JPH0533836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一般機械等に使用するグリースニツ
プルに関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

グリースニツプルは、JIS B1575に規定されて
いるように標準化されている。すなわち、外形か
らＡ形（第１２図）、Ｂ形（図示しない）及びＣ
形（第１３図）の３形式がある。Ａ形はストレー
トな形状で、頭部のグリース流入口を鋼球１で塞
ぎ、これを弾圧するばね２は、首下の取付けねじ
３の後尾からグリース流入穴４に挿入して端末を
かしめたばね押さえスリーブ５で支持されてい
る。第１３図に示すＣ形はニツプル本体６にＡ形
と同様な頭部ニツプル７が真横から螺着されてい
る。Ｂ形はニツプル本体６に対し頭部ニツプル７
を真横より上向きに傾斜させた点がＣ形と異な
る。

取付ねじ３については、Ａ形はメートル細目ね
じM6×0.75×首下長ｌ＝４（mm）、メートルテー
パねじNT6×１×４及びMT6×0.75×４、管用
テーパねじPT1/8×８及びPT1/4×11のいずれか
であり、Ｂ形とＣ形については管用テーパねじ
PT1/8×８である。

このように規格化された範囲内で使用する際
は、入手し易く好都合であるが、首下長が特別に
長いものや、ねじピツチの異なるものが必要な場
合には、第１４図に示されるような所要の取付ね
じ８を有するアダプタを別に使用せざるを得な
い。しかしながら、従来のアダプタを用いたもの
では、グリースニツプルの取付ねじ３が螺合され
る雌ねじ９が内設されるため大型となり、したが
つて大きな取付けスペースを必要とする欠点があ
つた。

そこで本考案は、規格外の取付ねじを有するア
ダプタがグリース流入穴４を利用して上記標準の
グリースニツプルの本体に圧入接合されたグリー
スニツプルを提供して、従来の問題点を解決する
ことを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、標準グリースニツプルの本体のグリ
ース流入穴に嵌合する円筒部を一方の端部に有
し、他方の端部の外面に所要寸法の取付ねじを有
するとともに軸方向の貫通孔を有するアダプタを
前記グリース流入穴に固着してなる。

〔作用〕

規格外の取付ねじを有する個所又は給油口の位
置が標準と異なる場合に、新たなグリースニツプ
ル全体を製作することはコストが大となり、かと
いつて標準のものをそのまま従来のアダプタと併
用することは大きなスペースを必要とする。

これに対して、本考案のグリースニツプルは、
安価に入手できる標準グリースニツプルを利用
し、且つアダプタも安価に製作できる。また、そ
のアダプタは標準グリースニツプルの本体のグリ
ース流入穴を利用して固着されているから大きな
スペースを取らない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図とともに説明する。

なお、従来と同一又は相当部分には同一符号を
付してある。

第１図は、首下の取付ねじ３が管用テーパねじ
からなるＡ形標準グリースニツプルにアダプタ１
０を固着したグリースニツプルの一実施例を示
す。このアダプタ１０は、第２図ａ，ｂに示すよ
うに、ねじピツチ、長さ等を所要寸法（この場合
は、管用テーパねじの延長）に形成した取付ねじ
１１を外面に有し且つその取付ねじの一端側に延
設された円筒部１２を有する。その円筒部１２の
外径は、標準グリースニツプルの本体のグリース
流入穴４、すなわちばね押えスリーブ嵌合穴の内
径に嵌め合う寸法にしてあり、焼きばめにより回
り止めに固着させてある。１３は軸心に設けた軸
方向の貫通孔である。

この場合のアダプタ１０は、その円筒部１２が
ばね押さえスリーブ５の機能をも果たしている。

第３図はアダプタ１０を、Ｃ形標準グリースニ
ツプルの本体のグリース流入穴４に固着したもの
である。

第４図にアダプタ１０の変形例を示す。このア
ダプタ２０は取付ねじ１１と円筒部１２との間に
円筒状段部２１を有し、この円筒状段部２１に平
面部２２が設けられたものである。

第５図は上記アダプタ２０を、首下の取付ねじ
３が管用テーパねじからなるＡ形標準グリースニ
ツプルの本体に固着したものである。アダプタ２
０は、標準グリースニツプルのグリース流入穴
４、すなわちばね押えスリーブ嵌合穴の内径への
円筒部１２の焼きばめと共に、円筒状段部の平面
部２２の嵌め合いとにより、一層強固に回り止め
に固着されている。

第６図は上記アダプタ２０を、首下の取付ねじ
３が管用テーパねじからなるＣ形標準グリースニ
ツプルの本体に固着したものである。

第７図〜第１０図は、標準グリースニツプルの
本体の首下の取付ねじ３を切除して、アダプタ１
０またはアダプタ２０（ただし、取付ねじ１１
は、ねじピツチ、長さ等を所要寸法に形成したメ
ートルねじにしたもの）を固着したものである。

第７図はＡ形標準グリースニツプルの本体に、
第８図はＣ形標準グリースニツプルの本体に、そ
れぞれアダプタ１０を固着したものであり、第９
図はＡ形標準グリースニツプルの本体に、第１０
図はＣ形標準グリースニツプルの本体に、それぞ
れアダプタ２０を固着したものである。

なお、本実施例では円筒部１２が円筒面となつ
ている例を示したが、この面に軸方向のセレーシ
ヨンを形成し、結合をより強固にしても良い。

また、アダプタの円筒部１２と取付ねじ１１と
の間にスパナかけ用に平行２面２２を形成しても
良い。

また、第１１図に示すように、アダプタ２０の
取付ねじ１１と円筒部１２との境に逃げ溝２５を
形成し、ニツプルの先２６をかしめてその逃げ溝
２５に係合せしめてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように、標準グリース
ニツプルの本体のグリース流入穴に嵌合する円筒
部を一方の端部に有し、他方の端部の外面に所要
寸法の取付ねじを有するとともに軸方向の貫通孔
を有するアダプタを前記グリース流入穴に固着し
た構成とした。そのため、取付ねじの種類や首下
の寸法が、標準品とは異なつたコンパクトなグリ
ースニツプルを、必要に応じて安価に且つ容易に
提供できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第３図、第５図、第６図、第７図、第
８図、第９図、第１０図はそれぞれ、本考案の実
施例の要部を断面で表した側面図、第２図ａは本
考案のアダプタの斜視図、第２図ｂはその側面
図、第４図ａは本考案のアダプタの変形例の斜視
図、第４図ｂはその側面図、第１１図は本考案の
アダプタとニツプルとの接続方式の変形例の部分
拡大図、第１２図、第１３図はそれぞれ規格化さ
れたアダプタの要部を断面で表した側面図、第１
４図は従来のアダプタの側面図である。 ４はグリース流入穴、１０，２０はアダプタ、
１１は取付ねじ、１２は円筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 標準グリースニツプルの本体のグリース流入穴
   に嵌合する円筒部を一方の端部に有し、他方の端
   部の外面に所要寸法の取付ねじを有するとともに
   軸方向の貫通孔を有するアダプタを前記グリース
   流入穴に固着してなるグリースニツプル。