JPH05329809A - 木材圧締装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 接着剤が塗布された複数枚の木材板を締め付
けるための木材圧締装置であって、複数枚の木材板１を
載置する支持フレーム11と、この支持フレームから立設
された一方の支柱体12の上端部に揺動自在に支持された
上壁フレーム15と、この上壁フレームを鉛直面内で揺動
させる揺動用シリンダー装置22と、他方の支柱体13の上
部に取り付けられて上壁フレームを支柱体13側に解放可
能に固定する固定具16と、支持フレーム上に載置された
木材板を締付中心に移動させる側部押圧用シリンダー装
置25と、上壁フレームに取り付けられて支持フレーム上
の木材板を締め付けるための締付用シリンダー装置24と
から構成したものである。 【効果】 支持フレーム上に載置された複数枚の木材板
を締付用シリンダー装置により押圧して締め付けること
ができるので、非常に簡単かつ効率よく所定厚さの板体
を製作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば木造船の船体に
使用される板体などを製作するための木材圧締装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、木造船の船体に使用される板体
は、薄い木材板を複数枚積層して、所定厚さにされてい
る。すなわち、この板体は集成木材とされている。

【０００３】従来、このように、薄い木材板を複数枚積
層して所定厚さの板体を得る場合、薄い木材板の表面に
接着剤を塗布するとともに、この接着剤が塗布された木
材板を複数枚重ね、そして万力またはボルト・ナットな
どの締付け具を使用して、締め付けて圧着させることに
より、所定厚さの板体を得ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の板体の製造
方法によると、複数枚の木材板を圧着させるのに、万力
またはボルト・ナットなどの締付け具を使用していたの
で、圧着作業が手作業となり、重筋作業であるとともに
作業効率が悪く、しかも長い板体を全長に亘って均一に
締め付ける作業に熟練を要するという問題があった。

【０００５】そこで、本発明は上記問題を解消し得る木
材圧締装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の木材圧締装置は、積層されるとともにそれ
ぞれの間に接着剤が塗布された複数枚の木材板を締め付
けて所定厚さの板体を得るための木材圧締装置であっ
て、複数枚の木材板を載置する支持フレームと、この支
持フレームの両側部に立設された左右の支柱部材と、一
側部が一方の支柱部材の上端部に揺動自在に支持された
上壁フレームと、この上壁フレームを鉛直面内で揺動さ
せる揺動用シリンダー装置と、他方の支柱部材の上部に
取り付けられて上記上壁フレームの他側部を支柱部材側
に解放可能に固定する固定具と、上記一方の支柱部材に
取り付けられて上記支持フレームに載置された複数枚の
木材板を締付中心位置に移動させる側部押圧用シリンダ
ー装置と、上記上壁フレームに取り付けられて上記支持
フレーム上でかつ締付中心位置に移動された複数枚の木
材板を締め付けるための締付用シリンダー装置とから構
成したものである。

【０００７】

【作用】上記構成において、積層された複数枚の木材板
を支持フレーム上に載置し、次に揺動用シリンダー装置
により上壁フレームを水平姿勢に揺動させた後、その他
側部を固定具により支柱部材側に固定し、そして締付用
シリンダー装置により、木材板の上面を下方に押圧して
木材板を締め付ければ、簡単かつ迅速に所定厚さの板体
を製作することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図６に基づ
き説明する。本発明に係る木材圧締装置は、比較的薄い
木材板を複数枚接着剤を介して積層するとともに締め付
けて、例えば木造船の柱、梁などに使用される所定厚さ
の板体を製作するためのものである。

【０００９】図１〜図４において、１１は接着剤を介し
て積層された複数枚の木材板１を載置するための支持フ
レームで、平面視矩形状に構成されており、勿論、製作
する板体２の長さに応じて長くされている。

【００１０】この支持フレーム１１の両側部から支柱部
材としての支柱体１２，１３がそれぞれ所定間隔置きに
複数個づつ立設されており、一方の支柱体１２の上部に
は、木材板１の長手方向と平行に配置された水平取付ピ
ン１４を介して、上記支持フレーム１１とほぼ同様の矩
形状をした上壁フレーム１５の一側部が揺動可能に支持
されている。

【００１１】また、上記他方の各支柱体１３の上部に
は、上記上壁フレーム１５を固定するための固定具１６
が設けられている。この固定具１６は、支柱体１３の上
端に設けられた上記水平取付ピン１４と平行な水平支持
ピン１７と、下部がこの水平支持ピン１７に回転自在に
支持されるとともに上端に上壁フレーム１５の他側部に
形成された係合凹部１５ａに係脱自在なナット部１９が
取り付けられた係合棒１８とから構成されている。

【００１２】したがって、上壁フレーム１５が水平姿勢
にされている状態において、係合棒１８を図３の矢印ｂ
方向に揺動させてナット部１９を係合凹部１５ａに係合
させれば、上壁フレーム１５を支柱体１３側に固定する
ことができる。勿論、係合棒１８を矢印ａ方向に揺動さ
せれば、その係合状態を解くことができる。

【００１３】また、上記一方の支柱体１２の外方位置に
おいては、上記上壁フレーム１５の一側部に連結ピン２
１により連結されてこの上壁フレーム１５を、図３の矢
印ｃ，ｄにて示すように、鉛直面内で揺動させる揺動用
シリンダー装置２２が２箇所に配置されている。

【００１４】また、上記上壁フレーム１５には、取付部
材２３を介して、木材板１を締め付けるための複数個の
締付用シリンダー装置２４が所定間隔置きに配置されて
いる。

【００１５】さらに、他方の支柱体１３側には、支持フ
レーム１１上に載置された木材板１の側部を押圧して木
材板１を締付用シリンダー装置２４の中心位置に移動さ
せるための側部押圧用シリンダー装置２５が複数個例え
ば５個設けられており、しかもこの側部押圧用シリンダ
ー装置２５は、締め付ける板体２の厚さに応じてその押
圧位置を上下方向で調整し得るようにされている。

【００１６】すなわち、この側部押圧用シリンダー装置
２５が取り付けられる支柱体１３には、図５および図６
に示すように、ガイド板３１が固定されるとともに、こ
のガイド板３１には、その両端縁部に沿って昇降自在に
案内される昇降体３２が設けられている。そして、この
支柱体１３の上端部から上部ブラケット板３３が突設さ
れるとともに、昇降体３２の上端部から下部ブラケット
板３４が突設され、さらに上部ブラケット板３３に取り
付けられたナット体３５にはハンドル付きのねじ棒３６
が螺合挿通されるとともに、その下端部が下部ブラケッ
ト板３４に回転自在に連結されている。なお、上記ガイ
ド板３１の中央部には、側部押圧用シリンダー装置２５
のロッド部２５ａを挿通し得る穴部３１ａが形成されて
いる。

【００１７】したがって、上記ねじ棒３６のハンドル３
６ａを回転させれば、下部ブラケット板３４を介して昇
降体３２が昇降される。すなわち、昇降体３２に固定さ
れている側部押圧用シリンダー装置２５が支柱体１３に
対して昇降される。

【００１８】次に、上記木材圧締装置の動作について説
明する。まず、係合棒１８を矢印ａ方向に揺動させた
後、揺動用シリンダー装置２２により、上壁フレーム１
５を矢印ｃ方向に揺動させて鉛直姿勢になし、両支柱体
１２，１３間の上方を開放する。

【００１９】次に、積層されるとともに互いの対向面に
接着剤が塗布された複数枚の木材板１を、支持フレーム
１１上に支持部材４１を介して載置する。次に、側部押
圧用シリンダー装置２５により、支持フレーム１１上に
載置された木材板１を、一方の支柱体１２側に押圧し
て、木材板１を締付用シリンダー装置２４の中心位置、
すなわち支持フレーム１１の中央部に移動させる。な
お、所定厚さのストッパー部材４２が予め一方の支柱体
１２の内側に配置されており、したがって木材板１をこ
のストッパー部材４２に当接するまで押し出せば、木材
板１が自然に支持フレーム１１の中央部に移動する。ま
た、この側部押圧用シリンダー装置２５は、ねじ棒３６
を回転させて、木材板１の側部を押圧するのに、適正な
高さに調整されている。

【００２０】次に、揺動用シリンダー装置２２により、
上壁フレーム１５を矢印ｄ方向に揺動させて、水平姿勢
にした後、係合棒１８を矢印ｂ方向に揺動させて、上壁
フレーム１５の他側部を他方の支柱体１３側に固定す
る。

【００２１】そして、締付用シリンダー装置２４を作動
させて、そのロッド先端に取り付けられている押圧部材
４３を介して、木材板１の上面を下方に押圧して木材板
１を締め付ける。

【００２２】このように、積層された複数枚の木材板１
を支持フレーム上に載置し、締付用シリンダー装置によ
りその上面を押圧して締め付けるようにしたので、所定
厚さの板体２を容易かつ迅速に製作することができる。

【００２３】なお、上記支持部材４１，ストッパー部材
４２および押圧部材４３は、木材板１のほぼ全長に亘っ
て設けてもよく、また複数箇所に適当な長さでもって配
置してもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明の構成によると、支
持フレーム上に載置された複数枚の木材板を、上壁フレ
ームに設けられた締付用シリンダー装置により、その上
面を下方に押圧して木材板を締め付けることができるの
で、従来のように作業者に負担を与えることなく、しか
も熟練していない作業者でも、非常に簡単かつ効率よく
所定厚さの板体を製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における木材圧締装置の側面
図である。

【図２】同実施例における木材圧締装置の平面図であ
る。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視図である。

【図５】同実施例の木材圧締装置における側部押圧用シ
リンダー装置部分の要部断面図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ断面図である。

【符号の説明】

１ 木材板 ２ 板体 １１ 支持フレーム １２，１３ 支柱体 １５ 上壁フレーム １５ａ 係合凹部 １６ 固定具 ２２ 揺動用シリンダー装置 ２４ 締付用シリンダー装置 ２５ 側部押圧用シリンダー装置 ３５ ナット体 ３６ ねじ棒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 重幸 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号 日立造船株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】積層されるとともにそれぞれの間に接着剤
   が塗布された複数枚の木材板を締め付けて所定厚さの板
   体を得るための木材圧締装置であって、複数枚の木材板
   を載置する支持フレームと、この支持フレームの両側部
   に立設された左右の支柱部材と、一側部が一方の支柱部
   材の上端部に揺動自在に支持された上壁フレームと、こ
   の上壁フレームを鉛直面内で揺動させる揺動用シリンダ
   ー装置と、他方の支柱部材の上部に取り付けられて上記
   上壁フレームの他側部を支柱部材側に解放可能に固定す
   る固定具と、上記一方の支柱部材に取り付けられて上記
   支持フレームに載置された複数枚の木材板を締付中心位
   置に移動させる側部押圧用シリンダー装置と、上記上壁
   フレームに取り付けられて上記支持フレーム上でかつ締
   付中心位置に移動された複数枚の木材板を締め付けるた
   めの締付用シリンダー装置とから構成したことを特徴と
   する木材圧締装置。