JPH05337999A - 溶融材料の型充填時に生じるボイドの挙動を解析する方法 - Google Patents

溶融材料の型充填時に生じるボイドの挙動を解析する方法

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JPH05337999A
JPH05337999A JP17205992A JP17205992A JPH05337999A JP H05337999 A JPH05337999 A JP H05337999A JP 17205992 A JP17205992 A JP 17205992A JP 17205992 A JP17205992 A JP 17205992A JP H05337999 A JPH05337999 A JP H05337999A
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molten material
mold
filling
void
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JP17205992A
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Noritake Mitsuya
典丈 光谷
Michiyasu Furugishi
道康 古岸
Takaaki Matsuoka
孝明 松岡
Yoshitoku Inoue
良徳 井上
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/7693Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融材料を型に充填して成形する際に、気泡
が溶融材料中に巻き込まれて発生するボイドの挙動を計
算機でシミュレーションできるようにする。 【構成】 有限要素法を用いて型内の速度ベクトルを空
間位置と時間の2つのパラメータに対して算出する。ボ
イド発生位置を設定する。設定されたボイド発生位置で
所定時間にトレース粒子を発生させる。発生したトレー
ス粒子を空間−時間−速度の関係に基づいてトレースす
る。以上の処理をプログラム化する。ボイドの流線,流
脈線が得られる。またボイドの逆流線も得られる。これ
からボイドの挙動が理解されやすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】溶融樹脂を型に充填して成形する
射出成形や溶融金属を型に充填して成形する鋳造等、溶
融材料を型に充填して成形する手法が多く用いられてい
る。この場合、溶融材料の充填中に溶融材料中に気泡が
巻き込まれてボイドが発生し、このボイドが充填の進行
とともに型内を流動して成形品中にボイドが残ることが
ある。本発明は、このボイドの挙動を電子計算機を用い
て解析する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】型内の空間形状によっては溶融材料の充
填中に気泡が巻き込まれ、これが成形品中にボイドとな
って残ってボイド不良を発生させることがある。現在ボ
イド不良に対策するための有効な解析方法がなく、もっ
ぱら実験的にトライアンドエラーを繰返しているのが現
状である。このため型の修正に多くの工数と時間が費や
される。
【0003】一方電子計算機を用いて、型内の溶融材料
の流動速度を算出する手法が実用化されている。これは
型内空間を多数の微小空間に区割し、この区割された微
小空間毎に溶融材料の流動速度を算出するものである。
このために通常は有限要素法が用いられる。もっとも有
限要素法に限らず、境界要素法、差分法、FAN法等に
基づく数値解析法によることもできる。充填の進行とと
もに、同一位置においても流動速度は変化する。このた
めこの技術では、充填開始時からの経過時間と空間位置
の2つをパラメータとして流動速度が算出される。図2
がこの一例を示しており、経過時間INにおける第JM
番目の微小空間における流動速度が[VX,VY,V
Z](IN,JM)であることを示している。ここで
[VX,VY,VZ]は速度ベクトルの各成分を示して
いる。
【0004】このようにして型内の流動現象を電子計算
機でシミュレーションし、シミュレーションされた結果
を表示する技術として、特開平1−123717号公報
と特開平1−123718号公報に記載の技術が知られ
ている。ここでは、充填粒子の流動経路を表示すること
によって、シミュレーション結果をわかりやすく表示す
る技術を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子計算機を用
いたシミュレーション手法では、充填粒子の一つに着目
し、この粒子の流動の様子を再現することに目的がおか
れている。しかしながら気泡の巻き込みは充填作業中継
続的にあるいは断続的に発生しており、ある特定の粒子
に着目したシミュレーション手法ではボイドの挙動を解
析することができない。そこで本発明では、継続的ある
いは断続的に発生するボイドの挙動を解析できる新たな
技術を開発することとした。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明で
は、その概念が模式的に図1に示される方法、すなわち
溶融材料を型に充填して成形する際に、溶融材料中に気
泡が巻き込まれて生じるボイドの挙動を電子計算機を用
いて解析する方法であり、電子計算機を用いて、型内空
間を多数に区割した微小空間毎に溶融材料の充填開始時
からの経過時間をパラメータとして溶融材料の流動速度
を算出する空間−時間−速度算出工程Aと、前記微小空
間のうちの少なくとも1つにボイドの発生位置を仮定す
る工程Bと、前記仮定されたボイド発生位置において所
定時間毎にトレース粒子を仮想的に発生させる工程C
と、所定時間間隔で該トレース粒子の存在する位置と時
間と前記空間−時間−速度算出工程Aで算出された速度
とから、前記所定時間間隔後の該トレース粒子の存在す
る位置を算出するトレース工程Dと、前記トレース工程
Dを充填完了タイミングまで繰り返し実行させる工程E
とを有することを特徴とする溶融材料の型充填時に生じ
るボイドの挙動を解析する方法を創作した。
【0007】
【作用】図2において、IOは充填開始時、IEは充填
完了時を示しており、その間が所定時間間隔で区切られ
ている。またJOからJFは型内空間が多数の微小空間
に区切られた各微小空間を示しており、JOからJFま
でによって型内空間が形成されている。まず本発明の工
程Aでは、この2つのパラメータすなわち型内空間中の
微小空間(JO〜JF)と経過時間(IO〜IE)ごと
に、当該微小空間の当該経過時間における充填材料の流
動速度が算出される。なおこれは従来の技術で算出され
るものであり、本発明によって創作されたものでないた
め、詳しい説明を省略する。
【0008】次に、本発明の工程Bで、前記微小空間群
JO〜JFのうちの少なくとも一つでボイドが発生する
と仮定される。ここではオペレータの過去の経験、知識
に基づいて気泡の巻き込みが生じそうな微小空間を選択
することができる。この場合、微小空間の重心位置でボ
イドが発生するものとされる。なおさらに精度のよい解
析をする際には、微小空間中の特定の位置でボイドが発
生するものとしてもよい。
【0009】ボイド発生位置が仮定されると、次に工程
Cでトレース粒子を仮想的に発生させる。ここで仮想的
に発生させるとは、電子計算機の演算上発生させること
を意味している。また気泡の巻き込みが継続的あるいは
断続的であることに着目し、ここでは所定時間毎にトレ
ース粒子を仮想的に発生させる。なおここでいう所定時
間毎とは、必ずしも図2に示したタイミングと一致する
必要はなく、図2のそれよりも大きな時間間隔であって
もよい。
【0010】さて、工程Bで仮定された位置において、
工程Cに従ってトレース粒子が発生されると、その位置
と時間の情報に基づいて、工程Aによって算出されてい
る速度データが参照され、当該位置の当該タイミングに
おける流動速度が算出される。このため、工程Bで仮定
された位置で工程Cに従って発生されたトレース粒子は
所定時間間隔後にどの位置に流動してゆくかを算出する
ことができる。これがトレース工程Dによって行なわれ
る。
【0011】そしてこのトレース工程Dは、工程Eによ
って、充填完了タイミングまで繰返し実行されるため、
工程Bで仮定された位置で工程Cに従って発生されたト
レース粒子が充填完了タイミングにどこまで流動してい
ったのかが算出される。このようにして断続的に発生す
る全てのトレース粒子についての流動が算出される。こ
の手法に従って計算したトレース粒子の挙動は実際のボ
イドの挙動とよく一致していることが実験的に確かめら
れている。このためこの手法によって電子計算機を用い
てボイドの挙動を解析することが可能となる。
【0012】
【実施例】次に、ウレタン材を反応射出成形することに
よって自動車用バンパを成形する場合に本発明を適用し
た例を説明する。図3はバンパに対応する型内空間2と
それを多数の微小空間に区割した例を示している。図中
(A) 図は(B) 図のA−A断面を示し、(B) 図は(A) 図の
B矢視図を示している。このバンパは(A) 図からも明ら
かなように薄肉状であり、ほぼ中央部にナンバプレート
照射ランプを取付ける開口部4を有している。開口部4
は(A) 図に示すように型としては閉じられており、ウレ
タンが充填されないようにすることによって開口部4が
成形される。溶融状態のウレタンが充填される際には経
験的にこの開口部4をまわりこんで流動する際に型内の
空気が気泡としてウレタン中に巻き込まれ易いことが知
られている。この型内空間は薄肉状のため、この型内空
間を(B) 図に示す多数の薄肉内の略三角平板状の微小空
間…JM,JM+1,…に区割して有限要素法を適用す
る。なお図中6はゲート部を示している。
【0013】図4,5は、有限要素法を具現化したInje
ction-Molding-Analysis Programsを用いて、型内の溶
融材料の流動速度を算出した例を示している。同図中J
O…JFは薄肉三角平板状の各微小空間を示しており、
JOはゲート部6の真近にあり、JFはゲート部6から
最遠方にとられている。またタイミングIOは充填開始
時を示し、IEは充填完了時を示している。充填開始時
はいずれの微小空間にも溶融材料がないため全空間にお
いて速度はゼロとなっており、以後充填の進行とともに
ゲート部6に近いところから流動現象が生じ始める。図
5中ライン8より右上方はいまだ溶融材料が到着してい
ない領域を示している。充填が完了すれば、全微小空間
JO…JFで速度はゼロとなる。図4は充填の中頃にお
ける速度分布を例示している。なお図5における速度ベ
クトルの大きさは薄肉平板状の微小空間の各平面内の速
度ベクトルを示し、図4の矢印の長さは、図3(A) の平
面10に投影した長さとなっている。
【0014】さて図6と図7は、本発明のトレース工程
を図示している。まず図6,図7では、微小空間JVの
重心位置でボイドが発生すると仮定した例を図示してい
る。そして図7ではボイド発生タイミング1,2,3,
4の各タイミングでボイドが発生したことに対応し、発
生タイミング1,2,3,4の各タイミングでトレーサ
粒子を仮想的に発生させた例を図示している。
【0015】今ボイド発生タイミング1のタイミングで
微小空間JVでトレーサ粒子が発生したとすると、図5
の空間−時間−速度の表(これは電子計算機によってす
でに算出されている)から、該トレーサ粒子が充填材料
と同一速度で流動すると仮定したときの流動速度がわか
る。このため微小時間後(図7の場合にはΔT後)に該
トレーサ粒子が存在している微小空間(図7の場合J1
1がこれに対応する)が算出される。これを繰返してゆ
くことによって、ΔT時間毎にトレーサ粒子が存在して
いる微小空間がJ11→J12…と算出されてゆく。こ
れを充填完了タイミングまで繰返してゆくことにより、
ボイド発生タイミング1のタイミングで微小空間JVで
発生したときのボイドが、充填完了時に存在している微
小空間JIEが算出される。
【0016】同様の計算はボイド発生タイミング2,
3,4で発生したボイドについても行なわれ、それぞれ
充填完了時の微小空間J2E,J3E,J4Eが算出さ
れる。図6はJV→J11→J12…→J1E,JV…
→J2E,JV…→J3E,JV…→J4E,を結んだ
ラインを示し、微小空間JVの位置でボイド発生タイミ
ング1,2,3、4で発生した各ボイドの流線に相当す
る。なお図7からも明らかなように、空間−時間−速度
データから次の移動位置を算出するトレース工程の繰返
し時間間隔(ΔT)とトレース粒子の発生周期は必ずし
も一致させる必要はない。
【0017】さて図8はこのようにしてボイドの最終流
動位置J1E,J2E,J3E,J4Eを結んだライン
12を示しており、これは充填工程中に微小空間JVで
発生したボイドが充填完了時に存在している部位に対応
するものである。従ってこのライン12を計算機で算出
すれば、成形品のどこにボイドが残留するかを予想する
ことが可能となる。
【0018】次にさらに詳細に本実施例を説明する。図
9は電子計算機によって実行される処理手順を示す図で
ある。ステップS2で解析処理がスタートされると、ま
ず最初に、バンパ用空間2を区割した微小空間JO…J
Eの重心位置とその法線ベクトルが読込まれて電子計算
機中に記憶される(S4)。次に空間JO…JEと時間
IO…IEをパラメータとして、図4,5に例示した流
動速度が算出される(S6)。ステップS6では、すで
に射出成形CAEとして実用化されているIMAP(In
jection Molding Analysis Programs)を用いることがで
きる。なおIMAPの技術内容は「高分子論文集」VOL.
48(1991年3 月)P137〜144 に記載されている。
【0019】次にこの実施例に係わるシステムでは、ボ
イドの流れの方向に沿った解析(正探知)とボイドの流
れを逆にたどってゆく解析(逆探知)の双方が実行可能
となっているため、オペレータがいずれのタイプの解析
を実行するか入力する(S8)。まず最初に正探知が指
定された場合を説明する。
【0020】正探知が指定されると、ステップS10に
よってステップS12以後の処理が実行されるように切
換えられる。ステップS12ではオペレータがボイドが
発生すると仮定する位置を入力する。粗い精度で解析す
ればよい場合には、図6,図7で例示したように、いず
れの微小空間でボイドが発生するかを入力すればよい。
図6,図7は空間JVでボイドが発生すると仮定した場
合を例示している。この実施例ではさらに精度の良い解
析が可能となっており、オペレータは微小空間中のどこ
でボイドが発生するかまで指定可能となっている。図1
0においてVPはこのようにして指定された位置を示し
ている。なおこのVPは座標によって入力される。
【0021】ステップS12の実行後、ステップS14
でオペレータがトレーサ粒子を発生させるタイミングを
入力する。この実施例の場合、実際の射出成形は1ショ
ット当たり2.0秒で完了する。これに対し、図5に示
したIO…IEは25分の1秒毎の時間間隔に区分され
ている。すなわち図7のトレース時間ΔTは25分の1
秒ごとに実行されるようになっている。トレーサ粒子の
発生タイミングはこの時間間隔に比して相当に大幅にと
ってもよく、1ショット当たり10回程度トレーサ粒子
を発生させればほぼ適格にボイド挙動を把握することが
できる。ステップS14では得たい流線の数を参釈して
オペレータがトレーサ粒子の発生タイミングを入力する
のである。
【0022】以上の処理の終了後数値計算が実行され
る。まずステップS16では、ステップS18〜S24
までの処理がタイミングIO…IE−1毎に繰返し実行
されるように手配する。ここで各タイミング間の時間
差、すなわち図7に示したΔTは、後述するトレース工
程の単位時間であり、前述のように25分の1秒となっ
ている。この程度の微小時間であれば、速度の変化分は
小さいことから精度の良いトレースが実行される。
【0023】ステップS18は、ステップS14で入力
されたトレーサ粒子の発生タイミングか否かを判別する
ものであり、イエスならばトレーサ粒子を発生させる。
ノーならば発生させない。次にステップS22でトレー
サ粒子の存在位置と位置時間とから速度ベクトルを算出
する。このときステップS6の算出結果が参照される。
【0024】これを次に具体的に説明する。まずステッ
プS16で1インクリメントされるカウンタIの値か
ら、今回計算しているケースの経過時間がわかる。そこ
で図5の表中、どのIの欄を参照すればよいかがわか
る。次にこれがボイド発生タイミングにおける計算だと
すると、図10に示すようにして速度ベクトルが算出さ
れる。ここでVPはボイド発生位置である。まず最初に
ボイド発生位置VPを含む微小空間JVが特定される。
次に微小空間JVの3頂点P1,P2,P3のうち、ボ
イド発生位置VPに最も近い頂点P1を特定する。次に
頂点P1を共有する微小空間NEXT1〜6を特定す
る。
【0025】次に図5のテーブルのIの欄を参照して微
小空間NEXT1〜6の重心位置20,22,24,2
6,28,30の流動速度V1〜V6を読み出す(ここ
でV1〜V6はベクトル量である)。次にボイド発生位
置VPを各重心位置との距離L1〜l6(なお図中では
Lが小文字で示されている)の2乗に反比例する重みを
つけて前記V1〜V6のベクトル平均値を算出する。こ
のようにしてボイド位置VPにおける速度ベクトルVが
算出されるのである。なおボイド位置が移動すれば次に
はその点をVPとして上記の処理を繰返すことにより、
移動後のトレーサ粒子の速度ベクトルが算出される。
【0026】さて図9のステップS24では、このよう
にして算出された速度ベクトルでΔT時間トレーサ粒子
が流動したときのトレーサ粒子の新たな位置を算出す
る。なおステップS22,24の処理は、ステップS2
0で発生された全部のトレーサ粒子に対して実行され
る。
【0027】ステップS24は、算出ずみの速度と時間
間隔ΔTから移動量を求めるものであり、通常の計算が
可能である。ただし、図11に示すように、トレーサ粒
子が法線ベクトルを異にする隣接微小空間に移動する際
には、その法線ベクトルの角度θを用いて速度を修正
し、その面内における速度成分に修正して新たな位置を
算出する。また図12に示すように、型の端面PLに到
着した場合には、型外に流出した計算とならないように
必要な境界処理を行なう。すなわち図中のαに応じた成
分変換を行う。
【0028】さて図9のステップS18〜S24が充填
開始タイミングIOから完了タイミングIEまで繰返し
実行されると、全部の数値計算が終了する。そこでステ
ップS26で、得られたトレーサ粒子の軌跡を表示す
る。これが図6に例示されたものである。さらに各流線
の端末を結んだ流脈線を表示する(ステップS28)。
これが図8のライン12に例示されたものである。
【0029】このようにして、本解析手法によると、オ
ペレータが過去の経験からボイド発生個所を仮定したと
きに、それが成形品にどのようなボイドとなって残るか
をオペレータにわかりやすく提供することが可能とな
る。さて本実施例のシステムでは図9のステップS32
以後に示すように、ボイドを逆探知することもできる。
これを次に説明する。この処理はオペレータがステップ
S8で逆探知を指定することで実行される。
【0030】この処理は、成形品に残ったボイドの位置
から逆にどの位置でボイドが発生したかを逆探知するた
めに実行される。まずステップS32で、残留ボイドの
位置を入力する。例えば図13のJ11Eに示す点にボ
イドが発生していれば、その位置を入力する。
【0031】このボイドはステップS22とS24の繰
返し処理で説明した流動によって、タイミングIEで点
J11Eに致ったはずであることから、それを逆に計算
してゆくことによって逆流線を得ることができる。すな
わちステップS36とS38の処理をタイミングIE→
IE−1→IE−2→…→IO+1と繰返してゆくこと
により、タイミングIEで位置J11Eに存在するボイ
ドの過去の逆流線が算出されるのである。そのようにし
て得られた逆流線がステップS40で表示される。
【0032】同様の処理は他の残留ボイドについても可
能であり、図13に示すように、点J11Eの残留ボイ
ドからF11の逆流線が、J12Eの残留ボイドからF
12の逆流線が、以下同様にJ16Eの残留ボイドから
F16の逆流線が算出される。
【0033】もっとも、このようにして逆流線が得られ
ても、この逆流線のどこでボイドが発生したのかはわか
らない。しかしながらこれらの逆流線を重ね表示してみ
ると、逆流線がともに通る点が通常見出される。この点
こそがボイド発生個所である可能性が極めて高い点であ
る。図13の場合、開口部4のコーナ部VPで逆流線が
収束しており、これは過去の経験に照らしてボイドが発
生しやすい点と一致している。このように本方法によっ
て精度よくボイド発生位置を推定可能となる。
【0034】本実施例の場合、図9のステップS6によ
って空間−時間−速度算出工程が構成されている。また
ステップS12によってボイド発生位置仮定工程Bが具
現化されている。さらにステップS20によってトレー
ス粒子の仮想発生工程Cが具体化されている。またトレ
ース工程Dは、ステップS22とS24によって具体化
されており、ステップS16によってステップS22と
S24のトレース工程Dが繰返し実行されるようになっ
ている。しかしこれらは一実施例にすぎず、本発明の内
容はこれらの実施例に限定されるものでない。
【0035】また本実施例では薄肉の成形品を取扱って
いるが、本発明はこれに限られるものでなく、肉厚の成
形品にも適用可能である。この場合は微小空間を立体格
子状に区割すればよい。また本実施例では3角形の微小
空間に区割したが、これもこれに限られるものでなく、
その他の多角形であってもよい。
【0036】さて本実施例では、逆探知解析が可能とな
っているため、実際に得られた成形品のボイド位置から
ボイド発生個所を推定する解析が合理的に行なえるよう
になり、トライアンドエラーの手法を採用するとして
も、その修正回数等を著しく少なくすることが可能とな
り、極めて有効である。
【0037】
【発明の効果】本発明では、ボイド発生位置を仮定した
うえで、そこで継続的あるいは断続的に発生するボイド
の挙動を空間的・時間的速度変動を考えに入れたうえで
合理的に再現できることから、ボイドの挙動を計算機に
よって精度よく解析することが可能となる。また解析結
果から流脈線が容易に得られることから、実際形成品の
残留ボイド位置を容易に推定し得ることになり、型の事
前評価が容易かつ正確になし得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を模式的に示す図
【図2】空間−時間−速度の一例を示す図
【図3】実施例が適用される形成用空間と微小空間を示
す図
【図4】算出された速度分布の一例を図示する図
【図5】算出された空間−時間−速度の一例を示す図
【図6】算出されたボイド流線の一例を図示する図
【図7】ボイド位置のトレースの様子を説明する図
【図8】算出された流脈線の一例を示す図
【図9】実施例の処理手順図
【図10】速度を算出する様子を説明する図
【図11】微小空間間の速度修正を説明する図
【図12】境界処理を説明する図
【図13】得られた逆流線を例示する図
【符号の説明】
A 空間−時間−速度算出工程(ステップS6) B ボイド発生位置仮定工程(ステップS12) C トレース粒子仮想発生工程(ステップS20) D トレース工程(ステップS22,24) E 繰返し工程(ステップS16)
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 11/00 C 2107−2J G06F 15/20 D 7052−5L (72)発明者 古岸 道康 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松岡 孝明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 井上 良徳 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料を型に充填して成形する際に、
    溶融材料中に気泡が巻き込まれて生じるボイドの挙動
    を、電子計算機を用いて解析する方法であり、 電子計算機を用いて、型内空間を多数に区割した微小空
    間毎に、溶融材料の充填開始時からの経過時間をパラメ
    ータとして、溶融材料の流動速度を算出する空間−時間
    −速度算出工程と、 前記微小空間のうちの少なくとも1つに、ボイドの発生
    位置を仮定する工程と、 前記仮定されたボイド発生位置において所定時間毎にト
    レース粒子を仮想的に発生させる工程と、 所定時間間隔で、該トレース粒子の存在する位置と時間
    と前記空間−時間−速度算出工程で算出された速度とか
    ら、前記所定時間間隔後の該トレース粒子の存在する位
    置を算出するトレース工程と、 前記トレース工程を充填完了タイミングまで繰返し実行
    させる工程、とを有することを特徴とする、溶融材料の
    型充填時に生じるボイドの挙動を解析する方法。
JP17205992A 1992-06-05 1992-06-05 溶融材料の型充填時に生じるボイドの挙動を解析する方法 Pending JPH05337999A (ja)

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