JPH0533921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術は、筒状の機械部品の円形外周や丸穴
（孔）の仕上がり精度を検査する装置の構造の技
術分野に属する。

而して、この考案はベースに固設されたフレー
ムに対し一端をピン枢支されてセツト、リセツ
ト、開閉自在にされたアームにダイヤルゲージ等
のゲージが設けられ、丸穴（孔）を有する筒状ワ
ークの外周面等に当接離反自在にされている測定
ピンを先端に有し枢支されてリンクに連係されて
いる筒状ワークの検査装置に関する考案であり、
特に、フレームにテーパ面等を有するカムが固設
され、アームには該カムに当接離反自在にされて
いるテーパ面を有するカムフオロワーが旋回自在
にピン枢支されて弾圧スプリング等の弾機を介し
筒状ワークから離反する方向に付勢されて揺動自
在に枢支され、又、該カムフオロワーには先端に
ワークに対する測定ピンを有するリンクが設けら
れてゲージに連係されている筒状ワークの検査装
置に係る考案である。

＜従来の技術＞ 周知の如く、さまざまな機械装置類は複数の、
場合によると、多数の部品が組み付けられて所定
の機能を発揮するようにされており、したがつ
て、各部品はその取り合い上、設計通りに正確に
成形加工されている必要があり、例えば、作動す
る軸を摺動回転自在に挿設する丸穴（孔）を形成
された筒状ワークはその機能からして円形の外周
面や丸穴（孔）の内周面の心ずれ等が許容誤差以
上にあることは最終製品の機械装置の精度から避
けられねばならず、したがつて、該筒状ワークの
成形加工後、或は、組み付け前にその仕上がり精
度に対する検査を行う必要がある。

而して、該種検査を行う装置にあつては構造が
著しく複雑で高価な検査装置であると、当該検査
装置のイニシヤルコストは勿論のこと、ランニン
グコストが高くついて製品価格に跳ね返る不都合
さがあり、したがつて、簡易な構造で保守点検整
備等も容易であり、しかも、操作がし易く正確な
検査が行える検査装置の現出が求められてきた。

かかる要望に応えて従来用いられてきた第４図
に示す様な在来態様の筒状ワークの検査装置１は
図示しないベースに固設されたフレーム２，２の
一方側にアーム３がピン４を介して開閉自在に枢
支され、該アーム３の所定位置にブラケツト５を
介して計器としてのダイヤルゲージ６を設けると
共に所定部位にピン７を介して測定用のリンク８
を縦平面内にて揺動自在に枢支し、その下端には
測定ピン９が、又、上部には測定子１０が設けら
れて該測定子１０はダイヤルゲージ６の端子１１
に当接して図示しない弾圧スプリングに押圧付勢
されるようにされており、又、フレーム２，２の
間には図示しない回転装置に支持されたロータリ
ーホルダ１２の上部に筒状ワーク１３がセツトさ
れてクランプ１４，１４によりクランプされ、そ
の状態でアーム３を実線で示す様に閉じ姿勢に
し、そのセツト姿勢固定のためにトツグル１５に
よりアーム３をアーム２に固定してロータリーホ
ルダ１２を所定に回転して筒状ワーク１３の外周
面の心ずれを測定し、ダイヤルゲージ６のコンジ
ツト１６を介して図示しない測定装置にデータを
入力して筒状ワーク１３の外周面の仕上がり精度
の検査をされている。

そして、設計によつては該筒状ワーク１３の外
周面１７ばかりでなく、内周面１７′の仕上がり
精度の検査をも行えるようにされている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 而して、該種在来態様の検査装置１にあつては
当該第４図に示す様に、その構造は著しく簡単で
あるために、イニシヤルコストは勿論のこと、メ
ンテナンスコストも安くすることが出来る利点は
あるものの、リンク８がダイヤルゲージ６の端子
の図示しない弾圧スプリングによつてその先端の
測定ピン９が筒状ワーク１３の外周面１７に当接
するように付勢されている。

しかしながら、アーム３を仮想線から実線の様
に、閉鎖するセツトプロセスにおいて、リンク８
やその先端の測定ピン９が筒状ワーク１３に干渉
する不具合があり、不馴れな場合には該測定ピン
９やリンク８の先端を損傷するというある欠点が
あり、そのため、初期セツト時においては手作業
で測定ピン９やリンク８の先端がロータリーホル
ダ１２にセツトされる筒状ワーク１３に干渉しな
いように準備をせねばならず、したがつて、その
作業が煩瑣であるという難点があるばかりでなく
熟練を要し、しばしば作業能率を低下させてライ
ンのタクトに影響を与えるという不都合があつ
た。

かかる問題は単に筒状ワークの外周面に対する
のみならず、丸穴（孔）内周面に対する仕上がり
精度の検査にも共通なものであつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく筒状ワ
ークの検査装置の問題点を解決すべき技術的課題
とし、簡潔な構造であり、低コストでセツトやメ
ンテナンスや操作が行える利点を前提としながら
も、筒状ワークのセツト時のダイヤルゲージのセ
ツト、リセツトがし易く、その操作が容易である
ようにして作業能率を高め、正確に仕上がり精度
の検査が行え、又、製品歩留も向上することが出
来るようにして機械製造産業における測定技術利
用分野に益する優れた筒状ワークの検査装置を提
供せんとするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述課題を解決する
ために、フレームに対し開閉自在に枢支されたア
ームに設けられたゲージが筒状ワークに当接離反
自在な測定ピンを有するリンクに連係されている
筒状ワークの検査装置において、上記フレームに
カムが設けられ、一方上記アームには該カムに係
合し、筒状ワークに対して当接・離反する方向に
相対旋回自在にピン枢支されるゲージを有するカ
ムフオロワーが設けられ、該カムフオロワーには
先端に測定ピンを装備するリンクが枢設され、上
記カムフオロワーを前記筒状ワークから旋回して
離反する方向に付勢する弾機が（前記アームに）
設けられるようにした技術的手段を講じたもので
ある。

＜作用＞ 而して、所定の筒状ワークの外周面や丸穴
（孔）の内周面の仕上がり精度の心ずれ等の検査
を行うに際し、検査装置のベースに立設されたフ
レームの上端に開閉自在にピン枢支されたアーム
を開き、ロータリーホルダの所定部位に筒状ワー
クをセツトしてクランプし、次いで、アームを閉
鎖すると、該アームの所定部位にピン枢支され、
アームとの間に介設された弾機に付勢されたカム
フオロワーのテーパ面がフレームに固設されたカ
ムのテーパ面に近接当接して密着し、そこで、ト
ツグルによりアームの締結により閉じ該アームの
姿勢状態を維持し、カムフオロワーにピン枢支さ
れたリンクの先端に設けられた測定ピンが筒状ワ
ークの外周面、或は、丸穴の内周面、更には、そ
の両者の所定部位に軽く当接してセツトされ、ア
ームは締結トツグルによりセツト状態を維持され
ロータリーホルダの回転により筒状ワークが相対
回転することで測定ピンが仕上がり精度を測定し
てその精度はダイヤルゲージ等のゲージにより検
出され所定の検査がなされ、リセツト時は締結ト
ツグルを解離してアームを開くことにより、カム
フオロワーはそのアームに介設された弾機により
カムから離反すると共に測定ピンはリンクを介し
て筒状ワークから離反し、該筒状ワークはクラン
プを開放されて次の筒状ワークの検査を行うよう
にしてダイヤルゲージのセツト、リセツト時に測
定ピンやリンクが筒状ワークと何ら干渉せず、し
たがつて、測定ピンやリンクや該筒状ワークにも
損傷が生ぜす、しかも、操作がワンタツチ裡に行
え、製品歩留りも低下せず、作業能率が著しく向
上するようにしたものである。

＜実施例＞ 次に、この考案の実施例を第１〜３図に基づい
て説明すれば以下の通りである。

尚、第５図と同一態様部分については同一符号
を用いて説明するものとする。

第１図に示す実施例はフランジを有する筒状ワ
ーク１３の円形外周面１７の仕上がり精度の検査
を行う態様であり、１′はこの考案の要旨を成す
検査装置であつて、図示しないベースにフレーム
２，２が立設固定されており、両フレーム２２の
上端間に渡設するアーム３の基部は一方のフレー
ム２の上端にピン４を介して開閉自在に枢支され
ている。

而して、この考案においては、一方、（当該実
施例では左側）のフレーム２の内側面の所定部位
に所定角の平面のテーパ面を内端部に形成されて
いるカム１８が固設されており、これに対し、ア
ーム３の前部所定部位にはピン７を介して該カム
１８のテーパ面に一致する平面傾斜のテーパ面を
有するブロツク状のカムフオロワー１９が揺動自
在に枢支されており、その上部には計器としての
ダイヤルゲージ６が設けられ、又、下部にはピン
７′を介してＬ型のリンク８′がカムフオロワー１
９に対し相対揺動自在に枢支されており、その下
端には測定ピン９が突出状に横向きに設けられ、
基部上面には測定子１０が設けられてダイヤルゲ
ージ６の端子１１にその図示しない弾圧スプリン
グを介して弾接されて測定ピン９をして筒状ワー
ク１３の円形外周面１７に当接するように付勢さ
れている。

又、カムフオロワー１９の近傍に於いてはアー
ム３に弾機としての弾圧スプリング２０が設けら
れてその先端がカムフオロワー１９に当接して該
カムフオロワー１９を図上右回転するように開放
側に付勢している。

尚、１５は締結用のトツグルであり、アーム３
の閉鎖姿勢にセツトされた状態でその姿勢を維持
するようにされている。

又、アーム２，２の間の下部位置には在来態様
同様に、ロータリーホルダ１２が設けられてその
上面に筒状ワーク１３をセツトし、一対のクラン
プ１４，１４により所定にクランプして固定セツ
トするようにされている。

上述構成において、所定の筒状ワーク１３の外
周面１７の仕上がり精度を検査するに際しては締
結用のトツグル１５を解除してアーム３を仮想線
に示す様に、ピン４を介して開き、ロータリーホ
ルダ１２の上部に筒状ワーク１３をセツトする。

この場合、該アーム３は仮想線に示す様に開か
れているために、ダイヤルゲージ６は勿論のこ
と、リンク８′も、又、測定ピン９もフレーム
２′，２に対し開放されて離反状態に在ることか
らこれらと筒状ワーク１３とは何ら干渉せず、該
筒状ワーク１３はロータリーホルダ１２に所定姿
勢でセツトされてクランプ１４，１４によりその
状態で固定維持される。

そこで、アーム３を仮想線の姿勢から実線の姿
勢にピン４を介して旋回させて閉ざすと、該アー
ム３に対し弾圧スプリング２０を介して相対的に
開き状態にあるカムフオロワー１９は下降し、そ
のテーパ面がカム１８のテーパ面に近接し、カム
作用により弾圧スプリング２０に抗して図上左旋
回してアーム３の先端がフレーム２の上端に当接
する姿勢ではカムフオロワー１９はピン７を介し
て旋回し、ストロークエンドに達し、ダイヤルゲ
ージ６の端子１１はその図示しない弾圧スプリン
グを介し測定子１０によりリンク８′をストロー
クエンドで弾圧スプリング２０に抗して左旋回
し、その下端の測定ピン９を筒状ワーク１３の外
周面１７の所定部位に軽く当接させ、そこで、締
結用のトツグル１５をフレームに閉ざして締め付
けることにより、セツト状態は完了する。

そのため、筒状ワーク１３のセツトプロセスに
おいて、何ら手作業をによる調整必要とせず、リ
ンク８′とその先端の測定ピン９は筒状ワーク１
３とは何ら干渉せず自動的にセツトされる。

そこで、ロータリーホルダ１２を所定に回転す
ることにより、測定ピン９は相対的に筒状ワーク
１３の外周面１７を周回して、芯ずれ等がある場
合にはカムフオロワー１９のピン７′を介して微
小角揺動し、測定子１０は端子１１を介してその
揺動量、即ち、心ずれ量をダイヤルゲージ６に検
出して目視されると共に、図示しないコンジツト
を介し測定装置に電気的に測定データを入力して
測定をされる。

そして、測定終了後はロータリーホルダ１２の
回転を停止し、上述プロセスとは逆に締結用のト
ツグル１５を解離してアーム３を実線状態から仮
想線状態にピン４を介して開放すると、カムフオ
ロワー１９はカム１８から離反し、弾圧スプリン
グ２０により該カムフオロワー１９はアーム３に
対して自動的に開き、したがつて、リンク８′は
ピン７′を介し端子１１の図示しない弾圧スプリ
ングに付勢されてカムフオロワー１９に対し相対
的に自動的に左旋回してその先端の測定ピン９も
筒状ワーク１３の円形外周面１７から離反して上
昇し、スムースに開かれ、そこで、クランプ１
４，１４を解離して検査済みの筒状ワーク１３を
取り外し、次の筒状ワーク１３を上述した如くセ
ツトして再び当該次の筒状ワーク１３の外周面１
７に対する仕上がり精度の検査を行つていく。

したがつて、これらの反復する検査操作におい
て、作業者は単にアーム３の開閉を行うだけで何
らリンク８′や測定ピン９の筒状ワーク１３に対
する干渉をするような手作業による調整を行う必
要はない。

そして、上述実施例は筒状ワーク１３の円形外
周面１７の仕上がり精度の検査を行う態様である
が、第２，３図に示す実施例は該筒状ワーク１３
の外周面１７のみならず、内周面１７′をも同時
に一対のダイヤルゲージ６，６′で行う検査装置
１″の態様であり、各機構部は一方側に対し他方
側にサフイツクスを付した符号によつて図示して
あるが、アーム３のピン４を介しての開閉作業に
より両者のダイヤルゲージ６，６′のリンク８′，
８″、測定ピン９，９′は筒状ワーク１３の外側は
勿論のこと、内側にも何ら干渉することなくセツ
ト、リセツトが行え、その外周面１７、内周面１
７′に対する仕上がり精度の検査がスムースに行
われる。

したがつて、上述いづれの実施例の態様におい
ても、検査装置１′，１″は勿論のこと、筒状ワー
ク１３にも両者のセツト、リセツト時の干渉によ
る損傷等は生ぜず、該筒状ワーク１３の製品歩留
を低下させることなく、又、検査装置１′，１″の
損傷も何ら寿命を長く維持することが出来る。

又、検査装置１′，１″は第４図に示す在来態様
に比しそれほど特別な付加機構がないために、保
守点検整備等のメンテナンスも在来態様とほとん
ど変わらずに行うことが出来る。

尚、この考案の実施態様は上述各実施例に限る
ものでないことは勿論であり、例えば、カムフオ
ロワーとアームとの間に介在させる弾機は弾圧ス
プリングに代えてゴムや気体スプリングにする等
種々の態様が採用可能である。

又、適用対象のワークについては穴（孔）無し
の柱状ワークに対しても適用可能であることは勿
論のことである。

＜考案の効果＞ 以上、この考案によれば、基本的に筒状ワーク
の外周面や内周面、或は、両者の仕上がり精度を
検査する装置において、基本的には在来態様同様
にフレームにピン枢支させたアームを旋回動させ
て開閉し、セツト、リセツトを行うにもかかわら
ず、ダイヤルゲージの端子に当接する測定子のリ
ンク、及び、該リンク先端の測定ピンとセツト、
リセツト時の筒状ワークとが干渉せず、したがつ
て、単にアームをセツト、リセツトするだけで良
く、リンクや測定ピンを手作業により筒状ワーク
と干渉しないように手で押えてセツト、リセツト
する等の煩瑣な調整等の作業が要らず、又、熟練
を要しないために、作業能率が著しく向上すると
いう優れた効果が奏される。

又、セツト、リセツト時にリンクや測定ピンが
筒状ワークと干渉しないために、装置は勿論のこ
と、筒状ワーク自身にも損傷等が生ぜず、該筒状
ワークの製品歩留りを低下することがないという
効果があるのみならず、装置の寿命をも延ばすこ
とが出来、保守点検整備も少なくなるために管理
もし易く、ランニングコストも低く抑えることが
出来、作業能率が向上することによりラインのタ
クトを低下させることがないという種々の優れた
効果が奏される。

又、測定ピンのワークに対するセツト、リセツ
ト時の自動的な逃げを簡単なカムやリンク機構で
なすことが出来るために、製品コストにも影響し
ないという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの考案の実施例の説明図であ
り、第１図は１実施例の部分断面正面図、第２図
は他の実施例の部分断面正面図、第３図は第２図
の実施例のセツト、リセツト時の部分断面正面
図、第４図は従来技術に基づく検査装置の部分断
面正面図である。 ２……フレーム、３……アーム、６……ゲー
ジ、１３……筒状ワーク、９……測定ピン、８′
……リンク、１′……検査装置、１８……カム、
２０……弾機、７……ピン、１９……カムフオロ
ワー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに対し開閉自在に枢支されたアームに
   設けられたゲージが筒状ワークに当接離反自在な
   測定ピンを有するリンクに連係されている筒状ワ
   ークの検査装置において、上記フレームにカムが
   設けられ、一方上記アームには該カムに係合し、
   筒状ワークに対して当接・離反する方向に相対旋
   回自在にピン枢支されるゲージを有するカムフオ
   ロワーが設けられ、該カムフオロワーには先端に
   測定ピンを装備するリンクが枢設され、上記カム
   フオロワーを前記筒状ワークから旋回して離反す
   る方向に付勢する弾機が（前記アームに）設けら
   れていることを特徴とする筒状ワークの検査装
   置。