg; 収率 87 % )を得
た。
【0055】TLC: Rf 0.44 (クロロホルム-メタノール, 9:1), Rf
0.30 (クロロホルム-アセトン, 1:1)。 SI-MS: m/z 451 (M + +2) C20H23N3O9 = 449。 IR: cm-1, 3460, 3360, 2950, 1740, 1720, 1670, 159
0, 1330, 1160。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);2.04 (s, 3
H), 2.07 (s, 3H), 2.20(dd, J = 4.7, 2.0 Hz, 1H),
2.45 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 3.53 (dd, J = 2.0,12.5 H
z, 1H) ,3.65 (s, 6H), 4.00 (d, J = 12.5 Hz, 1H),
4.26 (dd, J = 3.4, 9.6 Hz, 1H), 5.18 (dd, J = 9.7,
10.4 Hz, 1H), 5.46 (dd, J = 3.4, 10.5Hz, 1H), 5.5
2 (s, 1H), 7.3 - 7.6 (br s, 2H), 8.52 (s, 1H)。
【0056】実施例9。 7−デアミノ−7−[アセチル(エトキシカルボニル)
メチル]マイトマイシンD[化合物(9)]
【0057】カリウムtert−ブトキシド(83.1 mg )を
無水アセトニトリル(5.0 ml)に懸濁させた後、撹拌下
アセト酢酸エチル(150 μl )を加え、室温で 17 分間
撹拌した。該反応液にマイトマイシンB(175 mg)を加
え、室温で 1時間 40 分撹拌した。クロロホルムを加え
希釈した反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
に加え、水層部をクロロホルムで洗浄した。この褐色の
水層をリン酸二水素カリウムで酸性にし、目的物をクロ
ロホルムで抽出して赤色の溶液を得た。これを飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥、乾燥剤
の濾別、溶媒留去を順次施した。このようにして得られ
た残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ク
ロロホルム−メタノール、97:3)で精製し、赤色の画分
を得た。溶媒留去後、この画分を再度少量のクロロホル
ムで溶解し、n −ヘキサンを加えて粉末化した。これに
溶媒留去、真空下での乾燥を行い赤色粉末状の化合物
(9)(140.8 mg; 収率 63 % )を得た。 生成物は 7
位側鎖のエノール体、ケト体(2 種の立体異性体)の平
衡混合物で得られ、その比は 1H NMR より約 2:1 であ
った。
【0058】TLC: Rf 0.52 (クロロホルム-メタノール, 9:1), Rf
0.34 (クロロホルム-アセトン, 1:1)。 SI-MS: m/z 450 (M + +3) C21H25N3O8 = 447。 IR: cm-1, 3470, 3400, 2950, 1720, 1660, 1620, 158
5, 1400, 1335, 1260。1 H NMR :δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);[ケト体+
エノール体]0.95 - 1.05 (m, 3H), 1.69 + 1.79 (s, 3
H), 1.87 + 1.89 (s, 3H), 2.08 + 2.10 (s, 3H), 2.19
- 2.23(m, 1H), 2.33 + 2.37 (s, 約 0.3H, ケト体),
2.46 + 2.48 (d,J = 4.7 Hz, 1H), 3.50 - 3.61 (m, 1
H), 4.0 - 4.25 (m, 3H), [4.27 (dd, J= 3.2, 8.9 Hz)
+ 4.33 (dd, J = 2.2, 9.2 Hz) 1H], 5.14 - 5.28 (m,
1H), 5.39 - 5.49 (m, 1H), 7.2 - 7.7 (br, 2H), 8.0
8 (s, 約 0.7H, エノール体), 8.20 (s, 約 0.3H, ケ
ト体), 13.5 (s, 約 0.7H, エノール体)。
【0059】実施例10。 7−デアミノ−7−[(ジアセチル)メチル]マイトマ
イシンD[化合物(10)]
【0060】カリウムtert−ブトキシド(79.6 mg )を
無水アセトニトリル(6.0 ml)に懸濁させ室温で撹拌
し、攪拌下アセチルアセトン(100 μl )を加えさらに
10分間撹拌した。該反応液へ18−クラウン−6(77.7
mg )およびマイトマイシンB(200.7 mg)を加え、0
℃で10分間、さらに室温でなお 16 時間撹拌した。 反
応の途中で18−クラウン−6を少量ずつ 2回添加し
た。クロロホルムで希釈した反応混合物を、飽和塩化ア
ンモニウム、飽和炭酸ナトリウム、飽和食塩水で順次洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムでの乾燥、乾燥剤の濾
別、溶媒留去を行なった。得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル;クロロホルム−メタノー
ル、20:1)で精製し、紫色の画分を得た。溶媒留去後、
得られた残渣を少量のクロロホルム溶液とし、n −ヘキ
サンを加えて粉末化して濾取することにより18−クラ
ウン−6を除去し、真空下で十分乾燥して紫色粉末状の
化合物(10)(50.6 mg; 収率 21 % )を得た。生成
物は 7 位側鎖のエノール体、ケト体の平衡混合物で得
られ、その比は 1H NMR より約 9:1 であった。
【0061】TLC: Rf 0.27 (クロロホルム-メタノール, 9:1), Rf
0.56 ( 酢酸エチル-メタノール, 4:1) 。 SI-MS: m/z 418 (M + +1) C20H23N3O7 = 417。 IR: cm-1, 3460, 3370, 2960, 2920, 1710, 1665, 162
0, 1580, 1410, 1340,1275。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);[エノール
体]1.76 (s, 3H), 1.78(s, 3H), 1.84 (s, 3H),2.12
(s, 3H), 2.25 (dd, J = 1.9, 4.7 Hz, 1H), 2.51 (d,
J = 4.7 Hz, 1H), 3.63 (dd, J = 1.9, 12.5 Hz, 1H),
4.15 (d, J = 12.5 Hz, 1H) ,4.32 (dd, J = 3.3, 8.9
Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 8.9, 10.5 Hz, 1H), 5.43 (d
d, J = 3.3, 10.6 Hz, 1H), 7.2 - 7.8 (br, 2H), 8.17
(s, 1H), 17.1 (br s, 1H);[ケト体](主なピー
ク)3.98 (s, 1H)。
【0062】実施例11。 7−デアミノ−7−[アセチル(エトキシカルボニル)
メチル]ポルフィロマイシン[化合物(11)]
【0063】カリウムtert−ブトキシド(58.0 mg )を
無水アセトニトリル(4.0 ml)に懸濁させ室温で撹拌さ
せ、攪拌下アセト酢酸エチル(100 μl )を加えさらに
45分間撹拌した。該溶液にマイトマイシンF(147.0 m
g)を加えひきつづき 2時間撹拌した。クロロホルムで
希釈した反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液(0.1
N)で抽出し、得られた褐色の水層をクロロホルムで洗
浄した。さらにこれを塩化アンモニウムで酸性にし、ク
ロロホルムで抽出することにより、目的物を含む赤色の
溶液を得た。この溶液に、飽和食塩水による洗浄、無水
硫酸ナトリウムによる乾燥、乾燥剤の濾別、溶媒留去を
順次施し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;クロロホルム−メタノール、97:3)で精
製し、赤色の画分を得た。溶媒留去後、この画分を少量
のクロロホルム溶液として、n −ヘキサンを加え粉末化
させ、溶媒留去、真空下での乾燥を行なうことで赤色粉
末状の化合物(11)(140.1 mg; 収率 75 % )を得
た。生成物は 7 位側鎖のエノール体、ケト体(2 種の
立体異性体)の平衡混合物で得られ、その比は 1H NMR
より約 1:1 であった。
【0064】TLC: Rf 0.59 (クロロホルム-メタノール, 9:1), Rf
0.58 (クロロホルムーアセトン, 1:1)。 SI-MS: m/z 462 (M + +1) C22H27N3O8 = 461。 IR: cm-1, 3460, 3380, 2960, 1730, 1660, 1630, 159
0, 1330, 1260, 1065。1 H NMR: δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5); [ケト体+
エノール体]1.00 - 1.25 (m, 3H), 1.70 + 1.82 (br
s, 3H), 1.94 + 1.96 (br s, 3H), 2.14 (dd, J =1.9,
4.5 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H), 2.36 + 2.42 (s, 約 0.5
H, ケト体), 2.53 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.14 + 3.20
(s, 3H), 3.47 (br d, J = 12.7 Hz, 1H), 3.96 - 4.2
3 (m, 4H), 4.72 - 4.88 (m, 1H), 5.29 - 5.41 (m, 1
H), 7.2 - 8.0 (br s, 2H), 12.0 - 13.5 (br, 約 0.5
H, エノール体)。
【0065】実施例12. 7−デアミノ−7−[(ジアセチル)メチル]ポルフィ
ロマイシン[化合物(12)]
【0066】カリウムtert−ブトキシド(135 mg)を無
水アセトニトリル(10 ml )に懸濁させ室温で撹拌し
た。該懸濁液に、アセチルアセトン(200 μl )を加
え、25分間撹拌した。該反応液に18−クラウン−6
(300 mg)およびマイトマイシンF(363.8 mg)を加え
ひきつづき 0℃で 4時間 30 分、さらに室温で 2時間 1
0分撹拌した。クロロホルムで希釈した反応混合物を、
飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
での乾燥、乾燥剤の濾別、溶媒留去を行なった。得られ
た残渣を少量のクロロホルムに溶解し、n −ヘキサンを
加えて粉末化した。この粉末を濾別することにより18
−クラウン−6を除去し、粗生成物を得た。さらに、カ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム−
アセトン、2:1 からクロロホルム−メタノ−ル、9:1 )
で精製し、赤色の目的物の溶液を得た。これを上記と同
様に粉末化し、真空下で十分に乾燥させることで、赤色
粉末状の化合物(12)(296mg; 収率 69 % )を得
た。生成物は 7 位側鎖のエノール体として得られた。
【0067】TLC: Rf 0.30 (クロロホルム-メタノール, 15:1) 。 SI-MS: m/z 432 (M + +1) C21H25N3O7 = 431 IR: cm-1, 3450, 3200, 2950, 1720, 1665, 1625, 158
5, 1400, 1330, 1275,1065。1 H NMR :δ, ppm (400 MHz, ピリジン-d5);1.76 (s, 3
H), 1.87 (s, 3H), 1.92(s, 3H), 2.19 (dd, J = 4.6,
2.1 Hz, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.56 (d, J = 4.6Hz, 1
H), 3.22 (s, 3H), 3.51 (dd, J = 2.2, 12.5 Hz, 1H),
4.05 (dd, J = 4.5, 11.2 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 12.
5 Hz, 1H), 4.84 (dd, J = 10.5, 11.1 Hz,1H), 5.34
(dd, J = 4.5, 10.4 Hz, 1H),7.3 - 8.0 (br, 2H), 17.
2 (br s, 1H)。
【0068】実施例13。 化合物(4)のナトリウム塩[化合物(13)]
【0069】
【化5】
【0070】実施例4で得られる化合物(4)(357.8
mg)を水酸化ナトリウム水溶液(0.10 M; 8.0 ml)に溶
解し、その褐色の水溶液をクロロホルムで洗浄した。水
層部を凍結乾燥し、化合物(13)(371 mg; 収率 99
% )を得た。
【0071】SI-MS: m/z 472 (M + +3) C21H24N3O8Na =
469。 IR: cm-1, 3430, 2980, 1715, 1630, 1575, 1480, 140
5, 1340, 1270, 1070。1 H NMR :δ, ppm (400 MHz, 重水) ;1.12 (t, J = 7.1
Hz, 3H), 1.78 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 3.03 (m, 1
H), 3.08 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 3.29 (s, 3H), 3.58
(br d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 3.6, 10.3 H
z, 1H), 3.97 (m, 3H), 4.34 (br t, J = 10.6 Hz, 1
H), 4.62 (dd, J = 4.1, 10.6 Hz, 1H)。
【0072】
【発明の効果】本発明により優れた抗腫瘍活性を有する
新規マイトマイシン誘導体が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 {式中、UおよびVは同一または異なってアルキル、ア
    ルコキシまたはアルケニルオキシを表し、Yは水素また
    はメチルを表し、Zは水素またはメチルを表し、R1
    よびR2 は一方がカルバモイルオキシメチルで他方が水
    素を表す}で表されるマイトマイシン誘導体。
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