JPH0533873A - ボール弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁の取付け方向性のない、且つ弁開閉操作で
のシート損傷がない、弁室内圧抜きのできるボール弁を
提供すること。 【構成】 弁箱１１とボール１４との間に弁室１９を形
成するボール弁１０において、ボールシート１５、１６
を圧縮弾性体とし、該ボールシート１５、１６の弁組立
段階における面圧を、弁最大使用圧力より大きく、弁箱
破壊内圧より小さく設定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボール弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図２に示す如く、弁箱１内に流路
を開閉可能なボール２が回動可能に配置され、このボー
ル２には流路両側よりボールシート３、４が当接され、
このボールシート３、４はボール押え５、６によりボー
ル２に向けて押圧されるようになされ、弁箱１とボール
２との間に弁室７を形成するボール弁が採用されてい
る。

【０００３】このボール弁にあっては、全開又は全閉時
に、弁室が流路から遮断されたデッドスペースとなる。
このため、このボール弁が過酸化水素水等の気化ガスの
発生し易い流体の制御用として用いられる場合には、上
記デッドスペースに閉じこめられることとなる流体から
生ずる気化ガスの異常昇圧が、弁箱を破損する虞れがあ
る。

【０００４】そこで従来、弁全開時に、ボール内部の通
孔と外部の弁室とを連通し、弁室がデッドスペースとな
ることを防止するボール弁が提案されている。このボー
ル弁は、ボール２の通孔８に対する片側に、弁室７と通
孔８とを連通する連通路９を設けたものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には、下記、の問題点がある。 ボール２の通孔８に対する片側に連通路９を設けたも
のであるから、弁全閉時に連通路９が下流側流路に相対
する如くに、弁の取付け方向性が流体の流れ方向に対し
て限定される。

【０００６】弁開閉に伴ってボール２を回動すると
き、ボール２に設けてある連通路９のボール外面におけ
る開口エッジがボールシート３、４を疵付ける虞れがあ
る。

【０００７】本発明は、弁の取付け方向性のない、且つ
弁開閉操作でのシート損傷がない、弁室内圧抜きのでき
るボール弁を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、弁箱内に流路
を開閉可能なボールが回動可能に配置され、このボール
には流路両側よりボールシートが当接され、このボール
シートはボール押えによりボールに向けて押圧されるよ
うになされ、弁箱とボールとの間に弁室を形成するボー
ル弁において、ボールシートを圧縮弾性体とし、該ボー
ルシートの弁組立段階における面圧を、弁最大使用圧力
より大きく、弁箱破壊内圧より小さく設定するようにし
たものである。

【０００９】

【作用】本発明によれば、下記〜の作用がある。 弁の全開又は全閉時に、デッドスペースとなる弁室に
閉じ込められる流体が気化ガスを生じ、弁室内圧が異常
上昇すると、圧縮弾性体からなるボールシートの変形に
より、ボールシートによるボール回りのシール性が維持
できなくなり、上記異常内圧を逃がすことができる。こ
れにより、異常内圧による弁箱の破損を防止できる。
尚、ボールシートの変形は、内圧の降下に伴って復元す
る。

【００１０】ボールシートのボールに接する部分をリ
ップ状とすることにより、異常内圧によるボールシート
の変形能を向上し、該異常内圧を確実に逃がし、内圧降
下後には直ちにその変形を復元可能とすることができ
る。

【００１１】ボールの片側に異常内圧を逃がすための
連通路の如くを設けるものでないから、弁の取付け方向
性がなく、かつ弁開閉操作でのシート損傷をなくすこと
ができる。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す模式図、図２
は従来例を示す模式図である。

【００１３】ボール弁１０は、弁箱１１内に流路１２、
１３を開閉可能なボール１４が回動可能に配置され、こ
のボール１４には流路１２、１３側よりボールシート１
５、１６が当接され、このボールシート１５、１６はボ
ール押え１７、１８によりボール１４に向けて押圧され
るようになされ、弁箱１１とボール１４との間に弁室１
９を形成することとしている。２０は、ボール１４に設
けてある通孔である。

【００１４】また、弁箱１１の中央部にはスピンドル２
１が回動可能に支持され、スピンドル２１の内端部はボ
ール１４の凹溝２２と係合し、スピンドル２１の外端部
にはハンドル２３が固定されている。

【００１５】また、ボール押え１７、１８は弁箱１１の
両端内径部に螺着されている。そして、弁箱１１の両端
外径部にはユニオンナット２４、２５が螺着され、各ユ
ニオンナット２４、２５は、管路を接続する接続スリー
ブ２６、２７をボール押え１７、１８の外端面に当接さ
せている。

【００１６】尚、２８、２９は弁箱１１とボール押え１
７、１８との間に設けたＯリング、３１は弁箱１１とス
ピンドル２１との間に設けたＯリング、３２、３３はボ
ール押え１７と接続スリーブ２６、ボール押え１８と接
続スリーブ２７の間に設けたＯリングである。

【００１７】然るに、ボール弁１０にあっては、ボール
シート１５、１６を圧縮弾性体とし、該ボールシート１
５、１６の弁組立段階における面圧を、弁最大使用圧力
より大きく、弁箱破壊内圧より小さく設定している。

【００１８】尚、ボールシート１５、１６のボール１４
に接する部分は、図１（Ｂ）に示す如くのリップ部４１
とするのが良い。

【００１９】次に、上記実施例の作用について説明す
る。 弁の全開又は全閉時に、デッドスペースとなる弁室１
９に閉じ込められる流体が気化ガスを生じ、弁室１９内
圧が異常上昇すると、圧縮弾性体からなるボールシート
１５、１６の変形により、ボールシート１５、１６によ
るボール１４回りのシール性が維持できなくなり、上記
異常内圧を逃がすことができる。これにより、異常内圧
による弁箱１１の破損を防止できる。尚、ボールシート
１５、１６の変形は、内圧の降下に伴って復元する。

【００２０】ボールシート１５、１６のボール１４に
接する部分をリップ状とすることにより、異常内圧によ
るボールシート１５、１６の変形能を向上し、該異常内
圧を確実に逃がし、内圧降下後には直ちにその変形を復
元可能とすることができる。

【００２１】ボール１４の片側に異常内圧を逃がすた
めの連通路の如くを設けるものでないから、弁の取付け
方向性がなく、かつ弁開閉操作でのシート損傷をなくす
ことができる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、弁の取付
け方向性のない、且つ弁開閉操作でのシート損傷がな
い、弁室内圧抜きのできるボール弁を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例を示す模式図である。

【図２】図２は従来例を示す模式図である。

【符号の説明】

１０ ボール弁 １１ 弁箱 １２、１３ 流路 １４ ボール １５、１６ ボールシート １９ 弁室 ４１ リップ部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 弁箱内に流路を開閉可能なボールが回動
   可能に配置され、このボールには流路両側よりボールシ
   ートが当接され、このボールシートはボール押えにより
   ボールに向けて押圧されるようになされ、弁箱とボール
   との間に弁室を形成するボール弁において、ボールシー
   トを圧縮弾性体とし、該ボールシートの弁組立段階にお
   ける面圧を、弁最大使用圧力より大きく、弁箱破壊内圧
   より小さく設定したことを特徴とするボール弁。