JPH05337693A

JPH05337693A - ウィットウォース機構を備えたプレス機械

Info

Publication number: JPH05337693A
Application number: JP15364692A
Authority: JP
Inventors: Shozo Imanishi; 詔三今西; Yasuhiro Horie; 康弘堀江
Original assignee: Aida Engineering Ltd
Current assignee: Aida Engineering Ltd
Priority date: 1992-06-12
Filing date: 1992-06-12
Publication date: 1993-12-21

Abstract

(57)【要約】【目的】ダイハイトを一定としたままスライドモーショ
ンを迅速に切替える。【構成】ウィットウォース機構（６０）を備えたプレス
機械において、リンクレバー（６１）をクランク軸
（１）に相対回転可能に装着するとともにリンクレバー
（６１）に内歯ギヤ（６１Ｇ）を取付けかつクランク軸
（１）にこの内歯ギヤ（６１Ｇ）と対応させた直接的に
は噛合わない外歯ギヤ（１Ｇ）を取付け、内歯ギヤ（６
１Ｇ）と外歯ギヤ（１Ｇ）とに同時に噛合可能に形成さ
れた連結ギヤ（２１Ｇ）を有しかつクランク軸（１）の
軸線方向に移動可能に嵌装されたジョー（２１）と、こ
のジョー（２１）と係合し傾斜方向によって連結ギヤ
（２１Ｇ）を内歯ギヤ（６１Ｇ）と外歯ギヤ（１Ｇ）と
を噛合わせる方向または分離させる方向にジョー（２
１）を移動可能に形成された切替レバー（３４）と、こ
の切替レバー（３４）の傾斜方向を選択的に切替える選
択切替装置（３１）とからなる連結分離手段（２０）と
を設けた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ウィットウォース機構
を備えたプレス機械に関する。特に、スライドモーショ
ンを選択的に切替えられるようしたプレス機械に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】動力プレスの一般的構成を図７に示す。
同図において、１は偏心部２，２を有するクランク軸で
クラウン（図示省略）内に回転自在に保持されている。
３はスライドで、コンロッド４，４を介して偏心部２，
２に連結されている。１０はボルスタである。また、１
４Ｍはメインモータで、フライホイール１３を介して駆
動軸１１に連結され、かつメインギヤ１２Ｇを含むギヤ
トレイン１２を介してクランク軸１を回転させる。

【０００３】かかるプレスでは、ブレーキ装置１６をＯ
ＦＦ（解放）しかつクラッチ装置１５をＯＮ（結合）さ
せれば、フライホイール１３に蓄積された回転エネルギ
ーによりクランク軸１が回転され、これによりスライド
３を一定カーブのスライドモーションで上下ストローク
運動できる。一方、クラッチ装置１５をＯＦＦ（分離）
しかつブレーキ装置１６をＯＮ（ブレーキ）させれば、
クランク軸１を回転停止できる。一体型クラッチ・ブレ
ーキ装置の場合も同様である。ここに、クランク軸１の
回転角度とスライド３の位置との関係は、上記スライド
モーションカーブで決まる。

【０００４】また、金型交換に際しては、スライド３の
下死点位置を調整して図７に示すダイハイトＤＨを設定
変更しなければならない。これは、図８に示すスライド
位置調整装置（ダイハイト調整装置）で行われる。

【０００５】すなわち、スライド位置調整装置は、コン
ロッド４の雌ねじ４ａと螺合する雄ねじ５ａを有しその
下端部に球状体６が一体に設けられた調整ねじ軸５と、
スライド３に回転可能に装着されたウォームホイール８
（縦溝８ｈ）と、調整モータ（図示省略）によって回動
されるウォームねじ軸９とから構成されている。球状体
６とウォームホイール８とは、球状体６に固着されたピ
ン７を縦軸８ｈに挿入することによって連結されてい
る。３Ｂは球面軸受けである。したがって、調整モータ
を手動的、自動的に回転駆動させて調整ねじ軸５を回転
させれば、軸線不変のクランク軸１とスライド３との上
下方向相対位置を変更できるから、結果としてダイハイ
トＤＨを調整できる。

【０００６】ところで、かかる動力プレス（図７）のス
ライドモーションは、プレス作業域でのスライド速度変
化が激しいので絞り加工を行わせる場合等には、その速
度変化を緩徐とするために例えば特公昭４９−３４１６
号，特開平１−３１３２００号，特開平３−２７５２９
９号公報に開示されたウィットウォース機構を設けてい
る。すなわち、ウィットウォース機構（６０）は、基本
的には図８に示す如く、クランク軸１に被嵌装着された
リンクレバー６１と、このリンクレバー６１に回転可能
に挿着された偏心シーブ６２と、偏心シーブ６２とメイ
ンギヤ１２Ｇとを連結するピン６３等からなる。なお、
図中、１１は駆動軸、１２はギヤトレイン（駆動ギヤ１
１Ｇ，メインギヤ１２Ｇ）、１２Ｗはバランスウェイト
である。

【０００７】したがって、偏心シーブ６２，リンクレバ
ー６１を介して、メインギヤ１２Ｇとクランク軸１との
相対角度を設定すれば、スライドモーションを変更でき
る。具体的には、当該プレス機械で所望されるスライド
モーションとなるように両者１２Ｇ，１の相対角度を調
整した後に、リンクレバー６１をキー１Ｋでクランク軸
１に固着している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ここに、１台のプレス
機械で複数のプレス加工をしたい、一段と複雑な自動化
のためにスライド３を所定位置まで速やかに上昇させた
い等々の要請が強くなっている。かかる要請の中には、
スライドモーションを切替えられれば解決できるものが
多い。しかし、上記従来構造では、キー１Ｋを取外し、
リンクレバー６１（またはクランク軸１）を固定しかつ
緩速回転装置を用いてクランク軸１（またはリンクレバ
ー６１）を所定角度だけ回動させ、しかる後にクランク
軸１とリンクレバー６１とを別個のキーで結合しなけれ
ばならない。すなわち、作業複雑で手間、時間が多大と
なるためにウィットウォース機構６０を調整することに
よってスライドモーションを切替えることは現実として
行われていない。

【０００９】しかし、その有用性に着目してスライドモ
ーションを切替調整することが提案されかつ試みられて
いる。例えば、上記特開平１−３１３２００号公報で
は、その第１図に示される第２偏心軸受（７）の回転位
置を変更することにより切替調整する機構が開示されて
いる。しかしながら、可動型固定ピン（２５）、偏心調
整軸（１５）とこれを回動させる格別のモータ装置等々
を設ける装置構築上の負担の増大の割には、その切替調
整作業の労力、時間等の軽減は少なく、また調整精度も
悪いばかりか、第２偏心軸受（７）を回動させると、そ
の軸線とクランク軸（５）の軸線との上下位置関係が変
化しダイハイトが狂ってしまうという致命的欠陥が誘発
される。かくして、依然としてウィットウォース機構６
０に関与してスライドモーションを切替調整することは
実用化されていない。

【００１０】本発明の目的は、ダイハイトを一定に保持
しながら簡単かつ迅速にスライドモーションを選択的に
切替調整できるウィットウォース機構を備えたプレス機
械を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明に係るウィットウ
ォース機構を備えたプレス機械は、クランク軸に被嵌装
着されたリンクレバーと、このリンクレバーに回転可能
に装着された偏心シーブと、この偏心シーブとメインギ
ヤとを連結するピンとからなるウィットウォース機構を
備えたプレス機械において、前記リンクレバーを前記ク
ランク軸に相対回転可能に装着するとともにリンクレバ
ーに内歯ギヤを取付けかつクランク軸にこの内歯ギヤと
対応させた直接的には噛合わない外歯ギヤを取付け、内
歯ギヤと外歯ギヤとに同時に噛合可能に形成された連結
ギヤを有しかつクランク軸の軸線方向に移動可能に嵌装
されたジョーと、このジョーと係合し傾斜方向によって
連結ギヤを内歯ギヤと外歯ギヤとを噛合わせる方向また
は分離させる方向にジョーを移動可能に形成された切替
レバーと、この切替レバーの傾斜方向を選択的に切替え
る選択切替装置とからなる連結分離手段を設けたことを
特徴とする。

【００１２】

【作用】上記構成による本発明では、クランク軸が停止
した後に連結分離手段を形成する選択切替装置を働か
せ、切替レバーを分離方向に傾斜させる。すると、ジョ
ーが分離方向に移動するので、連結ギヤは内歯ギヤと外
歯ギヤとから外れる。したがって、クランク軸とリンク
レバーとの係合が解ける。そこで、リンクレバーを固定
しておき、クランク軸を所望角度だけ回動させる。つま
り、クランク軸とメインギヤとの相対位置を切替調整す
る。その後に、選択切替装置で切替レバーを反対方向に
傾斜させ、ジョーを連結方向に移動させて、連結ギヤで
内歯ギヤと外歯ギヤとを間接的に噛合わせる。つまり、
リンクレバーとクランク軸とを固定する。ここに、クラ
ンクモーションの切替作業が完了する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本ウィットウォース機構を備えたプレス機械は、
図１に示す如く、基本的構成が従来例（前出図８）と同
じとされ、かつリンクレバー６１に内歯ギヤ６１Ｇを、
クランク軸１に外歯ギヤ１Ｇをそれぞれに取付け、両ギ
ヤ６１Ｇ，１Ｇを連結分離する連結分離手段２０を設
け、ウィットウォース機構６０に関与して簡単かつ迅速
にスライドモーションをダイハイトを一定としたまま切
替調整できるように構成されている。

【００１４】また、この実施例では、角度調整装置（４
０，５０）を設け、メインギヤ１２Ｇを回転させること
により、一段と迅速かつ正確にスライドモーションを切
替えられるように形成している。

【００１５】なお、従来例（図８）と共通する構成要素
については同一の符号を付し、その説明は簡略または省
略する。

【００１６】さて、ウィットウォース機構６０と連結分
離手段２０とを説明する。図１において、駆動軸１１と
一体の駆動ギヤ１１Ｇとともにギヤトレイン１２を形成
するメインギヤ１２Ｇは、ブッシュ１Ｂを介してクラン
ク軸１に被嵌装着されている。メインギヤ１２Ｇ自体と
しては、クランク軸１と相対回転自在である。なお、ク
ランク軸１にはエンコーダ１Ｅが取付けられている。

【００１７】ここに、ウィットウォース機構６０は、ク
ランク軸１に被嵌装着されたリンクレバー６１と、この
リンクレバー６１に回転可能に挿着された偏心シーブ６
２と、この偏心シーブ６２とメインギヤ１２Ｇとを連結
するピン６３等からなる。そして、リンクレバー６１と
クランク軸１とは、従来例の如くキー（１Ｋ）結合させ
ずに相対回転可能に装着され、かつリンクバー６１に一
体の内歯ギヤ６１Ｇとクランク軸１と一体の外歯ギヤ１
Ｇとをジョー２１と一体の連結ギヤ２１Ｇを介して噛合
わせることにより、連結される。

【００１８】つまり、内歯ギヤ６１Ｇと外歯ギヤ１Ｇと
は、モジュール等が等しくかつ対応配設されているが、
直接的には噛合わない。連結ギヤ２１Ｇで間接的に噛合
う。この噛合状態は、リンクレバー６１をクランク軸１
に一体的に固定した状態である。また、分離した状態
は、クランク軸１とメインギヤ１Ｇとの相対回転変更可
能状態である。

【００１９】一方、連結分離手段２０は、上記ジョー２
１を含み、このジョー２１をクランク軸１の軸線方向、
つまり図１で左右方向に往復移動させるジョー移動手段
３０とから形成されている。このジョー移動手段３０
は、機枠１９にピン３３で傾斜可能に支持された切替レ
バー３４と、ピン３２で連結されたシリンダ装置（選択
切替装置）３１と、切替レバー３４の先端に回動可能に
装着されかつジョー２１の溝２２内に嵌挿されたローラ
３５とからなる。

【００２０】すなわち、選択切替装置（３１）で操作レ
バー３４の傾斜方向を変更すれば、ジョー２１を移動し
て、両ギヤ１Ｇ，６１Ｇを連結または分離できる。この
実施例では、このようにして行うスライドモーション切
替調整を、図３に示すプレス運転制御装置５０を兼用し
た切替調整制御手段で、図４，図５に示すように自動的
に行うものと形成されている。

【００２１】したがって、図３に示す信号ＣＮＧで結合
用ソレノイド３１Ｓを励磁してピストンロッド３１Ｐを
図で右方向に突出させるように選択切替装置（３１）を
働かすと、操作レバー３４が図１でピン３３を中心に時
計回転方向に回動し左下りに傾斜するから、ジョー２１
（２１Ｇ）を両ギヤ１Ｇ，６１Ｇに連結させる方向（図
１で左方向）に移動させることができる。この際、連結
ギヤ２１Ｇと両ギヤ１Ｇ，６１Ｇとが完全な噛合位置に
ない場合は、連結ギヤ２１Ｇはシリンダ装置３１の付勢
力によって両ギヤ１Ｇ，６１Ｇに押付けられる。すなわ
ち、この押付け状態としている間にメインギヤ１２Ｇま
たはクランク軸１を回動させることにより噛合位置とな
れば、連結ギヤ２１Ｇが両ギヤ１Ｇ，６１Ｇに自動的に
噛合いリンクバー６１とクランク軸１とを一体的に連結
することができる。なお、この連結状態は、ジョー２１
が図で左方向に移動したときにＯＮする図３のカムスイ
ッチ２５で確認できる。

【００２２】したがって、連結分離手段２０（２１，３
４，３１）を分離状態としておき、メインギヤ１２Ｇま
たはクランク軸１を所定角度だけ回転させてメインギヤ
１２Ｇとクランク軸１との相対角度を変更し、つまり両
者１２Ｇ，１間に亘るリンクレバー６１の姿勢を変更
し、その後に連結分離手段２０を結合状態とすれば、駆
動軸１１の回転数を一定としておいても、スライド３の
モーションを図６に実線，２点鎖線，点線で示す如く設
定変更できる。

【００２３】次に、角度調整装置は、図１〜図３に示す
如く、スライドロック手段（４０，５０）と、回転制御
手段（５０）とを備え、クランク軸１を回動不能つまり
スライド（３）をロックした状態でメインモータ１４Ｍ
を微速回転させてメインギヤ１２Ｇを回転させてメイン
ギヤ１２Ｇとクランク軸（１）との相対角度を所定角度
だけ回動調整できるように構成されている。すなわち、
クランク軸１とリンクバー６１との回転位相を変更でき
る新規な構造である。

【００２４】スライドロック手段（４０，５０）は、図
２に示す如く、シリンダ装置４１とこのピストンロッド
４２の先端にビス（４４）止めされた押圧片４３とから
形成されたロック機構４０と制御部（５０）とから構成
されている。制御部は、図３に示すように、クランク軸
１が回転停止中であることを確認すると後記の信号ＦＦ
を出力するもので、この実施例ではプレス運転制御装置
５０を兼用して構築されている。３Ｇは機枠１９（コラ
ム）に固定されたギブである。したがって、押圧片４３
とギブ３Ｇとを同一平面内に位置付け配設しておけば、
常態にあってはスライド３を上下方向に摺動案内できる
が、押圧片４３を２点鎖線で示すように突出させれば、
スライド３を上下ストローク運動不能にロックできる。
つまり、クランク軸１を回動不能にロックできる。な
お、このロック用シリンダ装置４１は、図３に示すソレ
ノイド４１Ｓを信号ＦＦで励磁することによって、押圧
片４３を突出させることができる。

【００２５】一方、回転制御手段（５０）は、図１に示
すメインギヤ１２Ｇをメインモータ１４Ｍを微速回転す
る手段で、この実施例ではプレス全体を駆動制御する図
３のプレス運転制御装置５０の構成要素（例えばＣＰ
Ｕ，ＲＯＭ，ＲＡＭ等々）とそれらの持つ機能を、上記
切替調整制御手段と同様に、兼用して構築している。

【００２６】すなわち、回転制御手段（５０）は、スラ
イドロック手段（４０，５０）によってスライド３がロ
ックされ、かつブレーキ装置１６（図７）がＯＦＦされ
ていることを条件に、ドライバ１４Ｄに回転信号ＳＰを
出力してメインギヤ１２Ｇを所定量だけ回転させるもの
と構成されている。なお、図３の９Ｍはダイハイト調整
用の調整モータで、９Ｄはそのドライバである。

【００２７】ところで、プレス運転制御装置５０自体と
しては、図３に示す如く、運転ボタン５１の押下操作に
よる運転信号ＳＴＲが入力されると、信号ＳｂｌをＯＮ
してブレーキ用ソレノイド１６Ｓを励磁しかつ信号Ｓｃ
ｒをＯＮしてクラッチ用ソレノイド１５Ｓを励磁して、
ブレーキ装置１６をＯＦＦ，クラッチ装置１５をＯＮす
ることによりプレス運転に入る。停止ボタン５２を押下
操作するとその停止信号ＳＴＰに基づきクラッチ装置１
５をＯＦＦ，ブレーキ装置１６をＯＮしてプレス停止す
る。なお、プレス停止後に、本装置を動作させるためブ
レーキ装置１６とクラッチ装置１５とを、ともにＯＦＦ
させることができるものとされている。

【００２８】また、プレス運転制御装置５０には、図１
に示すメインギヤ１２Ｇと噛合うギヤ１７を介して連結
されたメインギヤ角度検出用のエンコーダ１８からメイ
ンギヤ１２Ｇの回転角度信号θが入力される。また、メ
インモータ１４Ｍのドライバ１４Ｄに信号ＳＰを加えて
メインモータ１４Ｍを回転駆動する。なお、図３におい
て、５５は本装置を駆動させるためのモード選択スイッ
チ、５６は粗角度設定器、５７は微角度設定器である。

【００２９】ここに、本実施例では、プレス運転制御装
置５０はクランク軸１を例えば上死点としてプレス停止
する。また、スライドモーション変更に際しては、それ
に必要とするメインギヤ１２Ｇの全回転角度のうちの大
部分つまり粗角度設定器５６で設定した角度（θｓｔ
ｐ）だけ、メインモータ１４Ｍつまりメインギヤ１２Ｇ
を微速回転（図４のＳＴ１４）させるものとしている。
こうすることにより、最終的調整に回転させる角度すな
わち微角度設定器５７でセットする角度（θｓｅｔ）の
値を小さくできる。

【００３０】この理由は、メインギヤ１２Ｇのイナーシ
ャやメインモータ１４Ｍの制御性を考慮して、最初に粗
調整しておき、その後に微調整によって最終的に高精度
位置合せすることにより、全体として迅速なスライドモ
ーションの変更を行えるようにするためである。但し、
初めからメインギヤ１２Ｇを全角度だけ回動させるよう
に構成しても実施できることもとよりである。

【００３１】さらに、この実施例では、連結分離手段２
０（３１），スライドロック手段（４０）等々を、図
４，図５に示すスライドモーション変更プログラムによ
り、有機的、一連的に駆動制御するものと構成されてい
る。

【００３２】次に、この実施例の作用を説明する。図３
に示す、モード選択スチッチ５５をＯＮしてスライドモ
ーション変更を宣言し、かつプレス停止ボタン５２をＯ
Ｎすると、プレス運転制御装置５０はクラッチ装置１５
をＯＦＦ、ブレーキ装置１６をＯＮしてクランク軸１が
上死点となったところでプレス停止する（図４のＳＴ１
０，１１）。この上死点はクランク角度検出用のエンコ
ーダ１Ｅを参照して実施される。

【００３３】ここにおいて、スライドロック手段の一部
を形成する制御部（５０）は、クランク軸１が回転停止
中であることを確認すると、図３のロック用ソレノイド
４１Ｓに信号ＦＦを出力して励磁し、ロック用シリンダ
装置４１のピストンロッド４２つまり押圧片４３を２点
鎖線で示すように突出させる。すなわち、スライド３を
上下ストローク運動不能つまり、クランク軸１を回転不
能にロックする（ＳＴ１２）。したがって、ダイハイト
を一定に保持できる。

【００３４】次に、プレス運転制御装置５０は、図３の
信号ＣＮＧをＯＦＦして連結分離手段２０（３１）のソ
レノイド３１Ｓを非励磁とする。つまり、図１のシリン
ダ装置３１のピストンロッド３１Ｐを引込めて操作レバ
ー３４を回動させ、ジョー２１を右方向に引離す（ＳＴ
１３）。したがって、連結ギヤ２１Ｇが外れるので、両
ギヤ１Ｇ，６１Ｇの噛合が外れる。

【００３５】引続き、クラッチ用ソレノイド１５Ｓとブ
レーキ用ソレノイド１６Ｓを信号Ｓｃｒ，Ｓｂｌで励磁
し、その後にドライバ１４Ｄへ信号ＳＰを出力してメイ
ンモータ１４Ｍつまりはメインギヤ１２Ｇを微速回転さ
せる（ＳＴ１４）。この回転角度は、予め粗角度設定器
５６でセットした粗角度θｓｔｐである。そして、ＳＴ
１５でエンコーダ１８から検出した角度信号θの現在値
θｉが粗角度θｓｔｐと等しくなった時に、メインギヤ
１２Ｇを回転停止する（ＳＴ１６）。

【００３６】次に、プレス運転制御装置５０は連結分離
手段２０の選択切替装置つまりシリンダ装置３１のソレ
ノイド３１Ｓを信号ＣＮＧで励磁してピストンロッド３
２を突出させる。この場合、両ギヤ１Ｇ，６１Ｇとジョ
ー２１の連結ギヤ２１Ｇとが位置不一致であるから、こ
れらギヤ１Ｇ，６１Ｇ，２１Ｇは噛合わず、連結ギヤ２
１Ｇが両ギヤ６１Ｇ，１Ｇに付勢された状態となる（Ｓ
Ｔ１７）。

【００３７】すると、回転制御手段（５０）は、ドライ
バ１４Ｄに再び信号ＳＰを出力してメインギヤ１２Ｇを
図３に示す微角度設定器５７で予めセットされた角度θ
ｓｅｔを目標に回動させる（ＳＴ１８）。微角度θｓｅ
ｔは、本来必要値よりやや大きくしてある。ここに、両
ギヤ１Ｇ，６１Ｇとジョー２１と一体の連結ギヤ２１Ｇ
とが噛合位置に到達すると、連結ギヤ２１Ｇはシリンダ
装置３１で付勢されているので、自動的に外歯ギヤ１Ｇ
と内歯ギヤ６１Ｇとを結合する。クランク軸１とリンク
６１とを結合連結できる。すなわち、クランク軸１とメ
インギヤ１２Ｇとの相対角度を変えることによりスライ
ドモーションの切替調整が完了する。これはジョー２１
の移動をカムスイッチ２５で検出することにより確認さ
れる（図５のＳＴ１９）。

【００３８】かくして、回転制御手段（５０）は、メイ
ンモータ１４Ｍ（メインギヤ１２Ｇ）を回転停止（ＳＴ
２０）しかつその後に信号ＣＮＧをＯＦＦしソレノイド
３１Ｓを非励磁としてシリンダ装置４１に取付けられた
押圧片４３をギブ３Ｇと同一平面上に引込み、スライド
ロックを解除する（ＳＴ２１）。

【００３９】しかして、この実施例によれば、リンクレ
バー６１をクランク軸１に相対回転可能に装着するとと
もにリンクレバー６１に内歯ギヤ６１Ｇを、クランク軸
１に外歯ギヤ１Ｇをそれぞれに取付け、かつ連結ギヤ２
１Ｇを有するジョー２１と切替レバー３４と選択切替装
置（３１）とからなる連結分離手段２０を設け、リンク
レバー６１とクランク軸１との係合を解いた状態でクラ
ンク軸１を回動させて行う構成とされているので、ダイ
ハイトを一定としたままクランクモーションを簡単かつ
迅速に切替え調整できる。

【００４０】また、切替調整は、選択切替装置（３１）
によって操作レバー３４の傾斜方向を変更するだけでよ
いので、一段と迅速に切替えられるばかりか、構造簡単
にして低コストで具現化できる。

【００４１】また、ウィットウォース機構６０の通常的
動作としては、クランク軸１とリンクレバー６１とがギ
ヤ１Ｇ，６１Ｇで連結一体化されているので、選択され
たスライドモーションを長期に亘って安定して保障でき
る。

【００４２】また、ジョー２１の溝２２に嵌装されるリ
ンクレバー６１の先端にはローラ３５が設けられている
ので、通常動作中に連結分離手段２０を取外しする等の
煩わしさがない。

【００４３】また、スライドロック手段（４０，５０）
と回転制御手段（５０）とを設け、スライドつまりクラ
ンク軸１をロック状態としてスライドモーションを切替
えるので、ダイハイトを一定に保持できる。

【００４４】また、スライドモーションの変更に要する
全角度をメインギヤ１２Ｇの回転による粗角度と微角度
との２段階によって調整するので、正確に調整できる。

【００４５】また、回転制御手段（５０）等は、プレス
に必須の構成要素たるメインモータ１４Ｍ，ドライバ１
４Ｄとプレス運転制御装置５０とを利用して構築されて
いるので、一段と安価でかつ信頼性あるメインギヤ１２
Ｇの正確な回動を行える。

【００４６】さらに、ウィットウォース機構６０と密接
関連する連結分離手段２０と角度調整装置（４０，５
０）とを有機的、一連的にコントロールすることができ
るように構成されているので、スライドモーション切替
を全自動的に行える。

【００４７】

【発明の効果】本発明によれば、リンクレバーをクラン
ク軸に相対回転可能に装着するとともにリンクレバーに
内歯ギヤを、クランク軸に外歯ギヤを取付け、かつ連結
ギヤを有するジョーと切替レバーと選択切替装置とから
なる連結分離手段を設け、リンクレバーとクランク軸と
の係合を解いた状態でクランク軸を回動させて行う構成
とされているので、ダイハイトを一定としたままクラン
クモーションを簡単かつ迅速に切替え調整できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面図である。

【図２】同じく、スライドロック手段を説明するための
図である。

【図３】同じく、切替調整制御手段を説明するためのブ
ロック図である。

【図４】同じく、動作を説明するためのフローチャート
（１）である。

【図５】同じく、動作を説明するためのフローチャート
（２）である。

【図６】同じく、スライドモーションの切替変更を説明
するための図である。

【図７】従来プレスの一般的構成を説明するための図で
ある。

【図８】従来プレスのウィットウォース機構を説明する
ための断面図である。

【符号の説明】

１クランク軸１Ｅクランク角度検出用エンコーダ１Ｇ外歯ギヤ２偏心部３スライド３Ｇギブ４コンロッド５調整ねじ軸８ウォームホイール９ウォームねじ軸９Ｍ調整モータ１１駆動軸１２Ｇメインギヤ１４Ｇメインモータ１５クラッチ装置１５Ｓクラッチ用ソレノイド１６ブレーキ装置１６Ｓブレーキ用ソレノイド１８メインギヤ角度検出用エンコーダ１９機枠２０連結分離手段２１ジョー２１Ｇ連結ギヤ２２溝２５カムスイッチ３０ジョー移動手段３１シリンダ装置（選択切替装置）３１Ｓ連結用ソレノイド３１Ｐピストンロッド３４切替レバー３５ローラ４０ロック機構４１シリンダ装置４１Ｓロック用ソレノイド４３押圧片５０プレス運転制御装置５１運転ボタン５２停止ボタン５６粗角度設定器５７微角度設定器６０ウィットウォース機構６１リンクレバー６１Ｇ内歯ギヤ６２偏心シーブ６３ピン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クランク軸に被嵌装着されたリンクレバ
ーと、このリンクレバーに回転可能に装着された偏心シ
ーブと、この偏心シーブとメインギヤとを連結するピン
とからなるウィットウォース機構（６０）を備えたプレ
ス機械において、前記リンクレバー（６１）を前記クランク軸（１）に相
対回転可能に装着するとともにリンクレバー（６１）に
内歯ギヤ（６１Ｇ）を取付けかつクランク軸（１）にこ
の内歯ギヤ（６１Ｇ）と対応させた直接的には噛合わな
い外歯ギヤ（１Ｇ）を取付け、内歯ギヤ（６１Ｇ）と外歯ギヤ（１Ｇ）とに同時に噛合
可能に形成された連結ギヤ（２１Ｇ）を有しかつクラン
ク軸（１）の軸線方向に移動可能に嵌装されたジョー
（２１）と、このジョー（２１）と係合し傾斜方向によ
って連結ギヤ（２１Ｇ）を内歯ギヤ（６１Ｇ）と外歯ギ
ヤ（１Ｇ）とを噛合わせる方向または分離させる方向に
ジョー（２１）を移動可能に形成された切替レバー（３
４）と、この切替レバー（３４）の傾斜方向を選択的に
切替える選択切替装置（３１）とからなる連結分離手段
（２０）を設けたことを特徴とするウィットウォース機
構を備えたプレス機械。