JPH05329587A - 板厚の大きな非晶質合金薄帯の製造方法 - Google Patents

板厚の大きな非晶質合金薄帯の製造方法

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JPH05329587A
JPH05329587A JP9121092A JP9121092A JPH05329587A JP H05329587 A JPH05329587 A JP H05329587A JP 9121092 A JP9121092 A JP 9121092A JP 9121092 A JP9121092 A JP 9121092A JP H05329587 A JPH05329587 A JP H05329587A
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JP
Japan
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slit
nozzle
amorphous alloy
width
slits
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JP9121092A
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Shun Sato
駿 佐藤
Toshio Yamada
利男 山田
Masahiro Fujikura
昌浩 藤倉
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚肉非晶質合金の製造において、従来の多重
スリット法の欠点であるブリッジ部の強度を高めノズル
の寿命を延ばす。 【構成】 多重スリット法において、隣り合うスリット
の間隔aを上流側に配置されるスリットの幅に応じて、
次の不等式を満足するように設定する。 5w≦a≦10w, 0.5mm≦w≦1.5mm ただしwの条件は最下流側のスリットには適用しない。 【効果】 従来の多重スリット法に比べてノズル構造が
シンプルになり、耐久性が著しく改善される。これによ
り、ノズルが安価になるとともに生産性が向上し、材料
コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス、リアクト
ル、モータ、センサなどに用いる磁性材料および高い強
度を要求される構造部材として用いられる板厚の大きな
非晶質合金薄帯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体急冷法によって作製される非晶質合
金は、電磁気特性、機械的性質、耐食性などが結晶性金
属に比べてすぐれ、生産性も高いことから広い分野で実
用化が進んでいる。しかし、非晶質合金には欠点もあ
り、これが応用範囲を制約している。非晶質合金の実用
上の欠点は、製造できる板厚が小さいことである。今
日、市販されている非晶質合金は薄帯状で、板厚は20
〜30μm程度である。このように薄いと、例えば電力
トランスの場合、積鉄心への適用は困難であるだけでな
く、巻鉄心においても鉄心の剛性が不足し、自重で変形
して磁気特性が劣化する。また、モータにおいても加工
工程、占積率が問題となる。
【0003】このような非晶質合金の板厚に関する欠点
を改善するために、本発明者らは特開昭60−1081
44号公報において複数のスリット状開口部をもつ多重
スリットを用いる片面冷却法を提案した。この方法は
0.2〜0.8mmの幅をもつスリットを0.5〜4mmの
間隔で配列した多重スリットノズルを介して、金属の溶
湯を移動する冷却基板に噴出して急冷凝固させて連続的
に薄帯を製造する方法である。この多重スリット法の採
用によって、例えばFe−Si−B合金の場合、板厚1
00μmを超える厚肉の非晶質薄帯の製造が可能になっ
た。
【0004】しかし、従来の多重スリット法にも問題は
あった。それは隣り合うスリットの間隔が最大4mmと狭
いため、スリットとスリットの間のブリッジ部の強度が
不十分なことである。鋳造が長時間にわたる場合、ブリ
ッジ部が変形したり摩耗によって狭くなり破損すること
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の多重
スリット法がもつ上記の欠点を改良した、板厚の大きな
非晶質合金薄帯を製造する方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、板厚の大きな
非晶質合金を製造する多重スリット法、すなわち、複数
のスリット状開口部をもつ多重スリットノズルを介し
て、金属の溶湯を移動する冷却基板の上に噴出して急冷
凝固させ、板厚の大きな非晶質合金薄帯を製造する方法
において、隣り合うスリット同士の間隔(a)を上流側
に配置されるスリットの幅(w)に応じて下記の不等式
を満足する数値に設定することを特徴とする板厚の大き
な非晶質合金薄帯の製造方法である。すなわち、5w≦
a≦10w、かつ、最も下流側のスリットを除くすべて
のスリットの幅は、0.5mm≦w≦1.5mmである。
【0007】スリットの間隔(a)およびスリットの幅
(w)は、図1に定義される。図1は、多重スリットノ
ズルの一つである3重スリットノズルを示している。上
流から下流に向かってスリット間隔およびスリット幅を
1 ,a2 ,w1 ,w2 ,w3 のように表示する。本発
明を図1の3重スリット法に適用するためには、下記の
条件を満たすように各スリット間隔、およびスリット幅
の大きさを設定する必要がある。すなわち、 5w1 ≦a1 ≦10w1 5w2 ≦a2 ≦10w2 0.5mm≦w1 ≦1.5mm 0.5mm≦w2 ≦1.5mm である。さらに、各スリット幅の相互の関係は、上流側
のスリット幅を下流側のそれ以上の大きさにすることが
好ましい。すなわち、w1 ≧w2 ≧w3 である。以上の
関係は、3重スリットの場合のみならず、本発明のすべ
ての多重スリットノズル法において満足すべき条件であ
る。
【0008】つぎに本発明をより具体的に説明し、従来
の多重スリット法との比較を行う。表1は、本発明の多
重スリット法のノズル形状パラメータを用いて、組成が
Fe79Si8 13(原子%)である合金を薄帯に鋳造す
るときの得られる薄帯の板厚およびノズルの耐久性を示
す。なお、ノズルの耐久性は、ノズル材料に石英を用
い、鋳造温度1300℃で、1回の鋳造量が5kgの条件
における同一ノズルの使用回数で示した。
【0009】
【表1】
【0010】表1から分かるように、比較例No.4,
5,6の従来法では最高3回の使用でノズルは破損した
が、本発明のNo.1,2,3では6〜11回の再使用が
可能であった。このように、本発明の提示する構造のノ
ズルを用いることにより、ノズルの耐久性は向上する。
また、同一板厚の薄帯が少ないスリットの数で製造でき
る。従って、本発明の方法により、厚肉非晶質薄帯が低
コストかつ効率的に製造できる。以上、石英を例にとっ
てノズルの耐久性を比較したが、ノズル材料の種類の違
いは本質的ではない。他の材質、たとえばSi3 4
BN,Al2 3 を用いる場合においても、本発明の提
示する構造のノズルは、従来のノズルに比べてすぐれた
耐久性を示すことは言うまでもない。
【0011】次に本発明で用いるノズルの構造を限定す
る理由を述べる。まず、最下流のスリットを除き、各ス
リットの幅wを0.5mm〜1.5mmとするのは次の理由
である。0.5mm未満であると、そのスリットの下流側
のスリットとの間隔aを4mm程度に狭くする必要があ
り、ブリッジ部の耐久性が不足する。一方、1.5mmを
超えるとパドルの安定性が低下して、薄帯の形状が悪く
なる。スリットの幅wとそのスリットの下流側に位置す
るスリットとの間の関係(5w≦a≦10w)を規定す
る理由は、aが上流側のスリットの幅wの5倍より狭い
場合、ブリッジ部の耐久性が不十分であり長時間の鋳造
に耐えられない。また、aがwの10倍を超えると薄帯
は結晶化してアモルファス薄帯の形成が困難になる。以
上の理由から、本発明において、用いるノズルの寸法を
限定した。なお、スリットの長さ、すなわち、図1の1
に対しては特に制限は設けない。
【0012】本発明の実施態様は次の通りである。所定
の組成をもつ合金、あるいはそのように配合された原料
をるつぼで溶解する。この溶湯を、るつぼの底面に設け
られた、本発明の規定する構造および寸法の多重スリッ
トノズルを通して、回転するCu製ロールの外周面に噴
出して急冷し、合金の薄帯を形成する。このとき、ノズ
ルとロールの間隔は0.1mm〜0.5mm、噴出圧力は
0.1〜0.5kgf/cm2、ロール周速は6〜30m/s と
するのがよい。このようにして得られた非晶質合金薄帯
は、本発明の主眼とするノズル耐久性など製造性の面だ
けでなく、機械的性質、磁気特性、耐食性などの性質に
関してもすぐれていることを確認している。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 (実施例1)スリット幅が上流から順にw1 =0.6m
m,w2 =0.4mm,スリット間隔a1 =5mm,スリッ
ト長さl=25mmである透明石英製の2重スリットノズ
ルを用いて、合金薄帯を製造した。ただし、合金の組成
は、Fe79Si8 13(at%)であり、1回の溶解量は
5kgとした。冷却ロールには直径60cmのCu合金製ロ
ールを使用した。鋳造条件は、ロール周速18m/s 、ノ
ズル/ロール間隔0.2mm、噴出圧0.2kgf/cm2 に設
定した。得られた薄帯の板厚は約50μmであり、表面
性状、形状ともにすぐれていた。X線回折の結果は、非
晶質合金特有のハローパターンを示した。また、単板試
験器で測定したアニール後の試料の50Hz,1.3Tに
おける鉄損(W13/50 )は、0.112W/kg,1Oeにお
ける透磁率B1 は1.52Tのすぐれた軟磁気特性を示
した。
【0014】使用後のノズルの状態は良好で、付着物を
酸で除去するだけで、再度の鋳造に供することができ
た。再度の鋳造後もノズルの状態は良好であり、酸洗を
行えばさらに4回の使用が可能であった。ただし、使用
回数の増加とともにスリットの幅がわずかずつ広がるた
め、広がりの程度に応じて噴出圧を低めに設定した。ト
ータル6回の鋳造後も、ノズルの状態は良好であった。
しかし、スリットの幅が初期の値に比べて30%程度広
くなったため以後の鋳造を中止した。スリットの広がり
の原因は溶湯との摩耗よりも、酸洗による影響が大きい
ことを考慮すると、本実施例の結果は少なくとも300
kgの連続鋳造に耐えることを示唆する。
【0015】比較のために、同一構造の2重スリットノ
ズルを、上流、下流の順序を逆にして、すなわち、w1
=0.4mm,w2 =0.6mm,a1 =5mmの条件で鋳造
した。ただし、その他は上記と全く同じ条件にした。結
果として、表面性状、および形状のよい薄帯は得られな
かった。生成物の大部分は、フレーク状となり連続した
薄帯が形成されなかった。フレークをX線回折で調べた
ところ、ハローパターンに重なる鋭いピークを検出し
た。これは生成物が結晶化していることを示すものであ
る。
【0016】(実施例2)スリット幅が上流から順にw
1 =0.8mm,w2 =0.6mm,w3 =0.4mm,スリ
ット間隔a1 =6mm,a2 =5mm,スリット長さl=2
5mmである3重スリットノズルを用いて、合金薄帯を製
造した。ただし、他の条件は実施例1と同一である。得
られた薄帯の板厚は約85μmであり、表面性状、形状
ともにすぐれていた。X線回折の結果は、非晶質合金特
有のハローパターンを示した。また、単板試験器で測定
したアニール後の試料の50Hz,1.3Tにおける鉄損
(W13/50 )は、0.133W/kg,1Oeにおける透磁率
1 は1.47Tのすぐれた軟磁気特性を示した。使用
後のノズルの状態は良好で、酸洗を行ってさらに7回使
用できた。溶湯との摩耗によるノズルの広がりだけを考
慮するとき少なくとも500kgの連続鋳造に耐えること
が推定できた。実施例1の比較例と同じように、上流と
下流の配置を逆に設定して鋳造した。結果は前と同様に
連続薄帯は形成されなかった。
【0017】以上の実施例の結果は、本発明が厚肉非晶
質合金薄帯を効率よく製造する上で、本質的なノズル条
件を規定するものであることを示している。
【0018】
【発明の効果】厚肉非晶質合金の製造において本発明の
方法を採用することにより、従来の多重スリット法に比
べて、ノズル構造がシンプルになるとともに耐久性が著
しく改善される。その結果、ノズルが安価になるととも
に量産性が向上し、材料の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる多重スリットノズルの構造と冷
却基板移動方向に対する配置を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスリット状開口部をもつ多重スリ
    ットノズルを介して、金属の溶湯を移動する冷却基板の
    上に噴出して急冷凝固させ、板厚の大きな非晶質合金薄
    帯を製造する方法において、隣り合うスリットの間隔
    (a)を上流側に配置されるスリットの幅(w)に応じ
    て次の不等式を満足する数値に設定することを特徴とす
    る板厚の大きな非晶質合金薄帯の製造方法。 5w≦a≦10w、かつ、最も下流側のスリットを除き
    すべてのスリットの幅は0.5mm≦w≦1.5mmとす
    る。
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DE112022002930T5 (de) 2021-08-17 2024-03-21 Hilltop Corporation Verfahren zur herstellung eines fe-si-b-basierten, dickschichtigen, schnell erstarrten legierungsbandes

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Effective date: 19961112