JPH0533183U - Ｌｅｄ表示ユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた放熱特性、部品点数の低減によるコスト
ダウン、奥行き寸法の短縮化および小型軽量化を達成し
たＬＥＤ表示ユニットを提供する。 【構成】放熱部材（２３）を、クーリング用平板部（２
４）と放熱板部（２５）とを１枚の金属板の曲げ加工に
より一体形成した構成とする。クーリング用平板部を表
示部（１）の背面に密接し、放熱板部をクーリング用平
板部の側辺から駆動回路基板（４）の端辺近傍を通り後
方に延出させる。クーリング用平板部と放熱板部の一体
化と、駆動回路基板を挿通させないことによる放熱板の
幅広化により、放熱性能が格段に向上する。また、クー
リング用平板部の背面に、先端に嵌合爪を備えた合成樹
脂製の取付部材の基端部分を一体成形により結合する。
この取付部材と放熱部材との一体化と固定ねじが不要に
なることとにより部品点数を低減でき、小型軽量化と奥
行き寸法の短縮化とを達成できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、表示画素となるＬＥＤチップがマトリックス状に配設され、多数個 を固定枠体に取り付けて面一に配置することにより大型表示画面のＬＥＤ表示装 置を構成するＬＥＤ表示ユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

斯かるこの種のＬＥＤ表示ユニットは、それの分解斜視図を示した図４および 切断平面図を示した図５のような構成になっている。即ち、表示部（１）、クー リング用平板部（２）、取付部材（３）および駆動回路基板（４）が前方側（図 ４の左側）から順次配列されて一体に合体されている。そして、表示部（１）と して４個の同一の矩形状表示ブロックを並設した構成のものを例示してあり、各 々の表示ブロックは、ドットプレート（５）、ＬＥＤ配線板（６）および熱伝導 シリコンゴム（７）とにより構成されており、ＬＥＤ配線板（６）には、これの 前面の配線回路パターンに例えば１６×１６個のＬＥＤチップ（図示せず）がマ トリックス状に配列してボンディング実装されており、この各ＬＥＤチップに給 電するためのターミナルピン（８）は、２列に配列され、且つＬＥＤ配線板（６ ）を貫通して配線回路パターンに電気的に導通している。ドットプレート（５） には、各ＬＥＤチップに対向して表示孔（９）が配設されており、ＬＥＤ配線板 （６）の前面に貼り合わされている。熱伝導ゴム（７）は各ターミナルピン（８ ）を挿通させてＬＥＤ配線板（６）の背面に貼り合わされている。

【０００３】 クーリング用平板部（２）は、例えばアルミニューム板等の金属板により形成 され、表示部（１）の背面から突出した２列４組の各ターミナルピン（８）群を それぞれ挿通させる長孔状の８個の挿通孔（１０）が所要箇所に穿設され、背面 四隅に雌ねじ部（１１）が突設されているとともに、中央部に後述の放熱板（１ ９）の取付用ねじ孔（１２）が形成されている。また、取付部材（３）は合成樹 脂により一体成形され、クーリング用平板部（２）と同様に所要箇所に８個の挿 通孔（１４）が配設され、且つ中央部に放熱板（１９）の挿通孔（１５）が穿設 され、背面四隅に前述の雌ねじ部（１１）の嵌合筒部（１６）が突設され、この 各嵌合筒部（１６）に近接して先端部に嵌合爪を有する取付用脚部（１７）が突 設されている。

【０００４】 そして、雌ねじ部（１１）を嵌合筒部（１６）に嵌入して後方から固定ねじ（ ２０）を雌ねじ部（１１）に螺合することによりクーリング平板部（２）と取付 部材（３）とが固定され、所要の電子部品が実装された駆動回路基板（４）は、 取付部材（３）に当接されているとともに、クーリング用平板部（２）および取 付部材（３）の各挿通孔（１０），（１４）を挿通したターミナルピン（８）が 半田付けされて固定されており、このターミナルピン（８）を介して表示部（１ ）と駆動回路基板（４）とによりクーリング用平板部（２）および取付部材（３ ）が挟持固定されている。また、Ｌ字形状の放熱板（１９）の先端部が、駆動回 路基板（４）および取付部材（３）の各々の挿通孔（１８），（１５）を挿通し て固定ねじ（２０）のねじ孔（１２）への螺合によりクーリング用平板部（２） に固着されている。

【０００５】 このようにして一体化されたＬＥＤ表示ユニットは、これの４個の取付用脚部 （１７）の先端部の嵌合爪を格子状固定枠体（２１）の係合部（２２）に嵌合す ることにより取り付けられ、この同一形状の多数個のＬＥＤ表示ユニットが各々 の前面を面一に並設して固定枠体（２１）に取り付けられることにより、大型表 示画面のＬＥＤ表示装置が構成される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

このように、この種のＬＥＤ表示ユニットは、同一のものを上下左右に配置し て大型表示画面を構成することから、放熱部材を側方に配設できないので後方に 延設している。然し乍ら、前述のＬＥＤ表示ユニットでは、放熱部材が、表示部 （１）の背面に密接して表示部（１）の発光駆動時の発熱を蓄熱するクーリング 用平板部（２）と、後方に熱伝導するための放熱板（１９）との二つの部材を固 定ねじ（２０）で連結した構成になっており、放熱板（１９）は駆動回路基板（ ４）および取付部材（３）の各々の挿通孔（１８），（１５）を挿通させてクー リング用平板部（９２）に連結しているが、駆動回路基板（４）は電子部品の実 装密度が高いことから挿通孔（１８）の形成のために多くのスペースを取ること ができない。そのため、放熱板（１９）の幅を大きくできず、この放熱板（１９ ）とクーリング用平板部（２）との接触面積も小さいために熱伝導性が悪く、放 熱性能が劣る問題がある。

【０００７】 また、放熱部材としてクーリング用平板部（２）と放熱板（１９）との２部材 を要し、その他に取付部材（３）やこれらを相互に連結するための固定ねじ（２ ０）を必要とし、部品点数が多いためにコスト高になっている。しかも、多くの 部品を互いに重ねて一体化した構成であるので奥行き寸法が大きくなり、後端部 において取付用脚部（１７）の嵌合爪を固定枠体に（２１）に掛着する取付手段 においては前方側の荷重が大きくなり、振動等により外れて前方に脱落する危惧 がある。

【０００８】 そこで本考案は、優れた放熱性能を備えるとともに、部品点数の低減と奥行き 寸法の短縮とを達成してコストダウンと小型軽量化を得られるＬＥＤ表示ユニッ トを提供することを技術的課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記した課題を達成するための技術的手段として、ＬＥＤ表示ユニ ットを次のように構成した。即ち、多数個のＬＥＤがマトリックス状に配置され た表示部と、この表示部の背面側に密接状態に配設されてＬＥＤの発生熱を後方 に熱伝導する放熱部材と、この放熱部材を貫通した接続用ピンにより各ＬＥＤに 電気的接続されたＬＥＤ駆動回路基板と、前記駆動回路基板に対し後方に突設さ れ固定枠体に嵌着される取付部材とを備えたＬＥＤ表示ユニットにおいて、前記 放熱部材が、前記表示部に密接するクーリング用平板部と、このクーリング用平 板部の側辺から延出して前記駆動回路基板の端辺の近傍を通り後方に突出する放 熱板部とが、金属板の曲げ加工により一体形成されてなり、合成樹脂により先端 部に嵌合爪を備えた形状に形成された複数個の前記取付部材の基端部分が、前記 クーリング用平板部の背面に一体成形により結合されてなることを特徴として構 成されている。

【００１０】

【作用】

放熱部材が、表示部に密接するクーリング用平板部にこれの側辺を屈曲して放 熱板部が一体形成された構成になっているので、クーリング用平板部から放熱板 部に効率よく熱が伝導し、しかも、一対の放熱板部は駆動回路基板を挿通するこ となくこれの端辺の近傍を通って後方に突出するため、放熱板部の幅を可及的に 大きくすることができ、極めて優れた放熱性能を得られる。

【００１１】 また、クーリング用平板部、放熱板部および取付部材が一体部品になっている とともに、これらを相互に連結するための固定ねじも不要となり、部品点数が低 減してコストダウンを達成できるとともに、部品点数の低減に伴って奥行き寸法 が小さくなり、安定に取り付けできる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の好適な一実施例について図面を参照しながら詳述する。図１は 本考案の一実施例の分解斜視図、図２は同平面図、図３は同右側面図をそれぞれ 示し、これらの図において図４および図５と同一若しくは同等のものには同一の 符号を付してある。そして、既存ユニットと相違する点は、既存ユニットにおけ るクーリング用平板部（２）、取付部材（３）および放熱板（１９）を互いに固 定螺子（２０）で一体化した構成に代えて、放熱部材（２３）を、表示部（１） の背面に密接する矩形状のクーリング用平板部（２４）と、このクーリング用平 板部（２４）の矩形状の対向２側辺の中央部を屈曲して駆動回路基板（４）の端 辺の近傍を通り後方に突出する放熱板部（２５）とを、アルミニューム板等の一 枚の金属板の曲げ加工により一体形成した構成とし、先端部に嵌合爪（２７）を 備えた形状となった４個の合成樹脂製の取付部材（２６）を、これの基端部分を クーリング用平板部（２）の背面における各放熱板部（２５）の両側位置、つま りクーリング用平板部（２）の背面における四隅部分に一体成形により結合した 構成を設けたことである。この各取付部材（２６）は、図２に示すように、クー リング用平板部（２）の背面の四隅からそれぞれ突設された突部（２８）をイン サート成形することにより放熱部材（２３）に一体化されている。また、クーリ ング用平板部（２４）には、既存のクーリング用平板部と同様の長孔状の８個の 挿通孔（２９）が配設されており、この挿通孔（２９）にターミナルピンからな る接続用ピン（８）を挿通させて表示部（１）の背面全体がクーリング用平板部 （２４）に接合されており、この各接続用ピン（８）の各々の端部が、図２およ び図３に示すように取付部材（２６）に形設された支持段部（３０）に当接され た駆動回路基板（４）に半田付けにより接続固着されている。尚、両放熱板部（ ２５）は、中間部においてそれぞれ屈曲されて取付部材（２６）に対し内方側に 位置されており、先端部分に取付孔（３１）が穿設されている。また、駆動回路 基板（４）には、既存ユニットにおいて設けていた放熱板の挿通孔の穿設が不要 となり、更に高密度に電子部品を実装できる。

【００１３】 従って、放熱部材（２３）が、表示部（１）に密接するクーリング用平板部（ ２４）にこれの側辺を屈曲して放熱板部（２５）が一体形成された構成になって いるので、クーリング用平板部（２４）から放熱板部（２５）に効率的に熱伝導 することと、一対の放熱板部（２５）は駆動回路基板（４）を挿通させないこと からその幅を可及的に大きくすることができることとにより、極めて優れた放熱 性能を得られる。

【００１４】 また、クーリング平板部（２４）、放熱板部（２５）および取付部材（２６） が一体化されているとともに、これらを相互に連結するための固定ねじも不要と なり、部品点数が低減して相当のコストダウンを達成できるとともに、部品点数 の低減に伴って小型軽量化され、特に既存ユニットにおいて別体となっていた取 付部材の厚み相当分だけ奥行き寸法が小さくなり、嵌合爪（２７）を固定枠体（ ２１）の係合部（２２）に掛止する取付手段にも拘わらず振動等に対しても脱落 することなく安定に保持できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案のＬＥＤ表示ユニットによると、表示部の背面に密接する クーリング用平板部と放熱板部とが一体化されているとともに、放熱板部を駆動 回路基板に挿通させないことからその幅を可及的に大きくできるので、極めて良 好な放熱性能を得ることができる。

【００１６】 また、クーリング用平板部、放熱板部および取付部材が一体化されていること と、これらを相互に連結するための固定ねじが不要になることとにより、部品点 数が低減して相当のコストダウンを達成できるとともに、奥行き寸法が小さくな り且つ小型軽量となるので、嵌合爪による掛止手段により取着するにも拘わらず 振動等に対しても安定に保持できる。

【００１７】 しかも、放熱部材が、表示部に密接するクーリング用平板部と、このクーリン グ用平板部の側辺から延出して駆動回路基板の端辺の近傍を通り後方に突出する 放熱板部とが一体形成された構成であるので、駆動回路基板は、既存ユニットに おいて設けていた放熱板の挿通孔の穿設が不要となり、更に高密度に電子部品を 実装できる大きな利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の分解斜視図である。

【図２】同上、平面図である。

【図３】同上、右側面図である。

【図４】従来例の分解斜視図である。

【図５】同上、切断平面図である。

【符号の説明】

１ 表示部 ４ 駆動回路基板 ８ 接続用ピン ２３ 放熱部材 ２４ クーリング用平板部 ２５ 放熱板部 ２６ 取付部材 ２７ 嵌合爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数個のＬＥＤがマトリックス状に配置
   された表示部と、この表示部の背面側に密接状態に配設
   されてＬＥＤの発生熱を後方に熱伝導する放熱部材と、
   この放熱部材を貫通した接続用ピンにより各ＬＥＤに電
   気的接続されたＬＥＤ駆動回路基板と、前記駆動回路基
   板に対し後方に突設され固定枠体に嵌着される取付部材
   とを備えたＬＥＤ表示ユニットにおいて、前記放熱部材
   が、前記表示部に密接するクーリング用平板部と、この
   クーリング用平板部の側辺から延出して前記駆動回路基
   板の端辺の近傍を通り後方に突出する放熱板部とが、金
   属板の曲げ加工により一体形成されてなり、合成樹脂に
   より先端部に嵌合爪を備えた形状に形成された複数個の
   前記取付部材の基端部分が、前記クーリング用平板部の
   背面に一体成形により結合されてなることを特徴とする
   ＬＥＤ表示ユニット。