JPH05334967A - マイクロ波管用出力部窓材 - Google Patents
マイクロ波管用出力部窓材Info
- Publication number
- JPH05334967A JPH05334967A JP12152092A JP12152092A JPH05334967A JP H05334967 A JPH05334967 A JP H05334967A JP 12152092 A JP12152092 A JP 12152092A JP 12152092 A JP12152092 A JP 12152092A JP H05334967 A JPH05334967 A JP H05334967A
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- JP
- Japan
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- output window
- ceramic
- microwave tube
- output
- secondary electron
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ピルボックス構造型のマイクロ波管用出力部が
動作時において、出力窓セラミックス上で高周波放電が
起こるためにマイクロ波を導出できなくなるのを防ぐ。 【構成】円板状の出力窓セラミックス２の表面に焼結助
剤が面積比で５０％以上存在し、かつ、その表面粗さが
０．６μｍ以下になるよう調製する。これにより出力窓
セラミックス２表面の二次電子放出係数が下がり、セラ
ミックス表面上で高周波放電が発生することを防ぐ。
動作時において、出力窓セラミックス上で高周波放電が
起こるためにマイクロ波を導出できなくなるのを防ぐ。 【構成】円板状の出力窓セラミックス２の表面に焼結助
剤が面積比で５０％以上存在し、かつ、その表面粗さが
０．６μｍ以下になるよう調製する。これにより出力窓
セラミックス２表面の二次電子放出係数が下がり、セラ
ミックス表面上で高周波放電が発生することを防ぐ。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波管用出力部窓
材に関し、特にピルボックス構造と呼ばれる導波管と出
力窓セラミックスを用いたマイクロ波管の出力部に使用
するマイクロ波管用出力部窓材に関する。
材に関し、特にピルボックス構造と呼ばれる導波管と出
力窓セラミックスを用いたマイクロ波管の出力部に使用
するマイクロ波管用出力部窓材に関する。
【０００２】
【従来の技術】マイクロ波管の出力部に用いられる出力
窓セラミックスは、真空封止とマイクロ波の透過という
２つの役割を持っている。一般には、マイクロ波管の出
力部は、図３（ａ），（ｂ）に示すように、金属製の円
筒体１に円板状の出力窓セラミックス２が接合した構造
である。ところが、この出力窓セラミックス２の部分は
電界が集中しやすく、出力窓セラミックス２と金属製の
円筒体１とのろう付部３においてろう材の結晶成長によ
る微細な突起に電界が集中した場合に、電界方向に放電
が発生し、最悪の場合には、動作時の高周波電界により
高周波放電へと進展してマイクロ波の導出が行なわれな
くなる。さらには、高周波放電時の発熱により出力窓セ
ラミックス２が割れてしまう場合もある。
窓セラミックスは、真空封止とマイクロ波の透過という
２つの役割を持っている。一般には、マイクロ波管の出
力部は、図３（ａ），（ｂ）に示すように、金属製の円
筒体１に円板状の出力窓セラミックス２が接合した構造
である。ところが、この出力窓セラミックス２の部分は
電界が集中しやすく、出力窓セラミックス２と金属製の
円筒体１とのろう付部３においてろう材の結晶成長によ
る微細な突起に電界が集中した場合に、電界方向に放電
が発生し、最悪の場合には、動作時の高周波電界により
高周波放電へと進展してマイクロ波の導出が行なわれな
くなる。さらには、高周波放電時の発熱により出力窓セ
ラミックス２が割れてしまう場合もある。
【０００３】ここで注目しなければならない点は、放電
の起点は必ずろう付部３であるが、マイクロ波の導出が
行なわれなくなるような程度の大きい高周波放電は、ろ
う付部３より発生した電子が出力窓セラミックス２の表
面に衝突して増幅されるために起こることである。この
出力窓セラミックス２の表面に電子が衝突した際放出さ
れる電子は二次電子と呼ばれ、入射した電子一個当りか
ら放出される二次電子の数は二次電子放出比と定義され
ている。一般に、セラミックスの二次電子放出比は１よ
り大きく、その値はセラミックスの表面粗さ、成分等に
よって決定される。従来のセラミックスの表面粗さは
１．２μｍであった。
の起点は必ずろう付部３であるが、マイクロ波の導出が
行なわれなくなるような程度の大きい高周波放電は、ろ
う付部３より発生した電子が出力窓セラミックス２の表
面に衝突して増幅されるために起こることである。この
出力窓セラミックス２の表面に電子が衝突した際放出さ
れる電子は二次電子と呼ばれ、入射した電子一個当りか
ら放出される二次電子の数は二次電子放出比と定義され
ている。一般に、セラミックスの二次電子放出比は１よ
り大きく、その値はセラミックスの表面粗さ、成分等に
よって決定される。従来のセラミックスの表面粗さは
１．２μｍであった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のマイク
ロ波管の出力部では、一旦、放電が発生すると出力窓セ
ラミックス表面上での高周波放電は指数関数的に増幅さ
れるので防止できなくなるという欠点がある。
ロ波管の出力部では、一旦、放電が発生すると出力窓セ
ラミックス表面上での高周波放電は指数関数的に増幅さ
れるので防止できなくなるという欠点がある。
【０００５】本発明の目的は、電界の集中するろう付部
から放電が発生しても出力窓セラミックス表面上での高
周波放電を抑制できるマイクロ波管用出力部窓材を提供
することにある。
から放電が発生しても出力窓セラミックス表面上での高
周波放電を抑制できるマイクロ波管用出力部窓材を提供
することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波管用
出力部窓材は、セラミックスの表面にシリカを主成分と
する焼結助剤が前記セラミックスの表面積に対して少く
とも５０％存在し、かつ、前記セラミックスの表面の平
均表面粗さが０．６μｍ以下である。
出力部窓材は、セラミックスの表面にシリカを主成分と
する焼結助剤が前記セラミックスの表面積に対して少く
とも５０％存在し、かつ、前記セラミックスの表面の平
均表面粗さが０．６μｍ以下である。
【０００７】
【作用】セラミックス表面での高周波放電現象からセラ
ミックスの二次電子放出係数に着目し、ろう付部から発
生した電子がセラミックス表面で増幅されている仮定か
ら、二次電子放出係数と呼ばれるセラミックス表面に入
射した電子一個当りから放出される二次電子の数を調査
した。その結果、二次電子放出係数が小さい窓材ほど高
周波放電が発生しにくいということを見出し、その要因
を調べたところ、セラミックス表面の焼結助剤の量と表
面粗さに起因していることが明らかとなった。
ミックスの二次電子放出係数に着目し、ろう付部から発
生した電子がセラミックス表面で増幅されている仮定か
ら、二次電子放出係数と呼ばれるセラミックス表面に入
射した電子一個当りから放出される二次電子の数を調査
した。その結果、二次電子放出係数が小さい窓材ほど高
周波放電が発生しにくいということを見出し、その要因
を調べたところ、セラミックス表面の焼結助剤の量と表
面粗さに起因していることが明らかとなった。
【０００８】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【０００９】第１の実施例は、ベースとした試料には、
直径３０ｍｍ，厚み１ｍｍの面取りした緻密質９５％の
アルミナセラミックスで、アルミナセラミックス表面に
占める焼結補助剤の量が２０％，表面粗さが０．８μｍ
の表１に示す試料Ｎｏ３を用い、研磨法，シリカの塗布
加工を変更して表１に示すように、９種類のアルミナセ
ラミックス円板を調製し、出力３００ｋＷ，周波数１０
ＧＨｚで高周波放電実験及び二次電子放出比の測定を行
った。
直径３０ｍｍ，厚み１ｍｍの面取りした緻密質９５％の
アルミナセラミックスで、アルミナセラミックス表面に
占める焼結補助剤の量が２０％，表面粗さが０．８μｍ
の表１に示す試料Ｎｏ３を用い、研磨法，シリカの塗布
加工を変更して表１に示すように、９種類のアルミナセ
ラミックス円板を調製し、出力３００ｋＷ，周波数１０
ＧＨｚで高周波放電実験及び二次電子放出比の測定を行
った。
【００１０】
【表１】
【００１１】図１は本発明の第１の実施例の二次電子放
出比の測定結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放
出係数の関係を示す特性図である。
出比の測定結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放
出係数の関係を示す特性図である。
【００１２】その結果、表１及び図１に示すように、ア
ルミナセラミックス表面に占める焼結助剤の量が５０％
以上で、かつ、表面粗さが０．６μｍ以下の試料は二次
電子放出係数が小さく、高周波放電の発生は認められな
かった。
ルミナセラミックス表面に占める焼結助剤の量が５０％
以上で、かつ、表面粗さが０．６μｍ以下の試料は二次
電子放出係数が小さく、高周波放電の発生は認められな
かった。
【００１３】第２の実施例は、直径３０ｍｍ，厚み１ｍ
ｍで面取りをしない緻密質９９．５％のアルミナセラミ
ックスの試料１種類について第１の実施例と同様の測定
を行った。
ｍで面取りをしない緻密質９９．５％のアルミナセラミ
ックスの試料１種類について第１の実施例と同様の測定
を行った。
【００１４】
【表２】
【００１５】図２は本発明の第２の実施例の二次電子放
出比の測定結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放
出係数の関係を示す特性図である。
出比の測定結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放
出係数の関係を示す特性図である。
【００１６】その結果、このようにして得られたマイク
ロ波管用出力部窓部材は、表２及び図２に示すように、
出力部に出力３００ｋＷ，周波数１０ＧＨｚでパルス動
作させても高周波放電は全く発生しなかった。
ロ波管用出力部窓部材は、表２及び図２に示すように、
出力部に出力３００ｋＷ，周波数１０ＧＨｚでパルス動
作させても高周波放電は全く発生しなかった。
【００１７】高純度セラミックスでは焼結助剤の量は８
０％あるので、高周波放電に対して耐性が良好である。
０％あるので、高周波放電に対して耐性が良好である。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、出力部窓
セラミックス表面に焼結助剤を十分存在させ、かつ、表
面粗さを小さくしてセラミックス表面の二次電子放出係
数を減少させることにより、高周波放電を完全に防止す
ることができ信頼性の高いマイクロ波管用出力部窓材を
提供することができる効果がある。
セラミックス表面に焼結助剤を十分存在させ、かつ、表
面粗さを小さくしてセラミックス表面の二次電子放出係
数を減少させることにより、高周波放電を完全に防止す
ることができ信頼性の高いマイクロ波管用出力部窓材を
提供することができる効果がある。
【図１】本発明の第１の実施例の二次電子放出比の測定
結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放出係数の関
係を示す特性図である。
結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放出係数の関
係を示す特性図である。
【図２】本発明の第２の実施例の二次電子放出比の測定
結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放出係数の関
係を示す特性図である。
結果を示す入射電子エネルギーと二次電子放出係数の関
係を示す特性図である。
【図３】従来のマイクロ波管用出力部の一例の断面図及
びその斜視図である。
びその斜視図である。
１ 円筒体 ２ 出力窓セラミックス ３ ろう付部
Claims (1)
- 【請求項１】 セラミックスの表面にシリカを主成分と
する焼結助剤が前記セラミックスの表面積に対して少く
とも５０％存在し、かつ、前記セラミックスの表面の平
均表面粗さが０．６μｍ以下であることを特徴とするマ
イクロ波管用出力部窓材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12152092A JP2830607B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | マイクロ波管用出力部窓材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12152092A JP2830607B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | マイクロ波管用出力部窓材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05334967A true JPH05334967A (ja) | 1993-12-17 |
| JP2830607B2 JP2830607B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14813258
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12152092A Expired - Lifetime JP2830607B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | マイクロ波管用出力部窓材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2830607B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013526765A (ja) * | 2010-05-18 | 2013-06-24 | イー２ヴイ テクノロジーズ （ユーケイ） リミテッド | 電子管 |
| JP2014111524A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-06-19 | Kyocera Corp | アルミナ質焼結体および耐電圧部材ならびにマイクロ波透過窓 |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP12152092A patent/JP2830607B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013526765A (ja) * | 2010-05-18 | 2013-06-24 | イー２ヴイ テクノロジーズ （ユーケイ） リミテッド | 電子管 |
| JP2014111524A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-06-19 | Kyocera Corp | アルミナ質焼結体および耐電圧部材ならびにマイクロ波透過窓 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2830607B2 (ja) | 1998-12-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980825 |