JPH05337456A - 廃棄物の分離回収方法とその設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コンクリート片、石、煉瓦片等の不燃塊状物と
土砂類を含む建設廃棄物中から、可燃物をほとんど含ま
ない不燃塊状物と土砂を分離回収する手段を提供する。 【構成】不燃塊状物および土砂類を含む建設廃棄物を振
動式水平スクリーン形式の選別機により大きさ別に分別
する。その分別した廃棄物を大きさ別に風力選別機やイ
ンクライン選別機にかけて、土砂類と可燃物、不燃塊状
物と可燃物とに分別する。 【効果】回収された不燃塊状物と土砂を構造物の裏込み
材等に再利用できる。埋立て地の延命がはかられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、主に不燃塊状物（コ
ンクリート片、石類、煉瓦片等）と土砂類を含む建設廃
棄物の選別処理に係り、建設廃棄物中の土砂類と不燃塊
状物を可燃物と分別して回収する方法と設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の建設廃棄物中の不燃塊状物と土砂
類を選別する方法としては、図５にその処理設備フロー
を示すごとく、何等かの方法で一次選別された概ね３０
０ｍｍ以下の建設廃棄物（不燃塊状物、土砂類を含む）
をまず振動式水平スクリーン形式の分離機１にて大きさ
別に例えば小塊（粒度約１０ｍｍ以下の土砂類）、中塊
（粒度約１０〜４０ｍｍ）、大塊（粒度約４０ｍｍ以
上）の３種類に分別し、このうち中塊（粒度約１０〜４
０ｍｍ）は風力選別方式の分離機（一般にシフターと称
している）２にて不燃塊状物と、木屑、紙屑等の可燃物
とに分別し、大塊（粒度約４０ｍｍ以上）は例えば傾斜
コンベア型選別機（インクライン選別機）３にて重量物
と軽量物とに分別している。図中、５はサイクロン、６
はバグフィルター、７はブロアである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記した従
来の選別方法では、建設廃棄物を大きさ別に分別する振
動式水平スクリーン形式の分離機１で分別された土砂中
には木屑、紙屑等の可燃物が混入し、また中塊（粒度約
１０〜４０ｍｍ）を直接風力選別方式の分離機２に導入
して不燃塊状物類と可燃物とに分離する方法では、不燃
塊状物と可燃物との分離が十分に行われず、不燃塊状物
中に木屑、紙屑等が混入する。したがって、従来の方法
で選別された可燃物混入の不燃塊状物、土砂類は、回収
して再利用（例えば構造物の裏込み材等に利用）するこ
とができず、埋立て用として処分せざるを得ない。ま
た、建設廃棄物を最終処分場（埋立て地）に搬入する場
合、事前協議制の導入により木屑、紙屑等が混入してい
る不燃塊状物や土砂類については埋立て処分できないと
いう事態も発生している。

【０００４】この発明は従来のこのような実状よりみ
て、建設廃棄物に含まれている不燃塊状物と土砂類を選
別するに際し、木屑、紙屑等の可燃物が混入しないよう
に選別し、構造物の裏込み材等に十分に再利用可能な不
燃塊状物と土砂類を回収し得る方法を提案しようとする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、方法的に
は、不燃塊状物および土砂類を含む廃棄物を第１分離機
により大きさ別に大塊、中塊、小塊の３種類に分別し、
小塊は第２分離機に導き不燃塊状物と土砂類と紙屑、木
屑等の可燃物とに分別し、中塊は第３分離機に導き不燃
塊状物と紙屑、木屑等の可燃物とに分別し、大塊は第４
分離機に導き重量物と軽量物とに分別し、可燃物を含ま
ない不燃塊状物、土砂類を回収することを特徴とする廃
棄物中の不燃塊状物、土砂類の分離回収方法を要旨とす
る。また、設備的には、不燃塊状物および土砂類を多量
に含む廃棄物を大きさ別に大塊、中塊、小塊の３種類に
分別する振動式水平スクリーン形式の第１分離機と、こ
の第１分離機により分別された小塊を不燃塊状物と土砂
類と紙屑、木屑等の可燃物とに分別する風力選別方式の
第２分離機と、同じく第１分離機により分別された中塊
を不燃塊状物と紙屑、木屑等の可燃物とに分別する傾斜
コンベア型選別機からなる第３分離機と、同じく第１分
離機により分別された大塊を重量物と軽量物とに分別す
る傾斜コンベア型選別機からなる第４分離機と、前記第
２分離機、第３分離機および第４分離機により分別され
た可燃物を含まない不燃塊状物と土砂類を回収する回収
工程とを備えたことを特徴とする廃棄物中の不燃塊状物
および土砂類の分離回収設備を要旨とする。

【０００６】

【作用】この発明では、事前に概ね３００ｍｍ以下に選
別された建設廃棄物を振動式水平スクリーン形式の第１
分離機にて例えば粒度約１０ｍｍ以下の小塊、粒度約１
０〜４０ｍｍの中塊、粒度約４０ｍｍ以上の大塊の３種
類に分別した後、粒度約１０ｍｍ以下の小塊については
風力選別方式の分離機に導入して土砂と可燃物とに分別
するため、紙屑、木屑等の可燃物が土砂に混入すること
はほとんどない。また、同じ第１分離機にて分別した粒
度約１０〜４０ｍｍの中塊は、傾斜コンベア型選別機
（インクライン選別機）からなる第３分離機にて不燃塊
状物と紙屑、木屑等の可燃物とに分別するので、紙屑、
木屑等の可燃物が不燃塊状物の中に混入することはほと
んどない。さらに、同じ第１分離機にて分別した粒度約
４０ｍｍ以上の大塊は、第３分離機と同じ傾斜コンベア
型選別機（インクライン選別機）により重量物（不燃塊
状物）と、不燃塊状物をほとんど含まない軽量物（可燃
物）とに分別される。なお、不燃塊状物に含まれる若干
の金属類は磁選機あるいは手選別等により除去する。

【０００７】

【実施例】図１はこの発明に係る設備全体のフロー図、
図２は第１分離機の一例を示す概略図、図３は同上設備
における第２分離機の一例を示す概略図、図４は同上設
備における第３分離機および第４分離機の一例を示す概
略図である。

【０００８】すなわち、不燃塊状物と土砂類を含む建設
廃棄物は事前に概ね３００ｍｍ以下の大きさに選別され
て当該処理場に搬入される。処理場に搬入された廃棄物
は、最初に第１分離機１に供給されて、従来と同様、大
きさ別に分別する。この第１分離機は上下に２段のスク
リーンを有する振動式水平スクリーン形式のもので、大
きさに応じて３処理系統に分離される。すなわち、土砂
を主体とする粒度約１０ｍｍ以下の小塊Ａ系統、不燃塊
状物を主体とする粒度約１０〜４０ｍｍの中塊Ｂ系統、
粒度約４０ｍｍ以上の大塊Ｃ系統の３種類に分別され
る。

【０００９】Ａ系統の小塊は、第２分離機２に供給さ
れ、紙屑、木屑等の可燃物と土砂とに分別される。この
第２分離機は内部にパンティングメタル等で形成された
篩目を有する振動式風力選別方式のもので、粒度約１０
ｍｍ以下のものを可燃物（浮遊物）と土砂（若干不燃塊
状物を含む）に分別できる機能を有する。

【００１０】Ｂ系統の中塊（粒度約１０〜４０ｍｍ）
は、第３分離機３に供給され、粒度約１０〜４０ｍｍの
不燃塊状物と、木屑、紙屑等の可燃物とに分別される。
この第３分離機は傾斜コンベアと回転チェーンカーテン
との共動作用により不燃塊状物と可燃物等が分離される
機能を有する傾斜コンベア形式のもので、粒度約１０〜
４０ｍｍの中塊の中から１０〜４０ｍｍの不燃塊状物
と、木屑、紙屑等の可燃物が分別される。

【００１１】Ｃ系統の大塊（粒度約４０ｍｍ以上）は、
第４分離機４に供給され、重量物（主に不燃塊状物）と
軽量物（可燃物等）に分別される。この第４分離機も第
３分離機と同様、傾斜コンベアと回転チェーンカーテン
との共動作用により不燃塊状物と可燃物等が分離される
機能を有する傾斜コンベア形式のものを採用する。

【００１２】第１分離機１は図２に示すごとく、上下二
段の１−１、１−２を有し、加振機１−３により振動さ
せる方式（特開昭６１−５０１６８７号公報参照）を用
いることができる。

【００１３】第２分離機としては、図３に示すごとく、
内部に所望の篩目を有するパンチングメタル２−１を有
し、加振機２−２により振動可能となすとともに、送風
口２−３から空気が吹込まれる構造のものを用いること
ができる。この種の分離機は一般にシフターと称されて
おり、篩目、振動、風力効果により例えば、粒度５ｍｍ
以下の土砂、粒度５〜１０ｍｍの不燃塊状物、残渣およ
び可燃物（浮遊物）に分別できる機能を有する。

【００１４】第３分離機および第４分離機としては、不
燃塊状物を含む廃棄物から重量物（主に不燃塊状物）と
軽量物（主に可燃物）とを効果的に分離できるインクラ
イン型選別機（特開昭６１−５０１６８５号公報参照）
を用いることができる。この選別機の構造は、図４に示
すごとく幅方向および長手方向に傾斜配置のコンベア３
−１と、幅方向に若干斜め配置でかつ一列または複数列
のモータ駆動される回転チェーンカーテン３−２とを備
え、前記チェーンの下部には重り群３−４が垂下されて
いる。かかる選別機においては、廃棄物はコンベア３−
１の長手方向端部の側方から導入され、重いもの（不燃
塊状物）は回転チェーンカーテン３−２を通り抜けて他
側から排出されるのに対し、軽いもの（木屑、紙屑等の
可燃物）はコンベア３−１に乗って他端から排出され
る。

【００１５】上記設備において、不燃塊状物と土砂類を
含む建設廃棄物は事前に概ね３００ｍｍ以下の大きさに
選別されて第１分離機１に供給され、土砂を主体とする
粒度約１０ｍｍ以下の小塊Ａ系統、不燃塊状物を主体と
する粒度約１０〜４０ｍｍの中塊Ｂ系統、粒度約４０ｍ
ｍ以上の大塊Ｃ系統の３種類に分別される。Ａ系統の小
塊は、第２分離機２に供給され、紙屑、木屑等の可燃物
と土砂（粒度５ｍｍ以下）、不燃塊状物（粒度５〜１０
ｍｍ）、紙屑、木屑等の可燃物とに分別され、Ｂ系統の
中塊（粒度約１０〜４０ｍｍ）は、第３分離機３に供給
され、粒度約１０〜４０ｍｍの不燃塊状物と、木屑、紙
屑等の可燃物とに分別され、Ｃ系統の大塊（粒度約４０
ｍｍ以上）は、第４分離機４に供給され、重量物（主に
不燃塊状物）と軽量物（可燃物等）に分別される。

【００１６】なお、不燃塊状物の中には金属等の重量物
が含まれる場合があるため、インクライン型選別機を用
いる第３分離機３と第４分離機４で分別された重量物に
対しては、必要に応じて磁選機等によりこれらを選別す
る。

【００１７】上記設備の第２分離機２にて分別された土
砂、第３分離機３および第４分離機４にて分別された不
燃塊状物はホッパー等に回収されるが、回収された土
砂、不燃塊状物中には前記のとおり紙屑、木屑等の可燃
物はほとんど混入されていないため、埋立て材として有
効に処理できるのみならず、構造物の裏込み材等に再利
用できる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したごとく、この発明方法によ
れば、土砂および不燃塊状物を含む建設廃棄物の中か
ら、木屑や紙屑等の可燃物をほとんど含まない土砂と不
燃塊状物を効率的かつ高精度に分離回収することができ
るので、回収した土砂と不燃塊状物を再生クラッシャー
ランとして構造物の裏込み材等に有効利用できるととも
に、埋立て材としても有効に処分することができ埋立て
地の大幅な延命がはかられる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る廃棄物中の不燃塊状物、土砂類
の分離回収設備全体のフロー図である。

【図２】同上設備における第１分離機の一例を示す概略
図である。

【図３】同上設備における第２分離機の一例を示す概略
図である。

【図４】同上設備における第３分離機および第４分離機
の一例を示す概略図である。

【図５】従来の建設廃棄物中の不燃塊状物、土砂類の分
離回収設備全体のフロー図である。

【符号の説明】

１ 第１分離機 ２ 第２分離機 ３ 第３分離機 ４ 第４分離機 ５ サイクロン ６ バグフィルター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃棄物を第１分離機により大きさ別に大
   塊、中塊、小塊の３種類に分別し、小塊は第２分離機に
   導き不燃塊状物と土砂類と紙屑および木屑等の可燃物と
   に分別し、中塊は第３分離機に導き不燃塊状物と紙屑、
   木屑等の可燃物とに分別し、大塊は第４分離機に導き重
   量物と軽量物とに分別し、可燃物を含まない不燃塊状物
   および土砂類を回収することを特徴とする廃棄物の分離
   回収方法。
2. 【請求項２】 廃棄物を大きさ別に大塊、中塊、小塊の
   ３種類に分別する振動式水平スクリーン形式の第１分離
   機と、この第１分離機により分別された小塊を不燃塊状
   物と土砂類、紙屑およびプラスチック等の可燃物とに分
   別する風力選別方式の第２分離機と、同じく第１分離機
   により分別された中塊を不燃塊状物類と紙屑、木屑等の
   可燃物とに分別する傾斜コンベア型選別機からなる第３
   分離機と、同じく第１分離機により分別された大塊を重
   量物と軽量物とに分別する傾斜コンベア型選別機からな
   る第４分離機と、前記第２分離機、第３分離機および第
   ４分離機により分別された可燃物を含まない不燃塊状物
   と土砂類を回収する回収工程とを備えたことを特徴とす
   る廃棄物中の廃棄物の分離回収設備。