JPH05335978A - カード型高周波機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 常時、チューナを必要としないパーソナルコ
ンピュータのような機器において、テレビジョンの映像
および音声を受信したいときにのみ、ＩＣメモリーカー
ドと同様に、本体に装着して、受信を可能とする、カー
ド型電子チューナを得る。 【構成】 カード型のケース内に、電子チューナにとっ
て必要な回路を構成するプリント回路基板を収納すると
ともに、ケースの１つの片に沿ってコネクタを配置す
る。ケースに備えるフレーム３を樹脂から構成し、フレ
ーム３の周縁部４３および隔壁部４４には、プリント回
路基板に対向する曲面を形成し、この曲面に、導電膜４
８を転写により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、たとえば電子チュー
ナのような高周波機器に関するもので、特に、このよう
な高周波機器のケースの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョン受像機は、チューナを必要
とし、このようなチューナとして、最近では、電子チュ
ーナが広く用いられている。電子チューナは、多くの場
合、ＵＨＦおよびＶＨＦの両信号を選択的にチューニン
グするためのチューナ回路部およびチャンネル制御回路
部を備えている。

【０００３】このような電子チューナは、テレビジョン
受像機の本体内に内蔵される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】現在、一般に使用され
ている映像表示機能を有する機器として、上述したテレ
ビジョン受像機の他、たとえば、ディスプレイを備える
パーソナルコンピュータのような映像機器、情報機器な
どがある。当然のことながら、これらの映像機器または
情報機器には、チューナが内蔵されていないため、テレ
ビジョン放送を受信して、その映像および音声を出力す
ることができない。

【０００５】しかしながら、これらの映像機器および情
報機器は、チューナさえ備えればテレビジョン受像機と
しても用いるのに十分な機能を既に備えている場合が多
い。したがって、これら映像機器または情報機器を、必
要に応じてテレビジョン受像機としても用いることがで
きるようにされていると、これら機器の用途を広げるこ
とができ、その結果、商品価値を高めることができる。

【０００６】同様のことが、たとえばＲＦモジュレータ
のような他の高周波機器についても言える。すなわち、
たとえば、ビデオカメラで記録した撮影画像を、別体の
モニタ機器で再生したり、リアルタイムで表示したりし
ようとするとき、通常、ＲＦモジュレータを介在させた
状態で、ビデオカメラとモニタ機器とを結線することが
行なわれている。このようなＲＦモジュレータの使用状
態に関して、たとえば、送信機能を有するＲＦモジュレ
ータをビデオカメラに内蔵すると、上述したようなビデ
オカメラとモニタ機器との間での結線は不要となる。し
かしながら、ビデオカメラにＲＦモジュレータが内蔵さ
れていると、ビデオカメラの携帯性を低下させてしまう
ので好ましくない。そのため、ＲＦモジュレータが、必
要に応じて、ビデオカメラに装着できるようにすること
が望まれる。

【０００７】それゆえに、この発明の目的は、必要に応
じて所望の機器に装着するのに適した形態を有する、電
子チューナまたはＲＦモジュレータのような高周波機器
を提供しようとすることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明では、上述した
技術的課題を解決するため、カード型高周波機器が提供
される。

【０００９】このカード型高周波機器は、目的とする高
周波機器のための回路基板を収納するカード型のケー
ス、および回路基板に電気的に接続されかつケースの１
つの辺に沿って配置されるコネクタを備える。

【００１０】上述のケースは、樹脂からなるフレームを
備え、フレームは、回路基板の周囲を位置決めするため
の周縁部と、回路基板の一方面を横切る隔壁部とを備え
る。これら周縁部および隔壁部には、回路基板に対向す
る曲面が形成され、曲面には、導電膜が転写により形成
される。

【００１１】

【作用】このようなカード型高周波機器によれば、たと
えば、電子チューナまたはＲＦモジュレータといった所
望の高周波機器にとって必要な回路とともに、これが装
着される映像機器または情報機器に備えていない必要な
周辺回路を、カード型のケースに収納した状態とするこ
とができる。また、信号の入出力は、コネクタを介して
行なうことができる。

【００１２】

【発明の効果】したがって、この発明によれば、たとえ
ばＩＣメモリーカードのように、全体としてカード型と
された高周波機器が得られる。このようなカード型高周
波機器は、保管および携帯が容易であり、また、種々の
映像機器または情報機器のためのオプション付属品とし
て取り扱うのに適している。そのため、たとえば映像機
器または情報機器におけるテレビジョン受像機としての
機能のように、常時使用しない機能をこれら機器の本体
内に収納する必要がないので、このような機器の寸法お
よび重量が増すことを防止できる。

【００１３】この発明によるカード型高周波機器を、映
像機器または情報機器に装着できるようにするために
は、このような機器の本体に、カード型高周波機器を装
着できる、たとえばスロットを設けておき、このスロッ
トに関連して、カード型高周波機器に設けられるコネク
タと対をなすコネクタを設けておけばよい。なお、この
ようなスロットを、他の機能カードと共用できるように
しておけば、たとえばスイッチによる切換えにより、複
数のオプション機能を１つの機器に対して与えることが
容易になる。

【００１４】また、この発明によれば、ケースに備える
フレームが樹脂から構成されるので、カード型高周波機
器の軽量化に寄与できる。他方、フレームは、このよう
に樹脂から構成されても、そこに導電膜が形成されるこ
とにより、シールド性を与えることができる。

【００１５】また、上述したような導電膜は、転写によ
り形成されるため、必要な部分にこれを形成することが
容易である。また、シールド性を目的とする導電膜は、
一般に、回路基板に対して平行な面上だけでなく、回路
基板に対して交差する面上にも形成されなければならな
い。この発明では、フレームの周縁部および隔壁部に形
成された曲面が、これら平行な面および交差する面の双
方に相当する面を与える。そして、このような曲面であ
れば、その上に導電膜を一挙に転写することが容易であ
る。

【００１６】

【実施例】以下に、この発明が電子チューナに適用され
た実施例について説明する。

【００１７】図２に、この発明の実施例によるカード型
電子チューナ１の外観が斜視図で示されている。

【００１８】カード型電子チューナ１は、カード型のケ
ース２を備える。ケース２は、フレーム３、フレーム３
の上面開口を閉じる上カバー４、およびフレーム３の下
面開口を閉じる下カバー５を備える。このようなケース
２は、好ましくは、汎用されているＩＣメモリーカード
と実質的に同じ寸法にされる。

【００１９】フレーム３は、たとえば、ガラス繊維で強
化されたポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネートのような剛性が高めら
れた合成樹脂からなる成型品をもって構成される。

【００２０】上カバー４および下カバー５は、シールド
性を発揮するため、金属板のような導電性材料から構成
される。上カバー４および下カバー５の各外面は、適
宜、印刷等を施すための面として使用することができ
る。

【００２１】このようなケース２内には、図示しない
が、たとえばプリント回路基板のような回路基板が収納
される。プリント回路基板上には、所要の電子部品およ
びコネクタ８が表面実装される。コネクタ８は、図２に
示されるように、ケース２のたとえば短辺に沿って配置
される。

【００２２】プリント回路基板には、電子チューナのた
めの種々の回路が構成される。このようなプリント回路
基板に構成される回路は、図３に示されている。

【００２３】図３を参照して、プリント回路基板に構成
される回路は、大別して、チューナ回路部９、チャンネ
ル制御回路部１０および復調回路部１１を備える。ま
た、チューナ回路部９は、ＶＨＦ回路部１２およびＵＨ
Ｆ回路部１３を備える。

【００２４】Ｕ／Ｖ信号入力端子１４から入力されたＵ
ＨＦ／ＶＨＦ信号は、分配器１５によって分配され、対
応の回路部１２または１３に入力される。これら回路部
１２および１３は、それぞれ、バンドパスフィルタ１６
および１７、増幅器１８および１９、ならびにバンドパ
スフィルタ２０および２１を備える。

【００２５】チャンネル制御回路部１０は、チャンネル
制御回路２２を備え、チャンネル制御回路２２の出力
は、局部発振回路２３および２４に入力される。一方の
局部発振回路２４から出力される局部発振信号は、混合
回路２５において、ＵＨＦ回路部１３のバンドパスフィ
ルタ２１から出力される高周波信号と混合され、次い
で、混合／増幅回路２６において、増幅される。他方、
局部発振回路２３から出力される局部発振信号は、混合
／増幅回路２６において、ＶＨＦ回路部１２のバンドパ
スフィルタ２０から出力される高周波信号と混合され
る。

【００２６】混合／増幅回路２６から出力される中間周
波信号は、バンドパスフィルタ２７を通して、復調回路
部１１に備える増幅器２８に入力される。増幅器２８に
よって増幅された信号は、弾性表面波フィルタ２９を介
して復調回路３０に入力される。復調回路３０において
は、映像信号がＡＭ検波され、また音声信号がＦＭ検波
されることによって、映像信号および音声信号に復調さ
れ、それぞれ、映像信号出力端子３１および音声信号出
力端子３２に与えられる。また、復調回路３０からは、
同期信号出力端子３３に同期信号が与えられる。

【００２７】さらに、前述したプリント回路基板には、
その上に構成される全体の回路に電源電圧を供給するた
めの電源電圧端子３４、チャンネル制御回路部１０にチ
ューニング電圧を供給するためのチューニング電圧端子
３５、チャンネル制御回路部１０にクロック信号、デー
タ信号およびイネーブル信号をそれぞれ与えるためのク
ロック端子３６、データ端子３７およびイネーブル端子
３５、ならびにアース端子３９が形成されている。

【００２８】このようにプリント回路基板上に形成され
る端子１４，３１〜３９は、それぞれ、コネクタ８に備
える対応の接点に電気的に接続される。

【００２９】上述したチューナ回路部９、チャネル制御
回路部１０および復調回路部１１は、それぞれ、プリン
ト回路基板の別々の領域に配置される。図２において、
破線で区画した第１の領域４０、第２の領域４１および
第３の領域４２は、それぞれ、チューナ回路部９、チャ
ネル制御回路部１０および復調回路部１１が配置される
領域を示している。

【００３０】図１は、図２に示したフレーム３を単独で
下方から示した斜視図である。また、図４は、図１の線
ＩＶ−ＩＶに沿う断面図である。

【００３１】このフレーム３は、前述したプリント回路
基板の周囲を位置決めするための周縁部４３と、プリン
ト回路基板の一方面を横切る隔壁部４４とを備える。周
縁部４３には、プリント回路基板の周囲が嵌合する段部
４５が形成されるとともに、前述したコネクタ８を位置
決めする凹部４６が形成される。また、フレーム３に
は、隔壁部４４と同様の態様で、補強骨４７が形成され
る。

【００３２】上述した周縁部４３、隔壁部４４および補
強骨４７には、プリント回路基板に対向する曲面が形成
され、この曲面には、導電膜４８が転写により形成され
る。図１において、導電膜４８が形成される領域が、斑
点を付すことによって示されている。このような導電膜
４８は、フレーム３がプリント回路基板と組合わされた
とき、少なくともその一部がプリント回路基板上のアー
スランドに電気的に接触する。

【００３３】図１と図２とを対比すればわかるように、
図１に示した隔壁部４４は、図２に示した第１ないし第
３の領域４０〜４２を互いに区切るように位置してい
る。したがって、隔壁部４４上に形成された導電膜４８
は、チューナ回路部９、チャネル制御回路部１０および
復調回路部１１の各々の間での電磁干渉を防止する。ま
た、周縁部４３上に形成された導電膜４８は、これら回
路部９〜１１と外界との間での電磁干渉を防止する。

【００３４】前述したように、導電膜４８は、転写によ
り形成される。その具体的ないくつかの形成方法につい
て、図５および図６を参照して説明する。

【００３５】図５には、パッド印刷法が示されている。
図５（ａ）に示すように、版４９上に導電性インク５０
を付与した後、ゴムパッド５１を、矢印５２で示すよう
に導電性インク５０に向かって押圧する。これによっ
て、ゴムパッド５１上に導電性インク５０の膜が形成さ
れる。次いで、図５（ｂ）に示すように、位置決め台５
３上に位置決めされたフレーム３に向かって、矢印５４
で示すように、ゴムパッド５１が押圧される。このと
き、ゴムパッド５１は、フレーム３に形成された曲面に
沿って変形しながら、この曲面上に導電性インク５０を
転写する。このように転写された導電性インク５０によ
って、前述した導電膜４８が形成される。

【００３６】図６は、ホットスタンプ法を示している。
ホットスタンプ法では、図６（ａ）に示すように、ベー
スフィルム５５上に導電性箔５６が形成されたものが用
いられる。位置決め台５７上には、フレーム３が位置決
めされる。ベースフィルム５５および導電性箔５６をは
さんでフレーム３と対向するように、加熱された押し型
５８が配置される。押し型５８には、フレーム３の曲面
に対応する形状が付与されている。次いで、押し型５８
は、矢印５９で示すように、フレーム３に向かって移動
され、破線で示すように、導電性箔５６がフレーム３に
押圧される。これによって、図６（ｂ）に示すように、
導電性箔５６がフレーム３に転写される。このように転
写された導電性箔５６が、前述した導電膜４８となる。

【００３７】上述したホットスタンプ法において、フレ
ーム３側に穴が存在したり、比較的大きな凹凸がある場
合には、前もって、導電性箔５６に穴を設けておくこと
により、転写作業を円滑に行なえ、また、品質も安定化
させることができる。

【００３８】また、上述したホットスタンプ法の変形例
として、金型内に導電性箔をインサートしておき、フレ
ーム３を樹脂成形すると同時に、導電性箔を熱転写する
ようにしてもよい。

【００３９】また、上述したパッド印刷法またはホット
スタンプ法において用いられる導電性インク５０または
導電性箔５６は、導電性を有するものであれば、金属系
であってもカーボン系であってもよい。

【００４０】また、図１に示すように、前述した実施例
では、導電膜４８が周縁部４３、隔壁部４４および補強
骨４７におけるプリント回路基板に対向する曲面のほぼ
全域に形成されたが、必要な領域においてのみ部分的に
形成されてもよい。また、フレーム３の側面および図１
における下方の面にも、同様の導電膜が形成されてもよ
い。

【００４１】以上述べたカード型電子チューナ１に関す
る実施例において、図示しなかったが、受信アンテナ
を、このようなカード型電子チューナ１に、外付けまた
は内蔵してもよい。

【００４２】また、この発明は、電子チューナに限ら
ず、たとえばＲＦモジュレータのような他の高周波機器
にも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるカード型電子チュー
ナに含まれるフレーム３の下面を示す斜視図である。

【図２】図１に示したフレーム３を備えるカード型電子
チューナ１の外観を示す斜視図である。

【図３】図２に示したカード型電子チューナ１のケース
２内に収納されるプリント回路基板に構成される電気回
路を示すブロック図である。

【図４】図１の線ＩＶ−ＩＶに沿う断面図である。

【図５】図１に示した導電膜４８を形成するためのパッ
ド印刷法を示す図解的断面図である。

【図６】図１に示した導電膜４８を形成するためのホッ
トスタンプ法を示す図解的断面図である。

【符号の説明】

１ カード型電子チューナ（カード型高周波機器） ２ ケース ３ フレーム ８ コネクタ ４３ 周縁部 ４４ 隔壁部 ４８ 導電膜 ５０ 導電性インク ５１ ゴムパッド ５５ ベースフィルム ５６ 導電性箔 ５８ 押し型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高周波機器のための回路基板を収納する
   カード型のケース、および前記回路基板に電気的に接続
   されかつ前記ケースの１つの辺に沿って配置されるコネ
   クタを備える、カード型高周波機器であって、 前記ケースは、樹脂からなるフレームを備え、 前記フレームは、前記回路基板の周囲を位置決めするた
   めの周縁部と、前記回路基板の一方面上を横切る隔壁部
   とを備え、 前記周縁部および前記隔壁部には、前記回路基板に対向
   する曲面が形成され、前記曲面には、導電膜が転写によ
   り形成された、 カード型高周波機器。