JPH05335199A - 微細位置決め装置 - Google Patents

微細位置決め装置

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JPH05335199A
JPH05335199A JP14162192A JP14162192A JPH05335199A JP H05335199 A JPH05335199 A JP H05335199A JP 14162192 A JP14162192 A JP 14162192A JP 14162192 A JP14162192 A JP 14162192A JP H05335199 A JPH05335199 A JP H05335199A
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fine positioning
axis
rigid body
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Takashi Morimoto
高史 森本
Kiyoshi Nagasawa
潔 長澤
Takeshi Murayama
健 村山
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 慣性力等の外力が作用した場合にテーブルに
発生する振動を低減することができる微細位置決め装置
を提供すること。 【構成】 並進変位を発生させる平行たわみ梁変位機構
9Fxa〜10Fybや回転変位を発生させる放射たわみ梁
変位機構15θza,15θzbを備え、上部にテーブル2
を取り付けた微細位置決め装置において、振動の発生原
因となる特定方向(z軸方向)の荷重に対して高い剛性
を有するとともに変位を発生させる方向にその変位を妨
げないように自由に変形し得る複数のヒンジ18a,1
8b,18c,18dを、テーブル2とベース17との
間に、テーブル2の取り付け部16よりも外側の部位で
連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置等の
0.01μmオーダの位置決めを必要とする装置に使用
される微細位置決め装置に係り、特に大ストロークで高
速・高精度な位置決め装置に使用するのに好適な微細位
置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サブμmのオーダの変位調節の可
能な装置が各種技術分野で要望されている。その典型的
な例がDRAM等の半導体製造工程で使用されているス
テツパ(縮小投影露光装置)用の位置決め装置である。
このステツパ用の位置決め装置においては、数百mmの
ストローク内の全領域を百分の数μm程度の精度で高速
に位置決めする技術が要求され、特に半導体素子の高集
積化に伴つて装置の位置決め精度の向上への要求も高ま
つている。このような大ストロークで高速・高精度な位
置決め装置は、前記の半導体製造装置に限らず、走査型
トンネル顕微鏡(STM)等の原子レベルの観察を行う
装置でも必要である。
【0003】その大ストロークで高速・高精度な位置決
め装置を実現する一つの手段としては、電磁モータをア
クチユエータとしたXYステージである粗動ステージと
圧電素子をアクチユエータとした微細位置決め装置とを
組み合わせた装置である粗微動併用ステージがある。電
磁モータをアクチユエータとしたXYステージでは、数
百mmのストロークを確保するのが容易であるととも
に、数百mm/sの高速移動も可能であるが、反面、位
置決め精度については動力伝達機構やテーブルの案内面
等の加工精度に限界があることから、0.01μmの精
度を達成するのはきわめて困難である。一方、圧電素子
をアクチユエータとした微細位置決め装置では、圧電素
子の変位分解能を利用するため、0.01μm以上の位
置決め精度を達成できるが、反面、ストロークは、数十
μmが限界である。前記の粗微動併用ステージは、この
ような性能を有するXYステージと微細位置決め装置と
を組み合わせることにより、その性能を相互に補完する
ようにして両者の長所を発揮できるようにし、大ストロ
ークで高速・高精度な位置決め装置を実現できるように
したものである。
【0004】この粗微動併用ステージの例から明らかな
ように、0.01μmオーダ以上の位置決め精度を達成
できる高精度な位置決め装置を実現するためには、微細
位置決め装置を使用することが必要不可欠である。この
ような微細位置決め装置としては、例えば特開昭63−
137306号公報に示されているような機構が用いら
れていた。以下、この微細位置決め装置を図に基づいて
説明する。
【0005】図6は、粗微動併用ステージに用いられて
いた従来の微細位置決め装置の分解斜視図である。この
図で、x,y,zは直交座標軸を示す。図示の微細位置
決め装置は、1つの平面内の直線的変位であるx軸、y
軸方向の並進変位と、同平面に直交する軸であるz軸ま
わりの回転変位とを行うことができる。B1はx軸、y
軸方向の並進変位を発生させる機構を有する第1のブロ
ツク、B2はz軸まわりの回転変位を発生させる機構を
有する第2のブロツク、2はこれらの変位が伝達されて
変位するテーブルであり、試料のセツト等のために用い
られる。微細位置決め装置は、大別するとこれらのもの
により構成されている。
【0006】第1のブロツクB1について説明すると、
4は剛性の高い部材からなる中心剛体部、5a,5bは
中心剛体部4からy軸方向に互いに反対向きに張り出し
た張り出し部、6a,6bは中心剛体部4からx軸方向
に互いに反対向きに張り出した張り出し部である。張り
出し部5a,5bの端部下端には、当該張り出し部5
a,5bを図示していないベースに設置、固定するため
下方へ突出した固定部7a,7bがそれぞれ形成され、
張り出し部6a,6bの端部上端には、第2のブロツク
2に結合するための連結部8a,8bがそれぞれ形成
されている。これら張り出し部5a,5b,6a,6
b、固定部7a,7b及び連結部8a,8bは、それぞ
れ中心剛体部4と同じ部材で構成され、一体に加工成形
される。
【0007】9Fxa,9Fxbは、張り出し部5a,5b
における中心剛体部4と固定部7a,7bとの間に所定
形状の貫通孔をあけ圧電素子を装着して構成された平行
たわみ梁変位機構であつて、互いに中心剛体部4に対し
て対称的に配置されており、両変位機構9Fxa,9Fxb
は、圧電素子を作動させることにより協動してx軸方向
の並進変位を発生する。10Fya,10Fybは、張り出
し部6a,6bにおける中心剛体部4と連結部8a,8
bとの間に構成、配置された平行たわみ梁変位機構であ
り、圧電素子を作動させることにより協動してy軸方向
の並進変位を発生する。これら平行たわみ梁変位機構9
xa,9Fxb,10Fya,10Fybの構造については、
図7に基づいて後に詳述する。
【0008】次に、第2のブロツクB2について説明す
ると、11は剛性の高い部材からなる中心剛体部、12
a,12bは中心剛体部11からx軸方向に互いに反対
向きに張り出した張り出し部であり、これらは、中心剛
体部11と同じ部材で構成されて一体に加工成形され
る。張り出し部12a,12bの端部下端には、連結部
13a,13bがそれぞれ形成されて第1のブロツクB
1の連結部8a,8bがこれらに結合されるようになつ
ており、中心剛体部11には、テーブル2に結合するた
めの突出した連結部14が形成されている。
【0009】15θza,15θzbは、張り出し部12
a,12bにおける中心剛体部11と連結部13a,1
3bとの間に所定形状の貫通孔をあけ圧電素子を装着し
て構成された放射たわみ梁変位機構であり、互いに中心
剛体部11に対して対称的に配置されており、両変位機
構15θza,15θzbは、圧電素子を作動させることに
より協動してz軸まわりの回転変位を発生する。これら
放射たわみ梁変位機構15θza,15θzbの構造につい
ては、図9に基づいて後に詳述する。
【0010】テーブル2について説明すると、テーブル
2は、微細位置決め装置上に取り付けられ試料が載置さ
れる。テーブル2の下面には、連結部16が形成されて
第2のブロツクB2の連結部14がこれに結合されるよ
うになつており、テーブル2を微細位置決め装置上に取
り付けることができる。テーブル2の上面には、その連
結部16の外側位置にレーザ変位計測用のL型ミラー3
が搭載されており、粗微動併用ステージの変位計測に用
いられる。
【0011】ここで、前述の平行たわみ梁変位機構及び
放射たわみ梁変位機構の構造をそれぞれ図7および図9
に基づいて説明する。図7および図8は、それぞれ作動
前、作動後の状態を表わす平行たわみ梁変位機構9
xa,9Fxb又は10Fya,10Fybの平面図である。
【0012】各図において、31a,31b,31cは
剛体部、34a1,34a2は剛体部31c,31a間に
互いに平行となるように連結された平行たわみ梁、34
1,34b2は剛体部31c,31b間に互いに平行と
なるように連結された平行たわみ梁、36a,36bは
アクチユエータとしての圧電素子である。剛体部31
c,31a間及び剛体部31c,31b間には、横転さ
せた略S字形状の貫通孔32a及び同じく略逆S字形状
の貫通孔32bが剛体部の左右両辺部近傍にわたりそれ
ぞれ形成されており、これらの貫通孔の形成により平行
たわみ梁34a1,34a2,34b1,34b2を形成す
るとともに、剛体部31a,31cからそれぞれ貫通孔
32a側に突出した左右の突出部、及び剛体部31b,
31cからそれぞれ貫通孔32b側に突出した左右の突
出部が形成されている。これら貫通孔32a側に突出し
た左右の突出部間及び貫通孔32b側に突出した左右の
突出部間には、それぞれ圧電素子36a,36bが装着
されている。
【0013】これらの圧電素子36a,36bに電圧を
印加していない図7の状態にある平行たわみ梁変位機構
において、その圧電素子36a,36bにそれぞれ所定
の電圧を印加すると、図8に示すように、これらの圧電
素子36a,36bがそれぞれ矢印f方向の力を発生し
て平行たわみ梁34a1,34a2,34b1,34b2
たわみ変形を起こし、その結果、剛体部31cを図中右
方向に変位させることができる。また、圧電素子36
a,36bに印加した電圧を取り除くと、各平行たわみ
梁34a1,34a2,34b1,34b2は変形前の状態
に復帰し、平行たわみ梁変位機構は図7の状態となる。
【0014】次いで、放射たわみ梁変位機構の構造を図
9に基づいて説明する。図9および図10はそれぞれ作
動前、作動後の状態を表わす放射たわみ梁変位機構の平
面図である。図において、41a,41b,41cは剛
体部、44a1,44a2及び44b1,44b2はそれぞ
れ相隣接する剛体部41c,41a間及び相隣接する剛
体部41c,41b間に連結され剛体部41cの点Oを
通る一点鎖線L1,L2に沿つて放射状に延びている放射
たわみ梁、46a,46bはアクチユエータとしての圧
電素子である。剛体部41c,41a間及び剛体部41
c,41b間には、共に略S字形状の貫通孔42a,4
2bが剛体部の上下周縁部近傍にわたり形成されてお
り、これらの貫通孔42a,42bの形成により放射た
わみ梁44a1,44a2,44b1,44b2を形成する
とともに、剛体部41c,41aからそれぞれ貫通孔4
2a側に突出した上下の突出部及び剛体部41b,41
cからそれぞれ貫通孔42b側に突出した上下の突出部
が形成されている。これら貫通孔42a側に突出した上
下の突出部間及び貫通孔42b側に突出した上下の突出
部間には、それぞれ圧電素子46a,46bが装着され
ている。
【0015】これらの圧電素子46a,46bに電圧を
印加していない図9の状態にある放射たわみ梁変位機構
において、その圧電素子46a,46bにそれぞれ所定
の電圧を印加すると、放射たわみ梁44a1,44a2
44b1,44b2が図10に示すようにたわみ変形を起
こす。その結果、これらの放射たわみ梁の剛体部41c
への各連結点は、一点鎖線L1,L2上からL’1,L’2
上の位置にずれることとなり、剛体部41cを点Oを中
心として図中時計まわりに回転させることができる。ま
た、圧電素子46a,46bに印加した電圧を取り除く
と、放射たわみ梁44a1,44a2,44b1,44b2
は、変形前の状態に復帰し、放射たわみ梁変位機構は図
9の状態となる。
【0016】次に、図6に示す微細位置決め装置の動作
について説明する。平行たわみ梁変位機構9Fxa,9F
xbの各圧電素子に所定の電圧を印加すると、これらの機
構の各平行たわみ梁は図8に示すように変形し、中心剛
体部4が張り出し部5a,5bに対して相対的にx軸方
向へ並進変位する。この並進変位は、張り出し部6a,
6bを経て同部から連結部8a,8b、連結部13a,
13bを介して張り出し部12a,12bへと伝達さ
れ、さらに、中心剛体部11を経て同部から連結部1
4、連結部16を介してテーブル2へと伝達され、テー
ブル2も同量だけx軸方向へ並進変位する。また、平行
たわみ梁変位機構10Fya,10Fybの各圧電素子に所
定の電圧を印加すると、同様にして、テーブル2はy軸
方向へ並進変位する。
【0017】一方、放射たわみ梁変位機構15θza,1
5θzbの各圧電素子に所定の電圧を印加すると、これら
の機構の各放射たわみ梁は図10に示すように変形し、
中心剛体部11が張り出し部12a,12bに対して相
対的にz軸まわりに時計方向に回転変位する。この回転
変位は、連結部14、連結部16を介してテーブル2に
伝達され、テーブル2も同量だけ時計方向に回転変位す
る。
【0018】以上、動作の説明をするに当たつては、x
軸方向、y軸方向の各並進変位及びz軸まわりの回転変
位のそれぞれについて説明したが、平行たわみ梁変位機
構9Fxa,9Fxb、平行たわみ梁変位機構10Fya,1
0Fyb、放射たわみ梁変位機構15θza,15θzbの任
意のものに適宜の電圧を印加することにより、各種、各
量の変位が合成された多様な微小変位を発生させること
ができ、テーブル2を自在に微小変位させることができ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上に例示
した微細位置決め装置を粗微動併用ステージの微動部と
して用いる場合、ブロツクB1に設けられた固定部7
a,7bが当該微細位置決め装置のベースとしての粗動
XYステージのテーブル上面に取り付けられ、そのテー
ブルの移動に伴つて微細位置決め装置全体も同様に移動
するため、粗動XYステージの加速・減速による慣性力
が外力として微細位置決め装置に作用する。このよう
に、微細位置決め装置を粗動XYステージにより移動さ
せる場合等、微細位置決め装置に外力が作用する場合に
は、特に微細位置決め装置のテーブルのうちその連結部
より外側の部分すなわち同装置のテーブルがテーブルの
連結部よりオーバーハングしている部分、さらにはその
オーバーハングしている部分に搭載される例えばL型ミ
ラー等の重量物により、そのテーブルの連結部にてこの
原理で大きなモーメントが作用する。そのため、微細位
置決め装置のテーブルには、X軸まわり又はY軸まわり
の回転振動が発生しやすい。また、そのテーブルの連結
部よりオーバーハングしている部分それ自体には、図6
からうかがい知ることができるように、板のたわみによ
る振動も発生しやすい。微細位置決め装置は、0.01
μmオーダの高精度の位置決めを達成するためのもので
あるから、これらの振動が発生すると、位置決め作業を
円滑に進めるのに支障を来たし、特に半導体製造装置等
の高速性を厳しく要求される装置にあつては、大きな問
題となる。
【0020】本発明の目的は、従来技術における課題を
解決し、テーブルのたわみ変形を抑え、慣性力等外力が
作用したとき、テーブルに発生する振動を低減すること
ができる微細位置決め装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、1つの平面内の任意の一軸方向の並進
変位を発生させる変位機構、前記平面内によつて前記軸
と直交する軸方向の並進変位を発生させる変位機構、お
よび前記各軸のそれぞれと直交する軸まわりの回転変位
を発生させる変位機構のうちの少なくとも一つの変位機
構と、当該変位機構により変位せしめられるテーブルと
を備え、ベースに固定された微細位置決め装置におい
て、前記ベースと前記テーブルにおける取付け部より外
側の位置との間に、前記平面と直交する軸方向の荷重に
対して高い剛性を有するとともに変位を発生させる方向
に対してその変位を妨げないように自由に変形し得るヒ
ンジを複数連結したことを特徴とする。
【0022】
【作用】微細位置決め装置に慣性力等の外力が作用し、
その外力に起因してテーブルが前記平面と垂直方向に変
位しようとしても、その変位は当該方向に高い剛性を有
するヒンジにより阻止され、テーブルの振動は低減され
る。また、ヒンジは、変位を発生させる方向に自由にた
わみ得て、微細位置決め装置の動作を妨げることはな
い。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0024】図1は本発明の実施例に係る微細位置決め
装置の分解斜視図である。この図で、図6に示す部分と
同一部分には同一符号を付して説明を省略する。17は
粗微動併用ステージにおける粗動XYステージのテーブ
ルのような微細位置決め装置を搭載、固定するためのベ
ースである。18a,18b,18c,18dはヒンジ
である。ヒンジ18aは上端部及び下端部にそれぞれ連
結部18a1,18a2を有し、同様に他の各ヒンジ18
b,18c,18dも連結部18b1,18b2、連結部
18c1,18c2、連結部18d1,18d2をそれぞれ
有する。これらの各ヒンジ18a,18b,18c,1
8dは、それぞれ上端部の連結部18a1,18b1,1
8c1,18d1をテーブル2に連結し、下端部の連結部
18a2,18b2,18c2,18d2をベース17に連
結して、テーブル2とベース17との間をz軸方向に連
結する。その連結は、テーブル2をブロツクB2の中心
剛体部11に連結する連結部16、すなわちテーブル2
の取り付け部よりも外側の部位で行い、それゆえ、テー
ブル2は、その連結部16からオーバーハングしている
部分がこれらの各ヒンジ18a,18b,18c,18
dによりベース17に連結されることになる。各ヒンジ
18a,18b,18c,18dは、慣性力等の外力が
作用した際そのオーバーハングしている部分に発生する
振動を低減できるだけの高い剛性をz軸方向に有する
が、テーブル2を各変位機構9Fxa,9Fxb,10
ya,10Fyb,15θza,15θzbにより変位させる
方向に対しては自由に変形し得るようにされている。な
お、図1では、このようなヒンジを4本用いた例を示し
ているが、用いるヒンジの数は、これに限定されるもの
ではない。
【0025】図2は図1に示すヒンジ18aの構造の具
体例を説明する説明図である。図で、左側の図は非変形
時の斜視図、中央はその断面図、右側の図は変形時の斜
視図である。なお、他のヒンジの構造も同じである。ま
た、図1に示すヒンジと同一部分には同一符号が付して
ある。18a0は円柱形の中心部18a3は連結部18a
1と中心部18a0とを結合する切り欠き部、18a4
連結部18a2と中心部18a0とを結合する切り欠き部
である。一点鎖線A0は、連結部18a1,18a2、中
心部18a0の中心を通る軸を示すものであり、切り欠
き部18a3,18a4は、この軸A0を含むどの面で切
つても中央の図に示すように半円形断面となるような構
造をしている。各ヒンジ18a,18b,18c,18
dは、このような構造の切り欠き部を有していることか
ら、右側の図に示すように各連結部18a1,18a
2に、軸A0に直交する方向で逆向きの力fが作用する
と、連結部18a1の中心軸A1と連結部18a2の中心
軸A2とがずれるようにたわむことができ、その力fの
方向に自由に変形し得る。切り欠き部18a1,18a2
は前記のとおり、軸Aを含むどの面で切つても同じ断面
となる構造をしているから、軸A0と直交する方向の力
であればどのような方向の力が作用しても同様の結果を
得ることができ、ヒンジはその力の方向に自由に変形で
きる。また、切り欠き部がこのような構造のものであれ
ば、ヒンジは連結部18a1,18a2に軸A0まわりの
回転力が作用しても、その回転方向に自由に変形でき
る。なお、これらの変形は、微細位置決め装置の並進変
位や回転変位によりもたらされるものであるから、きわ
めて微細なものである。一方、そのヒンジは前述のよう
に、z軸方向すなわち軸A0方向の荷重に対しては高い
剛性を有している。
【0026】図3は図1に示すヒンジ18aの他の具体
例を説明する説明図であり、左側の図が斜視図、右側の
図が断面図である。図で、図2に示す部分と同一部分に
は同一符号が付してある。この具体例において、切り欠
き部180a3,180a4は中心軸を含むどの面で切つ
ても三角形断面となるような構造をしている。図3に示
すヒンジも図2に示すヒンジと同様、中心軸と直交する
方向及び中心軸まわりの回転方向に自由に変形でき、か
つ、中心軸方向の荷重に対しては高い剛性を有してい
る。
【0027】なお、以上述べたヒンジの各連結部及び中
心部は、円柱形のものだけに限定される必要はなく、ま
た、各切り欠き部も図2および図3に示すような断面の
構造のものだけに限定されることはなく、要は、ヒンジ
がその軸方向に対して高い剛性を有し、微細位置決め装
置の変位機構により変位を発生させようとする方向に対
して自由に変形し得るように構成されていればよい。
【0028】次に、図1に示す微細位置決め装置の動作
について説明する。同装置の平行たわみ梁機構及び放射
たわみ梁機構も、その作動については前述した従来例の
ものと同様であるので、説明を省略する。図1に示す微
細位置決め装置において、平行たわみ梁機構9Fxa,9
xbの圧電素子に任意の電圧を印加し、テーブル2をx
軸方向に並進変位させる場合、各ヒンジ18a,18
b,18c,18dは、いずれも図2に示すようにたわ
んで変形し、テーブル2がx軸方向へ並進変位するのを
妨げることはない。同様に、テーブル2をy軸方向に並
進変位させる場合及びz軸まわりに回転変位させる場合
にも、各ヒンジ18a,18b,18c,18dは、変
位させる方向に自由に変形してその変位を妨げることは
ない。
【0029】一方、各ヒンジ18a,18b,18c,
18dは、z軸方向の荷重に対して高い剛性を有してい
るので、テーブル2をx軸まわり及びy軸まわりに回転
させる方向の剛性も高くなり、微細位置決め装置に慣性
力等の外力が作用したとしても、テーブル2に発生する
x軸まわりやy軸まわりの回転振動を抑制でき、同時
に、テーブル2がたわむことによる振動も抑制できる。
【0030】このような本実施例の効果を、図4および
図5により説明する。図4は従来の微細位置決め装置を
用いた場合の位置偏差を示すグラフ、図5は本実施例の
微細位置決め装置を用いた場合の位置偏差を示すグラフ
であり、いずれも実験により得られた図である。各図と
も横軸に時間、縦軸に位置偏差がとつてあり、位置偏差
は時間0.18秒経過後は10000倍に拡大して描か
れている。
【0031】図4に示す0秒〜0.18秒の曲線は、テ
ーブル2上の所定点が減速開始後0.18秒経過したと
き目標位置(位置偏差0)に達したことを示している。
しかし、0.18秒後の縦軸のスケールを10000倍
に拡大してみると、従来の微細位置決め装置では、振動
しながら目標位置に接近し、目標位置に到達後も当該振
動が継続して、0.45秒経過しても目標位置に停止す
ることができないのは明らかである。
【0032】これに対して本実施例の微細位置決め装置
ではヒンジ18a,18b,18c,18dが設けられ
ているため、図5から明らかなように、上記図4に示す
ような従来の微細位置決め装置において発生する振動は
大幅に抑制され、ほぼ0.27秒経過した時点で目標位
置に停止しており、この実験により本実施例の効果は明
らかである。
【0033】なお、上記実施例の説明では、x軸方向、
y軸方向の並進変位及びz軸まわりの回転変位を行うこ
とができる3軸の微細位置決め装置について示したが、
本発明は、これに限定されるものではなく、要は、一平
面内の任意の一軸方向の並進変位を発生させる変位機構
と同平面内の他の軸方向の並進変位を発生させる変位機
構と同平面と直交する軸まわり回転変位を発生させる変
位機構のうち、少なくとも一つの変位機構を備えている
ものであればよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、微細位置決め装置のテ
ーブルとそのベースとの間を、振動の発生原因となる特
定方向の荷重に対して高い剛性を有するとともに変位を
発生させる方向には自由に変形し得る複数のヒンジによ
りテーブルの取り付け部よりも外側の部位で連結するよ
うにしたため、微細位置決め装置に慣性力等の外力が作
用しても、これらのヒンジの有する高い剛性によりこの
ような外力に起因する振動を低減することができ、微細
位置決め装置による位置決め作業を円滑に進めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る微細位置決め装置の分解
斜視図である。
【図2】図1に示すヒンジの具体例を示す図である。
【図3】図1に示すヒンジの他の具体例を示す図であ
る。
【図4】従来の微細位置決め装置の動作を示すグラフで
ある。
【図5】本実施例の微細位置決め装置の動作を示すグラ
フである。
【図6】従来の微細位置決め装置の分解斜視図である。
【図7】平行たわみ梁変位機構の平面図である。
【図8】平行たわみ梁変位機構の平面図である。
【図9】放射たわみ梁変位機構の平面図である。
【図10】放射たわみ梁変位機構の平面図である。
【符号の説明】
2 テーブル 9Fxa,9Fxb,9Fya,9Fyb 平行たわみ梁変位機
構 15θza,15θzb 放射たわみ梁変位機構 17 ベース 18a,18b,18c,18d ヒンジ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの平面内の任意の一軸方向の並進変
    位を発生させる変位機構、前記平面内において前記軸と
    直交する軸方向の並進変位を発生させる変位機構、およ
    び前記各軸のそれぞれと直交する軸まわりの回転変位を
    発生させる変位機構のうちの少なくとも一つの変位機構
    と、当該変位機構により変位せしめられるテーブルとを
    備え、ベースに固定された微細位置決め装置において、
    前記ベースと前記テーブルにおける取付け部より外側の
    位置との間に、前記平面と直交する軸方向の荷重に対し
    て高い剛性を有するとともに変位を発生させる方向に対
    してその変位を妨げないように自由に変形し得るヒンジ
    を複数連結したことを特徴とする微細位置決め装置。
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