JPH0533743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はポンプの呼び水注入部の構造に関し、
特に自吸式ポンプ等に設けられ蓋体によつて外部
から開閉される開口部を備えた呼び水注入部の構
造に関する。

［従来の技術］ 自吸式ポンプにおいては、第３図に例示するよ
うに蓋体ａによつて外部から開閉される開口部ｂ
を備えた呼び水注入部ｃが設けられている。この
種のポンプにおいては、自吸運転中に随時呼び水
を補給し得るように蓋体ａを取外したままにして
おくのが普通であるので、自吸完了時には開口部
ｂから揚水が噴出する。したがつて、同図に示す
ように開口部ｂが上方に向いているような場合に
は、噴出した水がモータｄ等にかかるおそれがあ
る。

このような不具合を防止するために、従来は第
４図に例示するようにエルボｅを特設したり、あ
るいは第５図に例示するようにモータｄと反対側
に傾斜した開口部ｆを設けるなどしていた。した
がつて、いずれにしても加工工数が増大しコスト
高になるという難点がある。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は上記事情のもとになされたもので、加
工が容易で揚水を所望方向に導き得るポンプの呼
び水注入部構造を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、開口部の内部に、この開口部を半ば
覆うとともに内部から噴き出される水の噴出方向
を所定の方向に向かうように規制するための導水
体を一体に形成したことを特徴とする。

［作用］ 本考案は上述のように構成されているので、自
吸完了時に開口部から噴出される揚水は、上記開
口部の指向方向に拘りなく上記導水体によつて設
定された所望方向に導かれる。

［考案の実施例］ 以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。第１図においてポンプ（図は自吸式で立軸形
の場合）１は駆動用モータ２に直結されており、
ケーシング３内に呼び水を注入するための注入部
４は、上方に開口し蓋体５によつて外部から開閉
される開口部６を備えている。以上の一般的構成
は第３図に示す従来例におけると同様であつてよ
い。

本考案においては、上記注入部４が内部に設け
られた導水体７を備え、この導水体７は開口部６
を半ば覆うようにほぼ半円状をなし、ケース８と
一体に形成されている。導水体７は、開口部６か
ら噴出される揚水を導く方向に関連してその位置
や大きさ、形状等が設定され、噴出水がモータ２
にかかるのを防止する場合には、図示のようにモ
ータ２の反対側に設けられる。

上記構成によれば、自吸完了時に開口部６から
噴出される揚水が導水体７によつて流動方向を変
えられ、点線９で示すようにモータ２とは反対方
向に導かれる。したがつて、開口部６が上方に向
いていても噴出水がモータ２にかかるようなこと
がないから、上部に開口する通風孔１０を備えた
モータ２を用いても何ら支障を生ずることがな
い。また、第４図に示す従来例におけるようにエ
ルボｅを特設したり、第５図に示すように傾斜し
た開口部ｆを設けたりする必要がなく、かつ導水
体７は形状が簡単でケース８の成形時に一体成形
が容易であるので、これを設けることによるコス
ト増はきわめて僅少ですむ。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるも
のではなく、たとえば第２図に示す注入部２０の
ように上記導水体７よりもさらに内側でかつ反対
側（モータ側）に位置する第２の導水体２１を設
けるなどしてもよく、このように構成することに
より噴出水の偏向量をより増大することができ
る。その他、本考案の要旨とするところの範囲内
で種々の変更ないし応用が可能である。

［考案の効果］ 本考案によれば、上述のように自吸完了時に開
口部から噴出する揚水を所望方向に導くことがで
き、かつ構造が簡単で製造が容易なポンプ用呼び
水注入部を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は本考案の変形例を示す説明図、第３図ないし
第５図は相異なる従来例を示す説明図である。 １……ポンプ、２……モータ、４，２０……注
入部、５……蓋体、６……開口部、７，２０，２
１……導水体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 蓋体によつて外部から開閉される呼び水注水用
   の開口部を備えたポンプの呼び水注水部におい
   て、 上記開口部の内部に、この開口部を半ば覆うと
   ともに内部から噴き出される水の噴出方向を所定
   の方向に向かうように規制するための導水体を一
   体に形成したことを特徴とするポンプの呼び水注
   水部構造。