JPH05331984A - ノンスリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 階段の踏面の縁付近に取り付けられ、昇降者
が足を滑らせることによる事故を防止するノンスリップ
であって、暗所における階段の昇降の安全性を向上させ
ることができるノンスリップを提供する。 【構成】 足を滑らせるのを防止する凹凸が上面に設け
られたノンスリップを、蛍光物質を含有する合成樹脂で
形成する。または、上面に凹凸が設けられたノンスリッ
プの上面凹部に、蛍光物質を含有する塗料を塗布したも
のとする。上記蛍光物質は暗所においてしばらくは発光
が継続するものを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、階段の踏面の縁付近に
取り付けられ、階段の昇降の際の安全性を確保するノン
スリップに係り、特に夜間の無燈下における昇降を安全
に行えるようにしたノンスリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等の階段の踏面に設置さ
れ、昇降の際の滑り止め機能を有するノンスリップとし
て、例えば特公昭６１−１５０９２７号公報に開示され
るものが知られている。

【０００３】このノンスリップは、長手方向にほぼ同断
面を有し、上面には摩擦を大きくして階段の昇降者が足
を滑らせるのを防止するための凹凸が設けられている。
また、下面には階段の踏面にしっかりと固着することが
できる取り付け部が設けられている。

【０００４】このようなノンスリップは、階段の踏面の
縁に沿って取り付けられ、昇降者が踏面から足を滑らせ
て踏みはずすのを防止するようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなノンスリップを用いる場合であっても、夜間にお
ける停電や電燈の故障の際等には階段を視認できないま
ま昇降しなければならず、階段を踏みはずしたりする等
の危険を伴うという問題点がある。

【０００６】一方、ビル等の避難階段においては、緊急
時に非常電源からの電源供給を受けて誘導灯が点灯され
安全に避難できるようにする装置が設置されているが、
万が一の故障にあってはパニックとなる恐れがある。

【０００７】また、一般家庭においてはコスト等の面か
ら上記のような誘導灯を手軽に設置することはできず、
緊急時における階段の昇降には、安全性の面で特に問題
がある。

【０００８】本発明は以上のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、夜間における停電や電燈の故障の際等
においても安全な階段の昇降を可能にするノンスリップ
を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項１に記載の発明は、階段の踏面の縁付近に取
り付けられ、上面に凹凸が形成されたノンスリップを前
提とし、蛍光物質を含有する合成樹脂により形成されて
いることを特徴とするノンスリップを提供する。

【００１０】また、請求項２に記載の発明は、階段の踏
面の縁付近に取り付けられ、上面に凹凸が形成されたノ
ンスリップを前提とし、上面の凹部に蛍光物質を含有す
る塗料が塗布されていることを特徴とするノンスリップ
を提供する。

【００１１】上記請求項１または請求項２に記載の発明
に係るノンスリップは、踏面の縁付近に階段のほぼ全幅
にわたって設けられていることが望ましく、踏面への固
定方法は、ノンスリップの下面に嵌合突部を設けて踏面
に設けられた溝部に嵌合して固定する構造としてもよい
し、また、踏面にノンスリップの下面を接触させて釘、
接着剤によって固定してもよく、その構造は適宜設定す
ることができる。

【００１２】上記請求項１または請求項２に記載のノン
スリップにおいて、蛍光物質は、光、熱、粒子線や機械
的刺激などを受けてエネルギーを吸収して可視部の波長
を持つ光を再放出する物質のうち、暗所において光等の
刺激がなくても、発光がなお継続する物質であり、発光
の継続時間が、少なくとも緊急時に階段を利用する者が
避難するかもしくは安全を確保するための措置を取るの
に必要な時間以上となるものが望ましい。このような蛍
光物質として例えば輝度及び残光特性の良い無機蛍光顔
料や有機蛍光顔料を選択することができる。また、蛍光
物質に放射性物質を混合し、長時間にわたって発光が持
続するものを用いることもできる。

【００１３】また、上記請求項１に記載の合成樹脂から
なるノンスリップは、上面に滑り止めの凹凸を有するも
のであれば、厚さ、幅、形状等は適宜に設定することが
でき、また、製造方法も射出成型法等適切な方法を選択
することができる。

【００１４】さらに、請求項２の記載のノンスリップも
上面に凹凸を有するものであれば厚さ、幅、形状等は適
宜に設定でき、凹部に蛍光物質を含む塗料を塗布する方
法も転写又は塗沫による方法等適切な方法を選択するこ
とができる。

【００１５】

【作用】請求項１に係る発明によれば、階段の踏面の縁
付近に取り付けられ、上面に凹凸を有するノンスリップ
が、蛍光物質を含有する合成樹脂により形成されている
ので、階段の昇降時に踏面で足を滑らせることによる事
故を防止することができるとともに、夜間における停電
や電燈の故障の際等にもノンスリップの発光により、踏
面の位置を容易に視認することが可能となり、階段の昇
降時の安全性を向上することができる。

【００１６】また、ビル等の避難階段において誘導灯が
故障した場合においても、階段の昇降を安全に行なうこ
とが可能となり、パニックの発生等を未然に防止するこ
とができる。

【００１７】さらに、ノンスリップの全体が蛍光物質を
含有する合成樹脂により形成されているので、蛍光物質
を含む塗料を表面に塗布する場合と比較してノンスリッ
プの摩耗等により発光機能が減退するのを防止すること
が可能となる。

【００１８】また、請求項２に係る発明によれば、階段
の踏面の縁付近に取り付けられたノンスリップの上面の
凹部に蛍光物質を含有する塗料が塗布されているので、
夜間における停電等の場合にも容易に踏面の位置を視認
することができるとともに、ノンスリップの凸部が多少
摩耗することがあっても凹部に塗布された塗料の剥離を
防止することが可能となる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００２０】図１は、請求項１に係る発明の一実施例で
あるノンスリップを示す図であり、図１（ａ）は概略斜
視図、図１（ｂ）は概略断面図である。

【００２１】このノンスリップ１は、蛍光物質を含有す
る合成樹脂からなり、長手方向にほぼ同断面を有すると
ともに、上面に長手方向に連続した溝１ａを複数設ける
ことにより凹凸を形成したものである。

【００２２】このようなノンスリップ１が階段のすべて
の踏面２の縁付近において階段のほぼ全幅にわたって取
り付けられている。

【００２３】上記合成樹脂に含有される蛍光物質は主と
して無機蛍光顔料又は有機蛍光顔料が用いられ、輝度及
び残光特性が良く暗所においても発光が持続するものが
選択される。

【００２４】例えば、無機蛍光顔料としては、Ｃａ，Ｂ
ａ，Ｍｇ，Ｚｎ，Ｃｄ等の酸化物、硫化物、ケイ酸塩、
リン酸塩、タングステン酸塩等を主成分とし、これに１
〜０．０１％のＭｎ，Ａｇ，Ｃｕ，Ｓｂ，Ｐｂ等の活性
剤を添加して１０００℃程度の高温下で３０分〜数時間
焼成して製造することができる。

【００２５】上記ノンスリップは、これらの無機蛍光顔
料又は有機蛍光顔料を蛍光特性に障害を与えないような
合成樹脂、例えば塩化ビニル樹脂、ＡＢＳ樹脂、又はポ
リエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂と混合し、射出成型法
により所定の形状に成型して製造される。

【００２６】このようなノンスリップでは、発光により
暗所においても踏面２の縁部の位置を視認でき、昇降の
際の安全性を確保できるとともに、ノンスリップの摩耗
等により発光機能が減退することがないという利点を有
している。

【００２７】図２は請求項２に係る発明の一実施例であ
るノンスリップを示す図であり、図２（ａ）は概略斜視
図、図２（ｂ）は概略断面図である。

【００２８】このノンスリップ１１は、ステンレススチ
ール、アルミニウム等の金属材料からなり、上面に長手
方向に連続した凹部１１ａを平行に複数有する板状材で
あり、凹部１１ａに、蛍光物質を含む塗料を塗布した蛍
光層１２を有している。

【００２９】蛍光物質としては上記実施例と同様に有機
蛍光顔料又は無機蛍光顔料が用いられ、これらを用いて
製造された蓄光塗料又は、放射性物質と混合して製造さ
れた夜光塗料が前記凹部１１ａにほぼ一定の厚さで塗布
されている。

【００３０】なお、上記ノンスリップ１１の階段への取
り付け位置及び方法は前記実施例と同様である。

【００３１】このようなノンスリップ１１では、蛍光層
１２がノンスリップ上面の凹部１１ａに設けられている
ので、暗所でも視認できるとともにノンスリップを長期
にわたって使用しても蛍光層１２が剥離するのを防止す
ることができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１又は請求
項２に記載の発明に係るノンスリップによれば、階段昇
降者が踏面で足を滑らせることによる事故を防止するこ
とができるとともに、ほとんど可視光のない暗所におい
ても、階段の踏面に設置されたノンスリップが発光する
ので、その位置を視認し、踏面の縁を確認することがで
きる。

【００３３】これにより、夜間の停電時や電燈の故障時
等においても階段の昇降を安全に行なうことができる。
また、摩耗等による発光機能の減退を防止することもで
き、耐久性に優れたノンスリップが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に記載の発明の一実施例であるノンス
リップを示す概略図である。

【図２】請求項２に記載の発明の一実施例であるノンス
リップを示す概略図である。

【符号の説明】

１ ノンスリップ ２ 踏面 １１ ノンスリップ １２ 蛍光層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】階段の踏面の縁付近に取り付けられ、上面
   に凹凸が形成されたノンスリップにおいて、 蛍光物質を含有する合成樹脂により形成されていること
   を特徴とするノンスリップ。
2. 【請求項２】階段の踏面の縁付近に取り付けられ、上面
   に凹凸が形成されたノンスリップにおいて、 上面の凹部に蛍光物質を含有する塗料が塗布されている
   ことを特徴とするノンスリップ。